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1998年11月30日 月曜日
November Heat
今週は全国的(アメリカの「全国的」は日本の「全国的に」とはレベルが違う)に暖かく、NYも朝から10℃くらいあり、日中は15〜16℃くらいにまで気温があがるとのこと。コート無しの出勤だ。 晩秋から初冬にかけて暖かい日がある事をインディアン・サマーというが、TVの気象ニュースによると、今回のこの温かさは、インディアン・サマーとはいわずにノヴェムバー・ヒートと呼ぶとのこと。
こちらには法定室温とでもいうべきラインがあって、アパートや貸家の室温は法律で定められており、大家は以下の環境の提供が義務ずけられている。昼間:外気温13℃以下になったら → 室内温度20℃以上を保つ 上限については規定は無いので、概して過剰暖房のことが多く、冬のマンハッタンのアパートは暑い。真冬でも窓をあけて半袖にショーツという格好でいるのは普通だ。去年一年間を日本で過ごし、冬は室内でセーターやら長いパンツやらを着ることが出来て、家の中でも四季を感じることが出来たが、ここでは室内は一年中差ががない。
夜間:外気温4.4℃以下になったら → 室内温度13℃以上を保つ
1998年11月29日 日曜日
満足の週末
多くの人々が4連休を楽しんだこの週末、わたしの場合は金曜日が出勤で飛び石連休となったとはいうものの、午後3時半に会社が終わるという日だったので4連休に近い感覚はあった。 こういう週末の後に来る一週間がしっかりと5日間あるのはつらいものがある。しかし、今週末は良い映画が観られたので良い気分で月曜日を迎えることが出来る。
待望の、『ガタカ』観賞。大きな期待をもっていたのだが、それを更に上回った。目を見張る美しさのタイトル(後で意味があることが分かる)、色数を押さえた画面は美しく、もちろんストーリーも面白く、まったく魅了されてしまった。
この、近未来社会では、IDカードは不要。DNA情報で全ての管理がなされているので、髪の毛や皮膚の破片、血液など、どれかが少しでもあれば、その個人を特定出来て、生まれてからの全ての履歴が瞬時に分かってしまうのだ。便利な世の中だと思うが、映画は便利さをテーマにしたのではなく管理社会について皮肉を込めたのであろう。
1998年11月27日 金曜日
雲霞の如き大軍が押し寄せてきた
金曜日は休暇を取る人が多く、出勤途上の道もまるで正月の東京のように人が少ない。 ところが遅い午前中くらいから、FIFTH AVENUEはどこからともなく湧いてきた人で埋まっていた。映画「ANTS」を観ているようだ。 この群れの目的はただひとつ、買物なのだ。Thanksgiving Dayの翌日は、米国で一番のショッピング・ディだそうで、20%〜30%オフは当然、商品によっては70%オフなんていうのもあるそうで、客も小売店も熱が入る。
混雑が何よりきらいなわたしは、もちろん、そんな日に小売店に足を踏み入れるといった暴挙は犯さない。しかし、食事はせねばならぬ。 会社は FIFTH AVENUEに面している為、昼食にその人込みの中に我が身を投じるのは避けられなかった。歩くのもままならない人、人、人。 なんとか、いつものデリに辿り着き南部風サラダを買う。これはボリュームたっぷりで、夕方まで空腹にならずに済む優れものなのだ。おまけに美味しい。
夜、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』観賞。内容的には疑問な部分が多々あれどチベットの美しさには圧倒される作品だ。
1998年11月26日 木曜日
雨のサンクスギビング
11月第四木曜日は Thanksgiving Day のホリデイだ。歴史的にこの日は快晴、極寒となる事が多いのだが、今年は気温も48度(9℃)と温かく、おまけに雨という異例さ。 雨のなか恒例の Macy's Thanksgiving Parade は行われ、地域住民である私などは、通りを渡るのに30分かかるなどの影響が生じるというところは例年どおり。
一般的米国人にとっては、この祭日はファミリー・リユニオンの時であり、帰省ラッシュが起きる。 久しぶりに実家を訪ね、ロースト・ターキー、マッシュドポテト、パンプキンパイなどのサンクスギビング・ディナーをお腹がいっぱいになり動けなくなるまで食べ、ビデオゲームをして、といった過ごし方をするのだ。 従い、立場を変えれば今日は「七面鳥受難の日」となる。
1998年11月25日 水曜日
眺めのいい部屋
