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sep 01 01  thu

片道バイリンガル



こちらには、「耳は大丈夫だが舌はダメ」という人がめずらしくない。つまり、一世である親の話すイタリア語(やアラブ語やフランス語や etc.)は、耳で聞くのは問題なくて意味はちゃんと分かるけれど、自分が話す事は出来ないという二世たち。

前に家に来たある親子もそうだった。母親が日本語で話すと息子は英語で応える。日本語と英語の会話である。 「うちの息子は " 犬と同じ " 」などと言っていたけれど、人(犬)がほんとうに犬の言葉(人間の言葉)をわかっているかどうかは別として、すくなくとも喋れはしないので的を射ているといって良いのだろう。

9月になるとおなじ暑い日でも微妙な違いがある気がしてしまう。風の音にぞおどろかれぬる。


♯  Today's BGM = ROUGH AND READY by JEFF BECK GROUP

(s=0200-1115; esb=blue-shite-red;  h:82/ 28C, l:59F/ 18C Hum: 55% 晴れ )

 

sep 02 01  sun

Nightstand



ここ数日は、家具屋巡りに明け暮れた。目的物はナイトスタンド。 アラーム・クロックやリーディングランプを乗せるベッドの横の小さな台はナイトスタンド(Nightstand)という名前である事を今回初めて知った。 今ある台は、以前に使っていたプラットフォーム・ベッドを買った時に一緒に求めたもので今のボックススプリング・ベッドだと低すぎるのだ。 それでも目覚し時計がちょっと見づらい以外は特に不便は無くて継続使用していたのだが、最近あちこちの木が剥がれてきてしまい傷みがはげしくなったので丁度良いチャンスと買い換えようと思った次第。

訪れた店
Crate and Barrerl (58th Street on Madison Avenue)
The Door Store (33rd Street on Park Avenue)
Workbench Furniture Store (32nd on Park Avenue)
Macy's (34th St. on Broadway)
Ethan Allen (64th on West End Avenue) 候補品
Pottery and Barn (67th & Broadway) 候補品
これだけの場所を見て、結局のところ気に入ったものは無く買わずじまい。筋金入りの買物嫌いなので帰宅したときは精根尽き果ててしまった。ダウンタウン21丁目界隈に Furniture District があるとの事だが更なる家具店訪問へのエネルギーはもう残っていない。

それでどうしたかというと既存ナイトスタンドの修理をしたのだ。木工用ボンドで破損個所を補修していく。このボンドは乾くと透明になるので多少はみ出ても問題ない。こういう作業では全く疲労を感じずむしろ楽しい。 充分に使える様な状態になったので新規購入プロジェクトは頓挫しそうなのである。



♯  Today's BGM = ALL'N ALL by EARTH WIND AND FIRE

(s=0200-0915; esb=0000ff,ffffff,ff0000;  h:74/ 23C, l:60F/ 15C Hum: 55% 晴れ )

 

sep 03 01  mon

Labor Day Weekend



9月の第一月曜日は Labor Day。連邦休日であり郵便局は休み、公共的交通機関は休日スケジュールで運営される。街は静かでのんびりとした三連休が過ごせる。 この日は一年で最大のバーベキューDAYとなっているとのことで夏の気分を味わう最後のあがき的なホリデーと見受ける。 バーベキューをしない場合でも屋外で過ごす人が多い。日本の「体育の日」がたいてい晴れる様に「Labor Day」は好天に恵まれる事が殆どで今日もその例外ではない。 市営プールなどは今日を最後にクローズとのことで実質的にも夏の最後の日なのだ。

確かに、この日を境に秋の雰囲気が深まるし、学校も始まるし。 Back to School Sale でにぎわうのもこの週末。新学期、新学年には文具のみならず衣服までも新調させようと企業はセールを繰り広げ子供を持つ親は散財を強いられるようだ。 尤も、そういう買物は親のほうが楽しんでたりするのだという説もある。


♯  Today's BGM = SAIL AWAY by RANDY NEWMAN

(s=0100-0900; esb=esb=0000ff,ffffff,ff0000;  h:78/ 25C, l:64F/ 17C Hum: 55% 晴れ )

 

sep 05 01  wed

メロンちゃん



日本のハンコ文化は海を越えても健在である。たとえオフィスが米国にあろうとも日本の会社である以上、本社への報告書にはハンコが並ぶことになる。 わたしの勤務先の会社ではハンコは会社が作り社員に配布される。読みやすい楷書フォントでフルネームが押される印影は見た目は社長も一介の社員も同じである。

ところが最近の銀行合併により、かつて別の銀行に所属していた人々がやってきた。コーポレート・カラーの違いもあるが、ハンコが違う。 今日、東京に送る書類には四つの枠がある。わたしを含めて3人のハンコは楷書で姓名が表示されるもの。ところがひとつのハンコが見慣れぬものだったのだ。 円の枠の中には楷書ではなくて、うねうねした迷路のようなスジが沢山詰め込まれていて、日本の掛け軸に押してある判子といった感じなのだ。
わたし 「このハンコ、一部かすれている。日本の役所だったら通らないと戻してみようかしら。」
同僚  「それ以前に読めないので名前が分からない。」
わたし 「はは、戻し先不明で戻せない。」
同僚  「これじゃメロンですよ。」
わたし 「・・・ あっ、ほんと!」 
まさにそのハンコはマスクメロンそのものの様相だったのだ。 今度そのハンコの主を見かけたら『メロンちゃん』と呼びかけてみるかと彼に聞いてみたところ、面前ではそういう事はせずに、要は外交官の如く振舞うのだとのこと。 面従腹背、これぞ会社勤めの極意なり。
(ひみつメモ: ゼロックス・コピーをとってハンコのところに蔓の絵を付け加えてみたのは内緒なのだ。)


