『 スネーク・アイズ 』
Snake Eyes (1998) USA 1h. 40min.
ハリケーンが近づいているアトランティック・シティー、14,000人の観客を集めボクシングのチャンピオン・マッチが行われているアリーナで観客席の国防長官が狙撃された。容疑者は 14,000人。証人も 14,000人。 観戦の為に会場に居た地元の刑事リック・サントロ(ニコラス・ケイジ)は、国防長官を護衛していた親友のエリート将校ケビン・ダン中佐(ゲイリー・シニーズ)を助けるつもりで捜査に奮闘する。 事件を追っていくうちに明らかになってくる、思いがけない政治陰謀とは・・・
20分の長回し(本は実に26頁)で始まる映画は、最初からとばし、最後まで、緊張とスピード感を保つ。(だから観る方は疲れる) カメラワークが非常に凝っている。意表をついたアングルのほかに、目立つのが、カメラは、いろいろな人の「目」で画面をとらえているところだ。リックの目、ケビンの目、謎の女の目、そして、テレビ局の中継カメラの目、ホテルの監視ビデオカメラの目・・・ 証言者の一人称の目からまた三人称の目への移り変りがめまぐるしく行われる。
観終わって、冷静に考えてみると、様々な謎が織り込まれたストーリーは決して悪くなく、いや、なかなか面白いのだと気づいたが、観ている間は、話ではなくカメラに神経が集中させられていて、 完全にカメラが脚本を食っていた。映像のマジックが楽しめたけれど、ただ、わたしの場合は、ボクシングという圏外のスポーツが題材にあったことから、どうもイマイチ入り込めない映画でありました。 (04/18/99)
dir: Brian De Palma