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dec 01 00  fri

11月31日



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定刻どおり離陸したUA800便で離日。 帰路は行き以上に空いたフライト。満席率は25%くらい。3人席を独占してビジネス・クラスのフライトより楽な旅。

飛行時間は約12時間弱、西に向かう時より約2時間短くてすむので楽。 JFK上空に差し掛かった14:55頃、傾きはじめた太陽が反射して金色になった海の上の飛行、あまりの美しさに涙が出そうになった。

JFK のイミグレーション(パスポート・コントロール)もスムースに済み、チェックインしたバゲージが出てくるのを待っている間になにげにパスポートを見ると、 米国入国のスタンプの日付は 11月31日となっていた。 あぁ、U.S.A.に戻ってきたのだなぁと実感するのはこんな一瞬。 それなりに幸せな日々。

♯  Today's BGM = BALLAD 3 by Southern All Stars

(s=0030-0650,1200-1600;esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:60F/15C,l:34F/ 2C はれ・東京&NYC )

 

dec 02 00  sat

日本の感想



今回の日本訪問に関する印象は、事前の想像で不安に思っていた点について安堵感を得たケースが多かった。 日本が良くなってきているのか、わたしが慣れたのか。

昨夜は 21:00に寝てしまったので今朝は 05:00に目が覚めそのまま起床。早寝早起きで健康的だと思ったのも束の間、東京から持参したクロワッサンを食べてしばらくしたらまた眠くなり 08:00にベッドへ戻る。 次に気づいたのは 16:30。まだまだ寝られたがむりやり起きたが、外は既に暗い。昼間部分の無い土曜日となってしまった。

そういう訳でいつもは帰宅すると直ぐに行う旅の後始末(アンパッキング)は、昨晩は要冷蔵保存の品を出して冷蔵庫に入れただけで寝てしまったので、のこり全ては今日に持ち越しになった。

旅の一番の喜びは家に帰った時にあるという。わたしの場合、日米両方に家があるが、どちらがよりほっとするかというと迷うがニューヨークの家の方が物理的快適さに軍配が上がる。 NYの自宅の良い点は、まずインターネットの高速接続、それに、住居空間の快適さ、すなわち、暖かい室内、部屋の空間、広いベッド、及びシャワーの水流の強さ、といったところにある。 こういった生活インフラの充実はそれなりに幸福な時間を過ごせる事に寄与している。

夜、買物がてら散歩にでた。気温は零度。厚手のタートルネックのセーターに長いコート、帽子を被り冷たい空気の心地よさを満喫。 日本では味わうことの出来ない冬の快感なのだ。

♯  Today's BGM = BALLAD 3 by Southern All Stars

(s=2100-0500,0800-1630; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:36F/ 2C,l:24F/ -4C はれ・NYC )

 

dec 03 00  sun

退化論



ヒトは長い年月を経て進化をしてきたといわれているが、一方で、退化の速度は驚くほど速いのではないかと思うことがある。

例えば食事の自給能力。日本での2週間の休暇の間、実家に滞在したおかげで、わたしから見れば食事は時間になると自動的に準備されていた。 従い、次に何を食べるのかを考える必要すらなかったのだが、NYの自宅に戻ったらいきなり現実にさらされ、買物に出たものの何を買うのかすら分からなくなっていたのだ。 ヨーグルトとクランベリージュースを買って帰ってきたが、それだけではまともな食生活は到底おくれない。 買物の前には家の中を点検して何が必要かをリストアップしてから出かけるのだと今になり思い出してきた。

ハミガキ然り。電動歯ブラシを使い出して3ヶ月ほどした頃に自宅以外で歯をみがく必要が生じ事があったが、普通の歯ブラシを用いてマニュアル磨きを実行するのにかなりのぎこちなさを伴っていた。

字だってそうだ。レターの署名くらいしか文字を書くことは無くなり、たまに走り書きのメモなどすると大人が書いたものとは思えない字面に驚く。

そこで、わたしが危惧しているのは明日に迫った社会復帰だ。会社の仕事など退化スピードが最も速いに相違ないので、なんとか無事ごまかし通せることを願うばかりなのだ。

♯  Today's BGM = BALLAD 3 by Southern All Stars

(s=1500-1600; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:36F/ 2C,l:21F/ -6C はれ・NYC )

 

dec 04 00  mon

文字の書き方を練習する大人達



出来ることなら自分の手書き文字は人目にさらさないで済みたいといつも思っていた。 稚拙で不ぞろいだし美的な味も無い。文字の一番の目的は記号としての要素であり、つまりデータ伝達機能であるから、そういう意味ではわたしの文字は(大抵の場合は)読めるので意味をなしている。 ところが、米国では立派な大人と一般的に言われている職種の人々が今、文字の書き方の練習をしているという。

練習をしているのは医者。

米国では医薬分業が確立されており、医院で診察を受けた後クスリを受け取って帰ってくるということは無い。 ドクターは処方箋を書き、患者はその処方箋を薬局(街中の普通のクスリ屋やドラッグストアのファーマシー部門)に持っていき、ファーマシーのヒトが処方箋をみて処方薬を出す。 だから、医者がどこの会社のどんな処方をしようと薬局からリベートが入るという事は無い(筈)。

ここで問題になっているのが、処方箋に書かれた文字。これは一般人には字とは認識されず、例えばわたしには読めたためしが無く、暗号なのだと思っていた。 幼児のはじめてのお絵かき、という表現がしっくりくる。ところが、これは暗号ではなくて手書きの文字なのだ。 薬剤師は、そのフシギなグジャグジャを解読して薬を出す。 ところが、最近、その悪筆のため、読み間違えた薬剤師が医師の意図したものとは違った薬を出してしまったという事件が相次いだのそうだ。 薬Aの名前を書いた処方箋と薬Bを書いた物、二つの処方箋を比べて見ると成る程、似た形のグジャグジャでありいかにも間違えそうだ。

