『 アルマゲドン 』
Armageddon (1998) USA 2hrs. 24mins.
地球に大量の隕石が降ってきて、パリ、香港、ニューヨークなどの都市に被害をもたらした。アールデコの傑作であるクライスラー・ビルもぽっきりと折れてしまった。 そして、テキサス州ほどの大きさの小惑星が地球に衝突する軌道にあることが判明、残された時間18日以内になんとかしなければ、地球上の全ての生物は死滅する。 小惑星にドリルで穴をあけてそこに核爆弾をしかけて爆発させてしまい地球への衝突を防ぐというプランが実行にうつされる。 選ばれたのは、地球に穴を掘りつづけて30年、石油採掘のプロフェッショナルのハリー(ブルース・ウィリス)。彼は、自分の仲間をスタッフとして宇宙に連れていくことを条件に、この地球を救う任務を引き受けた。 石油リグで働く、穴掘りのプロ達は12日間で宇宙にいく訓練を受け、いよいよ宇宙へ飛び立った。ロシアの宇宙船で燃料補給をして、その後、月の裏側経由小惑星に着陸。穴掘り作業を行う。
ハリーの娘にリヴ・タイラー、彼女のフィアンセとなるハリーの仲間にベン・アフレック。
ブルース・ウィリスがいつもの様なタフガイをいつもの感じで演じて最後はヒーロー、という例のパターン。
地球を救う為に宇宙に行くのが、石油リグから引き抜かれた荒くれ男達、という設定なので、彼らのプロフェッショナリズムや、職人としての人間関係などが面白く描かれるのかと思ってみていたら、彼らは、殆どただの間抜けでした。 訓練を終えた彼らが、NASAの服装で並んで歩いていると、誰かが「Wrong stuff」(もちろん、画面は「The Right Stuff」のパロディー)というところが笑えた以外は人物設定に意味は見られなかった。 アメリカ大統領がテレビで演説する、「わたしは米国大統領として話しているのではない。人類全体の・・・・」というくだりは、ID4、Deep Impact、などこの手の映画に共通したアメリカ・ナショナリズムで、笑ってしまったが、映画館の中でこの場所で笑っていたのは私だけだった様だ。 今回の「アメリカ大統領」は数回登場するが影がうすいので、「人類代表」の可笑しさもうっかりすると見落としそうだ。
彗星が惑星になり、地球上の人々主役の話が小惑星での作業部分にかなりの重点をおいたという以外は、『ディープインパクト』と類似したプロット。ただし、ディープインパクトよりかは、こちらの方が、大分インパクトはある。
この映画をSFと捉えると、その「S」の部分つまり科学的根拠や描写のあまりのお粗末さに愕然とするところだが、「たまたま舞台が宇宙の冒険アクション。SFX付き。」としては充分楽しめる。 特に、始めのNYが隕石によって破壊されていくところ、後半の、パリが隕石で壊滅するところ、この二ヶ所だけでも見る価値はある。 従い、この映画を観る場合は、劇場であるべきだろう。
2時間24分は長い。トリムして1時間半にまとめれば娯楽作としてぐっと良くなると思った。 (11/14/98)
dir: Michael Bay
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