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may 01 00  mon

対価を払う



今日から5月。日本は「ゴールデン・ウィーク」で休みの企業が多い。 銀行はカレンダー通り営業なので東京本社の休みは 3日から5日のみ。それでも週末と合わせて5連休はミニ休暇みたいで羨ましい気がする。

会社の絨毯の張り替えが行われた影響で空気が悪く花粉症が再発。 ずっとクスリ無しでいたのだが、今日は視力劣化とひどい頭痛でしかたなしにクスリ再開。 数時間でアレルギー症状が消えるが、代わりに、服用開始後2日位は副作用がある。 それは、不眠、喉の渇き、気温感覚異常(どんな気温でも暑いと感じてしまう)、を我慢するという対価を支払う事となる。

会社の外にでるとビルの横にロケバスが並んでいて器材を仕舞いかけているのか出しているのかといったところ。 マンハッタンは映画のロケが多くそれが市の収入源にもなっているのだ。 ロケは良いのだが、大型トレーラーが一台、エンジンをかけっぱなしの状態。 アイドリングでも排気ガスはたっぷりと排出されていて、ディーゼルらしいエンジンからのエギゾーストで歩行者の呼吸の自由が奪われていた。 都会を生活の場として選んだ事で良質空気を失うという対価をここでも支払っているのだ。


♯  Today's BGM = THE REMIX PROJECT by Chaka Khan

( s=0130-1015;esb=ffffff;H68L56 shine )

 

may 02 00  tue

母の日のカード



母の日には毎年カードとプレゼントを送っている。 航空便は発送から到着まで一週間ぐらいかかるので早めの準備が必要なのだ。

ことしは母の日のカードを目にしてないなあと思っていが、 よく考えたらカードショップに足を運んでいなかった事に気づいた。 早速カード店に行ってみると、何のことはない、ちゃんと大きなスペースを割いて「母の日コーナー」があった。 今年は全体的にカラフルなデザインが多い。 母親と祖母にカードを買った。鮮やかなオレンジ色の花がカード一面に大きく描かれたカードは目の悪い祖母にも春の雰囲気が伝わりそう。

米国ネットワークTVの abc(チャンネル7)が Time Warner ケーブルの視聴者の画面から消えた。 ディズニー・チャンネル関連の放映権をめぐり継続中だった交渉が決裂したため、Time Warnerは「7」チャンネルを合わせた人には「ディズニーがあなたからこの画面を奪った」という過激な画面が表示されていた。 地上波よりケーブルで受信する人の方が遥かに多い米国では、なんと350万人の人が7チャンネルをみられなくなったという。

尚、今日の夜には配信は復活していたので怒りの切断は約1日半続いた様だ。 わたしは、TVはムービーチャンネル以外は殆ど観ないので、「7」が見えようと見えまいとどちらでも良いのだが、しかし、米国のネットワークTVの配信を平気でストップしてしまう Time Warner の決断って面白いと思った。


♯  Today's BGM = RIP STOP/REMIX by TDF

( s=0430-0800;esb=ffffff;H68L48 shine )

 

may 03 00  wed

GW in NYC



日本はGW(ゴールデン・ウィーク)。 ニューヨークでもそれなりの影響があったりするのだ。

まずは、東京本社からのe-mailやファクスが来ないので、平和な日々だということ。 月初の報告書だって、期日は来週までモラトリアムだ。

もうひとつは、マンハッタンの人口分布に変化が起きる事。 住居も仕事場もマンハッタンのミッドタウンなわたしは、通常、直径 1キロメートル内の定点生活をしている。 その範囲内にはいくつものホテルがあるのだが、今週は日本人人口が急増しているのだ。 連休を利用してニューヨークにやって来た日本からの観光客が、朝から街にくりだしている。 何人かのグループで行動して道端で地図を広げて相談するのが特徴の一つ。 身奇麗なのも他の国の観光客との大きな違いだ。 いちばん違うのは、全身から平和光線が出まくりというところ。 いろいろ物騒な事件が相次いではいるものの、やっぱり日本は基本的には平和の国なんだなあ、と認識するのはこんな時。

NY地区のローカル(市内電話)は従来ベル・アトランティック社によってのみ運営されていたが、今回規制緩和で他の会社も参入できるようになった。 AT&T社は、「なんでもパック」みたいのをオファーしている。インターネット接続、長距離電話、そして「バーチャル・無制限」の市内電話をパッケージしたもの。 この「バーチャル・無制限」はよくみると小さなアスタリスク「*」がついていて、注意書きに「一ヶ月75時間まではかけ邦題。それ以上は一分につき2セント」とある。 これは、凄く高い。わたしの場合、ネット接続はダイアルアップをしているが、自宅にいる時はネットにつなぎっぱなしという使い方なので一ヶ月の電話使用時間は200時間を軽く超す。 すると、75時間超の部分に2セントをかけると200ドル近くなる。これでは、ダイアルアップ接続の人は加入しないと思うのだが、AT&Tは何を考えているのか不思議でならない。
だって、現在のベル・アトランティック始めとした一般的な市内電話の契約は、一回10セント(時間により最大65%までの割引あり)というものなのだから。


♯  Today's BGM = WIRED by Jeff Beck

( s=0200-0800;esb=ffff00+ffffff;H68L52 shine )

 

may 04 00  thu

タイボー初体験



友人が「タイボー」のビデオを貸してくれた。 タイボー(TAE-BO)はキックボクシングとエアロビックスを組み合わせた様なフィットネス・プログラムで現在人気上昇中らしい。 名前の由来は Tae Kwan Do というマーシャルアーツとボクシングの融合との事。

このタイボー、我こそは元祖という人が複数存在して係争中とのことだが、このビデオも自称元祖のひとりによるもの。 ビデオのヒットですっかりリッチになったとのこと。

テープをかけてみると早速リズミカルなハイテンポな音楽が開始。 ダンス・ミュージックにあわせて元ボクサーの Billy Blank がインストラクターとなり、手はボクシング風、脚のキックはマーシャル・アーツ風といった軽やかな動きをみせる。 普通のエクソサイズよりスピードが早くリズミカルなので入り易い。 10分ほど一緒に動いてみた。