♯  Today's BGM = A NIGHT AT THE OPERA by QUEEN

(s=0050-0810; esb=esb=ffffff,ffffff,ffffff;  h:81/ 27C, l:62F/ 16C Hum: 60% 晴れ )

 

sep 06 01  thu

第三世代



アイボ第三世代がデビューした。今度は外観に縫いぐるみ風デザインコンセプトを取りいれた犬と熊のハイブリッド。 色違いで二種類が提供されており夫々に名前がついている。白っぽい方が「ラッテ」、黒っぽい方が「マカロン」。 メモリースティックを挿入することで、白い方は素直な性格に、黒い方はやんちゃな性格に育つのだそうだ。

25万円→14万円→9万円とジェネレーション交代の都度、値段は下がっている。 数値的には安くなったように見えるけれど、9万円あればそこそこスペックのデスクトップPCが買える時代に、9万円のオモチャは高い。 7枚JPEG写真撮影機能があることもセールスポイントにしているが、9万円だせば何百枚もの高画質のJPEG写真が撮れるデジカメがいくらでもある。

どんな人が買うのだろうか、というのが最初の印象。 わたし的には、今回のものはデザインを決定した理由が分からない。前のみたいなロボットっぽさが無くなり可愛くない。 三時のおやつみたいなラッテ(牛乳)にマカロン(砂糖菓子)なる命名もロボットらしくない。
キャッチ・コピーは 「Closer to you 〜 もっと近くに」 というもの。わたしならこんなのが近くに来ても嬉しくない。

www.jp.aibo.com/

DOJがMS分割要求を取り下げた。実現性の低い会社分割以外の是正措置を求める方針と報道されている。 早く決着して裁判費用のツケを消費者や納税者にまわしてくるのを終えて欲しい。


♯  Today's BGM = HOT SPACE by QUEEN

(s=0050-0810; esb=esb=ffffff,ffffff,ffffff;  h:78/ 25C, l:64F/ 17C Hum: 46% 晴れ )

 

sep 07 01  fri

Dow Down



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今日もダウ平均は続落。 8月失業率は4.9%、HPとCompaqの巨大合併も市場には評価されなかった様で両社の株価を上昇させるどころか下落してしまったし、マーケットに明るい話題は見当たらない。 そんな時のニュースの見出しは「Dow Down」、なんだか朝日新聞みたいな安直な見出しのつけ方だ。
DJIA closing : 9,605.85 change today : -234.99

「40歳以下の金持」が発表され、一位は三年連続マイケル・デル(DELL Computer)。以下もIT関連の起業家や関係者がずらりと並ぶが、19位にいきなり登場するのがトム・クルーズ。 他にも高給取りの俳優は沢山いるけれど彼の資産額が突出しているのは所有プロダクション経営がうまくいっているという事なのかな。

天気が良かったのでランチの後すこし歩いた。20ブロックぐらいだが周囲を見物しながらゆっくり歩いたので30分程かかった。いつもの街でも周囲を見物しながらだと新たな発見があり楽しい。 夜は22:00頃には眠くなってしまったが、それが、普段は椅子に座ったままという生活なので昼間の散歩が結構な運動になった為なのか単なる累積睡眠不足によるものなのかは定かでない。


♯  Today's BGM = THE GLOW by BONNIE RAITT

(s=0100-0810; esb=esb=yellow,green,green;  h:84/ 28C, l:68F/ 20C Hum: 50% 晴れ )

 

sep 08 01  sat

オノマトペ



日本語は他の言語に比べて擬音、擬態語が多いという。雨がしとしと降ったり、鳥がぱたぱたと羽ばたいたり、ぱちゃぱちゃと水遊びしたり、古い家の床がみしみし鳴ったり、そういう表現法に用いられる擬音表現で、これをオノマトペという。

例えば、雨の降り方の場合、ざあざあ降る雨としとしと降る雨については客観的な降雨をみて「このレベルがしとしと」と誰にでも共通の指標を説明する事が出来る。 しかし、傷みの場合はどうだろう。 胃がシクシク痛んだり、頭ズキズキしたりガンガンしたりと言われても実はわたしには良くわからない。 人類用共通痛度計測器により痛度5の場合はキリキリと言うべし、といった指標がある訳では無い。 わたしだったら晩夏のアレルギー・シーズンたけなわの本日の頭痛状態は次の様に表現される。じっとしていると単に鉛がつまっている様な不快感があるだけだがちょっとでも動くと頭部全体の痛み回路が一斉にスイッチ・オンになり活動を開始した様なシャープな痛みがはしる。 頷いただけでも痛い。 といった説明調になる。わたしの日本語におけるオノマトペは英語化しているのかもしれない。



♯  Today's BGM = INNERVISIONS by STEVIE WONDER

(s=0130-1110; esb=esb=yellow,green,green;  h:86/ 30C, l:70F/ 21C Hum: 80% 晴れ )

 

sep 09 01  sun

Agua De Beber (おいしい水)



