『 評決の時 』
Time to Kill, A (1996) U.S.A. 2hr. 29min.
おつかい帰りの黒人少女が白人成人男子数人にレイプされ重症を負った。トラックの中で発見された少女の靴が証拠となり犯人は捕まったが、 被害者の父親(サミュエル・L・ジャクソン)は連行されて行く犯人を射殺してしまう、という事件が起きた。 人種差別があからさまに残っている米国南部、陪審員は全員白人という地域で少女の父親の裁判が開かれる。 正義の為に金にならない弁護を引き受けた弁護士(マシュー・マコノヒー)と検事(ケヴィン・スペイシー)の法廷劇。
原作はベストセラー作家のグリシャムだし、監督もシューマッカー、旨くまとめてはあるけど、わたしにとっては後味のわるい映画だった。
どこがか、というと、「正義」のために闘う弁護士というのを全面に押し出しながらも、その実は、勝つ為のテクニックの場所、法廷でのトリック合戦だからだ。 それが社会の現実であることは事実なのだが、激情に流されそうになる熱血漢というキャラクタ(だとわたしは思った)であるマコノヒー演ずるところの弁護士がやはり、納得できなかった。 正義なら正義、テクニックならテクニックとすっきりした描写の方が好みだ。
もし、リベラルな平等を唱え、自分の「正義」に酔う、典型的白人優位主義者マコノヒーがテーマだとしたら、良く出来た作品です。 ただ、後味の悪さには変わりはありませんが。
dir: Joel Schumacher
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