2002.04.01 mon
ぎんなん
今日はギンナン初体験。
ギンナンを食べたことが初体験なのではない。焼き鳥や日本レストランの茶碗蒸などで数え切れないほど食べたことがあり好物だ。
今回は、同僚が30粒くらいくれたので、自宅で自分でスクラッチからの準備という初体験をすることになったのだ。
日本だと殻をむいた状態でパックになって売っていることが多いのではないかと思うが、貰ったのは白い殻に入った状態。これだと長持ちするのだそうで、貰ったのもチャイナタウンで沢山買って自宅の冷凍庫に入れて保存しているものなのだそうだ。
食べ方は次のとおり。
- まず殻を割る準備。… まな板の上にペーパータオルを敷いて銀杏を少し間隔をおいて並べて上からペーパータオルをかける。上下をペーパータオルで包んだ理由はすべらないようにする為。
- 殻を割る。… 銀杏をひとつずつハンマーで軽くたたく。ヒビをいれる程度。ハンマーの柄を短く持ったほうが力が入らなくて良い。ぱりっと音がしてヒビが入ったのがわかる。
- 中身を取り出す。… ヒビのところから殻を割り、中身を取り出す。天津甘栗を剥く要領。
- 加熱する。… サランラップに包んでマイクロウエーブ40秒。塩をかけて食べた。なかなかいける。セカンドバッチは、オーヴンを試みた。アルミニウム・フォイルに包み華氏400度で15分ほど加熱。こちらの加熱方法の方が美味。
ギンナンはおいしいだけではなく、カラダに良い成分が豊富で、特に脳を活性化するなどといわれている。でも、毎日食べないと効果は望めないのだろう。それが証拠に、一回食べただけだと、記憶が良くなるというより何だか無性に眠くなっただけだった。
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Today's BGM = THE WOMAN I AM by CHAKA KHAN
2002.04.02 tue
車のメインテナンス
少し遅れて出社してきた同僚が「カギを無くされた」と憤慨している。車のメインテナンスのためにキャディラックのオーソライズ店に車を預けたのだが、約束の日になり車を取りに行ったら、鍵を無くしたので一日待ってくれ、と代車を渡されたのだという。
ところが、その翌日、ようやく戻ってきた車は、前はなんとも無かった場所から異音がするようになったりして、「やられた」のが一目瞭然だとのこと。つまり、鍵を無くしたとうそをついて時間を稼ぎ、部品を抜き取ったりして、もっと修理をたくさんさせて儲け様という算段。インチキ「シロアリ駆除」スタイルの自動車版だ。
その乗用車がキャディラックなのでキャディラックのオーソライズド店を選んだのが裏目に出たと同僚はこぼす。その店では前からメインテナンスを頼んでいたけれどだんだん悪くなってきている気がするとのこと。あちこちに生じた不都合についての修理はもちろん別の店に持ち込んで行うとのこと。
車のメインテナンスは、どの修理工場を選ぶかというところから始まるという事だ。
それにしても、映画などではよく見聞きするこの手のインチキ、実際にあるのだとちょっと感心した。
そしてわたしは『60 セカンズ』の妄想モードに。
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Today's BGM = DRAWN FROM LIFE by BRIAN ENO
2002.04.05 fri
ENOUGH !
