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feb 01 01  thu

にがうり



にがうりを食べた。細かく切ってとろりと煮込んだ料理で味はやはり苦かった。 でも、何回かたべているうちにクセになりそうな、そんな予感の味。

食べたのは初めてだが、形は知っていた。太目の胡瓜にイボイボが沢山ついたルックス。 初めてコレを食べようと思いついたひとは、よほど空腹だったのか好奇心が果てしなく強かったかのどちらかだろう。

リンゴやサクランボウなど見るからに美味しそうで、その味を知らなくてもつい口にしてみたくなる食べ物と、 キウイ(フルーツ)、アヴォカドなど、その外観からは食指が全く動かないけれど勇気ある先祖により味を知るに至ったという、にがうり的なものとに分かれる。

にがうり的な食品を食べる方が大人風味な気がする。


♯  Today's BGM = The Nightfly by Donald Fagen

(s=0145-0800; esb=ffffff,ffffff,ffffff; h:46/ 7C, l:34F/ 1C 晴れ )

 

feb 02 01  fri

日航機ニアミス事件の報道



日航機ニアミス事件、最接近時は10メートルだったと。ぶつからなかったのが奇跡のような距離だ。 原因は管制塔からの指示がまちがっていた事だそうで、それも、指示を出した管制官は見習中だったとのこと。 ただしそばに教官がついていたが教官も便名を間違えて指示を出すという同じ過ちをおかしたというのが真相らしい。 だが、ここに日本のマスコミの喜ぶネタがあったので鬼の首をとったようなはしゃぎ過ぎの報道が目に付いた。 記事には管制官と教官の性別を明記したものばかりだったのだ。 その見習管制官は男、教官は女、つまりオンナの教官なんてやっぱりダメだということは日本のマスコミにとっては極めておいしいネタらしく、中世の魔女裁判の再現かとしか思えない煽動ぶりに対する驚きのほうがニアミス自体より事件的だと感じる。

今日は、Groundhog Day。世界で一番有名なグラウンドホッグは フィラデルフィア州 Punxsutawney に住む天気予報士フィル。フィルが冬眠からさめて穴から出てきたときに自分の影をみなければ春はもうそこまで来ているといわれているものだが、フィルは自分の影をみたようで冬はまだ 6週間ほど続くようです。 ニューヨークなら曇っていたので影をみなかっただろうに、フィラデルフィアは晴れていたもよう。

Groudhog Day は、2月 2日 聖燭祭(カソリックの祭日)動物が影を落としたら悪天候が来るというドイツの迷信に由来があるという。


♯  Today's BGM = Music From Penguin Cafe by Penguin Cafe Orchestra

(s=0100-0800; esb=ffffff,ffffff,ffffff; h:44/ 6C, l:24F/ -4C くもり )

 

feb 03 01  sat

ぎっくり腰



会社で再び箱詰め作業。キャビネットを三つの中身を箱詰めにして文書保管外部委託に送るのだ。 一昨日 9箱、一日の休憩をはさみ、今日は 7箱を目標とした。 最後の箱を詰めて持ち上げたところでそれは起きた。 「ぴきっっ!」 という音がして全身に激痛が走り、一旦持ち上げかけた箱を落とした。そこで記憶は一瞬途切れる。 気付いたときは、落とした箱の上に座り込み、そのまま動けなくなっていた。

すぐに同僚が発見してくれて、とにかく横になると良いと、長椅子があり空いている部屋を探し、そこで横になる。 彼も最近ぎっくり腰をやったばかりなので「とりあえず最初は安静が大切」と親身になってくれる。 すこし休んでいたら別の人がやって来て、牛乳で胃に膜をつけてからバイエルのアスピリンを飲んで寝ると良い、など話していく。 しばらくしたら少し動けるようになったので机に戻る。 途中に手すりがあるとすがってしまう。生まれて初めて手すりの意義を実感した。 気付くと痛い場所に手を当てている。別に魔法の手でもなんでもないのに。 机のまわりを片付けてハイヤーで帰宅したが乗り降りもかなり大変だった。

家にたどり着いて最初にした事は、動けなくなった時の準備だ。 電話と緊急用の電話番号を書いた手帳を常に手の届くところに置く。 救助隊が駆けつけた時の為に室内も少し整頓。 散乱している書類を適当にまとめ、面倒なので殆ど捨ててしまう。 それにしても花粉症とぎっくり腰は最悪の組み合わせ。クシャミが腰にひびくのである。 クシャミが出そうになる都度、一番ラクなポーズをとって来(きた)る衝撃に身構えるようになった。

書斎の椅子に座っているのは背もたれに寄りかからなければ比較的楽なのでネットでぎっくり腰を調べる。
そして翌朝、すなわち今朝、ベッドの中で目覚めたら昨晩寝たのとは違う方向を向いていたので無事寝返りをうったらしい。 さて、動けるかどうか。 一瞬、知るのが怖い気もしたがそろそろと体を動かしてみると大した痛みは感じない。 思い切ってゆっくりと起き上がってみる。起き上がれた。昨日より悪くなっているという事はなさそうだ。 家の中なら、のそのそとではあるが自由に動きまわれる。食べ物も水も 2〜3日分は充分にある。 観てないビデオ、読んでない本もたっぷりある。ネットも出来るし。