早い動きなので心拍数がすぐに上昇し、運動した実感が伴う。 ヨガを始め、妙にゆっくりした動きを強いられるエクソサイズはだれてしまい続かないのだが、これは気軽な感じ。 ただ、キックは種類によってはわたしにはちょっとやり難い。 Tae-Boのキックはキックする時に反対側の手で妙なリズムを取る感じで動かす様なものがある。 少林寺拳法の黒帯を所持するわたしにとって、こんな変なキックはありえない。 更に、拳法のキックは蹴り込む時に力が入り、ひくときは自然に戻る感じだが、こちらのエクソサイズはむしろ、引き戻しの時に「Pull!」と引き寄せる運動を強調していて、慣れるまで戸惑うも、またやってみようという気になるプログラムだった。


♯  Today's BGM = RIGHT ON TIME by The Brothers Johnson

( s=0145-0800;esb=ffff00+ffffff;H70L58 shine )

 

may 05 00  fri

寒い夜は・・・



今頃の季節は、日によって寒暖の差があったりするが、大抵のアパートメント・ビルディングでは暖房が止まっている。実際には昼間暖かい日でも夜は結構冷えるので寝る時に寒さを感じたりするのだが、羽毛フトンとかは仕舞っちゃっていて、また出すのもおっくうだよね、などという話を会社でしていた。 そういう夜の対処法は人によっていろいろなのだ。 他にも、何人かいつもよりプラス何かを身に付けるという意見があり、これが一般的な対処法だった。ところが、 という人がいて、なんか、ネコの災難を感じた。布団の中って何か息ぐるしそうだけど、ネコ、おとなしくしてるのかと尋ねたら、ネコも眠さが勝っているようで結構なされるがままなんだそうだ。

Three Dog Night ならぬ、One Cat Night というのもあるのだと知った。


♯  Today's BGM = IF MY HEART HAD WINGS by Melissa Manchester

( s=0030-0810;esb=ff0000+ff0000+ffffff;H82L62 shine )

 

may 06 00  sat

休みの相対性理論



ようやく週末。一週間ぶりにたっぷりの睡眠を摂取。窓から見えるマンハッタンもいつもより美しくみえる上機嫌の朝を迎え、おいしいコーヒーをいれてのんびりとする至福の時。

日本の友人からメール。 ゴールデン・ウィークによる5連休が終りに近づき悲しいというもの。 月曜から仕事という同じ環境でも、片や、週末を楽しみ、片や、連休が終わりで悲しいという。 この違いは、勿論、全部の休みの長さを分母とし、残された部分を分子とした場合の数字の大小により喜びと悲しみが分かれている。 これが「休みの相対性理論」。分母が大きければ大きいほど哀しみ効果もシビアなものらしい。

休暇をフルにエンジョイするには、この理論を意識しないで済むようになればよい。目指せ、休暇の達人。 (My vacation will come towards the end of this month)♪


♯  Today's BGM = SOME PEOPLE'S LIVES by Bette Midler

( s=0115-0835;esb=ff0000+ff0000+ffffff;H88L69 shine )

 

may 07 00  sun

映画館の立体音響効果



久しぶりに映画館で映画鑑賞。映画は本来、劇場で観賞する目的で作られているだけありビデオと違い奥行きのある映像、大画面、そして大音量は確かに本来の映画の姿なのだけれど、映画は自分ひとりで観るのではないので、他の観客がどんなヒトかにより作品の感想まで左右されてしまう。 たとえば、今日は、意図せぬ「4-D立体音響システム」と「ライト・ショウ」に悩まされつづけた。

予告編からタイトルの頃、後ろの方からディープな声の男がさかんに画面の文字を読んでいる。米国は識字率がそんなに高くないので連れに読んであげているのかもしれない。 でも、うるさい。しかし、これは、映画本編に入ると読む対象となる文字は無くなり静かになった。

左の奥の方に遅れてやってきた二人連れはプラスティック製の袋から何かを取出そうとしているのか、いつまでもばりばりとうるさい。 しばらくしたら今度はライトショウが始まった。持参のフラッシュライト(懐中電灯)で袋の中身を確認したりしているのだが、手元がしょっちゅう狂い、ライトは天井から画面、隣の席までお構いなし。

しばらくすると少し前の方に座った大柄な黒人男性のお食事タイムが始まった。ところが、その食べ方がぴちゃぴちゃはふはふと甚だ騒がしい。 ただでさえ食事中に音をたてるのはかんにさわる不愉快な行為だが、映画を観ている最中のものは神経を逆なでする。

そのうち遅れて入って来た大柄の女性が何列か前の左側に座るやいなや、空になった氷入りソーダのカップで音響効果を高め始めた。 すなわち、飲み終わった後の氷を食べるのが好きらしくて、紙コップの蓋をあけては、がらがらと氷を取出しばりばり食べる。 一回なら我慢できる音だが2〜3分毎に一回やられるとむっとする。これも、氷が無くなれば終わる音なのでガマン。 そういう訳で映画の最初の20分くらいは音とライトショウで映画を楽しむどころではなかったのだ。

サラウンド・システムが終わったら、冷房が異常にきつくて寒くて凍えてる自分に気づいた。どこの映画館も涼しさの提供はサービスの一部といったところがあるが、今日のは明らかに行き過ぎ。 最初は、音の方に気をとられていて気温には気づかなかったのだ。次回からは上着持参でぬくぬく観賞を心がけることを忘れないようにしよう。映画の後はなんだか風邪っぽい。映画の最初に上着を取りに戻るべきだったのだ。


♯  Today's BGM = BOYS AND GIRLS by Bryan Ferry

( s=0445-0945;esb=ff0000+ff0000+ffffff;H92L70 shine )