イスラエルがパレスチナ自治区を武力行使にて占領し、アラファトを包囲するなど過激な状態になっていることを受けてブッシュ大統領は、昨日ホワイトハウスにて記者会見を行い、コリン・パウエル国務長官を中東へ急派するとの緊急声明の発表をした。
今までの「イスラエルの自衛権を認める」として積極的介入は控えていた立場からの姿勢変更となる。
ブッシュ大統領は「恐怖は止めなければならない」と演説、イスラエルのパレスチナ自治区からの引き上げ、パレスチナによる自爆テロの停止を求めた。
今回の出来事は、一見パレスチナ側が追い詰められているようだが、実は、アラファトの思うツボだという見方もある。アラファトは、自分たちパレスチナ人はイスラエルにこんなにいじめられている。イスラエルとは何とひどい集団であることか、という点を世界に見せつけたいので、良いチャンスになっているという事だ。アラファトとシャロン、二人の頑固な老人の長いケンカであることは事実だが真相はわからない。
そしてそのケンカは、そもそもの原因からは離れてしまい、「大国」アメリカが世界を(アメリカのモノサシでいうところの)民主的で自由な社会として作り変えが終わるまでというのが行方となるのだろう。
ブッシュはテロリズムはENOUGHであるとしているが、わたしは「"アメリカン" グローバライゼーションは "ENOUGH" 」とブッシュに言いたい。
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ニ三日前の夏のような日が嘘のような寒さが続いている。今朝のテレビのニュースではキャスターが「寒の戻り」などと言っていた。
たしかに寒いが世界情勢の寒さはこんなものではない。
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Today's BGM = TOKU DO by LARRY CORYELL
2002.04.07 sun
DAYLIGHT SAVINGS
夏時間(Daylight Savings)は四月の最初の週末に始まる。
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夕暮れが遠くなる
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土曜日の夜、Windows98マシンで作業をしていたら小窓がポップアップして「夏時間になりましたので正しいか確認してください」と迫られた。
さっきまで 26:00だったのに一瞬にして 27:00にされてしまう。毎年のことだがその理不尽さにがっかりする。
時計の針を一時間進める意味は、夕方の明るい時間をストレッチするところにある。会社のあとアウトドア・アクティビティーをするのに都合がよいように調整するというのが主目的らしい。
夜派の人間にとっては、いつまでも明るくて調子がくるうだけ。
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Today's BGM = TIME OFF by DAVE BRUBECK QUARTET
2002.04.10 wed
ARTHUR ANDERSEN
破綻したエネルギー大手エンロン社の会計監査を担当していたアーサー・アンダーセンが北米スタッフの四分の一を上回る7000人の人員削減計画を明らかにした。
アーサー・アンダーセンは米国ビッグ5会計事務所のひとつだったが、エンロン事件による刑事責任や株主訴訟などに直面し自身が崩壊寸前。
ライバル会社のKPMGに身売りを持ちかけて断られたが、どうやらデロイト・トゥーシュが引き受けるらしいというウワサ。
エンロン問題によりアーサー・アンダーセンは消滅する事になるのだろう。会計監査業務はその報酬に比べて責任が重すぎるということで、国家機関の管轄とすべしという意見も以前からあった。
しかし、公的機関にすると競争が無くなり仕事の質が向上しなくなるので自由競争のある民間会社であるべきと判断されているようだ。
東洋のどこかの国の場合、企業の会計監査は政府の仕事なんてなったとしたら、癒着と保身と議員どうしの足のひっぱりっこでタイヘンなことになりそう、と思ったり。
cf: Arthur Andersen LLP による説明(英語)
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Today's BGM = EVE by THE ALAN PARSONS PROJECT
2002.04.11 thu
給料の上がった人、下がった人 (National Globalization)
今でこそ失業率が高いが、つい最近まで米国では好景気で潤った人々が多かった。