昨日の午後、脳内にイメージのあった、微動だにできず、そのままミイラになってしまうという最悪のシナリオはとりあえず免れた様だ。


♯  Today's BGM = Together by Layy Coryell & Emily Remler

(s=0100-1000; esb=ffffff,ffffff,ffffff; h:32/ 0C, l:26F/ -3C 晴れ )

 

feb 05 01  mon

カラー麺



最後のお餅を食べた。焼いて醤油をつけて海苔でサンドウィッチにして食べる磯辺巻である。 食べ終わってメールチェックしたら友人からのメールにお餅を焼いたとあった。 正月に調達した餅が最後になる、そんな時節なのだ。

友人の餅の食べ方はというと、ラーメンをつくりそこに餅を入れて、カラーメンにした、とあるではないか。
「カラー麺・・・?」 餅を入れると色付き麺になってしまうのか??
しかし、その後に但し書きがあり、Color Men じゃなくって、力ラーメン(ちから・ラーメン)だと。
餅を入れたらラーメンが総天然色に変化する訳もないけれど、一瞬パズルになった。

今日は、会社を休んだ。 金曜日の午後、仕事中にいためた腰がまだ具合がわるく自由に動けないので自宅静養としたのだ。 朝の雨が昼前から突然雪にかわり夜になっても降り続いている。 こんな日はタクシーもつかまりにくそうだから休んで正解(長時間歩行出来るまで回復していないので、出社するとしても車)。


♯  Today's BGM = Kicking Cans by Dori Caymmi

(s=0130-0850; esb=ffffff,ffffff,ffffff; h:38/ 3C, l:32F/ 0C 雨のち雪 )

 

feb 06 01  tue

社会復帰



朝起きたら、かなり自由に動けるような気がしたので、バックパックにシステム手帳や新聞を詰めて出社する事にした。

午前中は不自由さが残り出社は早まった決断だったか、もう一日休むべきだったかとも思ったが、 午後になり随分と良くなってきて、椅子の背もたれによりかかれる様になったので大分らくになった (昨日までは立っているのが一番ラクな姿勢だったのだが、しかし、やはりずっと立っていると疲れるしといった状態だったのだから)。 この分では、あと少しで自然治癒完了となるような予感すらした。

ところが、帰ってきたらアパートのエレベーターが故障(5年くらい住んでいて初めて)していて33階まで歩いて昇らざるをえなかった。 これで症状悪化などということがない様に祈るばかりだ。

今回の腰痛で、今まで分からなかった立場の気持ちが理解できるようになったのは収穫だ。 人間でここまでカメの気持ちになれたというのは貴重な体験だったと思う。一回で沢山だが。


♯  Today's BGM = Kicking Cans by Dori Caymmi

(s=0130-0800; esb=ffff00,00ff00,00ff00; h:42/ 5C, l:34F/ 1C 晴れ )

 

feb 07 01  wed

トップを目指す競争 (Annual Fleet Empire State Building Run-Up)



今朝、エンパイヤ・ステート・ビルディングでは毎年恒例のある競争が行われた。
24th Annual Fleet Empire State Building Run-Up - エンパイヤ・ステート・ビルディングの階段をロビーから86階の展望台まで駆け上るというレースである。
世界から集まった参加者150名が階段総数1500段以上を駆け上がりトップを目指し、第一位となった走者のタイムは約10分だったそうだ。 狭い階段を大勢のランナーが押し合いへし合いのレースは快適ではなかったとは出場者のコメント。 賞金の一万ドルはチャリティに寄付されたとの事。

昨夜、地上から自宅のある33階まで歩いて階段を上がったが、それより四倍以上あるだろう。 昨晩はいためた腰をかばってゆっくり上がったので15分もかかったが、今度、健康が戻ったら自宅まで駆け上がってみたいと思った。

待ち合わせに遅れてきた友人に「遅いじゃない」といったらきょとんとしている。 後で分かったのは、わたしの腕時計が 5分ほど進んでいたのだ。 わたしの腕時計は電池式ではなくてパペチャル(腕の動きでローターが回りねじを巻く「自動巻き」)なので、2日ほど時計をはめないでいると動力の蓄えを使いきり時計は止まる。 週末は大抵腕時計をしないので、月曜日はいつでも会社についたら時計をあわす。 今週は月曜日は会社を休んだので火曜日にあわせたのだが、その時間違えたらしい。 今日は水曜日。まる二日間も気付かず、随分時間を損し続けていた訳だ。


♯  Today's BGM = Fly Like an Eagle by Steve Miller Band

(s=0100-0800; esb=ff0000,0000ff,0000ff; h:46/ 7C, l:34F/ 1C 晴れ )

 

feb 08 01  thu

鍼、初体験



今日は、鍼(はり)を初体験の日となった。 腰痛についていろいろと調べた結果、鍼がいちばん効果的であるという結論に達したのだ。 しかし、ニードルを身体に刺すと言うのは怖い。AIDS がうつるくらいなら腰痛の方が良い、とも思ったが、ちゃんと一回ごと使い捨ての鍼を使うらしいので鍼体験を決意した。 会社の同僚が行っていて実績のあるというところを選んだ。

