2003.03.01 sat
BOSE TriPort
Bose TriPort 購入。
何ヶ月も前から欲しかったのだが、家でヘッドフォンを使うことは極めて少ない事、屋外で使うにはやや大型だという事でディマンドの高まりが不充分だったことから購入に至っていなかったものだが、既存の Sony Studio Monitor が大分ぼろくなったので新しいヘッドフォン購入に踏み切った。
音質はいかにも BOSE といった感じに作られている。室内でのみの視聴では聴く音楽の種類をかなり選ぶ。クラシック(シンフォニー)には広がりはOKだが厚み不足が気になる。ジャズやロックだとちょっと物足りなさを感じる程度。ヴォーカルはけっこう向いているようだ。
使い心地は極めて快適。耳に触れる事無くおおきく覆うユニークなデザインのために耳の圧迫感が全く無い。これだったら何時間でもつけていられそうだし、軽量なので屋外で運動するときにも使えそう。来週末はこれを連れて出かけるのが楽しみだ。
付属品に1/4ジャック(ステレオ標準プラグ)のアダプターがついているのは普通として、ほかにエキステンションコード。これは自宅で使うときに便利。それから携帯用のパウチがついているのだが、これが凄く良い。普通のキャリング・ケースはビニール・レザー製のものが殆どだが、TriPortについてきたのは黒いナイロン製のとてもソフトな材質で使い良さそう。
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Today's BGM =
TOGETHER by LARRY CORYELL・EMILY REMLER
2003.03.03 mon
Catalyst
昨晩は悪夢で夜中に目覚めた。会社の仕事が大変で、こんなんじゃかなわないなあという悪夢。びっしょり汗をかいていた。夢の中で「これは月曜日には現実になるのだから嫌になる」なんて思っているのだ。
さて、実際に月曜日になり会社に行って悪夢でよく寝られなかった事を思い出したが、その内容がさっぱり思い出せない。会社は確かに仕事が山積みだし、米当局はいろいろなコンプライアンスを要求してくるし、統合やら、システム変更やらややこしいことが多い。でも、悪夢という程ではない。夢の中では真剣に嫌だった筈なのに、現実は面倒だが対処可能といったものばかりだ。
どうやら、「悪夢」の原因は気温にあったらしい。
昨晩は暑かったので寝苦しかったのだろう。汗をかいていたのも悪夢にうなされてのことではなくて暑かったからに違いない。夜中から急に気温が下がったので途中から安眠できたのに違いない。確かに仕事で頭痛の種となっている案件はいくつかあるので、気にはなっていたのだろう。些細な事が思わぬ触媒(Catalyst)により増幅されるという一例。触媒が「暑すぎる」でなくて「快適温度」だったら、さぞや楽しい夢を見たことだろうに。カタリスト、種類と使い方次第なのだ。
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Today's BGM =
LEARNING HOW TO FLY by TUCK & PATTI
2003.03.05 wed
Ash Wednesday
今日は「Ash Wednesday」(灰の水曜日)、額に灰を塗った人々を沢山見かける日だ。
これは、キリスト教の習慣のひとつで、罪の許しを願ったしるし。かつては懺悔の日には灰を頭にかけたことが由来しているという。信者は教会に寄って特別の灰(前年の主日−イースターの7日前−に持ち帰ったシュロの枝を焼いたもの)を塗布してもらってから仕事場に向かう。
イースターに向けての一連の行事のはじまりである。
この日からLent(四旬節)が始まる。キリストが40日間荒野で断食をしたという故事にちなみ、この期間は肉をたべずに質素な食事をすることになっている。因みに、その前に食べたいだけ食べて大騒ぎをしよう、というのがカーニバルである。40日には安息日(日曜日)はカウントしないので、実際には灰の水曜日から46日後がイースターとなる。その2日前がGood Friday(聖なる金曜日)、イエス様が磔になった日で、その前の日はMaundy Thursday、最後の晩餐を持った日となっている。
尚、イースターの決め方は、「春分の日のあと最初の満月の次の日曜日」というものなので、毎年おなじ日ではなくて、三月下旬から四月まで大分変動的である。今年のイースターは、4月20日。
毎年この日が来ると春が近いことを感じる。
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Today's BGM =
MULTIPLICATION by ERIC GALE
2003.03.08 sat
アンティークなのか、ゴミなのか
古い家具や蓄音機などアンティークなものが好きな人は少なくない。しかし、ただのボロとアンティークの境界線は随分と曖昧なように思うのはわたしがその手のものに素養がないからなのだろうか。
抽斗の整理をしていたら、奥からカセット式のWalkmanが出てきた。