業種別にみた1990年代の給与上昇率についてニューヨークタイムスに記事が出ていたが、マーケティングの上昇率が一位というのはちょっと意外感があった。平均給与を見ると、1994年の$64,400から2001年度は$86,600と 34.5%の上昇となっている。
マーケティングの次に上昇率が高かったのが、IT関連(プログラマー、テレコミュニケーション専門家など)。33.5%アップは、Y2K問題もあったので技術者の需要の高さとうなずける。
特にインターネット関連業種の場合、給与以外にストックオプションなどの実入りも多かったと見受けるものの、バブリーだったという一面も。
その他の業種では、営業職が33%アップ、人事専門職が24%、会計専門職が20%などとなっている。
企業のトップ陣は、最近収入が随分減っているらしい。そうはいっても、年収 10百万ドル(13億円)とか、そういった桁の人々の場合だから減っても減らなくても日常生活への直接的影響はあまりなさそうだ。
一方で、年収が 2万ドルにも満たないという貧困層も多く、グローバライゼーションによる貧富の差は米国国内にもはっきりと存在しているのだ。
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Today's BGM = EVE IN THE SKY by THE ALAN PARSONS PROJECT
2002.04.13 sat
忘れない 〜 Gone but Never Forgotten
「人間は忘れる事が出来るのでユナイテッドに乗るのも今迄通り」
来月に予定している短期一時帰国のフライトを連絡したら親が言う。昨年の11月はそれまでのユナイテッド・エアライン( UAL )には乗らずに全日空( ANA )で成田に行ったのだったけれど、今回は UALとしたからだ。
UALにしたのは去年の出来事を忘れたからではない(あまりにデヴァステーティングな出来事は忘れる事は無い)。前回帰国時はテロの直後だったので取敢えず米国キャリアを避けたのだが、しばらく時間がたちその間の様子をみてみたら、UALも他の航空会社と危険度は大差ないと判断できた事、ANAは、成田出発時間が早朝でわたしに合わない事や、機内での文化差などで UALの方がコンフォタブルな事などが主な理由。
WTCの出来事は、一生忘れないだろう。WTCが無い状態に慣れはしたが忘れる事は無い。2001年の出来事は勿論、9年前の出来事だって生々しい記憶は消えていない。
時間の経過と勇気ある人たちの影響などにより距離をおけるようになっても、ショックと恐怖はミームの様にわたしに浸透し刻み込まれた。
911以降、全ては変った。今迄通りのものなんて何もない。
だから新しい夜明けの希望と夢を追うのだ。
Prepare to meet the challenge of the new frontier.
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Today's BGM = THE NIGHTFLY by DONALD FAGEN
2002.04.15 mon
蠢動
朝、歩道の上でみつけた春。木々にも新芽が出て、虫も動き出した。
でも良く見ると右手で目を擦っている様子。
虫も花粉症になって目が痒いのだろうか。もしそうだとしたら虫は花粉と切っても切れない関係にあるだけに大変だ。どんな世界にも生きていくのには苦労が伴うものなのだなあ。
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Today's BGM = ALONE BUT NEVER ALONE by LARRY CARLTON
2002.04.16 tue
暑い!記録樹立!
朝から20度、最高気温は摂氏33度(華氏92度:セントラル・パークにて)にまで上昇し、気象観測記録を樹立したとのこと。33度なんて夏だってしょっちゅうはならないのに。
気温の急上昇と木の芽は連動していて一気に緑になった。数日前までとは街の景色もすっかり変わった。雪が降る日もあれば夏の日もある、一ヶ月の間に四季が混在するのがNYの四月なのだ。
騎馬警官も半袖の夏服に衣替え。なにやら熱心にメモをとっていたが駐車違反の取締りという訳でもなさそう。
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Today's BGM = RETILE by ERIC CLAPTON
2002.04.17 wed
新記録ラッシュ // 病気の親戚が増えそうな日
今日の最高気温は華氏97度(摂氏36度)、気象観測史上最高との事。昨日の記録はたった一日で書き換えられた。
「急病の親戚が増えるかもしれません」
