11月にはいると街路樹にイルミネーションの取り付けが始まる。

高くのびる作業台つきの車があちこちの道端に停まって木に豆電球を取り付けている。
豆電球のついた電線は取り外すときに枝が折れたりするので木には災難だけれど、このシーズンのNYCの街路樹にはやはり電飾がマッチするので中止になる気配は無い。

この作業をみると、いよいよホリデーシーズンだなあという気になるのだ。

プライベートのメールアドレスにCitibankからメールが配信された。

「Citibank E-mail Verification」
という標題で、Dear Citibank Member, などという書き出し。メールアドレスのヴェリファイのためにこれを送っています。下のリンクをクリックすると小さな窓が開きますので、そこでATM/Debitカードの番号とPINを入力して確認してください。顧客のプロテクションのためにメールアドレスとアカウントのヴェリファイをするものです。（以下略）

などともっともらしい。差出人のメールアドレスも、Citibank21@citicard.com　なんてそれらしくしてあるし、リンク先も一見シティーバンクのサイトの様にみえるようにしてある。

もちろん、これらは全て偽物。何通か受信したメールのメールヘッダーを良くみれば、発信元のIPは Yahoo BB （Citibank が YahooBBを使っているとは思えない）のものだったり（いろいろなパターンがある）と、細工が未熟。そもそも、いかなる銀行も会社も、先方から顧客のパスワードを（特にe-mailで）聞くという事はありえない。

典型的な PHISHING である。受信者を騙してクレジットカードやATMカードのインフォメーションを盗み出す犯罪。偽装メールで受信者にアプローチして、リンクを貼った偽のレプリカ・ウエッブサイトに顧客のIDやパスワードを入力させるという手口。

こんなのでも、ひっかかるナイーブな人も少しはいるのだろう。わたしは、初めて「現物」が届いてちょっと面白がっただけだけど。

新しい20ドル札が流通しはじめた。 偽造防止のためのニュー札で、米国の銀行券史上はじめて緑以外の色がついた札ということで、どういうルックスかと思っていたが、想像していたほどのカラフルさはない。従来のものとデザインは同じでバックグラウンドはブルーからクリームのグラデーションに羽ばたくワシの絵とTWENTY USA の文字がうっすら浮かぶ。何か、汗まみれで色がにじみ出ちゃった札という感じであまり美しくない。そのうち見慣れるのだろうけれど。

米国中西部カンザス州 GEUDA SPRINGS、この人口210人の小さな町では、すべての家庭にガン及び弾薬の装備を義務付けると言う法令（ordinance）が通ったという。応じない住民に対しては$10の罰金が課せられる。尚、肉体的あるいは精神的理由により火器の装備ができない場合は罰金の対象とはならない。町の議会によると、この法令は町民の安全をプロテクトする効果に寄与するであろうとのこと。 （出典：DAILY NEWS- 11/24/2003)

マイケル・ムーア監督作品『Bowling For Columbine』で、監督は“ Are we a nation of gun nuts or are we just nuts? ”と問い掛けているが、どうやら後者のようだ。身を守るのに何故ガンが必要なのだろうか、と思う。但し、わたしはニューヨーク市という大都市に住んでおり、西部開拓史みたいな荒野に住む人々は猛獣の襲撃から身を守るためにガンが必要なのかもしれない。しかし、熊や鹿を討つのにオートマティックやピストルは不要だろう。しかし実際には中西部に住む多くの人々は複数の火器を所有し、それらはライフルやピストルやその他のフォーマットなのだ。

ガンと弾薬の所有を義務付けるといった記事を目にすると、この国からガンが無くなる事は無いだろうと確信せざるを得ない。

27年にわたって大西洋を飛んだコンコルドが引退、一機がイントレピッド・ミュージアム（the Intrepid Sea Air Space Museum）に展示されるためにやってきた。

イントレピッド・ミュージアムはインラインスケートの巡回コースにあり、いつやってくるのかなと思っていたが、今日の午後通ったらイントレピッドの脇にバージに乗って到着していた。