ペットボトルに入ったミネラル・ウォーターやスプリング・ウォーターを再び買うようになった。 ボトル入り水は水道水と違い当局の水質基準を遵守する対象では無い為に衛生的には疑問なケースもあるとの事で最近、買うのを止めていたのだ。 ところが今のアパートの水道水は衛生基準はクリアしているのかもしれないが、わたしの味覚基準に達しておらず飲用不適格なのだ。

ニューヨーク市の水道設備自体が極めて老朽化していてパイプが古いという事もあるが、個別ビルディングの水タンクやパイプの状況によっても水の味が左右されてしまう。 同じニューヨーク市に住んでいても水道水を飲むという人もたくさん居る訳だし、三軒前に住んでいたアパートではわたしも水道水を飲んでいた事がある。 でも、わたしの今のアパートの水道水はとても不味くてそのままでは飲めないので結果として自宅では水を飲まない生活となってしまっていた。

そこで、ボトル入りのおいしい水を買ってきてごくごく飲んだらそれまでの頭痛もウソの様に引いていった。 花には水が必要な様に、わたしにもやはり水が要るのだ。


「おいしい水」(Agua De Beber)は、ブラジルを代表する音楽家、Antonio Carlos Jobim(music)と Vinicius de Moraes(words)の作品。

エンパイヤステート・ビルディングは、7日から今日まで「ブラジル・ディ」につき黄色と緑のイルミネーション。



♯  Today's BGM = AGUA DE BEBER by SERGIO MENDES & BRASIL 66

(s=0230-1000; esb=esb=yellow,green,green;  h:86/ 30C, l:71F/ 21C Hum: 80% 晴れ )

 

sep 11 01  tue

二度とみる事の出来ない夕景



雲ひとつ無い快晴の朝、出勤して飛び込んできたのは、テロリストの連続アタックというニュース。 最初のターゲットは勤務先の会社が現在の場所に引っ越す以前に事務所を構えておりわたしも7年間通った世界貿易センター・ビル。ビルは乗っ取られた民間機による衝突突撃後約一時間で倒壊してしまった。 経済の反映の象徴として空にそびえたツインタワーが今朝まであった場所は、大量の煙がたちこめる空間に変貌してしまった。

夕焼けが美しく反射するビルの写真を撮った3日後、それは存在しなくなってしまったのだ。

WTC 20010908  WTC 20010911 width=   全体画面
(左)2001年9月8日 18:25 撮影。
(右)2001年9月11日 18:30 撮影。

いかなる対立も暴力による解決はありえない。それは思想、宗教、民族を問わない筈である。




(s=0100-0810; esb= none;  h:83/ 28C, l:64F/ 17C Hum: 60% 晴れ )

 

sep 14 01  fri

PRAYER



今日の米国は各地で追悼の集まりが開かれた。ワシントンDCでは歴代大統領や議員などが参列して礼拝が行われた。 ニューヨー市では昼のメモリアルサービスと夕暮れのメモリアルサービス。 夕方、ブッシュ大統領が事件後初めてニューヨーク市入りしたため、空にはジェット戦闘機二機がずっと旋回をしてカバーするという勇ましい音響も付加された。

祈りの場は教会だけではない。ミッドタウンにある消防第54分署(「ENGINE 54」)ではWTCでの救助活動で15名の消防隊員が犠牲になり、花やろうそくがまつられていたが、今日の夕方は車道に溢れるほどの人が集まり追悼が行われた。 犠牲になった人々の魂に祈り、また、瓦礫の山のどこかで助けを待っている人々に祈る。 祈りの心は宗教を超える。

engine 54 

株式市場は週明け17日月曜日09:30再開を目指して夜を徹したシステム調整作業が行われている。 11日以降システム復旧が出来ていないニューヨーク・ベースの米銀(バンク・オブ・ニューヨーク…米国債の決済の過半数を引き受け)も週開けにはシステム・アップとなるだろう。 経済の歯車を再び回転させることが何よりの先決だが、ダウンタウン地域に通信網の重要な設備を持つVerizon(電話会社)は完全復旧には数ヶ月を要しそうだとしている。 未曾有の保険請求が予想されており保険会社は巨額の支払いに耐えられるのだろうか。

そういった客観的な方向に自分を持っていこうと試みているが、家の中は南から吹く風で運ばれてくる粉塵でざらざらになりこれが目の前で起きた現実であることを実感させられる。 報道メディアにのることの無い出来事を頭から追い出すことは出来ない。



(s=0300-0805; esb= none;  h:66/ 18C, l:48F/ 9C Hum: 50% 晴れ )

 

sep 15 01  sat

LIFE HAS TO GO ON



今日もニューヨーク市は秋晴れの空が広がる。五番街には買い物客の姿も大分みられるようになったが人々の表情に明るさはあまりない。 通常の生活を取り戻すためにと街に出てきた人が多い模様。

NYSE(New York Stock Exchange:NY証券取引所)はシステム・テストを成功裏に終え、月曜日からの再開が確実となった。 先週は全てキャンセルとなっていたプロ・スポーツも来週からは再開されるという。すべては通常の生活を取り戻す為に大切なことだ。

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通常の生活とは何だろうか。 自分たちの習慣や風習を守って長い歴史をすごして来た人々のところに踏み込んでいき自分の尺度で相手の生活は野蛮だからと自分の主義を押し付けて、ついでに品物も売りつけてその結果裕福になり繁栄した生活のことなのだろうか。