場所は中華街の怪しげな路地にある怪しげな見かけの店で、何人もの同僚が通っていると知らなければ絶対に行かないような雰囲気である。 店に入ると痩せたおじさんが受け付け。このオジサンは日本語を話す。「4時に予約したんですが」というと「はーい、待っていましたよ」などと愛想が良い。 こちらへどうぞと通された部屋は、ふつうのクリニックとは程遠い雰囲気で一目でひいてしまう。 治療用のベッドがひとつおいてあり、周囲をかろうじて治療師が動き回れるスペースがあるだけで壁が迫ってくる感じ。 ドアは無くて安っぽいカーテンが下がっている。暖房用の電気ストーブらしい音がぶうーんとうなっている。 でも、ベッドの上には普通のクリニックのように紙が敷いてあり衛生面はかろうじてクリアといったイメージ。 わたしにとり一番の問題は狭さ。閉所恐怖症なのだ。しかし鍼治療で痛みが解消するらしいのでここは狭いという事を忘れるように脳に言い聞かせる。

治療は、まずツボの確認から始まる。 最初は上向きで横になる。痛い部分は左腰と伝えてあるので左脚を曲げたり押したりして「これは痛いか」と確認していく。 次にうつぶせになる。こんどは腰から右足を丹念に押してここは痛いかどうか、と確かめていく。右足が終わったら左足を押すのかと思っていたら右だけで鍼の準備にかかろうとしている。 体はつながっているので右側を押すだけで左側の様子がわかるのかなあ、何しろ中国五千年の歴史だし、と思ったが一抹の不安がよぎり鍼師に「痛いのは左なのに右だけチェックなのね〜」と言ってみる。 すると
   「あ、そおか、裏返しになったので間違えちゃった」
と、今度は左腰と左足を丹念にチェックするではないか。 中国五千年の歴史ってこういう伝承だったかとかなり脱力。 まあ、鍼の場合、悪くない方に治療したからといって害にはならないので左右を間違えた外科手術でよいほうの脚を切断されてしまった例とは違うものの、なんだかいい加減だなあ、という印象はぬぐえず恐怖感もますます高まる。

いよいよ鍼の登場だ。恐怖と緊張で両手が汗びっしょりになっているわたしは観念して目をつぶる。 アルコールで皮膚を拭いては鍼が刺されていく。最初チクっとしてその後ぐいぐいと入れる感じ。痛いというよりは形容しがたい不快感。でも我慢。 ウエストの上、腰、左膝の裏側、左の脹脛、それから左手の親指と人差し指の間あたりの計5本が刺されたハリネズミになった。これで25分待つ。鍼師は部屋を出ていき、時々やってきては様子はどうか、何か感じるかと尋ねる。じっとしていれば特に何も感じないのでそういうと、おかしいなあ、という。あたまがしびれるような感じになるはずなのだそうだ。でも、初めてだから、緊張のあまりしびれを感じないのかもしれない、という。 たしかにわたしは緊張のきわみである。なにしろ閉所恐怖症なので、狭い部屋に動けないで横たわっているという環境が重く心にのしかかり、早く終わらないか、そればかりを考えていたのだから。ましてや、中華街の怪しい一角(勝手に怪しくしている)。もしここで中国マフィアの戦いに巻き込まれてもハリネズミ状態のわたしは逃げることすらできないではないか、など妄想は果てしない。

長い長い25分が経過して鍼が抜き取られた。深い安堵感。これでマフィアの銃撃戦があっても何とか逃げられそうだ。鍼を抜いたあとは、軽くマッサージ。最後に体を横にして腰を手前に、肩を逆がわにえいっとひねられる。
   「はい、治ったあるよ」 
約40分の治療が終わったら痛みはすっかり消えていたのだ。良く効いたのでびっくり。 それにしても、怖かった。


♯  Today's BGM = Heart of a Woman by Etta James

(s=0100-0800; esb=ffffff; h:44/ 6C, l:38F/ 3C 晴れ )

 

feb 09 01  fri

モーニング・アフター



驚愕の鍼体験から一晩たった今朝、もしかして効果は昨晩だけのもので今朝になったらすっかり元に戻ってしまっているのではないだろうか、『レナードの朝』みたいに。 それが目覚めた時に最初に思ったことだったけれど、幸いにそれはわたしの思い過ごしに過ぎなかった。 腰痛自体は95%以上消滅。ただし、鍼のアトが痛い。左手は強く握ることが出来ないし、腰の周辺も腰痛とは違う痛みがある。 寝る時の姿勢も、横向きやうつ伏せではなくて上を向いて寝るようにと制限があったので数日間は鍼の“サイドエフェクト”があるのだろう。 鍼を刺した穴が痛いというのではなく、強い言えば、鍼に刺激された神経や筋肉の痛みとでもいった様な感覚のもの。

会社に着いたわたしは「鍼の伝道師」と化した。 同僚たちに昨日の体験談を話してまわるのに一時間以上を費やしてしまった。鍼灸店を紹介した社員は、わたしに効き目があったことがわかり、それは良かったと安堵した風 鍼の経験者は意外に多いことも分かり、中国の鍼は日本の鍼より太いので痛いなど新たな情報も得た。 どこも悪くないのに、そんなに良いのなら自分も行ってみようかしら、などと言い出す人まで出てくる始末。

夕方、離社するときに同じ鍼師の治療を受けている社員とエレベーターで一緒になった。
「鍼仲間」


♯  Today's BGM = Communique by Dire Straits

(s=0100-0800; esb=ff0000; h:53/ 11C, l:37F/ 3C 晴れ )