それも二つも。ひとつなど殆ど新品。廃棄処分としようか迷っているところ。これで音楽を聴く事は二度と無いだろうが、ステレオ録音機能付きなので用途はあるかもしれない。
昔の蓄音機、大きなラッパ型の拡声装置がついているデザインはクラシックで装飾的なアンティークとしての地位を確立している。ウォークマンもあと10年か20年経つとアンティークになるのだろうか。いくら考えても、ただの四角い箱がアンティークになるとは思えない。
しかし、蓄音機だって、きっと次のメディアが出た直後はだれも見向かないような古臭いものだったという時代があったに違いない。そういう時代を経てクラシックなアンティークとしての地位を得たのだ。そういったインキュベーションピリオドが全てのものにあるのだとしたら Walkmanだってしばらくしたら価値あるアンティークになるのかもしれない。
それなら、わたしは Walkman を保存するのかというと、値打ちが出るまで待つほど気が長くないし、そもそも、アンティーク系の品に興味もないので棄てる事になったのだった。
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Today's BGM =
RISC VS REWARD by PHOTEK
2003.03.09 sun
セントラルパークでサッカーの練習をする人
セントラルパークでちょっとめずらしい光景に遭遇した。
サッカーの練習シーンである。
昨年の FIFA ワールドカップの扱いからも分る様に米国ではサッカーはマイナーなスポーツであり、サッカー人口が少ない。街中の公園でさかんなのはバスケットボールであり、サッカーの練習風景など今迄お目にかかったためしがない。それが、いきなり見かけたのはサッカーのリフティング(足や脚だけでボールを空中に維持しつづける)を延々と続けている人。それだけでも「おや」と思うだろうが、そのボールを操っている人はかなり年配の女性なのだ。
公園でひとりリフティングを続けるおばあさんというのはかなり目立つ。それもかなり上手なのだ。ボールが地面につくことなく脚だけであやつっていた。見物人たくさん。昔はレディース・サッカー・ティームでならしたのだろうなあ、きっと。
Information on Soccer terminology was provided by
Shiba-san.
Thank you very much!
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Today's BGM =
BLONDE ON BLONDE by BOB DYLAN
2003.03.11 tue
Freedom Fries
ワシントンDC の House Office(下院)のカフェテリアに新しいメニューが登場した。
・ 朝食のメニューには、「フリーダム・トースト」。
・ 昼食のメニューには、「フリーダム・フライ」。
一部のレストランで始まった「フレンチ」という名称が付く名前の食べ物の呼び変えが今日から下院のカフェテリアにも登場したという訳だ。
米国の対イラク攻撃に賛成せず国連の査察継続を支持するフランスへの不快感をあらわす目的で、ネイ管理委員長(自身はフランス系米国人)の指示によって行われたとのこと。
街のレストランでの名称変更はジョーク混じりであろうという事もあり許容範囲だが、ハウス(下院)という政治の中枢部でそういう事が行われるのはあまりにばかばかしい。
そもそも「フレンチ・フライ」(細く切ったジャガイモを油で揚げたフライ)はベルギーからやってきた食べ物で、作って売っている人たちがフランス語を話していたことから「French Fries」と呼ばれるようになったので、フランスとは関係が無いというのに。
3月17日の武装解除期限がせまるなか、イラクや米国、イングランドの外交駆け引きが薄氷の上で行われているけれど、どうなるのか読めない。世界的世論に逆らってイラク攻撃をしかける事は米国にとって得策ではなく、理知的な先進国だったらありえない行動だろうが、生憎と、米国は大統領選挙できちんと開票カウントをしなかった為に、理知的ではない人が大統領のポジションに居るのだ。
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Today's BGM =
ELECTRIC WARRIOR by T. REX
2003.03.13 thu
Asbestos (again)
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今朝、10時ころに会社の前の交差点(52nd & Fifth Ave)で、地面から突然白い煙が噴出した。
煙はビルの5〜6階くらいにまで達する勢いで噴出しつづけていたのだ。
何かが爆発した様子ではあるが、しかし、火薬の臭いも焦げた臭いもしない。そもそも室内にいた我々には爆音すらも聞こえなかった。何が起きたのかと言うと、地下に埋めてあるスティームパイプが爆発して45分間、蒸気と泥を吹き上げていたのだった。