そういう訳でドクターたちが一室に集められて、文字の書き方の特訓セッションが行われているのだそうだ。 白衣を羽織った威厳がありそうな人々が格闘しているのは小学校の時に使ったような、五線紙みたいなところに予めアルファベットが書かれてある特別の練習用紙。 懸命になぞるも中々うまくいかない。ドクターの習字の訓練より処方箋の電子化を考えたほうが効率的だと思った。

♯  Today's BGM = UNFORGETTABLE by Natalie Cole

(s=2100-0515; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:44F/ 6C,l:24F/ -4C はれ・NYC )

 

dec 05 00  tue

3つの “あ”



到来モノの和菓子の箱を持って「ひとつ如何」とすすめてあるいていたBさん、

 「僕は三つの“あ”は避けているのです」 という。
 「三つの“あ”って? あまい・・・それから?」
 「あまい、あぶらっこい、アルコホール」
 「なるほどー。」
 「それで、アルコホールは止められないので、せめて甘い物は食べないことに。。」
 「なるほどー。」

彼は、いかにも和菓子とお茶が好きそうといったイメージなので我慢している感じ。 MBA持っているし、デスクには日米の旗なんか飾っちゃうようなヒトです。

♯  Today's BGM = A DAY IN THE LIFE by Wes Montgomery

(s=2230-0230; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:44F/ 6C,l:29F/ -1C はれ・NYC )

 

dec 06 00  wed

早起きがマイブーム



最近、早起きがマイブームとなっている。 今朝も起床は 6時。従来より 2時間以上早い。ゆったりとした気分で起きて、コーヒーをブルー。メールのチェックなどをして、6時半頃になるとシャワー。 7時からはテレビの日本語放送でニュースを見ながら暖めたベーグルにたっぷりのバターで食事。時間がたっぷりあるので全てはのんびりゆっくりです。8時半くらいに家を出て9時15分前に会社到着。コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。なんとリッチでくつろいだ朝だろうか。 9時からフル回転で仕事が開始できる。

単に時差ぼけが抜けないでいるだけという解釈もあるのだけれど、出来たらこのままでいきたいなあ。但し、問題点は、夜。9時には眠くなってしまうので会社が終わった後の一日が極めて短いという事だ。 更に、今日は、帰宅したら家の中が明るい。朝、まだ暗いうちに起きたので電気を点灯、その後、自然に明るくなったので電気を消すのを気づかずに家を出てしまったのだ。 夜、真っ暗な家に帰宅する心地よさが無くなってしまった。

♯  Today's BGM = ROAD SONG by Wes Montgomery

(s=2100-0600; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:34F/ 1C,l:26F/ -3C はれ・NYC )

 

dec 07 00  thu

人口密度上昇中



12月のニューヨーク市は、電飾が街全体にみられ、たとえその飾りは毎年全く同じだとしても都度、きれいだなと感じないことも無い。 この時期、街の人口密度は急上昇する。世界中から観光客が押し寄せるからだ。

ロッカフェラーセンターの巨大 tree の点灯式、今年は、わたしが日本に居る間に済んだのでなんと幸運なことかと思っていた。 この時は、付近の人口密度は500%くらいに達し、道を歩くことすらままならぬようになる。 もちろん点灯式などは見に行かずに、混雑を避けてそそくさと帰宅するのが住人の常である。

やたら増えている人間は観光客なので歩くスピードがのろいし、あちこちで立ち止まり街の一角でかたまっていたりするので邪魔なのだ。 観光客は休暇で観光にきているのでのんびり見物しているのだろうが、当方は日常生活を送っているのだから。 これからも、あちこちから人間がニューヨーク市を目指してやって来る。 クリスマス・ディ間近な頃は、大げさな表現ではなく、歩道が満員電車状態になり、ヒトをかき分けないと歩けない。 人ごみが苦手なので本来は、ヒトが多いところには行かないのだが、日常生活の舞台が人ごみになってしまっている今の季節、避けるわけにも行かない。

これも、市の財政収入につながり経済発展の一環と思い我慢している次第なのだ。

♯  Today's BGM = TAXI by Bryan Ferry

(s=2200-0630; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:36F/ 2C,l:26F/ -3C はれ・NYC )

 

dec 08 00  fri

平和



世の中には、好戦的なヒトというのが居る。 何かと言うと直ぐに喧嘩的発展に持っていきたがる人々で、わたしとは全く異なるタイプの人種だ。 争いごとを行うのには随分とエネルギーがいるのでは無いかと思うのだが、しかし、好戦的な人々は戦いを好むのだから疲れる出来事ではなくて楽しく過ごせる一時なのだろうなあ。 わたしは争いは好まない。だからといって、理不尽なものにも屈服するわけではないが、戦わなければならない出来事が無く平和な日々が続いたらよいと思う。 心のなかに優しさを蓄えておけば、むやみに戦う事はなくなるのではないかと思うのだが。

ジョン・レノンが自宅アパートの前で凶弾に倒れてから今日で20年が経つ。
    War is over, if you want it
ジョンが望んだ平和な世界は20年経った今も未実現だ。

♯  Today's BGM = STARTING OVER by John Lennon

(s=2130-0130,0400-0740; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:36F/ 2C,l:28F/ -2C 雪・NYC )

 

dec 09 00  sat

マーフィーの法則



「羽毛フトンの法則」
羽毛フトンを用意するとその夜は暑くなる。羽毛フトンをしまうと寒くなる。

「週刊誌の法則」
週刊誌はかたまって届く。
実家から定期的に週刊誌が発送されているが、ずうっと届かない期間があり、しばらくすると二か月分くらいまとまって配達される。

「病気の法則」
病気になる時は決まって土曜日の朝。
クリニックは週末はやっていないので月曜日迄待たなければならない。

こういった不運の中には、単に偶然と言う言葉では片付けられない確率の高さが存在している様に思う。 なかには科学的に説明がつくものもあるらしいが、その多くは、自分の意志と反した結果が生じる時だけ記憶に印象的に刻み込まれ、それ以外の場合は意識していないという考え方が自然かな、と思う。