 

may 08 00  mon

カーディナル・オコナー



先週80歳で亡くなったニューヨーク地区のカソリックの大司教であるカーディナル・オコナーの葬儀が、会社のすぐ近くのセント・パトリック・チャーチで行われた(カーディナルとは、ローマ法王の最高顧問であり緋色の衣をまとう。日本語では枢機卿と訳されている)。
クリントン夫妻を始めとして世界中から要人が集まったので、周囲は厳重な警戒態勢がしかれたが、事前の公報が行き渡っており、交通の混乱は見られなかった。

集まったのは要人だけでは無い。各TV局の車が FIFTH AVENUE 沿いにずらりと駐車し、それぞれが、4メートルくらいの柱を立てて先端にサテライト用通信装置が設置されているのはちょっと壮観。 発電装置がうなりをあげ、最高気温摂氏32度とただでさえ暑い今日のニューヨーク、FIFTH AVENUEの気温はさらに上昇していた。

葬儀の模様は同時衛星中継されている。教会内でのビル・クリントン大統領は、いつもの様にその場に合わせた表情を作っている。 今日のような席では深い哀しみのなかにちょっと静寂を漂わせたような感じ、小渕総理が倒れた時のインタビューで見せた悲痛な表情とはまた別のものだ。 楽しい時は、勿論、ココロの底から楽しんでいます、という表情をするのだが、演技過剰であるという批判的な見方をする人もいる。 たしかに、演技しているのは見え見えである。でも、演技して何が悪いか、と思う。わたしは、場違いにへらへらしている人々よりはずっと好ましい態度だと思うのだ。


♯  Today's BGM = RETROSPECTIVE by Emily Remler

( s0030-0755;esb=0000ff+ffffff+0000ff;H90,L68)


 

may 09 00  tue

進化論の不思議



最近の携帯電話の進化度合いには目をみはるものがある。
i-modeは携帯電話のカテゴリーの幅を驚異的に広めた。 もし、日本に住んでいたら、迷うことなくわたしも買っていただろう。

先日テレビのニュースで見たのは、北欧の携帯電話会社が開発した新しい用途。 小銭がなくてもスナック菓子の自動販売機で買物ができるというもの。自動販売機の前で選択肢を眺め、自分の欲しい物が分かったら決まった番号を電話する。すると、品が取出せるようになるというのだ。 料金の決済は電話料金の請求書で、スナックの代金と電話代が加算されるという。

この機能を開発、発表したのは NOKIA。携帯電話製造で世界最大シェアを持つフィンランドの会社だが、自国には自動販売機は殆ど無いという。 この新しいシステムは自動販売機大国の日本をマーケットに開発したのだとのことだ。

便利には違いないだろうが、何だか解せない。 50円のスナック菓子を買うのに 30円の電話代を払ってまで得る価値のある便利さとは思えないのだ。 わたしだったら、m&m ひと袋を買う為に電話ワンコールという使い方は絶対にしないと思う。
こう考えるのは、倹約家なのか、それとも単なる電話嫌いなのか、或いは、既に進化から取り残されつつあるのかしら。

30度を越える日が続いているが、今日の最高気温は34度。わたしは外部冷却装置が無いと機能が止まるのでAC技術の進化は大歓迎。


♯  Today's BGM = THE AGE OF PLASTIC by Buggles

( s0100-0810;esb=0000ff+ffffff+0000ff;H94,L70; Shine)


 

may 10 00  wed

LOVE BUG



「I LOVE YOU」というウィルス付きメールは、いままでのこの手の犯罪で最悪の被害を世界的にもたらしたとの事だが、わたしの周囲には件のメールを送り付けられた人は皆無だった。 わたしの働いているオフィスでは、インターネットで大騒ぎが起きた翌日になって、MIS(EDP係)から全社員あてに警告メールが発信された。内容は、ウィルスの特徴、見つけた時の対処方法など。 「レジストリが書き換えられてしまうのです」なんて、一体、社員のうちどの位が理解できるのやら。 でも、オフィスは Outlook を標準メーラーとしているので被害が無かったのは幸いなこと。

東京本社の某部における対応はかなり笑えるもので、「『 I LOVE YOU 』と書いた電子メールは大変危険なので注意するように」という内容の回覧が紙でまわったそうです。 なにしろ、その部門は集中事務センターみたいなところで、コンピュータの端末はあっても、それらの接続先は自社のシステムでありインターネットへの接続はされていないところなのだそうだ。どうやって注意するのだろうかと皆で首をひねったとのこと。

ヒートウエーブが去り、気温は一気に20度降下。最高気温15度、最低気温 7度は上限には近いが、わたしにとり快適レンジ内なので元気量が増える気がする。


♯  Today's BGM = SECOND OF PLEASURE by Rockpile

(s0100-0810;esb=0000ff;H60,L45; Cloudy/ T-storm)


 

may 11 00  thu

音・1〜 許容範囲



アパート内の音の許容範囲は国民性が反映されるもののひとつらしい。もっとも、わたしがアパート暮らしをした経験があるのは米国とドイツだけなので比較はこの二カ国に限定されてしまう。

ニューヨークではアパートの音に対して寛容だ。床の面積の80%をカバーする絨毯のインストールが義務付けられているが、それは、ハイヒールで室内を歩き回る場合、靴音が階下に響かないためだ。 だから、ハイヒールで歩かない場合は、絨毯にこだわる事も無く、床の木目のままの家も多い。 これは、ドイツも全く同じだった。違うのはそれ以外の音に対する考え方。

ドイツの場合、夜10時だか11時だかを過ぎるとトイレの水洗フラッシュが禁止となる。風呂はもともとヨーロッパの人はめったに入らないので規約にすら無いが、当然、大きな音がするものは、音楽やTVも一切禁止だろう。

NYのアパートは、何時でもシャワーもトイレも自由だ。テレビやステレオの音も特に時間を気にする事は無い。NYのアパートは壁を隔てた隣の音が聞こえるということは無いので早朝や夜中でも室内の空中での音のジェネレートが比較的自由なのだ。 ホール(廊下)に出てみると各ユニットの音はドアから漏れているので「あの角のユニットの家は声楽家」とか「この家はダンス音楽が好きなんだなー」とかが分かる。 でも、ホールが音の洪水になっても特に文句を言う人はいないので、夜になると例えばテクノポップスなどを大きな音で聴きたくなったりする事が多いわたしにとり米国のアパート暮らしはライフ・スタイルにあっている。 とはいうものの、24時以降は音量を慎むように自己規制を設置している。