マンハッタンの不動産事情は、同じ間取りのアパートでも「VIEW付き」かどうかで価値が違う。 VIEWとは、窓からの眺めが良いかどうかということだ。セントラルパークを眼下に見下ろすのは一番良い眺めとされ、都会に広がる公園は四季おりおりの眺望を与えてくれる。 マンハッタン・スカイスクレーパー、つまり摩天楼の眺めも良いとされている。造形美の群落は特に夜間がきれいだ。しかし、公園の眺めをよしとするのは自然だが、建物が沢山見えるのを良い眺めとするのは、よく考えると不思議だ。 要は、自分以外の人々の生活の場の集落を眺めているわけで、例えば、われわれが蜂だとしたら、大きな蜂の巣が見える向きに自分も蜂の巣をつくろうか、ということになる。きっと、蜂はそういう事は考えないだろうな、と思いつつ、窓の外に目をやるときらきらと光る窓の明かりの群落が美しいと感じた。思っていたとおりだ。わたしは蜂では無いという証明がなされたのだ。
1998年11月24日 火曜日
暖かい日
今朝の気温は48度(9℃)と暖かくぽかぽかしていた。コートを着てない人も多いが半袖の人も見かけた。それも1人や2人ではない。3人だ。 いくらなんでも半袖で歩くほどは暖かくないと思うのだが、それは私の意見であり、彼等は気持ち良さそうに歩いている。寒さをものともしないのは、やはり先祖が寒い地域から来た人々で東欧系エスニック・グループ等に多い。逆にアフリカや東南アジアなど暖かい地方から来た人々はダウンコートにくるまり、それでもまだ寒そうにしている。日本人はというと、その中間ぐらいといったところだ。
日本のお土産に変形「ひよこ」を貰った。 形は動物ではないのだが、周りのカワの感じや、中身の黄身餡の感じからやはり「ひよこ」系に分類してよいだろう。写真撮影の前に食べてしまったので、記憶をたよりに復元したのが左図である。
1998年11月23日 月曜日
高額商品
数ヶ月前のウワサどおり、ネットスケープはAOLに買収されることとなりそうだ。値段は40億ドル、邦貨にして4800億円である。 その他にもここ数日ニュースで見かけた高額な商取引を以下にまとめてみた。
関係ないけれど、わたしが最近買ったものはというと、40ドル(\5,000)のが売り切れだったので、80ドル(\10,000)の留守電付電話を買ったが、この位の桁数だと、価格差が実感としてわかるが、ネットスケープ社の値段とバンカーズ・トラストの値段の差というのは実感が伴わない桁数。
商品名 品種 価格 円換算(@120) 購入者 ゴッホ自画像 絵画 US$71,000,000 \8,520,000,000 匿名者 NYヤンキーズ 野球チーム US$600,000,000 \72,000,000,000 売出中 ネットスケープ ソフト会社 US$4,000,000,000 \480,000,000,000 AOL バンカース・トラスト 銀行 US$9,000,000,000 \1,080,000,000,000 ドイツ・バンク
1998年11月22日 日曜日
あれから一年
一年前の今日、山一証券の自主廃業が日経ほかのメディアで報道された。その時は、その後に控えていた金融界の動きがこうなるとは思いもしなかった。 当時、東京勤務だった私は、その土曜日の夜は、たまたま金融関係の友人3人で原宿にある某イタリアン・レストランでディナーだったのだが、山一証券の話よりデジカメの話の方に重点が置かれていたと思う。事の重大さは全く分かっていなかったのだ。
あれから一年、いくつかの金融機関が倒産し、廃業し、そして、国有化された。他の銀行は、生き残りの為に大幅リストラに注力し、多くの銀行は業務、特に海外業務の縮小を行った。 「横並び」を重視して一斉に申請がなされた公的資金の導入は、バブルのつけの清算に寄与し健全な経営が確立できるのだろうか。日本発、世界行き大恐慌は御免被りたいものだ。
1998年11月20日 金曜日
ダン・ラザーから電話があった
電話を買い換えた。電話の部分は立派に機能していたのだが、留守番電話の部分が壊れてしまったのだ。一体型なので全とっかえとしたのだ。 古い方の電話機能に19ドルくらいで売っている留守電を買ってきて接続しても良かったのだけど、もう、4年前くらい前の物なので、どうせならと思い、新式のデジタル・フォンにしたのだ。 2ヶ月ぶりにボイス・メールの復活だ。