朝のニュースでアナウンサーが冗談交じりで言う。こんな日は、会社を早退して公園でローラスケートをしたり日光浴や水遊びをしたりしたくなる人が急増しそうで、そういう人はヴァーチャル親戚をヴァーチャル病気にして早退の口実にするかも、という事。
毎日こんな暑さが続く季節になってしまえば誰も会社をずる休みしてまで公園などに行こうという人は居ないだろうけれど、何しろ、数日前までは何処でもヒーターが入っていたのだから、ボーナスのヴァケーションみたいな気分になる。
もちろん今日は会社も自宅も冷房フル回転。4月に自宅でACをランしたのは多分はじめてということで、自宅でも新記録。
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Today's BGM = I'M THE MAN by JOE JACKSON
2002.04.19 fri
肥満とダイエット
アメリカでは毎年300千人が肥満が原因で死亡しているといい、肥満が深刻な問題となって久しい。今回、IRS(税務当局)は肥満は病気であると認定し、肥満治療のための費用は税務控除対象とすると発表した。
こちらの肥満は日本では見かけないような超特大サイズになっていて、一歩ごとに床を振動させ、自分の肉をふるわせながら歩く人がどこのオフィスにも大抵いる。
そういった人の全てが医療的治療を真剣に考えているとは思わないが、多くはダイエットには少なからず興味があるのではないだろうか。
超肥満体から普通の肥満体及びやや肥満の人を対象にダイエット業界は米国では大きなマーケットとなっているのは間違いない。
日本のように、もともと細い人が更に細くなろうとダイエットに励むのではなく、こちらでは命の危険を伴う肥満が多いのでダイエットも深刻となる訳だろう。
SPAM(広告メール)でもダイエット関係がとても多く、肥満に悩む人がいかに多いかという事だが、ダイエットのマーケティングでは広告の受け手が肥満かどうかのスタディーはまだ確立していないのでわたしのところにも毎日のように「脂肪をとかす決定版」なんていう広告メールが来る。わたしとしてはそんなSPAMをダイエットして欲しいのだ。
***
夕方、雷雨(
こんな感じの稲妻にうっとり)。車軸を流すような豪雨に歩く人も殆どいなくなった。約一時間で雨が上がった後は気温も漸く下がり始めた。
週末は普通の4月並みの気温になるそうでエアコンも点けずにすみそう。
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Today's BGM = STRIKES TWICE by LARRY CARLTON
2002.04.20 sat
モーターサイクル・ショウ
Rockefeller Center で開催中の Motorcycle Show は、1940年代から現在にいたるまでのオートバイ40台が展示。
クラシックなものから未来的なデザインまでどれも美しく、うっとりしながら眺めていたら以前にわたしの愛車だった車種がありびっくり。
街で昔の恋人に偶然出会う時ってこういう気分になるのだろうかと思ったのであった。
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Today's BGM = ROCKS, PEBBLES AND SAND by STANLEY CLARKE
2002.04.21 sun
スーパー・マーケットのプラスティック・バッグ
スーパー・マーケットでは売場のあちこちにロールになったビニール袋が設置されていて、切り取り線から一枚ずつビニール袋をとり果物や野菜、パンなどを入れるというシステムを採用しているところが多い。
このビニール袋がなかなかくせもので、袋のクチが開かないのだ。
ぎっちりロールになっているのでぴったりくっつきあい、パーフォレーションからちぎってから開けるまでに悪戦苦闘するのが常である。
閉じている方じゃない方をくしゃくしゃにすると何気に開くというのがよくあるテクニックだが、それもいつもワークするわけではない。最後の手段は指をちょっと湿らせて(指に「はぁー」と息を吹きかけるか、または、指を舌に直接つける)えいっと開口部であるべき場所をこじ開けることになるが、これはエレガントでないのでひとなかでは避けたい。
今日も、ベーグル売場でわたしは袋が開かずに「Grrrr(う"〜)」と唸り声をあげていた。すると 「Here (はいっ)」 という声とともに、口がすこしだけ開いたビニール袋が差し出された。見上げると男がひとりにこにこしながら(ちょっと得意そうに)立っている。「僕も前は袋の口が開けられないでいたのだけれど、この店のパンフレットに方法が書いてあってそれで極意を掴んだんだ。こうやるんだ。」とデモンストレーションまでしてくれた。
得意技を見せることが出来て嬉しそうな様子。見ず知らずの人に親切なのは米国ならでは。Thanks!