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テレビの放送は今日からコマーシャルが入る局も出てきた。これも通常の生活に戻しているように見えるが、 内容は昨日までの実況中継オンリーのスタイルから、過去のテロリズムの映像を含めた番組などを交えて今回の犯人への敵対心の増幅を図り戦争の正当性を強調する番組構成がますます目立つようになってきていて、米国ガバメントの群集心理誘導の巧みさをいまさらながら再認識する。

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夕方、NY市と州による合同レスキュー中間発表記者会見が開かれた。 12日以降の生存者の発見はゼロ、遺体は約100、またボディーパートも発見されているが身元確認の手がかりとしてはDNA鑑定が一番なので行方不明者を捜す人へは歯ブラシやヘアブラシなどの持参が呼びかけられていた。

ボランティアに関しては大型クレーンなどを動かせる技術のある人に限り必要、また、物資、及び Blood donation(献血)においては現状は不足していない。不足しているのはお金であるとのこと。 しかし、電話をしてきて募金をつのるのは禁止されているのでもしそういう電話がかかったら直ちにポリスかFBIに連絡するようにとの事(いかなる状況でも(不正な)金儲けのタネにしようとする人がいるものだ)。

寄付は海外からも簡単な手続きで出来る。下記のサイトは米国レッドクロス及び消防署の正式なもので、ヤフーにより運営が代行されておりオンラインでドネーション(寄付)が出来るようになっているもの。レシート(確認の電子メール)も届く。

アメリカ赤十字社     ファイヤー・デパートメント・ファンド

American Red Cross (赤十字社)への寄付金は救援活動全般に用いられ、消防士ファンドの方は、救助活動中に亡くなった消防士の家族にわたされます。


(s=0200-1015; esb= none;  h:68/ 20C, l:56F/ 13C Hum: 40% 晴れ )

 

sep 16 01  sun

NOBLE EAGLE  // 犯人は?



アメリカは今回の事件は戦争でああるとして報復のために闘うのだとブッシュが演説して国民の愛国心を盛り上げている。星条旗はかつてない売れ行きを示しているとのことで街の中は大小様々のスターズ&ストライプス(米国国旗)で溢れている。世論の操作は大成功である。 武力行使を認める決議案は上・下院にて採択された。作戦はノーブル・イーグル(高貴な鷲)と名づけられた。鷲は言うまでも無く政府のマークなどに多く使用される米国のシンボルだ。高貴な鷲とは、つまり自分がこれから仕掛ける戦いを名前からして正当化しているのである。130万人居るという予備兵役のうち数万人には招集がかかり戦争への準備は着々と進んでいる。しかし一体誰を相手にするのだろうか、と思う。

米国が首謀者であろうと名指ししたオサマ・ビン・ラーディンは自分ではないと正式にコメントしている。幾らなんでも物的証拠が無くて且つ本人が「やっていない」というのに無理やり犯人だと決める事も出来ないので米国政府は、Prime suspect(有力な容疑者)と呼んでいる。 容疑だけで戦争を実行するのも具合がわるいので、そこで米国の攻撃の理由は、過去に彼が関与したとのテロ行為をあげてテロは許せないからであるといった様相を示している。

こんなにプロフェッショナルで一分(いちぶ)の隙も無い作戦を実行できるにはとてつもない組織力と資金力、極めて優れた指揮をする人それに長い準備期間とが無ければ不可能だ。 オサマ・ビン・ラーディンが何らかの関与をしているとした場合、彼はカリスマ的な人気のある人物とのことだし、何千億円にものぼる資金力もあると言われている。反米についても以前から自分の考えを明確にしている。

しかし、アフガニスタンのどこかに隠れて生活している人が単独でこれだけの作戦の指揮をとることが可能なのだろうか。長い準備期間の間に情報が全く漏れなかったのだろうか。四機のほぼ同時のハイジャックがすべて成功する(一機は目的の建造物には達しなかったが乗っ取りには成功したもよう)ということはありえるのだろうか。米国の防衛システムや諜報システムはそんなにやわなのか。

事件発生以来わたしの心を悩ませつづけたもやもやの全ては、あるひとつのポイントにたどりつく。それは、いちばん戦争をしたがっているのは誰か、戦争のきっかけを欲しがっているのは誰かを考えるとわかる。その仮定がもし現実だとすると全ての説明はつく。しかしその仮定はあまりに恐ろしい。国家、特に、権力志向の強い強大な国家というのはそういうものなのかもしれない。過去の事例をみれば頷ける仮定なのだ。

(注: 上記は特別の情報ソースや政治・思想背景を持つものではなく、単にわたしの個人的な考えにすぎません。)



(s=0230-1000; esb= blue-white-red;  h:74/ 23C, l:60F/ 15 Hum: 45% 晴れ )

 

sep 17 01  mon

情報のフィルター



米国在住であるわたしがテレビでみるニュースは当然の事ながら殆どが米国の局のニュースである。 従って例えば今回の同時多発テロ事件についてだと悪魔により正義が被害を受けたというメッセージが常に織り込まれてあり一般市民は米国政府の意図に従ったフィルターのかかったニュースをフィードされている事になる。