ドイツは音に対して極めて敏感だ。店とかに入っても店員はささやくような小声だ。 その点、アメリカでは人々は一般的にかなりの大声である。中には壁が落ちてきそうな大声で話し続ける人も少なくなく、そういった連中の喉の丈夫さに驚愕する。

たまに帰国する日本の場合、人々の声は特に大きくも小さくも無いと思うが、街にあふれる騒音は他国では経験したことの無いものだ。 すなわち、信号機がしゃべる、自動販売機がしゃべる、選挙公報カーがしゃべる(それも特大の声で)、物売りの車が走り回ってしゃべる、電車のプラットフォームで意味のないアナウンスが、やれ雨だから傘をさすようになどとしゃべる、銀行に行くとATMまでしゃべる。 WEBSITEにいくと突然、頼みもしない音楽が勝手に自動演奏を始めるのも日本のサイトに多い様に思う。

『音・2』へ続く


♯  Today's BGM = RUN LOLA RUN by Original Motion Picture Soundtrack

( s0100-0810;esb=0000ff;H76,L58; Shine )


 

may 12 00  fri

音・2〜 寝るときの音



寝る時は、部屋を暗くして静かな環境というのが一般的なもの。 でも、都会生まれの都会育ちのわたしにとり都会の音は寝る妨げにならない。 旅行で郊外に宿泊するときは、あまりの「音の無さ」に入眠に戸惑いを覚えたほどだ。

今のアパートは近くに消防署があり、彼らが出動していくときの騒音はかなりのものだが、それでも、睡眠を妨げるものではない。 ビルディング・ノイス(パイプの音、ACのモーター音など)も全く気にならない。 雨風の音も平気。しかし、機械式時計の「ちくたく」音が駄目。 いったん気になり出すと、時計の音だけの世界によこたわっている様な、まるでダリの絵の中にベッドごと入りこんだみたいな状態になり、寝るどころではなくなる。 だから、目覚し時計を買う時は、とっても慎重なのだ。 ベッドサイドには4つの目覚し時計が常備されているが、そのうちのひとつは、長針と短針が時間を表示する方式のものが好ましい為、買うときは、ちくたく音が静かかどうかを時計をいちいち耳のそばに近づけては確認する。

こんな話をしていると、友人の一人が「わたしの腕時計はどうかしら」と腕時計を耳に押し付ける。「とっても静か♪」というが、そのスヌーピー時計は時間が数字で表示される所謂デジタル式だったのだ。

『音・3』へ続く


♯  Today's BGM = THE COMMODORES by The Commodores

(Updated: 00.05.12 20:00 EST, USA // s0200-0820;esb=0000ff;H72,L60; Cloudy)


 

may 13 00  sat

音・3 〜 好みの音、好まない音



南米のお土産品で「レイン・スティック」というものがある。 直径5センチぐらいの竹の様な植物の茎が1メートルくらいの長さに切ってあり、中身をくりぬいて、植物の種か小石か何かを入れぴっちり蓋がしてある。 その木の枝状のものを傾けると「ざぁ〜」という音がして、熱帯雨林に降り注ぐスコールの音を楽しむという趣向だ。

海の音、雨だれの音、せせらぎの音など何種類かの「人気」の音を発生させる装置が売られている。 海の音が好きな同僚はそれを枕元においてあるそうだ。

この様に水が動く音は人間に好かれる音の様だ。但し、その音源に自らの身を横たえることはなく、つまり自分は濡れないで音だけ楽しみたいという調子の良さが垣間見えるのが可笑しい。

今のアパートに引越した時に驚いたのは、毎晩23時頃になると聞こえる馬車の音。馬車の車庫(?)への通り道らしい。 馬車の音が日常の一部になるとは考えもしなかったが、夜の空気に響く馬の蹄の音、これはココロが落ち着く好きな音になった。

同じデシベルの音でも発生源が嫌いなものの場合はやはり受け付けない。 犬好きのわたしは犬が吠えてる声(音)は特にうるさいとは感じないが、ネコはうるさい。

見知らぬ赤ん坊の泣き声はうるさく感じるが、自分の子供の泣き声はうるさくないのだろうか、というと、これはやはり大層うるさいらしい。 わたしは随分と手間のかかる子供だったと聞かされているが、途中で呆れて育成放棄しなかった母に感謝したい。 明日は母の日。

『音・4』へ


♯  Today's BGM = ALONG THE RED LINE by Hall & Oates

(Updated: 00.05.13 21:00 EST, USA // s0130-0900;esb=0000ff;H78,L58; Hazy / T-shower )


 

may 14 00  sun

今朝の音(音・4)



10時起床。まずコーヒーの支度だ。 コーヒー・メーカーのおいてあるキッチンに行くには玄関のドアの前を通る。 いつもは静寂なその付近が今朝は騒がしい。 「はっはっはっはっ・・・」 何やらあらい息づかいがきこえる。音の鮮明度合いからいって発生源はドアのすぐ向こう側の模様だ。 「じゃらっ」と鎖をひきずる様なも聞こえる。息の熱気まで伝わってきそうな近さだ。急にそわそわとしてしまう。 ドア一枚をへだてた向こう側には犬がいるのだ。 呼吸の感じから、中型犬以上だろう。 ドアを開けていっしょに遊びたい強い衝動にかられるが、こちらは何しろ起きたばっかりでシャワーもまだ、髪もめちゃくちゃ、ぼろっちいTシャツ一枚でぼーっとしている風体だ。 この階に犬は住んでいないので、どこかのお宅を訪問するところなのだろう。従い、人間のお連れがいると考えた方が自然だ。 寝起きの姿、気心のしれた犬族になら見られてもよいが、人間族にはちょっと会いたくないと思っているうちに、ドアの向こうの熱い吐息の主はいなくなってしまった。