ところで、彼が得意そうに披露した極意とは、袋の上の部分を指でつまんで指を左右にスライドさせる(つねるみたいな)というもの。後で試してみたが指に湿り気のある人にしか通用しない「ワザ」である。
そもそも、その開け方をパンフレットを読むまで知らなかったなんて、不器用この上なく米国ならでは。
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Today's BGM = KID GLOVE by LARRY CARLTON
2002.04.22 mon
Social Security Statement
Social Security Statement が届いた。
現時点までの払込実績をベースに将来受けとるであろう Social Security (社会保険:日本の国民年金のようなもの)の予想金額の計算結果を送ってくるのだ。
以前は、請求ベースでのみ送付されていた書類だが、数年前から、誕生日の三ヶ月前になると毎年自動的ステートメントが送られてくるようになったもの。
62歳になると毎月 $1,275 を受け取ることが出来る。
但し、その為には 62歳になるまで今のレートで継続した収入を得る必要がある。
<62歳まで働いても毎月 $1,275というのは脱力する数字だ。>
66歳まで働いたとしたら毎月の支払額は $1,802となり、70歳になると受取額は $2,504になるだろう。
いずれのケースも、それだけでは生活が成立しなさそうな数字だ。
ペイチェック(給料)の都度、たっぷり源泉徴収されるのが Social Security Tax。
但し、現在わたしの世代が支払っているのは自分の将来のファンドではなくて、もっと年長世代の年金。
わたしの世代が年金を受け取る年齢に達した時に、果たして、Social Security システムは存在しているのだろうか。
ジョージ・ブッシュ大統領は、Social Security Tax (で集めた資金)を株式運用するという事を推進したがっているが、株式市場での運用はスペキュレイティブであり、ニューヨーク市職員の年金ファンドが崩壊寸前なのはまさに株式投資の失敗なのだけれど。
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Today's BGM = BEETHOVEN VIOLIN SONATA "SPRING" by PERLMAN & ASHKENAZY
2002.04.25 thu
Manhattan Blast : ビルディングの爆発と崩壊
ランチの後、とびこんできたニュースはマンハッタン・チェルシー地区(会社や自宅のある場所より30ブロックほど南)でのビルディングの爆発というもの。
技術学校の寮であるビルで崩壊及び爆発があり少なくとも50人が怪我をしたという。現在、当局はテロとの繋がりは無く事故とみられると発表しているが、何かというとすぐにテロとの関係を問う時代になってしまった。それにしても近所でこういう事件があると怖い。イタリアのミラノでの高層ビルへの小型機突入(自殺らしい)も、それ自体はテロでなくても911の事件に触発されて選んだ自殺の方法だろう。
FBIは、スーパーマーケットが狙われているという有力な情報を得ているので気をつけるように、と警告を出したばかりだ。日々の生活が命がけ。(だから密度の濃い人生を真剣に生きるのだ。)
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Today's BGM = AH VIA MUSICOM by ERIC JOHNSON
2002.04.26 thu
消え行く会社たち
雪印食品は本日の午前に登記上の本社がある札幌市内のホテルで臨時株主総会を開き、今月30日をもち会社を解散することを正式に決議した。今年一月の牛肉偽装詐欺の発覚から三ヶ月で半世紀続いた業界の名門は消滅することになった。
アイワは国内外で4,000人の人員削減を実施、工場と販売拠点すべて閉鎖すると 25日に発表した。10月にソニーの完全子会社となるのに伴い生産・販売機能はソニーが摂取することになる為だそうだ。
雪印と違い、アイワは悪事が発覚しての解散とは違うが、しかし、昔の高級オーディオメーカーからカーステレオメーカーに転身、今回とうとう解体とは、時代に乗れなかったメーカーの惨めさを感じる。
日本の山一證券が「自主廃業」を発表したのは 1997年11月22日。その時、東京勤務だったわたしはニューヨークから訪問中の友人らと原宿のパスタ屋で待ち合わせていた。「ニュース(山一自主廃業の)みた? 驚いたね!」などとディナーの格好のトピックになっていた。
まさか、それが日本の金融システム全体が面変わりする引き金(あるいは前兆というべきか)だったとは、その時は思いもしなかった。
その前よりムーディースなどによる格付けが「投資不適格」すれすれでタイトロープではあったものの日本の「護衛船団」の存在は全ての前提であったのだ。
それから4年4ヶ月、日本の金融機関の多くは持株会社制度を採用して統合を行った。
わたしの勤務先の銀行も、統合により以前の名前は無くなった。
これが経済の新陳代謝であるとしたら、会社は消えるのではなく再生する筈であり新たなクリエーションに立ち会えるのはちょっと楽しみだ。
諸行無常の響きは無い。