原因は、交差点にあった消火栓が自動車によりなぎ倒されたのが始まり。もげて倒れてしまった消火栓からは大量の水が溢れ出し始め、それが地下に埋めてある高圧スティームのパイプに達したところで何かの反応が起きてパイプが爆発したのだという。マディソン街でパイプへのスティーム配給のシャットダウンが行われるまで噴出しつづけていたという次第。
周囲は泥んこ。
フィフスアベニューは50丁目から57丁目まで交通遮断。巨大バキュームクリーナーで路上の水と混ざった泥を吸い上げていき、それらを黒いビニール袋に入れてから金庫みたいなコンテナ風自動車に積み込んでいく。妙に厳重である。
夕方になって分ったのは吹き上げられていたのはスティームだけではなかったということ。
検査の結果、アスベストスが撒かれてしまっていたことが明らかになったのだ。全てがいやに厳重装備だったはずだ。道路の泥を掃除する人たちは黄色やブルーの宇宙服のようなものを纏っていたし、顔はもちろん特殊マスク、そういった装備だったのも道理だ。
TVでは、アスベストスの量は微量であるが、直接爆発に曝された人は医者にみてもらうように、などと呼びかけている。しかし、医者に行ったところで肺にささったアスベストの繊維が取れるわけではなし、行く気は無い。そもそも、わたしの場合、ワールド・トレード・センターから避難する際、3時間くらいにわたりアスベストスたっぷりの空気を吸引しているので、どのみち長生きはできなそうだし。
とはいうものの、明日の会社どうしようかと考慮中。まだアスベストスが飛んでいそうなので、休もうかどうかちょっと迷う。
Asbestos
アスベストス(石綿)は極細繊維状の鉱物。アスベストスは吸引しても即座に病気になったりするものではないが、10年から20年後に癌になる確率が高いという代物。固形状態にある場合は問題ないが、劣化や取り壊しなどで砕かれるなどで極細の長い繊維が飛散したものを吸引すると肺につきささるり、一旦ささると繊維の形体がカギ型をしていることから人間の自浄作用で排出されることが無い。アスベストスはその優れた断熱特性から昔は建築材料などにも多用されたが有害性が明確になってからは取り扱い基準が厳格に定められた。
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Today's BGM =
NICK OF TIME by BONNIE RAITT
2003.03.14 fri
Healthy Living
日本では中国から輸入した野菜の農薬量の多さが問題になっているようだが、米国では中南米から輸入のフルーツに関して農薬問題が浮上している。
中南米からのフルーツは主にバルクで安く売られているものが多いのだそうで、その話をしてくれた友人は特定の葡萄を食べたら反応が出たと言っていた。
それで納得したことがある。わたしは皮を剥く必要のあるフルーツは好きではないのだがたまに買う事があって、最近だと2週間おきくらいにオレンジを買ったのだが、そのどちらの場合もアレルギー症状が出て大変な思いをしたのだった。しかしその時は、ひょっとして、とは思ったものの、まさかオレンジが犯人とは思わずにオレンジを食べると具合が悪くなるのは偶然で犯人は別のものではないかと思っていた。だってオレンジジュースは平気なのだから。
しかし、オレンジジュースのオレンジはおそらく中南米産ではなくてフロリダ産かなにかなのだろう。
一方、わたしが果実のオレンジを買うときは必ず4個で1ドルなどの安いもののみなのだ。そういう安いのはきっと中南米産で農薬がたっぷり染み込んでいて、それにアレルギー反応が出たのに違いない。
当地で売られている果物には全て小さなラベルが貼られており、それから産地の特定が可能だとの事なので、今度みかけたらじっくり検証したいと思っているのだ。
◇
健康に生きるためには注意が必要という世の中になる一方だが、しかし、それも程度問題。
食事中に、自分がいかに食物に気を配っているかを話す人が居る。こういうもの(普通の一般的食べ物)は体に悪いので食べない、しかし、自分の食べるこれはこのように体に良い、何々はどういう成分でそれはこのように良い、だから自分はそればかり食べるのだ、といった調子。本人は高い理想を掲げた食生活を邁進しているのかも知れないが、聞かされる方はちょっと困る。わたしは食事はまず美味しく楽しみたい。もちろん毒だったりアレルギーのモトになるものは困るけれど、一般的な食べ物を偏らないように普通に食べる。何をどう食べるかは個人の自由だから健康的とされる食物ばかりを厳選して食べる生活スタイルを中傷する気は全く無いけれど、食事中の話題に講釈は望んでいないのだ。健康志向もほどほどが良い。
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Today's BGM =
SECRET STORY by PAT METHENY
2003.03.15 sat
Dog Run ? (by accident)