もちろん、普通の生活を送っていた一般市民が犠牲になり犯人の行為は人道から外れた卑劣な暴力行為ではあることは事実である。 しかし、これは米国が世界各地で行ってきている無辜の民の平凡な日常を消し去ってきた行為と結果的にどれだけの差もない。 唯一違うのは米国は「世界のオマワリサン」を自負しており自分の行うことは正義だということだ。 こういった点は勿論アメリカのテレビ局は放送しないし新聞にも書かれる事は無い。 また、今回の事件がアラブ過激派の仕業だとするなら、何故アメリカ合衆国が標的となるのか、パレスチナ問題についてもテレビ局は放送しないし新聞にも書かれない。

日本のニュースメディアの場合はどうかと見てみると、これは新聞社系統により扱いが変わる。 日本のテレビ局による日本語放送をみると直接的な対米批判はしないけれど、でも米国の正義を褒め称える一方という事はなくやや中立的な立場に寄っている新聞社やTVチャンネルもある。 しかし、この場合もまた日本の立場に合うフィルターがかけられている筈なのだ。 一方で、11機ハイジャックされた(本当は4機・・・11機説は恐怖効果抜群でした)、とか、電子メールが繋がらない(実際は電話は繋がりにくくなったが、インターネットと電子メールには問題は生じなかったので通信手段として大いに活躍した)とか、 また、アメリカのスーパーマーケットはカラになってしまった(実際はいつもと同じ品揃え)等いい加減なことを垂れ流して世間を煽る姿勢は感心できない。これはフィルターではなくて報道に対する姿勢の違いなのかもしれないが。 それから日本語放送を見ていたらビルに飛行機が激突するシーンに「効果音」をかぶせてみたり、それから妙な音楽をバックグラウンドに流したりするのは極めて不快感を覚えたが、報道がワイドショー化している日本の特徴なのかもしれない。

日本の一般的な市民が「米国ではあちこちで星条旗が掲げられていて愛国心が盛り上がっている」というのを読んだり聞いたりしたら日本に置き換えてみて何だか大変なことになっているのではないか、という気がするかもしれない。 でも、実は、アメリカでは普段からあちこちに星条旗は掲げられていて、何かコトが起きるとその数が増えるというだけである。 こういう点は、フィルターというよりは文化の差であろう。もちろん、全ての家に星条旗が掲げてある訳でもないし全ての人が胸に星条旗の三色のリボンをつけているワケでもない。むしろ星条旗グッズを身につけていない人の方が多い。 もっとも、これはわたしの目というフィルターを通した記述なのだ。



(s=0300-0810; esb= blue-white-red;  h:76/ 24C, l:62F/ 16 Hum: 55% 晴れ )

 

sep 19 01  wed

切り替えのタイミング



切り替え時期というのは環境により左右される。どういうことかというと例えば自動車のヘッドライトの点灯タイミング。徹夜で運転していて段々夜が明けてくる時、ヘッドライトを消すという明るさの段階は、夕方になりどの程度の暗さになったら点灯するかというのと明らかに明度が異なる。朝は随分と明るくなってから「そろそろ消すか」となるのに対して夕方はかなり暗くならないとライトを点けない様に思う。これは自分の目が環境に慣れてしまっているという事により、それまでの環境に引きずられるという事なのだろう。

季節の変遷もおなじ。例えば今朝の出勤時の気温は18度くらいだったのだが、冬から春になったと時の18度の朝は上着を着ていたと思う。それが 9月の18度はノースリーブである。

カジュアル服が導入される2年くらい前までは一年中ビジネススーツを着ていて真夏だって上着を着て出勤していたのに今は秋でもジャケットを着ない。 ずっとこのまま上着を着る季節は来なくなってしまったのかと思うほどだが、でも、気付いたらいつの間にか日が短くなり 7時には薄暗くなっていた。季節は徐々に変わってきているようだ。

社会は一週間ほど前にどうも切り替わってしまったらしい。でも、まだ今までの環境に影響されているので戸惑うばかりだ。

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SPAM(ジャンクメール)いつもはメールチェックする都度、邪魔だとしか思わなかったけれど、この一週間はそんなものでも何となく嬉しい気がしてしまう。 世の中が動いているのだなという証拠みたいで。郵便受けの広告やカタログも邪魔だけれど何となくほっとする。 ただし、SPAMもカタログもほっとしたら直ちにゴミ箱行きではあるのだけど。



(s=0100-0810; esb= blue-white-red;  h:76/ 24C, l:62F/ 16 Hum: 55% 晴れ )

 

sep 20 01  thu

ドクターのアポ



一年のうち真夏の間だけが花粉症のクスリを必要としない時期で晩夏から初秋になると Ragweed の花粉シーズンが始まる。 医薬分業が徹底されている米国では、オーバーザカウンター(ドラッグストアの店先で普通に売っている)以外のクスリはまず医者に行って書いてもらった処方箋をドラッグストアのファーマシーに持っていってようやくクスリ入手となる。 よって処方箋のために一年に2〜3回、医者に行かねばならない。いつものクリニックに電話した。医者や全ての医療技術者はWTCでの事件に巻き込まれた人たちの治療の為に出払っているかと思ったが、そういう事はなくてふつうにアポがとれた。 なんか、こういう時に花粉症ごときでドクターを煩わすのは申し訳ない気がしてしまうが、でも、実は花粉症のクスリがないとわたしは社会人としての生活が成立しないのでなかなか深刻な問題なので仕方ないのだ。

