『 セブン イヤーズ イン チベット 』

Seven Years in Tibet (1997) USA 2hrs. 19mins.

第二次大戦中、英国軍に戦犯として捕られたオーストリア人登山家ハインリック・ハーラー(ブラッド・ピット)が、収容所で知り合ったピーターと脱出し、チベットで7年間を過ごした実話に基づいた映画。

前半は山岳シーンが多く、中盤は禁断の聖なる都市ラサ(Forbidden City of Lhasa、ダライ・ラマのホーム)に辿り着きそこでの住民達との交流、生活そしてダライ・ラマとの出逢い、と時間がながれていく。 後半は中国によるチベット侵略で、政治色が強まる。映画は直接的に中国の政策に対する非難はしていないものの、平和を愛する人々を暴力的に征圧していく中国兵と、温和でインテリジェントなダライ・ラマの笑顔を対比させることがこの作品の中国への抗議なのだろう。 もちろん、見解は中国では無いサイドからの一方的なものではあるけれど。

一番印象に残った会話は、登山家が登山について説明するシーン。チベット人が「一体なにが登山の意義なのか」といった問に対し、ハインリックは「トップ(頂上)に行くのを競うのが英雄なのだ」と応える。それに対しチベット人は「私たちの文明と、あなたたちのものが如何に違うかの例ですね。私たちは自己のエゴを如何に無くすか努力しそれを極めた人が英雄となる。」と応える。 チベットの自然、澄んだ空気を感じ取った名場面でした。
ただし、チベットで撮影することはできないので、実際の撮影はアルゼンチンで行われたとのこと。(11/27/98)

dir: Jean-Jacques Annaud

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