Sully (2016) USA 1hr36min.
1/15/2009、ラ・ガーディア空港をシャーロットに向けて離陸直後にバード・ストライクにより2基のエンジン両方が停止、US Airway 1549は飛行を続けることが不可能になった。ラ・ガーディア空港に戻る選択肢、NJ州のローカル空港に不時着する選択肢が考慮されたが、どんどん速度と高度が下がりこのままでは墜落しそうで、どちらへの空港へも到着する可能性が無いと分析した機長は目の前に流れるハドソン川に不時着水という決断をする。失敗したら米国でもっとも人口密度の高いNY市マンハッタン地区に墜落し想像を絶する被害が生じるが、サリー機長は着水可能と判断。
ジョージ・ワシントン・ブリッジをかすめハドソン川に沿って南下。 機内アナウンスで「Brace for impact」(衝撃に備えよ)と一言、あとは正しい角度で着水するための機体の制御に集中する機長。 48丁目で見事に着水。非常出口から脱出する乗客たちは、ハドソン川に運行中だったWaterway(フェリー)により直ちに救出され陸地に運ばれた。
救助隊に対してサレンバーガー機長が最も気にしたのは、「カウント」。何人が救助されたのか。フライトには155人が乗っていたのだ、と機長。後に、救助されたヘッドカウントは155と知らされ機長は大いに安堵する。
機長は一気に全米のヒーローとなりマスコミの寵児にもなりテレビで彼のニュースを見ない日はなくなった。
しかし、自宅の周囲は常にたくさんのTV取材クルーの車に囲まれているし、機長自身もパルスや血圧上昇、睡眠障害が出て大きなストレスにさらされる。
国家運輸安全委員会(NTSB)による調査が始まった。
不用意に乗客を危険にさらしたのではないか、ラ・ガーディアに戻れていれば機体の損傷もミニマルで済んでいたのに戻らなかった理由はなぜなのか、と追及される。委員会が依頼した航空会社や航空専門家によるコンピュータ分析やフライト・シミュレーターによる分析結果はラ・ガーディアに戻れたというものだった。
陸上に不時着していれば航空機の水没もないので後始末のコストも桁違いだ。保険会社だって着水はうれしくない選択肢だったというわけだろう。
さまざまなシミュレーションのデータをディスプレーしての公聴会ではすべてのデータは「ラ・ガーディアに戻り無事に着陸することができた」というものだった。そこでSullyはコメント。
「シミュレーションにはヒューマン・ファクターが入っていない。バード・ストライクで2つのエンジンの両方が機能を失い、さらに、30秒以内に最良の決断をしないといけないという状況も、我々にとっては初めての経験だったが、シミュレーションでは既にわかっていたことであり、決断の条件が異なる」。そして訊ねた。このシミュレーション画像は何回目のものか(何回試したのか)、と。すると委員会はしぶしぶと17回、と応えた。別のシミュレーション・ビデオを再生したところ、ラ・ガーディアに無事着陸とはいかなかったものもあった。
これにより委員会はサレンバーガー機長の決断が正しかったと判断しケースはクローズしたのだった。
Director: Clint Eastwood
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