帰宅したら、早速メッセージが入っていた。 電話は、「ダン・ラザーのオフィス」からだった。「ハーイ! ダン・ラザーのオフィスのクレアです。☆◎□*▽について(つまり、なんだか分からない)、975-36XXに電話してください。」 電話すると、男の声で「CBS Newsです」(こちらの電話受付係は男も多い)。やっぱり、留守電にメッセージを残した人は、CBS News の キャスター、Dan Ratherのオフィスなのだ。でも、わたしに一体何の用事? クレアにつないでもらう。何いってるのだかわからないアクセントの人が出た。明らかに留守電のメッセージと同じ声、同じ話し方だ。 自分の電話番号と、メッセージのあった時間を言い、心当たりがないので、この留守電メッセージは無視するのことを告げて電話を切った。
間違留守電は結構ある。以下の様な件は前にあったものだが困ったと思った例だ。アンジェロは、いくらメッセージを残してもコールバックしてこないので苛立ってきていたのだろうか。 相手の連絡先がわかれば、電話番号が違っている事を知らせてあげる事も出来るが、あの病院の件みたいのは手のうちようも無い。
- どこかの病院からで
「大変です。危篤です。すぐ来るように。」とだけ言って慌ただしく切ったケース、- アンジェロ(知らない人だが「アンジェロだが、」というところだけ分かった)からのイタリー語の電話で、
連日かかってきて段々口調が厳しくなったケースとか、いろいろだ。
1998年11月19日 木曜日
ハエ男の恐怖
室内をやや大き目の黒い点が飛んでいる。窓をあけていると希に虫が入ってくる事があるが、また、窓から出て行く場合が多いので気にしないで作業などしたりしていた。
いつもの様に眠さの限界が訪れたので就寝タイムだ。各種機器の電源を落としてベッドルームへ行くと、壁に大き目の黒い点を発見する。 まさか、と思って接近してみると、蝿だった。一体どこからきたのだろうか。蝿は30階まで飛ぶのだろうか。いずれにせよ、このまま寝る事はできない。 捕獲作戦の履行だ。
スコッチテープ(セロファンテープ)を長めに切り取り、敵の死角(敵は複眼の持ち主だ!)から密かに近づく。 音を立てずに至近距離まで到達した。目にもとまらぬ早業で標的めがけてテープ攻撃発射。目標は一ミリの狂いもなくテープの中央に貼り付き、一回でしとめたのだ。 念のため角度を変えて第二弾も発射。十文字の技に捕獲された敵は白い壁にくっきりと敗北の姿をさらしたのだ。無念のあがきをも長くは続かない。 敵をごみ箱に埋葬するためにオペレーション・ティッシューのオーダーが発動されたからだ。 テープから逃げ出さないように、5枚重ねのティッシュで、そっと壁からハエごとテープをはがす。いやな感じだ。
突然「はえ男」のプロットを思い出した。 いま、この時に、この空間の秩序に何かの歪みが生じて私の分子とハエの分子が融合してしまったら・・・・・ つまらぬ妄想を払拭してオペレーション終了。ハエはダスター・シュートの彼方に葬り去り、わたしの寝室には平和が訪れたのだった。
1998年11月17日 火曜日
T-T Comet
今夜半、テンペル・タットル彗星(TempelTuttle Comet、T-T Cometとも書かれる)と地球の軌道が最接近し、しし座流星雨のピークが予測されているというのに朝からの雨は夜になっても上がらない。 33年に一度の天文ショウへの希望は捨てずに、準備をする。手早く夕食を済ませ、23:00から仮眠。
ニューヨークのピークは午前 2:30と予測されているので、三時間後の 2:00に目覚ましをセット。でも、目覚ましがオフになる数分前に目が覚めた。 早速、外を見てみると、雨はすっかりやんでいた。雲は多いが、上空の風が強いらしく、雲の流れは速く、ときどき雲の合間から夜空が見える。
観測は自分のアパートの居間からすることに決めていた。 部屋の窓は大きく、南と西の空は地平線まで何も遮るものは無く、東はビルが少しブロックしているが結構視界は開けている。窓を閉めたままでもよく見えるように窓ガラスも拭いた。 しし座は明け方東から見え始めるので東の空に向いているカウチに座り待機する。 観察の手引きなどのウエブ・ページを見ると、東に足を向けて寝ながら見るとよい、などとある。しかし、横になったら寝てしまうのは明白なので、モバイルPCを膝にのせてネットをうろうろしながら東の空も横目で眺めていた。 たまに窓辺から北以外の空全体を見たりもした。雲が多く、ときどき見える雲の隙間からみえるのも固定星ばかり。 5時過ぎまで見ていたが、一個流星があったような気がした、という程度であった。
でも、普段こんなに真剣に空を見ることはないので、固定の星達も、青みがかったのや黄色っぽいのや、赤っぽいのなど、様々な色が美しくて、日々の雑事を忘れたひとときを過ごせた。 窓ガラスがきれいになったという副産物も残した T-T Cometであった。
1998年11月16日 月曜日
ヒーローとは..