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Today's BGM = GOODBYE YELLOW BRICK ROAD by ELTON JOHN
2002.04.28 sun
WalkAmerica: be a hero for the tiniest babies
WalkAmerica とは、別名 Walk-a-thon (歩くマラソン)ともいい March of Dimes により毎年開催されるファンドレイジング。参加者はマンハッタン等の決まったコース(今年は10マイル:約16キロ)を歩くことに対してスポンサーからお金を集める。
以前は一マイル当たり幾ら、とスポンサーから出資してもらったのだが、今年は歩いた距離を問わず一括いくらという方式になっていた。
集めたお金は、未熟児医療研究費として寄付される。
スポンサーは9名、約4万円を集めたし、昨日のうちに着る物(天気は雨模様なので、ワークブーツ、ショーツ、トレーナー、ウインドブレーカー)も確認して準備万端で挑んだ。
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が、今朝起きたら、雨は予想通りだったが寒さが予想以上のものでショーツは却下。ジーンズにセーターという冬のような装束に急遽変更。08:45、セントラルパークの集合場所に着いた時にはすでにずぶぬれ。おまけに靴には穴が開いていたらしくて水浸しだし。
なんとなく意気消沈しかけていたら、NYPDの鼓笛隊(Marching Band)が行進してきた。最初はマーチのような曲を演奏、次の曲は “New York, New York”。一気に元気が出る。「雨がなんだ」、という気分になるから不思議だ。こういった演出はうまいなあと思う。NYPDバンドの演奏に見送られて、Walk-a-thon がスタートした。
コースは10マイル(16キロ)は中止となり 5マイル(8キロ)が正規となったが、今日は雨なこともあり更なるショートカットも有りとのこと。
わたしは 5マイルの折り返し地点の少し手前でショートカット。多分4マイルくらい歩いたと思う。歩くのは本来大好きで10マイルでも20マイルでも平気なのだが、今日は横殴りの雨でぐっしょり濡れたジーンズが重く脚にまとわりついて疲れたので早めに撤収とした。
そういえば、アジェンダによると Walk-a-thon の始まりはマイケル・ブルームバーグNY市長の挨拶がある筈であったが、声も姿も無かった。週末なのでバミューダにでも行っていたのだろうか。
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Today's BGM = PRECIOUS by CHANTI MOORE
2002.04.29 mon
あれから10年・・・
ロス・アンジェルスの大暴動から今日で10年。
アフリカ系の米国人ロドニー・キングがパトロール中の白人警官数人に捕まり殴る蹴るの暴行を受けたところを現場近くの素人がビデオで撮影していたものが公開された事から大問題に発展した事件である。
ロドニー・キングは逮捕される理由はあった(麻薬を服用していた)のだが、その逮捕現場のビデオがメディアに流れた事から彼は一気に容疑者から被害者になり、その白人警官四人は解職され法定に立つ事となった。しかし、陪審員の評決は麻薬をやっていて抵抗した黒人を制圧した白人警官は無罪、というものであった。
この評決は、日頃からたまっていたアフリカ系ほかマイノリティー住民の不満に火をつけ、暴動が引き起こされたのだった。
そして、暴動は全米に広がり、NYでもあちこちで破壊行為や騒動が起きた。
L.A. の暴動は三日続き、50人以上の死者を出した。
10年前の今日は、チーフディーラー(トレーディング・ルームのチーフ)の転勤パーティーが予定されていて楽しみにしていたのだけれど、暴動の危険の為に中止になったこともあり、あの日の不穏な空気は忘れられない。
あれから10年・・・
世の中は変わったのだろうか。
先月のアカデミー賞では主演男優賞、主演女優賞ともにアフリカ系米国人の受賞となったのは記憶に新しい。
2002年ソルトレーク冬季オリンピックで一番のスーパースターは日系二世のティーンだったし、ロング・トラック・アイススケーティングで金と銀メダルをとったのはメキシコ系米国人、フィギュア・スケートで一番の前人気だったのは中国系米国人、とマイノリティーの台頭が目ざましい。
しかし、これらの「スター」達は、極めて才能のある特殊な人たちで、多くのマイノリティー(特にアフリカ系及びヒスパニックス系)は相変わらず差別され、犯罪者に占める比率としては人種別人口構成比を上回っている。
でも、努力を惜しまなければ、開けるチャンスの道の間口は随分と広がってきている様にみえる。
今から10年したら、人種により差別があったなんて言うことを昔話として語れる時代になっている事を信じたい。
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Today's BGM = HOTTER THAN JULY by STEVIE WONDER
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