♯  Today's BGM = PAT METHENY GROUP by Trio 99 → 00

(s=2100-0100,0400-0945; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:37F/ 2C,l:28F/ -2C 晴・NYC )

 

dec 10 00  sun

約束どおりの時間に来ないほうが嬉しい時



ヒトとの待ち合わせ、相手が時間どおりに現れないときはやきもきするものだが、世の中には約束どおりの時間ではないほうが嬉しいこともある。 例えば、以下のようなものである。 本来、時間どおりなのが当たり前なのだろうが、それを、約束どおりが売り物になるという事から、米国のデリバリー事情も伺えるというものだ。 もっとも、最近は、プライベート・セクターの配送業者の配達状態は、WEB で、荷物のあり場所が秒単位でトレース出来るようになっており、郵便局も遅まきながら同様のサービスを始めたなど、時間の観念は向上しつつあるのかもしれない。

♯  Today's BGM = IMAGINE by John Lennon

(s=1100-1200,0200-0945; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:40F/ 4C,l:38F/ 3C 雨・NYC )

 

dec 11 00  mon

オフィス・パーティー二本立て



午後、オフィスパーティーがふたつもあった。

ひとつはベイビー・シャワー。 来週から産休に入る社員のサプライズ・パーティー。 本人を何かにひきつけておいて、その間にランチルームをスヌーピーのテーブルかけや、パステルカラー調の風船などで飾る。 テーブルの上にはプレゼントの山と大きなケーキ。 準備が整うのを見計らい、あらかじめ決めた担当者が本人を騙してランチルームに連れてくる仕掛け。
皆が息をひそめているランチルームのドアが開いて彼女が入ってくる。 "Surprise!" 入念な計画はまんまと成功。 もっとも、産休の前は大抵誰かがシャワーを計画してくれているので彼女もそろそろかな、とは思っていたのだろうが、今日とは思っていなかった模様。 仕掛け人がパーティー上手な社員なので盛り上がりもひとしお。

夕方には、業務統合で同じオフィスをシェアすることになった人たちのウエルカム・パーティー。 こちらは、ミニチュア・ペーストリーとソフトドリンク。 全員名札を胸につけて「こんにちわ」と自己紹介するはずが、夕方の多忙な時間帯なので参加者も全員はムリだったり、また、そこに、何気に紛れ込んでちゃっかりペーストリーを失敬していく部外者が居たり、慌しい雰囲気。

一日にパーティー2個は too much。特に、ケーキ類の食べ過ぎで夕飯は卵スープのみとした。

♯  Today's BGM = FREE! LIVE by FREE

(s=01000-0755; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:46F/ 6C,l:42F/ 5C 曇・NYC )

 

dec 12 00  tue

風の強い日



朝、起きたら家の中がいやに寒かった。温度計を見ると摂氏 22度。 これはいつもより 4〜5度低い。 ヒーターに手をかざしてみると暖気が感じられなかった。

そういえば、今朝の気温は8度くらいにまで上がるとの天気予報を昨日見た。 実際には10度にまで上がっていて、暑くなりすぎたビルを冷やすためにヒーターを止めたのに違いない。 こういった中途半端の外気温の時はアパートの中が一番寒い。

Weather Channel をつける。シカゴが昨日の吹雪に続き今日は大寒波に見舞われて飛行機の欠航や遅れが目立っているとのこと。 そのシカゴの嵐の影響で、今朝のNYは最大風速50マイルという強風注意報が出ていた。
わたしの住むマンハッタンのウエストサイドはもともと風が強い場所で、ぴゅうぴゅう叫ぶような風の音を聞く都度、「煉瓦の家に住んでいてよかったなあ、藁や木ではなくて」(三匹の子豚)と思う。 今日みたいな北北西の風が強い日は、ほんとうは家から出たくないのだが、社会人たるものそうも行かず身支度をととのえる。 何しろ、気温が10度も有るのでどんな強風でも帽子さえ注意すればよいことだが、夜には、一気に-5度まで下がり、体感気温は-20度位になるとのことで、これは困った。 朝の気候に合わせた服では夜は凍えてしまう。夜の予想気温に朝から合わせたたら茹だってしまう。仕方ないので、セーター 1枚とマフラーを鞄につっこみ、飛ばされないように強風の中を出勤した。

夜、会社の忘年会。ラテン系の人は衣装に気合が入っている。圧塗りの顔に結い上げたヘア、豹柄のミニスカに網タイツという姿は銀行の中よりパーティー会場に似合う。

♯  Today's BGM = PAPILLON by Chaka Khan

(s=0030-0800; esb=00ff00,ff0000,ff0000; h:50F/ 10C,l:22F/ -5C 晴・NYC )

 

dec 13 00  wed

パンを焼く



時間があったので、自宅で朝食。 パンを焼いて、いれたてのコーヒーでのんびりと過ごす。

このような描写では、小麦粉をこねてイーストを混ぜてややこしいプロセスを経て自家製パンを焼いたのか、数日前に買って冷蔵庫の中に横たわっていたパンを取り出して焼いたのかは不明確だ。 もっとも、わたしを知るヒトなら間違っても前者とは思わないのは明白なのである。

どうしたことか、黒いタートルネックのセーターの人がやたら多かった今日の会社。 今朝の出勤時の気温が -7度と寒かったのが原因だろうが、どこを見ても敵地侵入のスパイだらけみたいで、何だか奇妙な感じだった。

♯  Today's BGM = BALLAD 3 by Southern All Stars

(s=0030-0815; esb=00ff00,00ff00,00ff00; h:32F/ 0C,l:20F/ -6C 晴・NYC )