今日は、スペースシャトル・ディスカバリーのクルーの歓迎パレードがマンハッタンで行われた。
パレードの主役はなんといっても、ジョン・グレン上院議員だ。1962年に米国人として初めて地球の周りを旋回した飛行士は、今回、36年ぶりの宇宙体験をした。彼は、初飛行の後も、再び宇宙に行きたいという志願を繰り返したが、「"英雄"にもしものことがあったら」という理由で実現していなかったというもの。
今回の飛行は、「いくつになっても夢を捨てず、年齢に関係なく夢を実現させた」という、「希望」の演出ということだろう。 今日のパレードの後、市庁舎におけるセレモニーで、グレンは、「 We hope that this shuttle mission can inspire our young people to think not of what they can't do, but what they can do.(このミッションから、「何ができない」ではなく「何ができるか」ということを若い人々に感じてほしい)」とコメントをして、役目を果たしている。 経済が不況に向かっている時代へ向けて、カンフル剤を打ったアメリカ政府による大衆マニピュレーションは一応成功した様だ。
今回、彼はもう一つのメッセージを教訓として人々に示している。それは、「時代を見極める」という事だ。
第一回の飛行当時、グレンとともに訓練を受けていた宇宙飛行士候補生にはグレンよりも優秀な成績を収めた女性もいたが、結局、当時の米国では女性宇宙飛行士の誕生は実現しなかった。政府が急遽「宇宙飛行士は空軍パイロットの経験者に限る」という条例を発効させたからだった(当時、女性の空軍パイロットは存在しなかった)。 その時のグレンのコメントは「宇宙船は男が飛ばす。それが米国の秩序だ。」というコメントをしてショービニストぶりを発揮していたが、時代的環境により、非難される事はなかった様だ。そんな彼の過去は、「夢を捨てなかったヒーロー」という事で不問となった様に 見受けられる。
時代の波に乗れば、不適切な過去は消し去ることができるという好例を人々に示した。どこかの国の政府は手本としてよく見ておくと良い。
1998年11月15日 日曜日
流星雨
昨日観た映画では、隕石が暴力的に降ってきて地球壊滅の危機が生じたが、今週の火曜日から水曜日にかけて、危険のない流星雨を見る事ができるかもしれない。流星雨は100個から数百もの流星が短時間に表れる現象。
流星と隕石は似ているが異なるもの。整理すると、・ 隕石は、小惑星または月や他の天体の欠片。 小惑星が金属を含む石で出来ているのに比べ、彗星は基本的には氷の塊だ。彗星の「尾」は氷が太陽熱などで融けたものだ。 彗星およびその尾には微量の砂が混じっていることも多い。この含まれている砂が大気と高速でぶつかることによりプラズマ化し、空気中の分子と衝突して地上120km数から80kmくらいの位置で光って見えるのが流星なのだ。
・ 流星は、彗星の欠片が光るもので、砂の様なゴミが光っている状態に近い。
彗星も地球も夫々の公転軌道により太陽のまわりを回っているので、定期的に接近する時期があり、たとえば、テンペル・タットル彗星と地球は33年毎に接近する周期となっている。 しし座流星群は母彗星が近づく年の前後に活発に活動する傾向が過去に観察されていて、今年その33年目にあたるという事なのだ。 彗星が地球に近づくと尾の部分の細かい砂が地球に降り注ぐ可能性も高くなり、流星群("meteor shower")、または、流星雨("meteor storm")が発生する事になる(流星群と流星雨の違いは数の多さ)。
今回、観測の可能性があるしし座流星群は、テンペル・タットル彗星を母彗星とする流星群。 出現のピークと推定されるのが日本時間11月18日04時、NY時間11月17時14時。この時間は母彗星の軌道と地球が最も接近する時であるので、流星雨の時間とは一致しないことも多い。たくさんの流星が見えた時の為に、願い事の準備でもしておこう。