 

feb 10 01  sat

皮むきあまぐり



皮を剥いてある甘栗の存在自体は各種メディアで目にしていたので知っていたが現物を入手したのは初めてである。

amaguri
早速パッケージを開けて見ると、確かに甘栗が皮を剥いた状態で入っている。 ひとつ取り出してみると実に上手に剥けている。一体どうやってひとつひとつの皮をむいているのだろうか、不思議。 時々、まるのままではなくて壊れた栗も混じっているが、これは皮を剥くときに壊れたのか運搬途中に壊れたのかは不明。 味は、皮付きより風味がうすくさっぱりした感じで幾らでも食べてしまいそう。

パッケージは100グラム入りアルミニウム気密性パックで、加圧加熱殺菌を施してあり賞味期間が 3月22日までと長いのは郵送するのに適している。 ちょうど食べ終わったところを狙ったように東京から電話があったので、感想を述べてついでに郵送にも適していることを強調しておいた。

缶詰の果実類やナッツ類など皮を剥いて食べやすくして消費者に提供される食品はいろいろある。 ピスタシオナッツは皮付きの方がはるかに美味しい。 皮を剥いたピスタシオがどっさり入ったビニール袋はかなり食欲をそそらないルックスであったが、その点、甘栗は皮を剥いてあるのも皮付きもルックスの美味しそう指数に変化はない。


♯  Today's BGM = WINTERSONG by Paul Winter

(s=0130-1000; esb=ff0000; h:56/ 13C, l:22F/ -5C 晴れ & 強風 )

 

feb 12 01  mon

ゲーリー・オールドマンの正体



春か初夏の様な気候だった週末から一転して今朝は−9度。久しぶりに長いコートを着て出勤。 腰をいためてから鞄のかわりにバックパックで通勤しているので背中も温かく数字だけの寒さはまったく感じなかった。

夜、テレビを点けたら『Immortal Beloved』のラスト5分前だった。この作品のオールドマンの狂気と正気の間を行き来する目が好きなのに残念。 チャンネル・サーフしていたら、再びオールドマンらしき人がみえた。 番組は Dennis Miller Show(トーク・ショウ)。レンズよりフチのほうが太いような眼鏡をかけ大げさな身振り手振りを交えしゃべりまくる。 顔は百面相状態に近く、かなりコミカル。映画の中のオールドマンとあまりにイメージが違う。 映画祭などでのスナップ写真を見て、演技中でないときの彼は随分だらしない顔付きだとはしっていたけれど、それにしてもキレそうな雰囲気ゼロである。 もっとも、実生活でも普段からあのキレ方の人だったら怖いものがあるけれど。

皮むきあまぐり、皮はどうやら中国で人海戦術により手で剥いているらしい。 (Thanks for info., for those who concern) 皮むき成金も出現したとか。この場合、あくまでも手作業によっているので特別な機械設備は特に無さそうだから第二のナタデココ(フィリピンでナタデココ工場を作ったらあっという間に日本でのブームが終わってしまった)にはならなそうだが、と思いたい。


♯  Today's BGM = AMIGOS by Santana

(s=0230-0800; esb=ffffff; h:34/ 1C, l:15F/ -9C 晴れ )

 

feb 13 01  tue

ナップスター



インターネットで音楽の交換サービスを提供するサイトを運営しているナップスターに対し、著作権を侵害しているとしてレコード会社による訴えが認められるとの判決が下された。 但し、対象はレコード会社が指定した楽曲に限定されるので、まだ対象外の音楽についてはサービスの提供が可能らしい。 わたしの勤務先でも、昨晩かけこみダウンロードをしたというヒトや、サイトに入れなかったヒトが大騒ぎ。 60GB の HDD全てをナップスターから落としてきた音楽で一杯にしているというマニアまでいる。

知的所有権、著作権については尊重されることをサポートするが、しかし、ナップスターの果たした役割はインターネットの可能性について世間に知らしめたという点でひとつのエポックを作ったといえるだろう。 Yahoo オークションの有料化に続き、ナップスターも今後有料化の検討がなされているらしい。 ネット創世記といえる現代、各種サービスはとりあえずネットのユーザ幅を広げたので、今度はクオリティーをあげていく次のステージに入るといったところだろう。 ナップスターの行方、傍観するのに楽しい。


♯  Today's BGM = AJA by Steely Dan

(s=0030-0755; esb=ffffff; h:49/ 9C, l:36F/ 2C 晴れ )

 

feb 14 01  wed

ヴァレンタイン・ディの薔薇



ヴァレンタイン・デイは一年でもっとも花が売れる日だそうだ。種類はロング・ステムの薔薇。 街でも花の配達が行き交う。せっかく今日は雨模様で花粉が少ないというのに、そんな事情で町は花粉がいっぱい。 薔薇は比較的花粉は少ないが、それでも付け合せの白い花から花粉が散りそう。花は嫌いだ。

ヴァレンタイン・デイ、貰ったチョコレートのお裾分けをあげたら、「ギリ・チョコね。」といわれた。 ギリとは義理のことで、義理でチョコレートをあげるという習慣があるという最近の日本で使われる言葉らしい。 でも、わたしのは義理じゃなくてお裾わけなのに。それに、ギリじゃなくてバラなのだ。 薔薇の形をしたチョコレート、一口サイズのダークチョコ。チョコレートはミルクチョコよりダークチョコレートが好き。 薔薇は生花よりチョコレートが好き。


♯  Today's BGM = How Late'll Ya Play 'Til? by David Bromberg

(s=0040-0800; esb=ff0000; h:48F/ 8C, l:40F/ 4C 雨 )