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平凡に 毎朝、目が覚めると無事に朝を迎えられたことがありがたく感じる。 平和に毎日の生活が出来るというのは実はとても特別のことで全てのモーメントを大切に過ごさねばと思う。 願わくば、これが続いて欲しい。



(s=0130-0830; esb= blue-white-red;  h:72/ 22C, l:64F/ 17C Hum: 85% 雨 )

 

sep 21 01  fri

人気ミュージカルを観るチャンス



ようやく一週間が終わった。長かったのか早かったのか時間の感覚さえはっきりしない一週間だった。 この間に米国の株式市場は5日間連続で下がりつづけダウ平均は一週間で -14.3%、1,370ドル下がった。大恐慌の時以来の下げ幅とのことだ。 もともと経済の伸びが停滞しはじめていたところにテロ攻撃があったので一気にリセッション突入となったようだ。 しかし5日連続で株価が下落する材料は実は無いのだが先が全く見えない不安感が売りを加速させているのだろうと見られている。

普段、会社のあるフィフスアベニューは観光客で溢れ、付近の店は買い物客で賑わう。 ところがこの10日間、ランチや通勤のときにガラス張りのつくりが多い店の内部をみても見えるのは豊富な品と退屈そうに商品の場所を置き換えたりしえいる店員たちだけだ。客はどこもゼロだった。 個人消費の冷えがビジュアル化されていた。すでに撤退をしたところもああり、アメリカのビジネス・ディシージョンのすばやさはいつもながら驚かされる。

ブロードウェーでも、客足がすっかり遠のいてしまい四つの劇場がショウを中止した。 再開継続中のショウでも、いままで満席が続きチケット入手が不可能に近いと言われていた超人気ショウ「プロデューサーズ」ですら空席がちらほらと目立つとのこと。 ジュリアーニ市長は「今ならあの『プロデューサーズ』が観られます」と市の観光もりあげをアピールするが市長自らの呼び込みも今のところ効果は出ていないようだ。

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夜21時くらいになるとマンハッタンの風はそれまでと向きを変えて南から北に吹き始める。これは今回始めて知ったことだが、毎日必ずその時間帯になると南端にあるWTC跡地から建造物の燃えるにおいが風にのり漂ってくるのだ。 1〜2時間ほどで再び風向きは変わるのだが、まるで誰かがタイマー付き送風機を操作しているが如くである。



(s=0030-0815; esb= blue-white-red;  h:74/ 23C, l:66F/ 18C Hum: 70% 雨のち晴 )

 

sep 22 01  sat

恐怖感とつきあう



昨日の明け方すごい雷雨の音で目が覚めた。でも、わたしは乾いて清潔なシーツにつつまれベッドの中に居た。まだ無事であると安心してまた眠りに戻った。毎日、とても不安なのだが、夜になるとちゃんと眠くなり朝迄ぐっすり眠れる。この日の朝は例外的に目が覚めたが普段は目覚ましが4回(時間差で鳴るのだ)程なってようやく起きる。睡魔ってすごい。もっとも、普段よりよく寝られるというのはわたしだけではなくて同僚もそうだという。どうやら起きている間の緊張感や恐怖に耐えるストレスがすごくて疲れるので良く寝られるのだろうという結論に達した。

わたしにとっての恐怖とは何かといえば結局のところ自分の周囲が自分の好まざる方向に変化してしまうことだ。 恐怖感には様々なレベルや種類がある。 目の前に存在する恐ろしい出来事は怖いけれどその段階ではその事象から脱することに注力するので実際のところ恐怖心に怯える余裕はあまり無いと思う。 いつどんな形でやってくるのか分からないが遠くない将来にやってきそうな破壊に対する恐怖は重い。不確定性要素が多ければ多いほど恐怖心は増幅される。同じ事象でも事前に発生がわかっていれば恐怖感はずっと減る。 取敢えずの日常生活は今までと変わらないのに見えない恐怖が周囲から押し寄せてくる。 押しつぶされないように工夫をして日々を過ごす。ニュースはあまり見ないで映画や娯楽番組を観るとか、友人と他愛もない話に花を咲かせたり。

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世界がじきに滅びてしまうのなら何も今日洗濯をする事も無いかと思ったのだが、最後の日は明日という事は無さそうなのでいつもの土曜日の様にランドリー実施。 洗濯物を仕掛けておいてそれが出来上がる間に近所で食料品を買おうと思いエレベーター・ホールに向ったら途中でレトリーバーと出会った。初対面なのでしゃがんで挨拶をしたら相手もとても上機嫌でじゃれたりべろべろと舐めてくれたりした。 嬉しいけれど、顔も首もべちょべちょ。これではちょっと買物に行けないので一旦家に帰って顔を洗ったりしているうちに面倒になり買物は明日に延期。



♯  Today's BGM = NOTHING LIKE THE SUN by STING

(s=0100-1030; esb= blue-white-red;  h:80/ 26C, l:66F/ 18C Hum: 90% 晴れのち霧 )

 

sep 23 01  sun

非常用持出袋



何かあったら持って逃げるナップザックの用意をしたと友人が言う。 中身は何かと尋ねたら、ペットボトル、スイスアーミーナイフ、宝石、防毒マスクも届き次第入れるそうだ。それから別にスリーピングバッグも、などという。 お金は入っていないそうで、なんだかいきなり宝石とパンを物々交換するような壮絶な事態になる事を想定している様で、まるで映画『マッドマックス』の世界だ。