1998年11月14日 土曜日
おいしい水
ニューヨーク市は水が良い。東京に居た一年の間悩まされつづけた皮膚のトラブルもすっかり消えた。 ただし、味の方はいただけない。日本ではボトル入りミネラルウォーターだけではなく水道水も飲用にしていたが、NYでは飲むのは100% ボトルド・ウォーターだ。 ボトル入り水には、蒸留水とミネラル・ウォーターとがあるが、わたしは後者を買う。 日本では「エビアン」を買うことが多かったが、これは日本で売っている水の中での消去法によるものであって、特に好きだったわけではない。 一番好きなのは「NAYA」(カナダの水)だが、最近は近所で売ってないので、「ポーランド・スプリング」(USAのメイン州の水)を買うことが多い。発泡性では、前は「ペリーエ」(フランス)を定番としていたが、例のベンゾール混入事件以降なんとなく買わなくなり、今は「サン・ペルグリーノ」(イタリア)が冷蔵庫の常連となっている。
これらの水は美味しいのだが、とにかく重い。一回に買うのは4000ml〜5000mlが限界なのだ。 朝、ベーグルを買いに行くときにガロン(3.78リッター)ボトルを買うのが土曜日の始まりなのだ。
午後は久しぶりに劇場で映画『アルマゲドン』観賞。地球と衝突軌道にある小惑星から地球を救う話なのだが、沢山の小さい隕石がニューヨークに落ちてきて街はめちゃくちゃになる。 こういう場合は、"バイク・コップ" も手も足も出ない。
1998年11月12日 木曜日
NYPD
米国のおまわりさんの乗物としては、パトカー、オートバイ、馬(騎馬警官)、そして、自転車などが主要なものだ。 自転車のおまわりさんは、日本では「駐在さん」がちょっと巡回に、といった感じの、ほのぼのムードが漂うが、NYPD(New York Police Department)の自転車は一味も二味も違う。 黒っぽいカジュアル・ウエア、ニットシャツの上にはブルーの「NYPD」がくっきりとしたジャンパーに身を包んだ彼等は、乗るのも、マウンテンバイク風のスポーティーなバイクで、とても格好が良い。
「バイク・コップ」または、「NYPD」という題で映画がつくれそう。 バイクに乗ったきびきびした警官チームが街の犯罪に立ち向かうストーリーだ。 渋滞したNYの街を颯爽と走り抜けるバイク・コップ、階段だって平気なマウンテンバイクだから犯人を追って地下鉄の駅でもビルの中にでもバイクで追跡できるのだ。 シリーズものもいける。まだ無いのが不思議だが、いかにも魅力的なシーンの連続ではないか。そんな架空の映画を想像しながら、NYの街を歩くのは実に楽しい。
1998年11月11日 水曜日
商品券
数週間前にはじめて聞いた時は、冗談かと思っていた「商品券」構想がとうとう実現化されるとのこと。 15歳以下及び高齢者を対象に一律2万円の商品券を配るという政府が日本だ。総額7000億円、うち、印刷費、事務費には 35億円もの大金が必要になるとのこと。 この国の政府は、これで景気刺激になり経済が立ち直ると、どこまで本気で思っているのか、皆目見当がつかないが、ほんとうにこの国は大丈夫なのだろうか、と真剣に思う。 わたしの生まれた国、わたしのナショナリティーがある国が消滅する様でかなしい。(怒る気もおきない)
1998年11月10日 火曜日
レジストリ・エラー
出勤前に30分ほどネットにつなぎ、マーケット情報やらお天気情報やらその他の何個所かの決まったサイトを見ていくのが毎朝の習慣だ。 今朝も3つあるISPのうちの一つに接続、接続スピードはあまり上がらなかったが回線が空いてる時間帯なのでさくさく検索。あと2個所ほどでルーチン終了、そろそろ出勤時間という時に、そこに突然ポップアップ・ウインドウが出現した。 Windows95からのメッセージであった。「レジストリ・エラー。レジストリを修復するかあるいは Windowsをインストールし直す様に。さもなくばすべてのデータが失われるかもしれない」などと脅し文句が書いてある。