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偶発的にリーシュが外れて欣喜雀躍するラブ。
Central Park, NYC on 03/15/03 at 13:30
画像をクリックすると大きな写真がPop upします。
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セントラルパークに限らずニューヨーク市内のどの公園でも犬を散歩させる時はリーシュが義務付けられている。世の中には犬を好きでない人も居るのだから当然のルールで、犬もわきまえている。
ところが、何かのはずみでリーシュが外れてしまう事もある訳で、例えば今日遭遇したのはまさにそんなシーン。
犬とのんびり散歩していた人間がいきなり慌てたのは、犬がするりと首輪から抜けていってしまったからだった。そのリーシュは首輪一体型みたいな類の物らしくて、連れていた人の手に残ったのは赤い首輪部分と黒っぽいリーシュ部分が繋がった代物。いきなり自由になった犬は欣喜雀躍、文字通り跳ねながら駆ける、駆ける。嬉しさが全身からにじみ出る。ホッキーをしていた親子連れをみつけて一緒に駆け回る。そばにいた女の子に飛び掛り女の子も大喜び。
でもいつまでも自由に駆け回ることが出来ないのは当人ならぬ当犬がわかっているようで少し駆け回ったら静かになった。ようやく追いついた飼い主が背後から忍び寄り首輪をつけ一件落着。束の間のドッグランだった。
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Today's BGM =
X-STATIC by DARYL HALL JOHN OATES
2003.03.16 sun
凍結した湖の向こうに
昨日は春の様な日だったが、今日は夏になった。何しろ最高気温が68度(接氏20度)。
今年は冬がウエットで長かっただけに喜びもひとしお。
いきなり暖かい日が訪れたけれど、公園の湖はまだ凍結している。
水鳥たちは氷の上を歩いているのだ。ここの鳥たちはマイグレイトしないらしくていつでも湖にいる。
凍った湖の色に、カナダで見たモレーン湖を思い出した。モレーン湖は氷河が融けて出来た湖だそうで、まるで氷の色合いの記憶でも残っていたみたいだ。
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Today's BGM =
DO IT FOR LOVE by DARYL HALL & JOHN OATES
2003.03.17 mon
St. Patty's Day
3月17日はセントパトリックス・デイ。アイルランドの英雄(後に聖人になった)をたたえるアイリッシュのお祭りでフィフス・アベニューで44丁目から86丁目まで大々的なパレードが行われる。この日は、アイルランドのシンボルマークであるクローバーの色、緑をみんな身につけ、パレードの見物人のなかには顔を緑にしたりする熱狂的な人も。例年、わりとこの日は寒いのだけれど今年は何しろ20度になったので、ショーツに半袖やノースリーブの人も目立つという異例的なセントパットとなった。
ニューヨークにいるアイルランド系の人は実はアイルランドの人口より多いとのことで、このお祭りがNYで盛大なのも頷ける。アイルランドからわざわざNYに見物にやってくるアイリッシュも少なくないそうだ。
最近は日本でも原宿でセントパトリックス・パレードが行われると聞いた事がある。日本にもアイルランドから移民が多いという事が意外。
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夜、昼間撮影したセントパット・パレードの写真を整理したいたら、アイロニカルな写真を一枚発見した。グループ全員がバグパイプに星条旗を結び付けているというもの。ジョージ・W・ブッシュ大統領が対イラク宣戦布告宣言演説を行った今日という日になんとぴったりの写真なことか。パレードのバグパイパーたちは単に愛国心を表明しているだけなのかもしれないが、しかし、わたしは、ポルトガルの革命を思い出した。
1974年4月25日、無血クーデターの勝利をおさめた蜂起グループの面々は機関銃の銃口にカーネーションをさしこんだ。しかし、アメリカではアイルランドのお祭りでバグパイプに星条旗、流血戦争の幕開けの象徴の様だと感じたのだった。
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Today's BGM =
RACHMANINOV SYM NO. 2 by A. PREVIN & LONDON SYM ORCHESTRA
2003.03.19 wed
It has begun
20:00 −
そんな事が起きる可能性はラクダが針の穴を通るより少ないとはいうものの、土壇場でサダム・フセインが亡命を行い、それを受けて米英軍はイラク攻撃を中止するという展開になるのではないかと、思っていたが、勿論そういうことは現実にならずに期限切れを迎えたのだった。