 

dec 14 00  thu

しおり



読みかけの本を中断するときに、後でどこまで読んだか分かるように印をつける為のツールである栞にはかなりこだわる。

本によっては予め細いリボンのような紐が折り込んである。新しい本のときは、それが真中あたりのページに閉じ込められていて、紐の形にページがへこんでいる。 わたしは、この紐はその紙のへこみ位置からなんとなく動かしたくなくて、その位置維持を試みる。 或いは、本の末尾に動かしてしまうこともあるが、いずれの場合も、あの紐をしおりとして使うことはまず無い。

書店で広告などの入った小型の紙で出来た栞をくれることがある。時々、上部に穴があいていて黄色や赤のリボン状紐がついていたりする。 これも使わない事が多い。理由は厚手すぎることが多いからだ。厚手なものを挟むと本のその部分が膨らみ、読み終わった本が醜くなるのがイヤなのだ。

ページを折リ曲げておくという人もいるが、わたしにとっては言語道断である。

それでは、わたたしはどうしているかと言うと、薄手で安っぽいメモ帳の紙を二つに折って挟む。 これが一番良い。本を傷めることも殆ど無いし、栞自体のサイズや厚みも好みどおりに調整がきくからだ。

こだわりの理由は、書架に並べた本の美的観点からによることもあるが、もうひとつは、本の位置付けだ。 本は、原稿が文字になり、文字組みされて、装丁を決めて製本されてようやくひとつの作品となると思うので、良いものは作品として出来るだけ尊重したいと思うから。 従って、全ての本がこういった手厚い扱いを受ける訳ではない。 ハードカバー、それから、気に入った新書版、といったところが対象。読みかけの週刊誌はページを折り曲げたり切り取ったりというぞんざいな扱いとなる。

♯  Today's BGM = BALLAD 3 by Southern All Stars

(s=0030-0800; esb=00ff00,00ff00,00ff00; h:42F/ 5C,l:34F/ 1C 雨のち晴・NYC )

 

dec 15 00  fri

スタバでお茶



東京から友人が休暇でニューヨークに来ている。 スポーツ観戦が主目的の旅で米国各地でフットボールやバスケットボール等の試合を観てきてニューヨークが最後の寄港地で明日は成田に発つのだとの事。

あまり時間が無かったしお腹も減っていなかったので、それではコーヒーでも、という事になる。 そうは言っても日本と違って喫茶店というものが無いので場所選びは積極的に考える必要がある。 サンドイッチを食べさせるようなカフェは夜は大抵しまってしまう。 「じゃあ、スタバにしよう」 ということになり最寄のSTARBUCKSでお茶。当地のSTARBUCKSは、ゆったりとした空間でコーヒーを楽しめる事が人気になり何処も繁盛している。 椅子は概ね埋まっている店が多く、やはりちょっとお茶しながら話せる場所というのは洋の東西を問わず便利なのだ。 そういう意味で今まで、コーヒーを飲みながら長居するという喫茶店スタイルの店が無かったニューヨークで STARBUCKS が流行るのは分かるけれど、既に喫茶店が沢山ある日本でもスタバが増殖中というのは不思議な気がする。

♯  Today's BGM = AVALON by Roxy Music

(s=0045-0800; esb=00ff00,ff00000,ff0000; h:40F/ 4C,l:34F/ 1C 晴・NYC )

 

dec 16 00  sat

かもめ



朝から雨。
グレイの空を二羽のかもめが横切っていった。 まるで空から抜け出た様にみえて、そこは切り取られて下から別の空が見える(The Great Family: Magritte)のではないかと思うほど。

ルネ・マグリットの『The Great Family(大家族)』は、曇り空に羽ばたく大きな鳥の形の部分だけ別の空が見える彼の代表作のひとつだ。 鳥の尾と足元の部分は画面下部の水面に達していて、水と空気の境界をつなぐことで時間と空間を超えた自由な世界に思いをはせることが出来る。

マグリットが水と空気を虚で表現したのに対し、オランダの版画家 M.C. エッシャーは同じ水と空(空気)をモチーフにしても意思表示が直接的だ。 平面の正則分割に基づいた幾何学的な作品(版画)は無限的反転で観る側に複数のパースペクティブを与えている。 『Sky and Water』では、水平線を境界に空には鳥、水には魚を配置してあるが、しかしそれらの連続は、よく見ると鳥は四匹の魚に縁取られており、一方では鳥に囲まれた魚が水面下に入っていく。 物事の多面性が可視的に表現されている様で曖昧さを排除した潔さが観ていて気持ち良い。

健康というには弱々しいが、病気というには健康といった曖昧な体調が続いていた。 でも、大病になれば会社を休めて良い、というのは大変に誤った発想。 健康は何物にも代えがたい。健康第一という言葉があるように、健康は全ての基本だから。 でも、心が元気なると身体も元気になる。ならば、心が全ての基本かというと、健全な精神は健康体に宿る、という事もいえる。 真実はメビウスの輪のように。

こんなパラドックスを漫然と思う雨の土曜日。

♯  Today's BGM = MILES IN THE SKY by Miles Davis

(s=0200-1000; esb=00ff00,ff00000,ff0000; h:46F/ 7C,l:47F/ 6C 雨・NYC )

 

dec 17 00  sun

Stormy Sunday



雷の音で目が覚める。強い風を伴う大雨。天気予報のとおりだ。 コーヒーを仕掛け、昨日のうちに買っておいたベーグルをオーヴンに入れてからシャワー。 シャワーから出てくると家の中がコーヒーの香りで満たされているいつもの休日の朝だ。