冷静に考えればレジストリが壊れたくらいで「全てのデータ」が消えるわけはないことはわかるのだが、低血圧のわたしは、朝は脳細胞のクロックスピードが50MHzくらいしかあがらないので、事情の把握ができていない。 画面はフリーズしなかったが、わたしはフリーズした。
Win95のリ・インストールは気が進まない。それに、今は会社に行かねば。回線だけ切断して、すべてはそのままにしておき帰宅後に続きをすれば良いのだ、と頭ではわかっている。 しかし、そもそも、どのレジストリが壊れたのだろうか、くらいは突き止めておかないと会社に行っても仕事が手につかないだろう。試しにデスクトップにおいてある「エクセル」ほかいくつかのショートカットをクリックしてみると、どうも、このあたりが怪しい様だ、と推測できた。 いつもの出勤時間はとうに過ぎている。でも、前述の脅し文句を羅列した小窓を「OK」にしたら次に出てきた小窓の「今すぐ修復する」というボタンが気になる。修復してくれるなら世話ないではないか、と思い、クリックしてみた。なんてことはない、「修復はできなかった。リブートせよ。」とのお返事。 めんどうなのでリブート。デスクトップのプロファイルが初期値に戻っていた。
ちょうど良いチャンスなので、帰宅したらデスクトップの整理をする事とした。 自分ではそうは思っていないのだが、私のデスクトップは結構アイコンが多くて「ちらかってる」らしいので。。。
1998年11月 7日 土曜日
ベッドで朝食を
土曜日の朝は、近くのベーカリーにベーグルを買いに行く事から始まる。フレッシュなベーグルを半分に切り、クリームチーズをたっぷり塗って、マグカップになみなみと注いだ美味しいコーヒーと一緒に、ゆっくりとした朝食はウイークエンドの始まりにふさわしい。
よくアメリカの映画などで、ベッドで朝食を食べているシーンがある。コーヒー、ジュース、卵料理、パンなどが乗ったトレイをメイドや執事が運んで来て、ベッドの上にセットするのだ。 あれが、わたしには分からない。まず、コーヒーやジュースをこぼす事はないのか心配だ。それは、熟練で大丈夫としても、パンを食べるときはどうしたってパン屑が落ちたりする。 ベッドの上に落ちないように気をつかって食事しても美味しくないだろうに、と思う。こぼれた食物は執事がきれいにするのでかまわないのだろうか。 それに、そもそも、食事をするときは、ちゃんと起き上がって椅子に腰掛けて食べたくはないのだろうか。 病気でも無いのに、何故ベッドで食事しなければいけないのだろうか。不思議でならない。
1998年11月6日 金曜日
'21' Club
金曜日は昼間の時間経過が早い。夕方、ヘアカット。そのあと、久しぶりに '21' Clubへ寄った。 ここは、1920年から1933年まで続いた米国禁酒法時代のスピークイージーのなかで最も有名なものであり、ロアリング20'sを謳歌していた。この店も 何回か政府の手入れにあったが、酒類をたちどころに下水に捨ててしまえる仕組みや秘密の扉などの様々な仕掛けにより一回も連邦職員が酒類密売の証拠を見つける事は無かった。 禁酒法が廃止された後も、評判の高さを保ち店はレストラン&バーとして継続して今日に至るという由緒ある店だ。 店は、なにしろ出来るだけ当時のままを保っているので、2トンの重さの隠し扉なども現存していて、壁にかかる絵画類とあわせ歴史にひたれる。 地下のワインセラーは10人〜15人くらいのプライベートパーティーに貸し切りで使うことも出来る。 店の名前 '21'は住所に由来しているが、また、そのワインセラーが21番地とその隣の19番地の間のトリックを用いたことも合わせて命名したと推測する。 他の国ではまず有り得なかったであろう禁酒法という法律の存在がいかにも「アメリカ的」であり、その生きた証拠が楽しいアメリカの歴史的スポットといっていいだろう。
1998年11月 4日 水曜日
中間選挙