あぁ、残念。でも、犬の息の音で目覚めるなんて素晴らしい朝だった。

「音」の項、終り。


♯  Today's BGM = ATOM HEART MOTHER by Pink Floyd

(s0200-1000;esb=0000ff;H74,L52; Hazy )


 

may 15 00  mon

Synchronicity



なんという事だろうか。先月末、古い絨毯を剥がして新しいものと張り替えるという作業が会社で行われた影響で大爆発したアレルギーがようやくおさまってきたと思ったら、今度は、自宅アパートメント・ビルディングのリノベーションがスタート。

今日から私の住む階の共通部分の壁紙&絨毯交換が開始された。朝からホール(廊下)でべりべりと剥がす音。廊下に出たくないので、よっぽど会社を休もうかと思ったのだが、そこは、全社イチの休み下手のわたしのこと、今日の予定表が頭によぎり「あれをやらねば」などと無意識のうちに出社モードになっている。

玄関のドアを開けたら、運悪く、丁度、わたしのドアの真横の壁紙を剥がしているところ。壁と壁紙の間で熟成された10年モノの糊が顆粒状になってはらはらと散ってきました。「ずきん」たちどころに、頭痛が始まる。会社に着いてしばらくすると、頭痛、くしゃみがひっきりなし。目はかゆく、目玉を取り出して洗うことが出来ない仕組みの我が設計をつくずく残念に思う。

こういったシンクロは今回が始めてではない。前回も、会社で工事が始まって、その時はビンテージ糊ではなくて、壁ぶち抜きの工事のため漆喰の粉が浮遊していて霞がかかったような労働環境の事があったのだが、その1〜2週間後にはアパートのロビーのリノベーションがあり、やはり、随分埃っぽい生活環境で、どこへ行ってもロクな呼吸が出来なかったのだ。

しかし、ちょっと視点を変えてみる。不快な思いは一気に済ませてしまえるではないか。むしろラッキーなのだと捉えた方が人世を明るく過ごせそうだ。 明るい人生は目が痒いのが難点だが。


♯  Today's BGM = BITTERSWEET WHITE LIGHT by Cher

(s0130-0810;esb=0000ff;H72,L50; Shine )


 

may 16 00  tue

転ばぬ先の杖



映画『アメリカン・ビューティー』を観てきた。先週、別の映画を観に行って超北極級の冷房で凍えたので3枚の重ね着で挑んだ。ところが、そういう日に限って冷房はいたって尋常で、暑いのを我慢して自宅から着ていった長袖木綿セーターを脱ぎ半袖Tシャツ一枚で快適な状態だった。 手に持って行ったブルゾンは出番無し。予測どおりちゃんと冷房が強烈だったらありがたさが大いにアピールされたところだったろうに、有り難いどころが邪魔物扱いされ天と地の違いであり、さぞや上着も不本意だったことだろう。 転ばぬ先の杖は殆どの場合邪魔なだけなのだ。

映画は、90年代の家庭崩壊を描いたもので、平均的なアメリカの家庭で家族各人のビューティー(自分の信じる美学)がことごとく崩れていくというハナシ。巷ではこの手の映画は好き嫌いが分かれるといわれており、まさにそのとおりだと思った。 アカデミー賞を5部門もとった作品だけあり、とても良く出来ているのだけれど、わたしが面白いと感じるタイプの映画ではなかった。予想通りだけど。わたしにとり映画は、観終わった後、心が良い気持ちになるというのが条件なのだ。


♯  Today's BGM = "FREE LIVE" by Free

(s0030-0815;esb=ffffff;H70,L52; Shine )


 

may 17 00  wed

影絵



昨日の夜、フロア・ランプが突然暗くなった。 他の電気製品は全て点いているので、電気の供給の問題では無くランプのバルブ(電球)が切れたのだ。 ちょっとパニック・・・・

わたしは、準備が良い方の人間なもので、スペアの電球とかいろいろな種類の電池とかそういったもののストックはきちんとしている。 このフロアランプ用のハロゲン300ワットだってちゃんとふたつも買ってある。 でも昨晩は電球の交換はしなかった。理由は数ヶ月前に溯る・・・

ある夜、何気にランプを見上げてフリーズした。 わたしのところのフロア・ランプはお皿みたいなカタチの傘が上向きについていて、ライトは壁や天井に反射させる方式なのだ。 だからお皿の上は直射光、下方向には、お皿経由の優しい光が射すという仕組み。 そして、そのランプの傘には、虫の姿が影絵になって見えていたのです。それも沢山、全て静止状態で。 それで、今度電球を変える時にはキレイにすると決めてしまったのだった。

::

昨晩は、そういう作業は夜というわたしの好きな時間帯に行うものではなく、明るい時にという結論に容易に達した。 さてその翌日の今日。冬なら、帰宅する時はいつも真っ暗だが、最近は日がすっかり長くなり、夏時間も手伝い19時過ぎまで昼間並みの太陽光線が室内に射し込む。 ディナー用の弁当を買い、明るいうちに帰宅する。ラテックスの手袋と大量のペーパータオルでランプシェードの内側の清掃をした。 下から見た影よりホンモノの方が数が少なく感じたのはせめてもの救いだった。影絵って大きく見えるのね。

そして、新しいバルブを入れてスイッチ・オン・・・
何も起きない。嫌な予感。不良バルブかもしれないので、ともうひとつの方のバルブを入れてみても同じ。電球がバーンしたのはランプ自体が壊れていたのだ。 最近、異音を発することがあったのだが、それはこういう事へのプロローグだったのかと納得。 5年前に現物セールで29ドルで買ったフロア・ランプ、よくもったものだ。ようやく買い換えられる。 今の物はデザインが嫌いだったので、違うものになるのは実は嬉しかったりするのだ。


♯  Today's BGM = AMBIENT 4 by Brian Eno

(s0200-0815;esb=ffffff;H70,L52; Shine )