Zero hour になった時は何も起きなかった。Zero hour は政治的デッドラインであり軍事的デッドラインではないと事前に政府からのコメントが発表されていた。
しかし90分ほどしてバグダッドの空にいくつもの破裂する光という映像がCNNから流れてきた。
米軍の発射したクルーズ・ミサイルを狙ったイラクの対空砲のものだった。戦争がはじまった瞬間である。ほんとうに起きてしまった。目の前の映像はこの瞬間に地球の裏側でほんとうに起きている事なのだ。
It has begun. 侵略のための戦争が始まった。米国政府によると、Liberation of Iraq has begun になるのだ。
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いままでに無いようなハイテク兵器の数々が用いられるとテレビのニュースでは解説されている。テクノロジーがそんなに進歩しても使う人の精神はさっぱり進歩しないのだから武器が高度になった分むしろ始末が悪い。兵器のハイテク化がそんなに進んだのなら、更に進めて物理的に破壊行為を行い殺しあうという旧来の戦争の方法自体をハイテクに出来ないものかといつも思う。
昔のSF小説やSF映画をみるとテクノロジーの発達した「未来」は平和でユートピアみたいというパターンがある。辛い労働は機械によりこなされ、ぴったりしたスキンスーツに身を包んだ人類は笑顔でたたずんでいる。争いとは無縁な世界でとても平和そうだが、そういう未来が来るのは未来の事でいつになっても現代は追いつく事が出来なさそうだ。
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Today's BGM =
RACHMANINOV SYM NO. 2 by A. PREVIN & LONDON SYM ORCHESTRA
2003.03.22 sat
Segway
Segway を初めて目撃した。コード・ネーム・ジンジャーとかで仰々しく発表されたので知名度は高く、すれ違うほぼ全ての人は振り返って見ていた。乗っているおじさんは得意満面で同じところを行ったり来たりして見せびらかし、たまに止まって好奇心の強い人からの質問に「これは自然なバランスで動くと言う仕組みで云々」と嬉々として説明していた。
Segway は、「Human Transporter」なのだそうだが、目の前を無音で移動していく様子は、まさに Transporter という感じ。
でも、
これ が如何にイノベーティヴな設計により作られた画期的な物だろうとしても、$4,950.00 出して買う人がどのくらいいるのだろうか。わたしは全く興味ない。普通に移動するにのなら歩くのが好きだし、遠距離なら、座っていられる自動車が良い。両手がふさがるのであまり便利とは思えないのだが、未来はみんなこんな物に乗って移動するのだろうか。
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Today's BGM =
DO IT FOR LOVE by DARYL HALL & JOHN OATES
2003.03.23 sun
The 75th Academy Awards
アカデミー賞は今年が第75回目。本来なら記念行事としていつもより大々的に行うところだろうが、戦時中の開催となったため例年より控えめに抑えたトーンとなり、仰々しさが無くてなかなか良かった。
一番最初がアニメーション部門、予想通り宮崎駿の『千と千尋の神隠し』が受賞。でも、本人は勿論かわりの人も来ていない。そんな受賞者ほかに居ない。イラク攻撃のプロテストの欠席かと思ったら、「次の作品の準備で忙しいから」というのが理由だとか。んー、4日もあればL.A.での式に出席できるけどねえ。
主要な受賞部門については、『シカゴ』(ブロードウエイのヒット・ミュージカルの映画化)が作品賞、助演女優賞など合計6部門を受賞は予想通り。主演女優賞は『アワーズ』(ヴァージニア・ウルフの人生)のニコ−ル・キッドマン。また『ピアニスト』(第二次世界大戦でドイツ占領下のユダヤ人ピアニストのサバイバル物語)が3部門受賞はすこし意外感があるが、いまの時代にぴったりともいえる。監督のロマン・ポランスキーは25年も昔に13歳の少女をレイプしたという訴訟(相手は示談に応じているのに)のため米国から逃亡中につき、受賞式欠席。
受賞者が舞台に上がり行う短いスピーチにさりげなく平和をのぞむ反戦的メッセージを盛り込む人は何人かいたが、『ボウリング・フォー・コロンバイン』(米コロンバイン高校での銃乱射事件をとりあげガン社会を批判した作品)でドキュメンタリー賞を受賞したマイケル・ムーア監督はかなり過激な発言。
「We like nonfiction and we live in fictitious times. We live in the time where we have fictitious election results that elects a fictitious president.
