『 シャイン 』

Shine (1996) Australia 1hr. 45min.



実在するピアニストDavid Helfgottの物語。
旧式なユダヤ人家庭に生まれた David (Geoffrey Rush)は天才ピアニストとして若くしてデビューした。音楽と家族を愛する父親は英才教育に熱心だ。デイヴィッドの悲劇は、彼の才能は彼の父親の思っているより遥かに優れたものであったことだ。 デイヴィッドの才能をさらに伸ばす為に米国留学の話が出た。はじめは祝福していた父親だが、そのうち手放すのを拒むようになる。 父親の圧力と自分の将来に挟まれ彼は精神障害をおこしてしまう。長い病院生活の末、看護婦の友人である Gillian(Lynn Redgrave)との出逢い、そして、音楽を通じて自分を取り戻すところがクライマックス。

日本のあるピアニストがピアノは格闘技である、とコメントしていたのを聞いたことがあるが、この映画はそれを実感させてくれる。ピアノの演奏シーンがこれほどまでに力強くうったえてくる場面は今までお目にかかったことがなかった。 ピアノのリサイタルで、Davidがナーバス・ブレークダウンを起こす場面は、ピアノの音が消えて彼の心臓の鼓動だけが聞こえ、画像はピアノの鍵盤とその上を動く指のクロース・アップ、刺激的なショットでした。 ギリアンと知り合い、ようやく自分を自由に出来たデイビッドは、現在もギリアンと幸福に暮らしているとのこと。
尚、映画の題、Shine は、新聞に載った Davidの"カムバック"の記事、David Shine(輝ける天才少年ピアニスト)による。

dir: Scott Hicks