 

may 18 00  thu

木の葉の裏側



朝から蒸し暑い。 小雨もぱらついていたが傘をさすほどではなかったので、折り畳み傘を鞄に入れて出勤。 夕方雷雨との天気予報だったからしっかりした傘を選んだ。 でも、昼頃からすっかり晴れて、帰宅の時もカンカン照り。

しかし、街路樹の葉っぱは揺れていて裏側がみえる。 当地では「木の葉の裏側が見えると雨」と決まっているのだ。

この言葉を始めて聞いた時は「?」と思ったが、米国北東部では、これは100%正しい。 もちろん今日も、一天にわかにかき曇りひときわ大きな湿った風がひと吹きしたらすさまじい雷雨が始まった。 一旦、降り出してしまうと、木の葉は落ち着き、もう裏側は見えない。


♯  Today's BGM = AMBIENT 2 by Brian Eno

(s0200-0815;esb=ffff00+ffff00+ffffff;H76,L60; Shine/ T-storm )


 

may 19 00  fri

光ある生活



3日ぶりに明るい夜を過ごしている。 部屋に光があるということはなんて素晴らしいのかという喜びに浸っているのだ。 この 4日間を振り返ってみると、 今度のランプは前のと似たデザインだけれど、ぐっと繊細な感じで、かなり良い。部屋の感じも変わりとても嬉しい。

わたしのアパートは、米国の一般的な住宅の例に違(たが)わず居住スペースには天井からの照明設備は無い。 だから、この 3晩は部屋の明かりといえば、書斎机のデスクランプ及びPCのモニタからの明かりだけだったのだ。 窓からはマンハッタンの街の明かりも入ってくるが、カウチで読書という光源には当然至らない。PCの画面もデスクランプだけの暗い部屋では目が疲れて長時間みていられず、TV画面もわたしは明るい部屋で観る習慣だ。 そういう事情により、この三日間は暗い部屋のおかげで、あまり目を使う事もなく早寝をしていたのでいつになく健康的な生活を送っていたのだ。

でも今日は、ライティング復活。更に金曜日の夜、これで読書でもビデオでもネットでも好みのスタイルで好きなだけ夜更かをして、3日間休ませた目を酷使できるのだ。 VIVA 不健康。


♯  Today's BGM = SECOND OF PLEASURE by Rockpile

(s0100-0810;esb=ffffff+ff0000+ff0000;H60,L48; Rain/ Cloudy)


 

may 20 00  sat

10連休スタート!



待ちに待った10連休がスタートした。来週5日間の休暇プラス29日は祭日なので合計10日のヴァケーションだ。 5月の休暇はニューヨークで、秋の休暇は日本へ、というのが例年のパターン。 いくつかのプロジェクトを片付けて、あとはのんびりする予定。

初日の今日は5月とは思えない寒さに加えて雨。 こういう天気はわたし好みなのだが、家の近くで催される年に一回のストリートフェアには不向き。 "Ninth Avenue International Food Festival" という名前のとおり、いろいろな国の食べ物の屋台が沢山並ぶストリートフェアでいつもは道いっぱいの人出で賑わうのに今日は歩いている人もまばら。 カラフルな屋台を覆っている透明ビニールシートを流れる沢山の雨粒が悲しげな模様をつけている。

ジュリアーニ現ニューヨーク市長が上院議員選レースから降りることを正式発表。健康上の理由との事だがあと18ヶ月残っている市長の任期には注力したいと語っていたがいつもにまして神経質そうな語り口であった。 最有力対抗馬とされていたヒラリー・ロドハム・クリントン候補はインタビューを受けて、はやく健康を取り戻せることを祈る、といった内容のコメントだった。


♯  Today's BGM = EAT A PEACH by The Allman Brothers Band

(s0130-0900;esb=ffffff+ff0000+ff0000;H58,L45; Rain)


 

may 21 00  sun

Surrealistic Pillow



夜中に頬の痒みで目が覚めた。手で触れてみるとすこし突起が感じられた。

天井に目をやると、どうしたことか一面に細かい突起が出来ている。 壁、クローゼットのドアも。部屋中がまるでゴルフボールのディンプルを裏側から見たような感じだ。 どうも、わたしの顔面にある突起とそっくりだ。 この空間がそっくりポツポツ・ゾーンにワープした様だ。

原因が分かったので安心して睡眠に戻った。 朝10時過ぎに起きて鏡をみると頬にふたつ湿疹が認められた。 あの光景は夢だったのか、それとも幻想だったのだろうか。シュールなピローで増幅された現実だったのかもしれない。


♯  Today's BGM = N.D.E. by Haruomi Hosono

(s0500-1000;esb=ffffff+ff0000+ff0000;H52,L54; Cloudy/Rain)


 

may 22 00  mon

最近の地下鉄



久しぶりに地下鉄に乗った。マップを見てみると路線の拡張は著しくて驚かされる。何しろエキスプレスに乗ると3つ目はパリ北駅だ。下車してみる。のんびりと休暇を楽しむ為にアパートを借りた。家具はパリのアパルトマンなのでクラシック調のもので揃えた。 家具の入るまえのがらんとした空間は、とってもコージーな雰囲気の居間に変身した。窓からの眺めは、マロニエの黄葉が美しい大通り。裏手にはすぐちかくにナポレオンの大きな像があり手を伸ばせば届きそうだ。

ビルディングの改装工事による廊下のペンキの成分のせいなのか、二日連続で奇妙な夢をみた。 (今晩のエンパイヤ・ステート・ビルディングのイルミネーションがフランス国旗のトリコロール・カラーに変わったのはわたしのせいではないと思う)

新鮮な空気でリフレッシュしてください、という電子メールをもらったので、思い切り窓を開けてマンハッタンの風を取込んだ。今迄は、
・ 窓をあけた場合の花粉侵入
・ 窓を開けないとドアの隙間から侵入する廊下工事の毒ガスで充満する部屋
のどっちの被害がひどいか、悩んで、中途半端な窓の開け方をしていたのだ(花粉がこわい)。 でも、窓を開けたのは正解みたいです。 何故って、花粉なら効くクスリもわかってるけれど、工事毒ガスは解毒剤が解明されていないのだから。