わたしも危機管理をきちんとしようと、いつも使っているバックパックを非常用の持ち出し袋にしようと準備した。 内容物は、花粉症用のクスリ、ティッシュー、お金、デジカメ用電池の充電器、PCのポートリプリケータ、外付けフロッピー、ACアダプタ、USBケーブル、それにパスポート。 VAIO(A5ノート)のHDDにはいつも使っているDELLから最新データを一気にコピーして同期をとる。好きな音楽もMP3にしてコピー。 その後、いろいろな人々からのアドバイスをとり入れ懐中電灯、着替え、タオル、水、エネルギー源となる甘い食べ物を追加。

わたしの想定状態は、どうやら自宅を脱出しなければならないが電源の確保は問題ない文明的な場所に避難するというものらしい。

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ヴァイオリニスト、アイザック・スターンが昨日ニューヨーク市内の病院で死去、81歳だった。



♯  Today's BGM = MENDELSSOHN: CONCERTO IN E MINOR by ISAAC STERN & PHILA ORCH./ ORMANDY

(s=0100-1030; esb= blue-white-red;  h:80/ 26C, l:66F/ 18C Hum: 90% 晴れのち霧 )

 

sep 24 01  mon

THREE PEARS



11日のテロアタックの有力容疑者とされているのがイスラム原理主義過激派であることから無関係のアラブ系の人に対するハラスメントや暴力が米国内に広がっている。 ブッシュ大統領の「イスラム信者が敵なのではない、敵はテロリスト」という演説もヘイトクライムの発生を無くすまでの効果は無い。


毎朝、出勤途中に路上ベンダーでフルーツを買う。フルーツベンダーはアラブ系の人が多く、わたしがいつも寄るところもアラブ風の顔立ちをした愛想の良い小柄なおじさんが売っている。 しかし、例の事件以降、彼から笑顔が消えた。わたしは事件前と同じように毎朝2つで1ドルのフルーツを買っていたが、会話も無く暗い雰囲気だった。 今日になりようやく彼から「おはよう、ご機嫌いかが」と話し出した。 「まあまあ」などと答えながら、わたしの今朝のセレクションは一つ目はまずボスコゥ。茶色っぽい洋ナシ。「みんな茶色い方を選ぶんだよ」と彼。 見ると、緑色の梨がどっさりと積んである。見かけは緑色の方が美味しそうだが、味は茶色の方がよい。「だって茶色の方がスムースでクリーミーでおいしいから」とわたし。「うーん、そうかなあ」といった感じの彼。 「オッケー、じゃ、もう一個はこっちにする」とグリーンの梨を選んで彼に渡した。二つの梨を袋に入れながら彼は、梨の山の上のほうにあった小さい茶色い梨を手にとってぐるりと点検した後、にこにこしながらそれも袋に入れてくれた。

路上のフルーツ売りの屋台店ではフルーツは目方売りではなくて一個幾らという値段なので、こんな小さな梨はおそらく売れ残ってしまうのには違いないが、でも、茶色い方が好きなんだと答えたわたしにその種類のオマケをつけてくれたのが嬉しかった。 梨が三つ入った袋をぶら下げて会社についたわたしは、机の上に三つならべてにたにたしながら暫く眺めた。大きさ、色、材質の感じ、味の個性は違うけれどどれも梨。種の存続に工夫はこらせど互いには争わないのにと思い少ししんみりとしたが、でも撮影を済ませ大きい方の茶色からおいしく食べた。



♯  Today's BGM = MENDELSSOHN: CONCERTO IN E MINOR by ISAAC STERN & PHILA ORCH./ ORMANDY

(s=0130-0810; esb= blue-white-red;  h:78/ 25C, l:66F/ 18C Hum: 90% 晴れ )

 

sep 26 01  wed

犬のモチベーション



Ground Zero (爆心地)と呼ばれているWTC跡では24時間体勢の捜索活動が続けられている。 救助にあたるのは人間だけではなく、サーチ・ドッグ(救助犬)も危険な足元の現場で長時間シフトで働いている。 でも、事件発生から15日が経ったが残念なことに生存者の発見は無い。

何も見つける事が出来ない日が続き犬ががっかりしない様にとトレーナーは自分が瓦礫の山にかくれてけが人のフリをして犬に見つけさせているという事をしているそうだ。 これが犬のモチベーション向上に寄与するのかどうか分からないが犬は誉めてもらえるのは好きなので明日への活力に繋がるようだ。

美味しそうなドッグフード盛り合わせの食事が用意されているし、サーチ・ドッグの体調維持にも気が配られている。

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今日から急に涼しくなった。出勤時の気温は9度。半袖のTシャツから出た腕と顔を撫でる涼風が心地よく久しぶりに楽しい気分が湧いてきた。



♯  Today's BGM = MENDELSSOHN: CONCERTO IN E MINOR by ISAAC STERN & PHILA ORCH./ ORMANDY

(s=0030-0810; esb= blue-white-red;  h:66/ 18C, l:49F/ 9C Hum: 47% 晴れ )

 

sep 29 01  sat

空は宇宙へ



WTC 20010929


秋の夕暮れ、一見しずかな都会の景色だが、実はそこは18日前までは別の世界があった。 破壊された現場から立ち上る煙は随分うすくなり今日は殆ど見えない。ここから見る限り、この景色はもともとこんな風だったのではないかとさえ思えるほど静かだ。