体調は良くなったものの天気がひどいので自宅で過ごす。 昨日とあわせて映画4本。初めて観る『Scenes from a Mall』、『ギャラクシー・クエスト』。 何回目かとなるのは『Immortal Beloved(不滅の恋〜ベートーヴェン)』、『ノーマ・レイ』。 勝率は4勝0敗。
『Scenes from a Mall』医学博士(ベット・ミドラー)と弁護士(ウディー・アレン)のカップルが結婚16年目に告白する夫々の不倫、雨降って地かたまるという話。 ベット・ミドラーが上手い。『ギャラクシー・クエスト』は、人気テレビSFドラマをみて本物の記録と思い違いをしたエイリアンが番組の出演者に助けを求めてくるという話。観ている間中つまらなかったのだが、エンディングと観終わった後が良かったSFパロディー。 『Immortal Beloved』は、ゲーリー・オールドマンのベートーヴェンぶりも意外なよさだが舞台装置がきれいなのもグッド。 『ノーマ・レイ』はわたし的にはサリー・フィールドのベスト。

悪天候のおかげで久しぶりにに映画を堪能、家の掃除も少し捗ったけれど、持ち帰った仕事はまだ鞄の中から出してすらいない。 明朝、早起きして読もうかなどと出来もしない事をかんがえているうちに日曜日は終わりそうだ。

♯  Today's BGM = BEETHOVEN PIANO CONCERTO No. 5 by Anton Dikov / Sofia Phil.

(s=0230-0930; esb=00ff00,ff00000,ff0000; h:62F/17C,l:38F/ 3C 大雨 )

 

dec 18 00  mon

すぐに溜まるモノ



つい先日、一大決心をしてかなりの努力でさっぱりとしたはずだったのに、溜まるのはあっという間だ。 たばこは吸わないがひとつだけ置いてある灰皿に溢れたスモールチェンジ(小銭)である。

買物をするときは、面倒なので何でも20ドル札で払うことが多い。 お釣りに貰う10ドル札や5ドル、1ドル札などでポケットの中が満員になってくる。 仕方ないのでたまに一ドル札や五ドル札を組み合わせて支払いをする事があるが、コインは殆ど使わない。 財布を持つ習慣が無く札もコインも全部バラでポケットに入れており、帰宅すると決まった灰皿のところに鍵と一緒にお金もポケットから出してじゃらりと置く。 翌朝、もって出るのは鍵とお札だけなので、小銭は溜まる一方という事だ。 以前はランドリーの都度、大量の 25セント・コインを消費できたが、いまはカード式になってしまいコインの用途はなくなってしまった。

コインが溜まってしまうのは、わたしだけではないらしい事がわかったのは、先日、近くのスーパーマーケットでコイン両替機みたいなものを発見した時だ。 仕組みはこうだ。 その機械にコインをじゃんじゃん投入する。機械がお金や個数を判別して投入された金額を集計、計算書をプリントアウトする。 客は、そのプリントアウトをキャッシャーに持っていくと、お金に交換されるというもの。 今度、ぜひ試してみようという計画が密かに進行中であり実行日が楽しみなのだ。

♯  Today's BGM = TWO AGAINST NATURE by Steely Dan

(s=0100-0800; esb=00ff00,ff00000,ff0000; h:40F/ 4C,l:26F/ -3C 晴 )

 

dec 19 00  tue

電気代が高騰中



石油価格の値上がりを原因として全米各地の電力会社では値上げが相次いでいる。 カリフォルニアでは、電気代金節約のために、市庁舎の前に毎年飾るクリスマスツリーの電飾を中止した市があるとの事だ。

さすが、世界の観光地、ニューヨークではそんな事はなく、街じゅうが電飾できらきらとしている。 しかしそのコストは例年を遥かに上回っているのだ。

家庭用電力の場合だと全米平均では昨年比 50%程も値上がりしているらしい。 自宅の電気代の請求書も一年前の同じ時期と比べると高くなっているにちがいない。 しかし、電源を必要とするものは電気代がどうなろうと必要なので比較すらしていない。 節約の実践も殆ど無いが、それでも、最近は常時オンにしているPCの数を一台にとどめる事を習慣づけている。 他に電力をつかう場所と言ったら照明だ。暗闇では生活出来ないので蝋燭を代替にした場合、煤で部屋が汚れて余計な出費が逆効果となりそうで、節電の限界を感じるところだ。

今日、アパートのビルディングのマネジメント会社から手紙が届いていた。 中を読むと、燃料費高騰につき、全てのコストが高くなっている。いままでと同じサービスの提供をするにはコモン・チャージ(ビルのメンテナンス等の共通費)を来年より 4%値上げします、とあった。 この場合、4%はきっと妥当なのだろうが、世の中には便乗値上げもありそうだ。物価の不当な値上がりは経済が不健全になる。ボーナスや給料の便乗値上げなら歓迎なのだが、わたしの日常出費は価格凍結が望ましい。

今一度、手紙を読み返してみると、どうしたことか、値上げ幅が 3%になっているではないか。 生活費を抑えたいと言うわたしの願いが通じたのだと嬉しくなることはなく、自分のキャッシュフローに対するいい加減な態度が露見して、わたしの経済観念の希薄さが如実になりやや脱力。

♯  Today's BGM = LET IT BE by The Beatles

(s=0100-0800; esb=00ff00,ff00000,ff0000; h:40F/ 4C,l:30F/ -1C くもり)

 

dec 20 00  wed

古代人との会話



昨夜、寝てる間に降った雪にうっすらと覆われたマンハッタンの風は実際の気温の数値より低く感じる。 寒い日はやっぱりこれ、とオニオンスープを食べにフレンチビストロに出向いた。 そこで体験したのが以下の不思議な状況である。 「昨日、初めてCDを買ったの」 いきなり彼女は話し始めた。そして任意の曲をすばやく選べる便利さなどを説明した。 CD Walkmanのように小型なものでも機能が沢山あってすごい、など感動気味。 彼女が化石のようなヒトなら、CDを始めて買って科学の進歩に驚くというのも不思議はないが、彼女は会社に勤めている社会人であり、自宅にはパソコンがあり e-mailのやりとりなどもしたりするのだ。