♯  Today's BGM = ESPRESSIVO by Kaori Miyaji

(s0030-0910;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H59,L54; Cloudy/Rain)


 

may 23 00  tue

超人バルク



友人が、新しいメールアドレスを追加したと連絡して来たので早速メールを出した。 数日前の出来事である。しかし到着した様子が無いので、問い合わせてみると届いてないという。 自分でテストした時の受信情況とかはどうだったのかと尋ねると、テストなどしてないのでわからないという。 いつもの事だが、その几帳面とは程遠い大雑把な性格というか、物事にこだわらないライフスタイルには、呆れる度合いは通り越して、羨ましいとすら思う位なのだ。

まあ、従来のメールアドレスを使うことにして、「新しいメールアドレス」は使わないでいた。 そうしたら「あった!」というメールが来た。ジャンク・メール・フィルター機能でスクリーンされ「バルク・メール・フォールダ」に入っていたので、届いていたけど、目に留まることがなかったという訳だ。 それにしても、自分あてのメールをジャンク扱いのバルク・メールに分類するとは、どんなフィルタ設定をしているのだろうか。 もっとも本人は全然気にしている様子もなく「人世、そういう事もあるさ」とどこ吹く風だ。こうなると超人の域に達している。
「超人バルクだね」 と言ってあげると、彼曰く
「いや、昨晩は終電をのがしたので1時間半も歩いたので超人アルクだ」 


♯  Today's BGM = MEETS THE BEATLES by John Pizzarelli

(s0100-1020;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H61,L58; Cloudy/Rain)


 

may 24 00  wed

ルナ・スペースフライト



ルナ・スペースフライトという広告の書込みをとあるBBSで見かけた。署名は TransOrbital Inc.なる見知らぬ会社だ。広告は要約すると以下のようなものだった。
"来年の中頃に月に無人ロケットを送り各種撮影をするのだけれど、器材のほかにも少しエキストラ・スペースがあるので、あなたのビジネス・カードやラブレター等を月面に送るというサービスをします。 カードは金属ディスクに彫刻し、それを撮影ミッションが終了した時点で月に置いてくるというものです。 1グラムあたり2500ドルというお得な価格設定になっています。"
$2500/1グラムってお得な価格とは思えないけれど、それより、これって何か変。 こんなのが増えたら月がゴミだらけになってしまう。地球人は身勝手だ。


♯  Today's BGM = ROUGH AND READY by Jeff Beck

(s0315-1020;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H77,L62; Shine)


 

may 25 00  thu

恐怖の一瞬



食料品の買出しに出掛けたら恐ろしい目にあった。ベーグル、バター、ヨーグルト、苺を買い、最後に野菜も買おうと思いついた。 新鮮なセロリが目に入ったので手に取ったところ、セロリの茎の間からナメクジがにょろり。
 「ひゃっ」
セロリは中止にしてトマトを購入。

セロリ売場に行く事は当分無いだろう。真っ赤なトマト、とても美味しかった。


♯  Today's BGM = THE NIGHTFLY by Donald Fagen

(s0500-1040;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H78,L58; Shine)


 

may 26 00  fri

プチ変身



休みのときに会社の人と会うと服装が違うだけなのにちょっと別人の様に思える。 相手にしてみれば、「この人ってこういう恰好もするんだ。(なんか意外)」といったところだろう。 こちらにしてみれば、こういう普段着の自分の方が自分らしいのだけれど。

ヘアカットしたくなる気分は、いつも突然やってくる。 それというのも、それまで良い感じだったヘアがある日突然鬱陶しくてしかたなくなるからだ。 今日も、そういった抑え難い衝動にかられていつもの場所に駆けつけた。 「昨日、急に髪が伸びちゃって・・・ おとといまでは普通だったのに・・・」
「それは、急に暑くなったのでそう感じるだけで、髪の毛は急には伸びないよ。」
確かに一理ある。さすが専門家だ。しかしわたしはだまされない。 草花だって、春先には一日で何センチも伸びることがある様に髪の毛も突然伸びる夜があるのだ。 そうでなければ一昨日と昨日の違いは時空の尺度を越えた説明が必要となる。

そうこう思考しているうちに散髪終了。鏡の中のわたしはいつもと感じが違う。 「耳を出してみました♪」 このヘアスタイリストはいろんなカタチを作るのが好きなのだ。何種類かの整髪ムースみたいなものをつけて作ったヘアスタイル。ベースとなるカットはオーソドックスなものなので、一回シャンプーすれば、ナチュラル志向のいつものわたしに戻れる。 半日だけのプチ変身。でも、今日の夕方に街ですれ違った見知らぬ人は、わたしが今だけ変身している事すら知らないのだ。


♯  Today's BGM = WHAT'S GOING ON by Marvin Gaye

(s0330-1020;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H76,L58; Shine)


 

may 27 00  sat

プチ方言



ごく限られた範囲でしか通じない言葉というものがある。 通用する単位でいえば、家庭内のみ、仲良しの間だけ、というミニサイズから、少し範囲が大きくなると学校内や会社内の言葉、業界用語等となる。

会社或いは業界用語では、わたしを始めたいていの人が最初に「?」と思うのが「リスケ」。 これは、金融業界(もしかするとわたしの勤める銀行だけかもしれない)では一般的な言葉だ。 意味は、与作の兄弟分の利助さんではなくて、reschedulingのことである。貸出金の返済条件を見直して新たな返済スケジュールとする事だが、言葉の響きが可愛いこともあり広範囲に応用されている。

