今シーズン最初のスノーストームがやってきた。10：30頃から降り始めた雪は夜になっても止む事はなかった。風も強くブリザードである。

マンハッタンでは主要道路の除雪はゴミ収集トラックが除雪アタッチメントをフロントグリルに取り付けて除雪車に変身して行う。またウエストサイドハイウエーにある塩の貯蔵場所にはトラックが何往復もして塩を取りに行っては路面に凍結防止のために撒く。雪の処理費用は、１インチの積雪に対して$1百万といわれている。今日の積雪は8インチ（20cm）だったので $8百万のコストということになりそう。

友人宅で Housewarming Party。

昨日から継続中のスノーストームに延期を提案するひとも居たけれど、NYではこの程度の嵐はたいしたこと無いので予定通りパーティー、地下鉄でブルックリンへ向かった。

友人宅はプロスペクトパーク近くにあるライムストーンのビルディング。8ヶ月かけてのリノベーションが完成したばかり。何年か前に訪問したことがあるが、その時とはまるで別のアパートに生まれ変わっていた。濃い色の壁だった居間は真っ白に塗り替えられ、クリーム色のカーテンが下げられて明るくなり一割ほど広くなった感じを受ける。吟味したタイルがはられたキッチン、バスルームの壁面はミントグリーンの石、ベッドルームや他の部屋の調度品も趣味で集めたアンティークタッチのものが配置されていて落ち着ける空間。三階なので窓の外には木の枝が見えてそこに降り積もる雪が美しい。ハイライズ（33階）に住むわたしにはめずらしい景観。

心地よい空間、美味しい食事、ひさしぶりに会った友人たちとの会話も弾み時の経つのを忘れた午後となった。

朝起きたら窓の外は予期せぬ雪。

吹雪がおさまるのを待ち午後から簡易ソリを持ってセントラルパークへ。 毎週末数時間を過ごしている場所だけに、どこにどんな丘があるか地形を熟知しているので、ソリに程好い丘に直行。既に何人もが小山のてっぺんから様々な乗り物で滑降している。スノーボードの人が少し、スキーの人も若干。大多数はソリ系で、円形、リュージュ型、長方形などいろいろ。共通点は、みんな楽しいこと。

雪だるまも様々なデザインのものがいくつも出来ていた。わたしの気に入ったのはヘアスタイルのユニークな雪だるまで良くみると表情もなかなかで芸術度が高い。スタンダードな雪だるまも良い。夕方から雨にかわってしまい帰宅する頃には全身びしょぬれ。それでも雪は楽しい。

本日の積雪は 5.8 in （15 cm）。

友人宅でディナー。帰りにコートを取りにベッドルームに行ったらコートの山の脇に猫が丸まっていた。手足も尻尾もすっかり折り畳んでしまっている姿は繭みたい。これは寛ぎの姿勢なのかスリープモードなのか、いずれにせよ何かあってもすぐに応戦状況にはなれないので安心しているという事だろう。

自分のコートを探す為にわたしがそばでごそごそと山を発掘しても微動だにしない。ベッドを揺らしてみても知らん顔。ストロボ発火させて写真を撮ってもまったく我関せずの姿勢を貫く。自分の世界に没頭していて猫の鑑のような猫だった。

ホリデー・シーズンのマンハッタンではビルディングが趣向を凝らした飾りを競う。 コーラスの音色に誘われて音楽の聴こえる方向に目を向けたら形の異なるスピーカーを人間にみたてたデコレーション。帽子をかぶった白いスピーカーの数々はすこしシュール。コーラス隊の前にはポディウムがあり譜面がおいてある。そこではちいさな指揮者がタクトを振っていた。当人はかなり妄想が入っている感じでいつまでもそこを動かないでいてくれたので撮影する側としては角度を変えて何枚かシュート。こういう出会いがあるので冬のマンハッタンを歩くのは楽しい。

HAPPY NEW YEAR !