We live in a time where we have a man sending us to war for fictitious reasons.
Whether it's the fictition of duct tape or fictition of orange alerts we are against this war, Mr. Bush. Shame on you, Mr. Bush, shame on you.」
映画のお祭りという場所で政治的発言は如何なものかと思うが、「チャンスがあればブッシュに抗議をする」ことに心をくだいている彼が絶好のチャンスを逃すわけがない。さぞやアカデミー協会が慌てただろうと可笑しい。
司会のスティーヴ・マーティン、毒々しさを控えたパフォーマンスでそつなく纏め、ちょうど24:00に無事終了となった。
www.oscar.com
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Today's BGM =
DO IT FOR LOVE by DARYL HALL & JOHN OATES
2003.03.27 thu
反戦デモと日本総領事館の進言
いつものように8:15頃起きたら、外が騒がしい様な気がした。ヘリコプターが飛び交っているような音だと思い窓から見たらヘリコプターだった。マンハッタンの上空をヘリコプターやF14、F16などが飛行するのはめずらしいことでも何でもないのだが、朝っぱらからというのはあまり無い。
どうやら理由は反戦プロテスターたちがミッドタウンの交通をブロックしていたからという事だったようだ。
8:30頃、ロッカフェラーセンター前のFIFTH AVENUE に数十人のプロテスターが横たわり "die-ins" を、別の百人強のプロテスターがデモを行った。
いくつかの反戦グループが合同で行ったプロテスト、横たわった人々は程無く警察に逮捕されたが、選んだ場所やタイミングなどからプロテストは効果的だったと見受ける。
主催者によると、ロッカフェラーセンターという場所を選んだ理由はいくつかの大手メディアの出張所(サテライト・スタジオ)などがあるからとの事で、プロテストの対象は戦争のみでなく、メデイア及び戦争から巨大な利益をあげる企業に対するものであったと分る。
昨日の "Human Chain" (隣の手と自分の手をプラスティックのパイプの様なものできっちりつないで人間の長い鎖になって道路に横たわる)の翌日ということもあり、付近はさいしょから警戒態勢。会社のビルのワンブロック南の出来事なので、ビルのセキュリティーはいつもよりタイトだった。
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昼近くになって「在ニューヨーク総領事館からのお知らせ」のメールが届く。日本総領事館が発信元だ。
「マンハッタンで反戦デモが行われていますが、...(中略)...デモに巻き込まれないように注意して下さい。」というもの。
いつも無意味なメールを送りつけてくるのだが、今回のはひどい。これはデモクラシーに反しているのではないか。デモに参加する、しないは個人の自由であるというのに、「巻き込まれないように注意せよ」というのは参加しないことを推奨しているのだろうから、思想の自由を侵害している。もっとも対岸の火事を眺める姿勢を崩さないようにしているのが日本のメディアであり、その国の領事館が対岸の火事の眺め方にについての注意として、火事に関与しないようにしよう、とつい本音が出てしまったというところなのだろう。
自分の国の政府出張機関にがっかりさせられた朝となった。
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Today's BGM =
RHAPSODY IN WHITE by LOVE UNLIMITED (BARRY WHITE)
2003.03.31 mon
Winter is back and gone
昨晩、雪が降った頃から気温が下がり始めアパートのビルディングにも再び暖房が入った。今朝の出勤時の気温は摂氏1度。これまでの10日間の初夏そのものといった感じの気候から一転して冬が戻ってきた。しばらくぶりにレイヤー付き上着をクローゼットから出して着用。
でも、太陽光線はやはり春のもの。一瞬もどってきた冬はすぐに踵をかえして去っていった。
こういうメリハリのある処が好きである。
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Today's BGM =
I'M YOUR BABY TONIGHT by WHITNEY HOUSTON
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