ニューヨーク日本人社会方言というものがあるが、通用範囲はミディアム・サイズだろうか。
例えば、以下のような言葉がNY在住日本人の間ではごく普通に用いられている。
グラセン、ワートレ、ジョーワシ。
夫々の正しい名称は、グランド・セントラル・ステーション(映画『フィッシャー・キング』のダンスシーンでもお馴染みのあの駅)、ワールド・トレード・センター(1993年、米国で最初の大規模無差別テロとなった爆破事件が起きたビル)、ジョージ・ワシントン・ブリッジとなる。 もっとも、最後の「ジョーワシ」は、「ワシブリ」という地方もあると聞いたことがあるので、わたしの使うNY日本人社会方言の通用範囲は比較的狭いような気もする。

ネット内だけで使われていた言葉が、日常生活にも進出してきた。 会社でも「メアドが・・・」なんていう言葉を耳にするようになった。初めて聞いた時は、何だか、自分の私生活がいきなり詳らかにされてしまったような気分になったが、要はボーダーレスが拡大中ということなのである。


♯  Today's BGM = THE DREAM OF THE BLUE TURTLES by Sting

(s0200-1020;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H72,L56; Cloudy)


 

may 28 00  sun

悩む選択 〜 C'est la vie



10日間の休暇は、気づいたらあと一日を残すのみとなった。何かの間違いではないかとカレンダーや手帳などを入念に見直してみたが、間違いはなく残念だ。 休暇前に作ったアジェンダが机の上にあった。10日間という時間の配分が理論的になされている立派なものだ。意外な事に、それなりに予定はこなしているのだが、毎日チェックしていなかったせいか、今こうして見ると何だか虚しい。

次の日の朝を気にしないで良い夜は今夜が最後。思いっきり夜更かしするか、それとも早寝で時差調整を開始するか。悩むところだ。(22:15)
外が明るくなるまでは起きていようと思ったのに、こういう時に限って睡魔がおそってくる。C'est la vie... これにてログアウト。(02:05)


♯  Today's BGM = MOON AND SAND by Kenny Burrell

(s0300-1050;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H66,L55; Shine)


 

may 29 00  mon

メモリアル・ディ・ウィークエンド



5月最後の月曜日、わたしにとり休暇最後となる今日は、メモリアル・ディという休日でカレンダーでは3連休だ。 戦没者記念日という日本語訳の様に今迄の戦死者を追悼する日だ。 戦死者の墓に花を飾ったりする行事もあるが、一般的にはツーリストの大移動がある観光週末となっている。

そういう訳でマンハッタンでも人口の移動が行われ、住民は近郊へ小旅行へ出掛けたりする為に住宅街は閑散とする一方で、繁華街は地方から押し寄せた観光客でごった返す。 観光客は一目で分かる。まず、歩くスピードが遅い。それから、服装が気候に合っていない場合が多い。 今ごろのマンハッタンは寒い日と暑い日が気ままにあるのでその日の気候に沿った服装をしているのは住民、そうでないのは観光客という訳だ。メモリアル・ディの後は本格的な夏がやってくるといわれているが涼しい日が続く今年の場合はどうなるのだろうか。

明日は、社会復帰。でも、火曜日からの短い一週間だからリハビリには良いだろう。


♯  Today's BGM = 24 NIGHTS by Eric Clapton

(s0220-1030;esb=0000ff+ffffff+ff0000;H70,L54; Shine)


 

may 30 00  tue

Gジャン



正式名称は知らないが、Gジャンと呼ばれる上着がある。ジーンズの布で出来た丈の短い上着だ。 物心ついた頃からボトムはジーンズばかりだったわたしなのだが、この上着は持っていないし過去に着たことすら無い。 コーディネーションの範囲も広く、ひとつ欲しいと思って久しいのだが何故か縁が無く今に至っているのだ。

今日こそ長年の希望を叶えようと最寄りのGAPに出向いた。 初めて着てみたGジャンの感想は、ごわごわしていて着心地がすこぶる悪いというものだった。 袖が細くて腕の自由もままならない。こんなに着心地のわるいものが世間に広く受け入れられる訳が無い。 これはこの店特有のデザインなのだろうと思って店を出た。

それで、別の店に行ったのかというと、行かなかったのである。 衣料品店は好きな場所でないので、よほど体調と機嫌が良いときでないと5分と居られない。今日の衣料品店滞在可能時間は限界ランプが点滅状態になったので、日を改める事にした。 やっぱり縁が無いのかもしれない。


♯  Today's BGM = IMAGINE by John Lennon

(s0130-0750;esb=ffffff;H65,L50; Shine)


 

may 31 00  wed

財布の中のカード枚数



アメリカ人が財布の中に持ち歩くカードの枚数調査という記事が少し前の新聞(USA Today)に出ていた。 ここでいう、カードとは、クレジット・カード、デビットカード、ATMカードなどで、持ち歩き枚数は以下の様な結果となっていた。
1〜3枚(50%)、4〜6枚(30%)、7〜9枚(7%)、10枚以上(13%)。
但し、年収10万ドル以上の人に限定すると26%が10枚以上のカードを持ち歩いているとの事で、収入の高い人ほど沢山の枚数を持つということらしい。

わたしの財布の中は、というと、クレジットカード3枚、ATMカード1枚の計4枚。まあ、一般的な部類だと思う。 持ち歩かないクレジットカードが何枚か自宅にある。殆ど使わないこれら全てを持ち歩いたら金持ちの仲間入りができそうだ。でも、使わないとはいえ、アカウントを開いていればリスクに曝される可能性はあるので、カードのリストラを実行する事にした。
思い立ったが吉日、一枚を今日キャンセルした。 「キャンセルですね。オッケー。えっとー理由を教えてもらえますか?」
「Well、全然つかってないから・・・」
「成程。直ちにキャンセルしました。後で郵便でコンファメーションが届きます。」
アカウント・クローズを思いとどまる様しつこく食い下がられるかと覚悟して電話したのだが、簡単に許して貰えた。 カードの枚数が減ると身軽になったようで嬉しい。 USA Today のアンケートの区分でいくと「貧乏人」街道まっしぐらなのだ。わくわくする。


♯  Today's BGM = IN THE SPANISH STYLE by Christopher Parkening

(s0300-0810;esb=ffffff;h72,l53; Shine)



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