突然、彼女は普通でわたしが一昔前の世界に迷い込んでしまった様な錯覚に陥った。 なんだか、タイムスリップした様な妙な気分だった。

♯  Today's BGM = BIGGER THAN BOTH OF US by Daryl Hall and John Oates

(s=0030-0800; esb=00ff00,ff00000,ff0000; h:36F/ 2C,l:26F/ -3C 晴 )

 

dec 21 00  thu

冬の始まり



ここ数日、厚手のコートを着て通勤していたし予報でも当分寒い日が続くらしいと思ったら、今朝のニュースで「今日は『Winter Begins(冬の始まり)』なのだ」と知った。 今日から冬だとしたら、昨日までの寒い日々は一体なんだったのかと聞きたい。

日本では冬至と呼ばれ一年で夜が一番長い日。 昼より夜が好きなわたしとしては、今日が一年で一番好きな日であるという考え方も出来る。 すなおに幸せをかみしめることとしよう。

♯  Today's BGM = ALONG THE RED LINE by Daryl Hall and John Oates

(s=0100-0800; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:34F/ 1C,l:21F/ -6C 晴 )

 

dec 22 00  fri

予期せぬ雪に



ちょっとだけ降るかもしれないという感じの予報だったのに、一日中雪。 成分は同じなのに雨より雪のほうがずっと楽しい気分になる。

朝の会議に行く途中のエレベーターで乗り合わせた某EVP(上席副社長)氏、 「ホワイトクリスマスになったらロマンチックな気分にひたれますね。
   ・・・ ひたるのは勝手でしょ」
誰も、ロマンチックに縁が無さそうとは言ってなかったのだが。

今ごろの季節はバスケットに入ったスイーツが社内に溢れる。当地の慣行でコーポレート・ギフトである。 貰った担当者が持って帰る事はまず無く、オフィスのあちこちに甘味どころが出現する次第。 特に甘党ではないわたしだが、目にはいったものはつい食べてしまう。 気づいたら午後じゅうチョコレートやクッキーを食べ続けていた気がする。 仕事が伸びて予定していた映画はキャンセル、その後の食事も甘いもの食べ過ぎで食欲ゼロとなりこちらもキャンセル。

離社する頃は雪も止みホワイトクリスマスへのファウンデーションは無しとなった。 今朝のEVP氏がロマンチックな気分にひたれるのも望みはどうなるのだろうか。


♯  Today's BGM = HYMNS, CAROLS AND SONGS ABOUT SNOW by Tuck Andress

(s=0100-0800; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:34F/ 1C,l:18F/ -7C 雪 )

 

dec 23 00  sat

YES YOKO ONO



10月18日から来年の 1月14日までジャパン・ソサエティーのギャラリーで開催中のオノ・ヨーコの展覧会に行ってきた。

WAR IS OVER
前衛芸術家としてのヨーコ・オノには特段の関心は無かったが、ジョン・レノンに多大なる影響を与えた存在という観点から興味があったのだ。 しかし今日を境にアーティストとしてのオノ・ヨーコの位置ずけをも認識することとなった。

YES YOKO ONO
白が基調となった会場には 1960年代から現在に至るまでのヨーコ・オノのアート約130点が展示されている。 会場を入ると真っ白に塗られた大きな脚立が配置されている。 上をみると天井から天眼鏡が下がっている。「CEILING PAINTING (1966)」(YES PAINTING)である。 脚立を上ったところで天井を天眼鏡でみると「YES」という三文字。 ジョンとの運命的な出会いとなった作品として有名だ。
展示品は、ジョンと一緒に創った作品やジョン自体をモチーフにした作品(「SMILE」)など、ジョンの関係者的な物は多いが、ヨーコ自身のみの作品も数多く出展されている。 形体は、文字、オブジェ、映像、イラストなど多岐にわたるが、共通しているのは freedom of conceptual expression、即ち概念の表現の自由という事だと感じた。 一般的には奇抜という印象の強い彼女の作品だが、こうして体系だてて鑑賞してみると意外にシンプルなメッセージ・アートだと思えた。 表現されているのはコンセプトのきっかけだけで、続きは鑑賞する各人にゆだねられる。 こういった参加型のアートは、100%完成されてしまっているアートには無い心地よい刺激を感じる事ができて、なかなか満足の一日となった。

♯  Today's BGM = DOUBLE FANTASY by John Lennon & Yoko Ono

(s=0100-0940; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:28F/ -2C, l:20F/ -5C 晴 )

 

dec 24 00  sun

NYC の冬、観光客の見分け方



クリスマス・イヴ、日中のマンハッタンはまだ人が多い。 最後の駆け込みホリディショッピング客と観光客が主な構成となる。

観光客と地元民は一目で分かる違いがある。見分け方次のとおり。
  1. 歩くスピードが違う(観光客はのろい)。 
  2. 身体のサイズがちがう(米国の田舎からやってくる観光客は太っている)。 
  3. 観光客は凍えながら歩いている(氷点下5度程度の気温はNY在住者には何でもない気温なのだが、暖かい地方からやってきたと思われる観光客は一見着膨れている様にみえても寒さに耐えがたいといった悲惨な表情をして歩いている)。
  4. 或いは、やたら薄着でニコヤカに歩いている(この場合は欧州からの観光客。コートすら着ないで足取りも軽く歩いているスリムな白人の群れは、NYよりはるかに寒い欧州地域からやって来る人々と思って間違いない)。
わたしは冬の外出時は、帽子、襟巻き、手袋などでポイントをかためて、あとはかなり薄着。すなわち、下はジーンズ、上はTシャツにトレーナーかセーターを重ね、あとはコートかジャンパー。 これで全然寒くない。ただしマイナス10度くらいになると長いコートが必須、それより気温が下がるとカシミヤのコートの出番になる。足元はかなり暖かい時分からブーツを履くのは好みという事もある。 いずれにせよニューヨークの冬は最低でも−20度くらい迄にしかならないので、服装さえ適当なら徒歩外出が苦痛という状況にはならないのだ。