 

feb 15 01  thu

アーサー・クラークが会社にやってきた



わたしの勤務先では、業務統合などにより他のオフィスから結構大量のスタッフが移動してきて約二ヶ月経過したところだ。 顔は大体おぼえたが名前はまだ知らない人が沢山いる。あたらしい座席表をみていたら、アーサー・クラークという人がいる。 もちろん、有名な作家とは別人だ。アーサーもクラークも特にめずらしい名前ではないのでそういう人がいても不思議はないが、実際の処、その組み合わせの人にお目にかかったのは初めてだ。

「自宅のアパートにジェームス・ブラウンが住んでいるの」と同僚が言い出した。 ファンクの王者、Get up, I feel like being like a sex machine ♪の彼とは似ても似つかない別人だが、やはりその名前ゆえに人には直ぐにおぼえられるらしい。 そんな話をしていたら、となりの部門の人がメールを出す相手は、なんと「マイケル・ジャクソン」。


♯  Today's BGM = Sex Machine by James Brown

(s=0040-0810; esb=0000ff,ffffff,ff0000; h:46F/ 7C, l:34F/ 1C 曇 )

 

feb 16 01  fri

ベーグルと共に去りぬ



ランチの弁当に入っていた煮魚を食べていたら咽喉に骨が刺さった。 昨日の出来事である。

そういう時はご飯を食べると一緒に取れるというが、事件の発生は弁当最後の一口という時だったのでご飯も残りわずか。 一口にも満たないご飯を心して飲み込んだが何も起きない。 お菓子の自動販売機でカステラのようなものを買って食べたが効果なし。じっとしていると何も感じないが時々ささっている骨の状態が変化するらしくてちくちくしたり激しく咳き込んだりする。 お餅が良い、という説を唱える人が居た。幸いな事に自宅には餅があるので、午後はトリモチ・オペレーションの作戦を考えて過ごした。

定時退社し自宅に到着するなり直ちに作戦を実行にうつした。つまり、お餅を焼いて食べたのだが効果が認められなかった。がっかり。バレンタインデーに貰ったチョコレート類も沢山食べてみたが駄目。 やはりご飯が良いかと、冷凍のご飯を戻してのりたま(ふりかけ)をかけて食べたけれど駄目。 お腹がやたらいっぱいになり気持ち悪くなっただけだ。仕方が無いので、翌日に医者へ行こうと観念し、その晩はさっさと寝てしまう事にした。寝ている間に取れるかもしれないし。

目覚めの喉は・・・いがいがだったが、でも前の晩よりずっと楽になっている。これは医者に行かないでも何とかなるかも、と希望の灯がともる。 朝食にベーグル。それも、電子レンジで暖めてモチモチした感じにした。 あまり噛まないようにしては出来るだけ喉の壁と接触をする様な感じで飲み込む。半分くらい食べたところで、良い感じがした。取れた! まだ、付近に骨が残っていて再び刺さったら大変なので大量の水を飲み安全確保。コーヒーを飲んでも、もう不快感が無い。しぶとかったが鯖の小骨はベーグルと共に去った。幸せよこんにちわ。


♯  Today's BGM = Green Onions by Booker T and the MG's

(s=0040-0800; esb=0000ff,ffffff,ff0000; h:42F/ 5C, l:34F/ 1C 曇のち雨 )

 

feb 17 01  sat

パラダイム・シフト



三連休が始まった。 今日は映画。 隣の映画館で上映中の『チャーリーズ・エンジェルズ』を観る為に 12:20に家を出て 12:25に映画館の前に着いた。 そうしたら、映画館が無くなっていたのだ。

建物が蒸発したという事ではない。建造物はあったが、看板は下ろされ照明も消えている。 もちろん入り口も開いていない。 もし改装中ならそういうサインが出るはずだからこれは改装による一時休みではなくエンドなのであろう。なんという事だ。 このアパートに住む様になり約5年、もう我が家の一部のように思っていた映画館だったのに。 いつ行っても空いていて良かったのだが経営者側にとってはそれはもちろん良い事では無かったのだろう。 仕方無いので食料品でも買って帰ろうとしたら、通り道にある雑貨屋がやはり看板を下ろしガラス戸も新聞紙などで覆われて中がすっかり見えないようになっている。 長いこと続いていた店なのに、冷えていく米国経済を象徴しているような気がした。
実は、この映画館は Loews Cineplex。全米に多くの劇場を持つ映画館のチェーン店。最近 Chapter 11(日本でいう会社更生法に該当する)を申請したので幾つかの劇場の閉鎖は当然だろうが、それが何もうちの隣の映画館でなくても良かったのに・・・

映画館や雑貨屋が閉じたのがパラダイム・シフトであるなら良いと思うけれど。 でも、やはりソフトランディングどころではなくリセッションの足音が聞こえるような気がしてならない。 わたし自身もバブル期の頃から比べると大分生活のダウンサイジングを心がけているが、ここで今ひとつリオーガナイズすべき時なのかもしれない。

そんなことを考えながら食料品店に着いた。ふとみるとオレンジが三個で1ドルとある。 リンゴ以外の果物は買った事が無いので、この値段が安いのか高いのか客観的な判断はしかねたが、しかし、オレンジはビタミンCの供給もできそうなので買うことにした。 握りこぶし大より大きな柑橘類が三個で一ドルというのはイメージ的に安いような気がして、これだけで節約を会得した気分になりどんな不景気になろうとサバイバル出来る人になったように思ってしまう。 社会のみではなくわたし自身も新しいパラダイムを模索すべき時なのだろう。