昨日、11月3日米国はエレクション・デイ。今回は議会の一部議席および一部の州知事が選挙対象。
米国では、現職大統領の属する政党は中間選挙では負けるという傾向が過去にあった。しかし今回は、共和党(Republican)が議席を減らし、実質的には民主党(Democrat)の勝利という異例の結果となった。 やはり、しつこくクリントン大統領のセックス・スキャンダルに固執したのがたたった様で、以前の日記に書いたように、国民、納税者は、安定した経済と豊かな生活に努力する政府に興味があり、大統領の性生活には関心がないという事だ。 それがわからない大馬鹿の共和党はようやく目がさめたらしい。
1998年11月 3日 火曜日
長い爪
爪を長く伸ばす人がいる。インドでは、生まれてから爪を切らないという事を誇りとする人々がいる地方があるという。何メートルにもなった爪は、渦巻き状態となっていて、勿論自分では食事すら摂れない。身の回りのことすべてをやってくれる人がいるのだ、という金持ちのステータスシンボルだそうだ。
ここまで極端ではないとしても、1〜2cm程度の長さに爪を伸ばしている人は見かける。主に女の人に多いが、長くした爪にネイル・アートを施したりと、それはお好みだが、長さも度を越すと日常生活に特別のテクニックを要する様になる。
オフィスで見かけた長爪女性達の生活の知恵は、例えば電話。爪が邪魔して押せないらしくて、ペンや鉛筆でピポパとする。キーボードは指の角度を工夫しているのか、なんとか打っている。 また、たとえば、エレベーターを呼ぶボタン。最近はプッシュ式ではなくタッチ式のものが多い。手に持った物体で触れても駄目で、皮膚でタッチしないと反応しない。これができない人がいる。爪が長すぎて皮膚がボタンにとどかないのだ。 指を折り曲げて節で押したりしてもうまくいかなかったりで、結局、乗り合わせた別の人に押してもらってた女性がいた。ひとりだったら、行きたい階にたどりつけなそうだが、どうするのだろうか、と思った。
1998年11月 1日 日曜日
自炊挑戦顛末記
今日は自炊に挑戦。用意するのは、米。金曜日に買っておいた「錦」という高級米を会社の人に教わった方法で電子レンジで調理してみることにした。以下の方法でおいしいごはんが出来上がる筈であった。
買ってきた米の説明書には、米 1-1/2カップに対し水2カップとある。そのままでは容器に入りきらないので比率計算を行う。さすが、銀行員、調理のときも電卓片手。つまり、米 1に対して水 1.33を耐熱容器に入れる、ということなので容器に見合った量を決める。 ガラスのボウルに米投入、水を注ぎ入れて、ラップして穴をあけて電子レンジの中へ。20分後を楽しみにスイッチ・オン。
- 米のパッケージに書いてある説明にある通りの分量の米と水をマイクロウエーブ・セイフの容器にいれる。
- サランラップをかけ、上に小さな穴をポツポツとあける。
- 電子レンジ「強」にて20分加熱後、少しそのままにしておく。
結果は、というと大惨事に遭遇してしまった。 とりあえず10分くらい経過したところで、点検したら、なんと、電子レンジの中では大噴火が起きているではないか。ガラスボウルから米色のどろどろ湯が溢れ出して、電子レンジの中が大洪水になっている。 大変! 一旦、電子レンジをとめて、ボウルも出し、中をきれいにしててから、溢れたと思われる量の水を足して、ラップして穴を開けて再スタート。こんどは、「弱」にしてみる。それでも、少し水が溢れた。それでも、なんとか、ゴハンらしきものはできあがりました。
すこしシンがあるごはんだったので、これはスペイン風だなと思いながら、ちりめんと鮭フレークと海苔で頂きました。今度は、ボウルのぎりぎりまで水を入れないで、米と水が混ざり合ったマグマ状態のものが噴出しないように容器に対して控えめの量で試してみようと思った。
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