♯  Today's BGM = SYNCHRONICITY by The Police

(s=0145-0945; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:32F/ 0C, l:22F/ -5C 晴 )

 

dec 25 00  mon

風のフルート



風の強い日は、ドアの隙間が笛の様になりするどい「ひゅー」という音がする。 高層アパートでは良くある事象らしい。 暖房がきついので、別に隙間風が寒いとかいう事は全くなくてむしろ気持ち良いくらいなのだが、音がうるさい。 少しぐらいなら問題ないのだが、風速が毎時20マイルを超えるあたりから音は我慢の範疇を超える。 そういう時は、普通のコピー用紙を縦に四つに折り、ドアの隙間に挿し込んでいくのだ。 隙間が狭い場所は三つ折りにする。 ドアの下の部分が一番効果的。そして両脇にも少し即席パッキングをしてやると我が家には静寂が訪れることとなる。 市販されているドラフト・ストッパー(直径 3〜4センチの細長綿入り棒みたいなもの)を使わない理由は、この紙製のインスタント・パッキングは使用が一回限りなので、使ってないときに邪魔になるという事がないのだ。

19階に住んでいるときは、この風の音に邪魔された記憶はないので、一定の高さ以上に該当するのか、あるいは、ビルのてっぺん近く(今の住まいは35階建ての33階)になると音がすごくなるのかのどちらかなのだろう。 そんな事を思いながら、プリントしたが不要となった紙を折ってはドアに挟んだ。

今日はクリスマス・デイ。祭日である。一年で最も街が静かな日。道を歩く人の姿も無く、車も馬車も通らず、いつも騒がしい消防車の音すらしない。 聞こえてくるのは風の音だけ。

♯  Today's BGM = IN THE COURT OF CRIMSON KING by King Crimson

(s=0130-0940; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:28F/ -2C, l:20F/ -5C 晴 )

 

dec 26 00  tue

メールの整理



メールの大掃除をした。 INBOX(受信トレイ)のメールの数はゼロ。大変に気分が良い。
今後も受信トレイには基本的にメールは置かないか、置いてもスクロールしないで済む範囲、具体的には 10通以上はためないように心がける事とした。 以前は受信トレイに 2〜3百通のメールがあったのだから大したインプルーブメントの様だが、単に「Old Mail」という経過勘定的フォルダを作って一気に移したに過ぎない。 つまり、届いたメールは即、それなりのフォルダに分けるか、あるいはデリートするというシステムにしたのだ。

会社にはメーラーのフォルダは常に空っぽ状態に保たれているという人がいる。 その人の場合、届いた、或いは発信したメールは即、紙に出力してディスクからは削除してしまうのだそうだ。 それもひとつの手だろうが、わたしは紙ベースのデータより磁気ベースのデータの方が使いやすいので、ちょっと不向き。

こんな物があったら良いのに、と思うのはメール整理ソフト。 メイラーに沢山ためるとメイラーが重くなるので、一定のルールで、メールはメーラー以外の場所に保存する。 ただし、それはメールのヘッダーを含む情報ごと保存し、メーラーで読むことの出来るもの。 きっと、世の中にはそういったソフトはありそうだが、その整理整頓をしないと結局はメールが溢れてしまうのかもしれない。

♯  Today's BGM = HELP! by The Beatles

(s=0100-0800; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:23F/ -5C, l:10F/ -15C 晴 )

 

dec 27 00  wed

マーキュリー・ドロッピング( 水星が落ちる時 )



毎朝、お天気チェックの為にみるTVのローカル・ニュース・チャンネルで、「マーキュリー・ドロッピング」と真剣な声が聞こえた。 画面には、沢山のPCが並ぶ部屋で忙しそうに対応する人々が写っている。起きたばかりのわたしは例によって何が何だかわからない。 Mercury dropping ?  水星(マーキュリー)が落ちてくる?? しかし、水星が落ちてくるにしては、画面に写っている人たちの緊迫感がイマイチだし、NASAだという雰囲気もない。

そこで真相を確かめる為にカウチに腰をおろして情報を得る事とした。 結果、わかったのは、ここのところ寒い日が続いているので住宅の暖房が充分でない場合の対処法に関するアナウンスメントだった。 つまり、マーキュリーは寒暖計の水銀の意味で、寒いと水銀柱が下がるということだった。

ニューヨーク州では全ての大家は法律により室内の温度を定められた範囲に保たねばならない。
・ 外気温度(昼間)が 55度(13C)以下になったら、室内温度は最低でも 68度(20C)。
・ 外気温度(夜間)が 40度( 4C)以下になったら、室内温度は最低でも 55度(13C)。
これが守られないと思ったテナントは、(212) 824-HEAT に電話するように、とのこと。

マンハッタンのアパートはどこも過剰暖房でわたしの家はマシな方だがそれでも夜間で23度くらい、昼間は30度ちかくなる事すらある。 上記の法定気温は大幅クリア(法律には温度の上限は無い)だ。 暖房が効かない家の話を聞くと、いつも暑すぎると不満だったアパートだが、どうもそれは贅沢な文句だったようだ。 暑くて幸運を実感できないけれど。

♯  Today's BGM = THE PLANETS (Gustav Holst) by London Phil.