♯  Today's BGM = Green Onions by Booker T and the MG's

(s=0145-1035; esb=0000ff,ffffff,ff0000; h:36F/ 2C, l:18F/ -7C 晴れ )

 

feb 18 01  sun

青いかね



米国の紙幣はグリーンバックと呼ばれることがある。裏面が緑色のインクで印刷されているからだ。 しかし、最近、わたしが現金で支払いをしようとすると青い事が多い。 わたしは財布を持つという習慣がなく、お金はポケットにバラで入れる。 ジーンズの時はコインは左のポケット、紙幣は左のヒップポケットとなる。 最近よく穿いているジーンズ、濃い色のものだがその色落ちがすごいのだった。

今日はランドリー。白いタオルも青くなってしまった。


♯  Today's BGM = A Whiter Shade Of Pale by Procol Harum

(s=0300-0920; esb=0000ff,ffffff,ff0000; h:30F/ -1C, l:20F/ -6C 晴れ )

 

feb 19 01  mon

適温



今日はプレジデンツ・デイ(ワシントンとリンカーンの誕生日をまとめて記念する)の祭日につき三連休。 バンク・ホリデーなので銀行以外では営業している場所もあるようだが街は静かでとってもホリデー。

日本から届いたバレンタインズデイのチョコレートを食べた。スイスから空輸したチョコレートとあるので地球を 3/4周してやって来た事になる。 遠路はるばるごくろうさまだ。 ひとつ食べてみる。ゴディバなどとは比較にならない味で、これならチョコレートも悪くは無いと思う美味しさ。

小さな説明書がはいっていて「16〜18℃の乾燥した場所で保存」とある。 そんな都合の良い温度の場所は我が家には無い。室温は26度から28度、冷蔵庫内は 8度くらいだろう。 仕方無いので冷蔵庫に入れた。

食べる前に少し前に冷蔵庫から出して常温の部屋に置いておけば適温になるのでよいだろう。 チョコレートの魔法の保存にも効果があるかもしれない。 オスカー2001のノミネーションが先週発表になったが ショコラも何部門かに名前があがっていたけれど、デップはリストなし。


♯  Today's BGM = VOCALESE by Manhattan Transfer

(s=0145-0920; esb=0000ff,ffffff,ff0000; h:42F/ 5C, l:38F/ 3C 晴れ )

 

feb 20 01  tue

LOVE, REFLECTED



more →

love
晴れた午後、そこだけが眩しい、リバース・LOVE。


♯  Today's BGM = THE WES MONTGOMERY TRIO by WES MONTGOMERY

(s=0040-0800; esb=ffffff; h:54F/ 12C, l:40F/ 4C 晴れ )

 

feb 21 01  wed

グラミー賞 // U2



摂氏10度もある暖かい朝だったのに午後から気温が下がり夜には氷点下に。 -8度まで下がるとの予報だったので「寒くなる前に帰らなくっちゃ」とさっさと帰宅。

ほんとうの目的は第43回グラミー賞。20:00から放映なので、めずらしくテレビをオン。 マドンナの歌と踊りで幕をあけたショウは凝った舞台装置に退屈しない。

Album Of The Year は STEELY DANに。客席からのっそり舞台にあがった ウオルター・ベッカーとドナルド・フェイゲン。 カンロクなのかクールなのかいずれにせよ騒がないところがイメージに合ってよい。 STEELY DAN は他に Best Pop Vocal Album も受賞の計 2部門。
Record Of The Year は、U2 の Beautiful Days。他に、Song Of The Year など合計三部門を受賞。

U2 といえば何年か前のエピソードを思い出す。わたしと友人は誰かのコンサートに行く前にレストランで食事をしていた。 その時のウエイターが気さくなヤツで「これからどこかに行くのか」などと聞いてくるので「コンサート」と応えた。 すると彼は目を輝かして「ユー・トゥー?」なんて言うのだ。このウエイターももうじき勤務が終わり今夜はコンサートなのかと思い「Oh, You, too?」なんて応対。 しかし、その後よく話をきいたらその晩はマディソン・スゥエア・ガーデンで U2 のコンサートがあって、そこに行く客が多かったらしい。だからレストランのウエイターは「U2(のコンサート)?」と尋ねていたのだった。

グラミー賞はゲストのミュジッシャンの顔ぶれも楽しいし、コマーシャルもグラミー賞にあったもので趣向がこらしてありおもしろい。 また、思わぬ回想モードにも入ったりと楽しみ方はいろいろだ。

GRAMMY 2001 オフィシャル・サイト


♯  Today's BGM = TWO AGAINST THE NATURE by STEELY DAN

(s=0030-0755; esb=ffffff; h:50F/ 10C, l:16F/ -8C 晴れ )

 

feb 22 01  thu

雪の降る夜の出来事



朝は晴れていたのに夕方から天気予報どおり雪になった。 高密度で降る細かい雪で、都市部でも10センチ位の積雪の見込みとの事。 うきうきしてしまい仕事が手につかない。会社に居る場合ではない。 何しろ今のわたしのオフィスは窓がすりガラスで外が見えないのだから。 明日期日の仕事をバックパックに詰め込み(おかげでペーパーカット)重いのを背おって離社。足取りは軽い。

夜の雪はすてきだ。降り始めたばかりで雪かきがまだなので車道も歩道も真っ白。音も色も吸収されてしまう様だ。空を見上げると、ところどころがサーチライトで照らされて部分的に黒い空が鋭角的に切り取られている。 まるでそこだけに雪が集中して降っているみたいだ。