コンコルドは前にJFKで離陸の姿をみた事がある。その時は大きな怪鳥だと思ったが、こうして海の上に固定されているのをみると意外に小さいというのが最初の感想。また、下を向いたような特徴のある「鼻先」は飛行のためのものらしくて、今日はまっすぐだった。怪鳥というよりおとなしい戦闘機といった感じ。

後でテレビのニュースを見たら、今朝JFKをバージに乗って出発したものでエンジンは取り外してあり燃料も廃棄済みとのこと。ブリティッシュ・エアウエイのコンコルドは引退後は世界各地の博物館に展示されるそうで、今日マンハッタンにやってきたのもその一機。現役時代と違い低高度（海上）で移動、終の棲家に落ち着いた。来年早々にも一般公開されるとの事で楽しみだ。

相変わらず日々スパムが雪崩のように届く。禁煙、ダイエット、投資、アダルト、といった内容と同じくらい多いのがオンライン・ドラッグ・ストア。

ヴァリウム（$90/ 100錠）、ザナックス（$120/ 60錠）といった不安解消（鬱治療剤）、それにヴィコディン（$145 /60錠）のような鎮痛剤が多い。オンライン・ドラッグ・ストアは限りなくグレイ（というよりは殆どクロ）な商取引で、一応医者のアドバイスを伺うといった体裁を整えて処方箋の代替にしているが、実際のところ強い薬が数回のクリックで手に入ってしまう。

スパムは、それなりのマーケットリサーチの上でディマンドのある分野の広告を送りつけてくるのであろうから、このうような薬品は欲する人が少なくないと解釈できそうだ。世の中、そんなに不安な人だらけなのだろうか。そういう人々が医師の指示無しにインターネットで抗鬱剤を入手して勝手に服用しているのだとしたら何の改善にもならないどころか、症状の悪化を招くだけのような気がする。簡単に店を開き、簡単に移転、或いは、閉店が出来るインターネット・ショップだけに取り締まりは困難そうで、ちょっと不安なだけといった人々が薬剤乱用でとても不安な人々になっていきそうで、こういった広告を見る都度いやな気分になるのだ。

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ノラ・ジョーンズの『Don't Know Why』、これを聴くと途端に心がほぐれて体中が気持ちよくなる。 わたしにとっては、気持ちの良い音楽とスケート、それに優しい人々が嫌なことをコントロールするためのメディスン。

11月の第四木曜日は「Thanksgiving Day」。現在の米国マサチューセッツ州プリマスにメイフラワー号に乗って到着したピリグリムは慣れない新大陸での生活に苦慮していたが、農作物の育て方や七面鳥の飼育など生活の手ほどきを先住民から受けたおかげで豊かな秋を迎えることが出来た。それを感謝して先住民を招待してお祭りを行ったという事に起源。

現在は、家族が集まって七面鳥のローストをメインとした御馳走を食べるといった日となっているので民族の移動が起きる。交通渋滞が発生したり、また、航空業界は久々の乗客ラッシュに喜んだりという日でもある。

ニューヨーク市では毎年恒例の Macy's の Thanksgiving Day Parade が 行われた。 セントラルパークウエストからブロードウエイを下りMacy'sの前までというコースで、交通が止まるのは勿論、歩道も見物客で溢れる。通りを通れないし渡る事も出来ない。住民には迷惑なはなしだけれど、観光収入も街の重要な所得なのだから仕方無い。

午前9時に出発したパレードは11時ごろに終わるが、終わると、直ちにブロードウエイはブラシ付き掃除車が何台も出来てきてあっという間にきれいにしてしまう。また、街灯に吊るしてある信号機は、パレード名物の巨大バルーン（バーニーやガーフィールドなど）がひっかからないように、ブロードウエイでは無い側に90度曲げてあったが、それも直ちになおす。こういった作業中は、ブロードウエイはまだ一般車輌は進入しておらず、貸しきり状態の広い道をインラインスケートするのはとても気分が良かったのだ。