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9月11日、事件を知った時に最初に思ったのは「引っ越してよかった」という事である。勤務先の会社がミッドタウンに移転する前は、北側タワー88階の北側の窓際がわたしのオフィスだったのだ。わが身の安全をまず安堵した。 しかし暫くして自分の利己的な考えにひどく打ちのめされた。わたしや会社の同僚はたしかに無事だったが、しかし他の何千という人の生命が何の前触れすらも無く永遠に閉ざされてしまったのだ。 それなのに己の安全をよろこぶという考えを持って良いのか。でも、災難が発生した場合とりあえず自分の身は無事で良かったと思うのは動物の本能の様だ。 だからこそ安全な場所に逃げるという行動をとるのだろう。本能なら理性が悩んでも解決はしない。 それなら残った者は、いつまでも悲劇に打ちひしがれていては進歩しない。日常生活を取り戻し平常の生活を持つ事が復活への第一ステップなのだ。

現場から立ち上る煙はだんだん減るけれど、事件の与えた衝撃は消えることは無い。 しかし、だからといって「キリスト教+資本主義」という最悪の組み合わせを盲信し報復攻撃ムードを盛り上げる米国政府には全く賛成できない。 国際政治の背景を考えれば、この辺りで戦争をしない訳にはいかなそうなのだが、願わくばブラフで終えて欲しいと思う。

一体誰が何のために行った破壊なのか、次は何時、何処なのか、そういった見えない恐怖は時間経過とともに和らぐが、8年前のトラウマは消えることはない。 ちょっとした燃えた匂い、煙、小さな物音に敏感になる。このトラウマは何とかコントロールが出来そうになってきた。三回目が起きたら抑制許容範囲におさまるかどうか。

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宇宙の起源および成長についてのテレビ番組をみた。150億年前に起きた或る星の大爆発による熱で水素とヘリウムしか無かった宇宙にその他の元素が出来た。 長い時間をかけて漂ってたどり着いた塵や星のカケラがようやく太陽系になって、その中でも地球はなかなか美しい星に出来上がった。その美しい星が星としての寿命を迎えるのはまだまだ何億年もかかるというのに間借り人たる霊長類のひとつの種が壊してしまうのかもしれない。 そんな心配をするには宇宙は広く雄大だ。



♯  Today's BGM = MILES IN THE SKY by MILES DAVIS (with H. HANCOCK, W. SHORTER, R. CARTER, T. WILLIAMS & G. BENSON)

(s=0040-1040; esb= blue-white-red;  h:64/ 17C, l:50F/ 10C Hum: 60% 晴れ )

 

sep 30 01  sun

99 Luftballons



Hast Du etwas Zeit fuer mich
Dann singe ich ein Lied fuer Dich
Von 99 Luftballons
Auf ihrem Weg zum Horizont
Denkst du vielleicht g'rad an mich
Dann singe ich ein Lied fuer Dich
Von 99 Luftballons
Und dass sowas von sowas kommt

99 Luftballons
Auf ihrem Weg zum Horizont
Hielt man fuer UFOs aus dem All
Darum schickte ein General
'Ne Fliegerstaffel hinterher
Alarm zu geben wenn's so waer
Dabei war'n dort am Horizont
Nur 99 Luftballons

99 Duesenjaeger
Jeder war ein grosser Krieger
Hielten sich fuer Captain Kirk
Das gab ein grosses Feuerwerk
Die Nachbarn haben nichts gerafft
Und fuehlten sich gleich angemacht
Dabei schoss man am Horizont
Auf 99 Luftballons

99 Kriegsminister
Streichholz und Benzinkanister
Hielten sich fuer schlaue Leute
Witterten schon fette Beute
Riefen: Krieg und wollten Macht
Mann wer haette das gedacht
Das es einmal so weit kommt
Wegen 99 Luftballons

Wegen 99 Luftballons

99 Luftballons

99 Jahre Krieg
Liessen keinen Platz fuer Sieger
Kriegsminister gibt's nicht mehr
Und auch keine Duesenflieger
Heute zieh ich meine Runden
Seh' die Welt in Truemmern liegen
Hab' 'nen Luftballon gefunden
Denk' an dich und lass' ihn fliegen


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99の風船が空に上がっていった。 最初はUFOかと人が思い、そして、騒ぎはどんどん大きくなり、空軍が出動した。空にあるのは風船が99個だというのに。 99人の戦争大臣が集まり相談した。とうとう戦争になりみんながカーク船長にでもなった様な英雄気分で戦った。 99年戦争が続いても誰も勝利者は居ない。 全ては破壊されて何もなくなってしまった。戦争大臣ももう居ない。 たったひとつの風船すらも無いので、飛ばせないなんて・・・
と歌うドイツのバンド「NENA」による反戦メッセージ・ソングが、今回のWTCディザスターを受けて米国放送局が設定した「放送自粛ソング・リスト」に含まれている。 理由は、戦争だ、破壊されて何も無くなる、といった歌詞があるせいか(米国用英語版歌詞には「ハイテク・ジェット機が飛び交って」などという歌詞になっているし)、それとも、反戦は押え込みたいという米国政府の意向によるものなのか。



♯  Today's BGM = 99 LUFTBALLONS by NENA

(s=0100-1100; esb= blue-white-red;  h:62F/ 16C, l:52F/ 11C Hum: 60% 曇り時々雨 )


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