帰宅したらバックパックにしっかりと雪が積もっていた。




♯  Today's BGM = GOODBYE YELLOW BRICK ROAD by Elton John

(s=0040-0815; esb=ffffff; h:28F/ -2C, l:17F/ -8C 晴のち雪 )

 

feb 24 01  sat

ヨーロッパ人の見分け方



米国人と欧州人は劇場での態度で一目でちがいがわかるという。 見分け方は座席への座りかた。NYに遊びに来ているヨーロッパ人の友人を伴いリンカーンセンターでバレー鑑賞をしてきた友人から聞いた話。

劇場の椅子は通路から何席もつなげて並べてあるが、通路からかなり遠く奥まった席の人が着席するためには、すでに座っている人々はちょっと膝を横にしたりして通り道を作ってあげるわけだけれど、 そこで作られた隙間を通るとき、座っている人の方を向いて奥まで通っていくのがヨーロピアン・スタイルなのだそうだ。 アメリカンは座っている人とおなじ方向を向いて、つまり舞台の方を向いて席までたどり着き、そのまま腰をおろすスタイル。わたしはアメリカンだ。 ヨーロッパ人は席にたどりついたら体を反転させて座る事になる訳で面倒そうだが、ヨーロッパ人は小柄なのでそういった細かいアクションを気にしないのか、あるいは、 目的地たる座席をしっかりと見ながら前進したいのか、座っているひとの背中を向けることに抵抗があるのか。 膝と膝がぶつかり合いそうな気がするが欧州的理由があるのだろう。

いずれにせよ、今度劇場に行ったらヨーロッパ人探しという楽しみが出来た。


♯  Today's BGM = THE VOICE OF THE SPARROW by EDITH PIAF

(s=0140-0940; esb=ffffff; h:38F/ +3C, l:34F/ +1C 晴 )

 

feb 26 01  mon

8周年、226事件



・・・プロローグ・・・

8年前の東京の冬は、雪が全く降らなかったようだが、NYは雪が多かった。 東京の分の雪のモトもNYに来てしまったみたい。その日も朝から雪模様だった。

・・・・・・・・・・・

1993年2月26日、アラブのテロリストにより地下駐車場に置いた車に仕掛けられた爆弾が大爆発、地下は大火災、110階建ての巨大ビルディングからは全員が避難することとなった。 わたしも、88階のオフィスから煙の充満した非常用の階段ケースの中を決死の脱出を行った。 以下はその様子について書いた親への手紙のファイルからの抜粋。基本的に全文だが個人名などについてのみ編集。

いつもは 12:00に同僚達と外へランチに行くのですが、今日に限りお弁当の出前を頼んでいたので、12:18、それを食べようと蓋を開けた途端、ビルが揺れ、電気が消えました。 WTC はわりと停電とか、火災とかが起きるところですので、またか、といった感じでした。 それにしても、ビルのアナウンスが何もないのはおかしいなあ(後で判った事だが、ビルのセキュリティー・システムの中枢部を狙っての破壊行為だったのでビルの緊急放送も出来なかった)、等と思っていた。

ところが、今回のみはどうも様子がちがう、と思ったのが約5分後。 「逃げろ、もうどこも煙だらけだ、他の階の人達は既に階段で脱出始めている!」 と廊下からの声。そのトーンにもただならぬものがある。そこで鞄、コート、襟巻きを持ち私も部下を一人つれ脱出開始。非常用階段には既に煙が充満しているものの他に道は無い。そこでいたしかたなく混雑してけむい階段をおりはじめた。始めは78階まで10階降りたらそこからエレベーターで脱出出来るという噂であった。

ところが78階を過ぎても何も起きない。次のエレベータ−に乗れる可能性のあるポイントである44階に目標をかえ、元気づけに冗談を言ったりかけ声をかけたりしながら、階段を降りた。

60階位まで達っすると、煙はどんどん濃くなり1メートル先の人の顔もはっきり見えない程になってきた。おまけに気温も上がってきて(空調が止まったからなのか、地下の火災の熱が上がってきたのかはわからない)、呼吸も困難となってくる。ベルヌの小説、『地底への旅』を思い出した。

人生の終りを真剣に覚悟した。暑くて、いやだ、息苦しくていやだなあ、と思うより、こんなところで会社の部下と死ぬのか、別の人と一緒に死にたかった、と思った。 死を覚悟した途端、呼吸の苦しさもあまり気にならなくなり、ただ、ただ、黙って階段をおりて行った。52階位迄降りたら、煙はとなりの人の顔も見えない程の濃度となってきた。

今、煙を階段ケースを通して排出しているのでもよりのオフィスに避難する様に、と伝言が伝わったので、51階のオフィスにとりあえず非難することとした。幸い鍵が開いているオフィス(第一勧銀だった)があり、そこは煙もあまり充満していなかった(通常の感覚で言えばものすごくけむい)。そこで30分程休息、自動販売機から誰か知らない人が缶ジュースを買ってきて一缶くれたので一口飲んでとなりの人間に回してあげた。 冷たい林檎ジュースに生き返った思い。