(s=0100-0800; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:32F/ 0C, l:22F/ -5C 晴 )

 

dec 28 00  thu

年賀状



中学校時代の友人から年賀状が届いた。 少し早いが、日本から海を越えての配達なので予測どおりにもいかないのだろう。 ヨーヨーマのコンサートがとても良かったなどと書いてある。さらに読み進むと、当時のクラスメートが亡くなった事がかいてあった。 悲しい年末となりました、と。

カリフォルニア州に住む友人に電話した。亡くなったのは共通の友人だ。 肝臓ガンで入退院を繰り返していたのだそうだ。 そういえば2年ほど前に同窓会で会ったが、その時は学校時代と変わらぬ様子だったのに。

自分と同年代の人の訃報は複雑な思いが交叉する。 人間の生命が永遠でない事は知っていても、それでも死というものがいつの日か自分の身にも起きる事なのだなんて想像すら出来ない。 しかし、人生、いつターミネートされてしまうのか分からないのだ。 これといった不満も無い平和な日々を漫然と過ごしている今のわたしは、自分に与えられた限りある時間を浪費しているのではないだろうか。 もっと有意義な日々を積極的に目指さなければばいけないのではないかなどと思う。

♯  Today's BGM = Violin Sontas (Beethoven) by Perlman + Ashkenazy

(s=0100-0940; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:33F/ 0C, l:22F/ -6C 晴 )

 

dec 29 00  fri

仕事納め



今日は仕事納め。当地には仕事納めという習慣はないけれど、要は今年最後の営業日。 去年に比べて随分静かな年末となった。 なにしろ去年はY2Kでそれは忙(せわ)しなく慌しいものだった。 今度の年末年始も実は当局の危険日リストに入っているのだが、わたしのオフィスではコンピュータ担当部門の責任者がスタンバイするだけで他の社員は自由な三連休を迎えることとなる。

明日は吹雪が予想されていて商店では朝から道に撒く為の塩とシャベルを求める客が押しかけたが、 雪の少ない冬だったこともあり店のストックが殆どなくて急遽取り寄せを待つ人々の長い行列だとか。 一戸建ての人は秋は落ち葉集め、冬は雪かきと大変だ。 その点、アパート暮らしは楽である。窓から雪景色を眺めるだけでよい。 予報では 03:00頃から降り始めるとの事なので、起きる頃には一面の雪景色になっているはずだ。 雪を享受するために早起きをすべきか、折角の休みだからゆっくり寝るべきか、大いに迷うところである。

♯  Today's BGM = A MAP OF THE WORLD by Pat Metheny

(s=0100-0800; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:32F/ 0C, l:14F/ -9C 晴 )

 

dec 30 00  sat

Blizard 2000



予報どおり大雪になった。 昨日の予報で降雪確率100%といわれていたのでベッドルームのブラインドを開けて就寝。 しかし、雪が気になり 6:00に目覚めた。 まだ暗いはずの外が妙に明るいのは雪のせいに違いない。 起きて居間の窓から見ると外は既にかなり雪に覆われていた。写真を一枚撮りベッドへリターン。 でも、どうしても雪のことが気になるらしくて、次に目覚めたのは 09:40。 折角の休みだが起床とした。
Snowy morning
写真↑をクリックすると大きな画像が別窓に展開します。
眼下にひろがる一面の銀世界はまるで墨絵を見ているようでうっとり。 休日の朝なのでもうじき 10時になるけれど、道はまだ雪かきが進んでおらず真っ白。 早起きした甲斐があるというものだ。

雪は 04:00から降り始めたとの事で、雷を伴った Snow Stormとなり、09:00には既に、10センチ以上の積雪となっている。 空港は、ラ・グゥァーディアもニューアークも閉鎖、JFKはごく一部の便のみに限定しておりほぼ閉鎖状態とのこと。 テレビのニュースでは、ジュリアーニ市長が出かけるときは車ではなくてパブリック・トランスポーテーションを利用するように、どうしても車で出かける必要がある場合はスピードを控えるように、と繰り返し呼びかけている。 別のチャンネルでは、ニューヨーク市のどこがソリに最適か、セントラル・パーク、プロスペクト・パークなどと紹介している。大雪も週末だと平和だ。

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♯  Today's BGM = DR. BUZZARD'S ORIG. SAVANNAH BAND by Kid Creole

(s=0200-0940; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:30F/ -1C, l:22F/ -5C 雪 )

 

dec 31 00  sun

大掃除



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日本には「大掃除」という習慣がある。 一年の終わりに家の掃除を大々的に行うというものだ。 わたしは、これをしない。したことが無い。何故なら、 ミニマリストでモノを持つのが嫌いので日頃からモノを捨てる努力を惜しまないし、 掃除は趣味なので年がら年中行っており、従い、年末だからといって特別プロジェクトを組んでまで行うほど掃除のやり甲斐のある状態に無いのだ。

しかし、今年の年末は週末なので、いつもどおりの小掃除を行う。 普段は土曜日が掃除ディなのだが昨日は雪だったので撮影や雪だるまに忙殺され掃除は出来なかった。 コーヒーテーブルの上の新聞や雑誌を片付け、バキュームをして、バスルームの掃除。

家がきれいになったところで、心と頭の中の大掃除。これは毎週するものではない。

わたしの20世紀を振り返ってみると、誕生から成人、バブルも経験したし、バブルがはじけて金融業界の護送船団方式の崩壊もモロに経験した。 そして、いま金融ビッグバンに向けての再編成でまた仕事関係は歯車の回転が前進に向かっているようだ。 個人的な面では、やりたいことをそれなりにやって来たけれど、でも、いつでも一番の希望には到達していなかった。それなりのところで「まあいいや」になってしまう人生。

これからは、もうちょっと積極的なアプローチをして、死んだときに自分の人生を誇れるような、そんな過ごし方が出来るようにしていきたい、そんな目標意識が芽生えたところで今世紀が終わる。 意識してそうした訳ではないが区切りがよい。

例年どおりタイムズ・スクエアではカウントダウンが行われる。 今回は新世紀を迎えるというのに、去年のミレニアムに比べてずっと盛り上がりが少ない。 世紀の変わり目は百年ごとだけれど、千年紀はなにしろ千年に一回だから、希少価値が10倍だったというところか。

Happy New Year. May coming year and century be bright to all of you !!

♯  Today's BGM = BALLAD 3 by Southern All Stars

(s=0130-0940; esb=0000ff,ffFFFF,0000ff; h:28F/ -2C, l:20F/ -5C 晴 )


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