「そろそろ出発だ。ここも危ない。」
と誰かが言うのでせっかく確保した椅子より仕方なく立ち上がる。再び暑くて煙だらけの階段に入る直前に非常灯も消えた。

階段は真の闇。目を開けても閉じても全く視界に変化がないという状態。 時々懐中電灯をもっている人が点灯するが、電池の消耗を考えほんの一瞬で消すので、たいがいは真暗の階段を文字どおり手さぐり、足探りでおりて行く。階段を踏み外しでもしたらドミノ倒しで二次災害となるので注意ぶかく一段ずつ降りて行く。

みんな慎重で且つ理知的だったので映画にある様な阿鼻叫喚(あびきょうかん)も将棋だおしもない。 35階位から煙は目立って薄くなってきた。これはひょっとすると助かるかもしれないな、と思ったのはこの頃。そして20階台になると、もう高層ビルでもなんでもない建物の高さと同じになり、だんだん足どりが軽くなる。 9階(一桁階)からはもう確実に生命を取り戻した事を自覚。4階位からはもう皆殆ど走っているし、階下からは涼しい風さえ吹き込んで来る。3階。明りが見えてきた。いよいよロビーに着き、私はこの世に戻ってきたのだ。 空気が美味しい。冷気が全身に気持ち良い。時 2:40PM、2時間強の脱出行でした。

ちょっとだけ休んでWTCから歩いて 20分位のところに当社がもっている災害時用バックアップセンターへ。 そこで早速リカバリーオペレーションを開始。帰宅11:00。髪を2回洗っても煙の臭いがしました。

爆発したのは普通のビルディングなら全て崩れてしまうような強力な破壊力を持ったエクスプローシブだったとのことだが、WTCはジャンボ(ボーイング747)がぶつかっても平気とうたっていた堅牢なつくりだったためビルディングの地上部分には爆発によるダメージは殆ど無かった。 それでも、それから数ヶ月間は WTCは閉鎖され、地下三階分に開いた大穴の修理や、煙でいぶされたオフィススペースの清掃やらが行われた。 その間、テナントはマンハッタン中のオフィススペースをオキュパイしての臨時オペレーションを続けた。 聞くところによると、WTCは修理に要した費用、閉鎖中ストップしていた家賃収入などをカバーして更に上回る額の保険金を手にしたという。

わたしにとっては、死に直面という極限状態に置かれたことにより人生で大切なものが何なのかが見え、それまでのライフ・スタイル(人生目標)が変わった日となった。


♯  Today's BGM = GHOST IN THE MACHINE by The Police

(s=0130-0800; esb=ffffff; h:46F/ +7C, l:32F/ 0C 晴 )

 

feb 27 01  tue

Mardi Gras 〜 Fat Tuesday



今日はマルディ・グラ(Mardi Gras)。マルディはフランス語で火曜日、グラは脂肪。マルディ・グラは直訳すれば肥った火曜日(Fat Tuesday)となるが、火曜日の宴会といった意味あいがあり、イースターを迎える前の飲んで歌って踊ってというにぎやかなお祭りが世界各地で開催される。 リオのカーニバルはなかでも有名で最後の日の今日、カーニバルは佳境を迎えている事だろう。 なにしろブラジル人は一年をこの日の為に過ごすといわれているそうで(ブラジルに住んでいた知り合いによると)リオデジャネイロではカーニバルの都度あまりの興奮ふりに死者まで出るとのこと。

米国のニュー・オールリンズでもマルディ・グラ。こちらも南部の妖しく明るい雰囲気が漂う。 ニュー・オルリンズといえばケイジャン料理。そういうわけで会社の近くのカフェテリアの「今日のメニュー」は鰐(ワニ)のフライ。 米国南部の地方ではワニは常食されるようで、東部のレストランでも南部料理のメニューにはときどき登場する。 味は鶏肉に近いあっさりしたものだがテキスチャーは鶏肉より弾力性に富む。

Mardi Gras の翌日は、Ash Wednesday だ。

♯  Today's BGM = TWO (Take Me to the Mardi Gras) by Bob James

(s=0230-0810; esb=ffffff; h:44F/ +6C,l: 28F/ -2C くもり )

 

feb 28 01  wed

れいの場所



2月は28日しか無く短いうえに決算の一ヶ月前ということもあり仕事量も多くてとても忙しい。 慌しく過ぎていき、もう最終日になってしまった。

自店検査というものがある。銀行は検査が多い業界となっていて、銀行の内部に検査を専門に行う部門(Internal Auditor)があるほかに、行員が持ち回りで自分の担当以外の場所の検査を行う。 今年は、この自店検査のオフィサーに任命されてしまったので2月中に行わなければならない検査を実施。 被検査部門に行き、事務の流れや、提出された資料についてインタビューを行う。
 わたし 「この書類の正本の保存はどこで?」
 あちら 「れいのばしょ」
 わたし 「えっ? 例の場所って?」
 あちら 「ん?」
 わたし 「例の場所って言われても、わたし知らないけれど。。」
 あちら 「・・・ あああ、“れい”って Ray の事!」
Ray という名前の社員が居るのだ。日本語でいう時は Ray も 例 も同じ発音となってしまうことから生じた混乱だった。 もっとも、Ray は英語で話すときでも混乱することがある。なぜかというと同じオフィスにもうひとり Ray が居るのだ。 但し、この二人の Ray は全く異なる業務分野に居るので混乱は少ない。 わたしは一回、e-mail を違う方の Ray に送ってしまった事があるだけだ。

♯  Today's BGM = STICKY FINGERS by The Rolling Stones

(s=0100-0810; esb=#ffffff; h:38F/ 3C,l:24F/ -4C 晴 )


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