『 ローニン 』
RONIN (1998) USA 2h. 00min.
元スパイ稼業を営んでいた6人がIRAに雇われた。
かつては国家の為に命を張っていた彼らは冷戦が終わったあと忠誠を誓った主を失った「浪人」状態、今は金の為にスペシアリティーを発揮しているのだ。
アメリカ人のサム(ロバート・デニーロ)、フランス人のヴィンセント(ジャン・レノ)ほかの6人に課せられたミッションは、謎の男が肌身放さず持ち歩いている謎の金属製のケースを奪うことだ。
6人は夫々の専門分野を生かし計画を練り、ニースの街中での激しい銃撃戦の末にケースを奪うも、仲間のひとりである旧東欧圏出身のグレゴー(ステラン・スカルスゲールド …『グッド・ウイル・ハンティング』の教授役)が裏切りケースを持ち逃走。
敵もなかなか手強く、仲間は次々と銃弾に倒れていく。サムとヴィンセントは裏切者を追ううちに元KGBと組んだロシア・マフィアが関わっていることを突き止める。
ケースの中身は一体何なのか・・・
パリのバーに集合する6人のプロ達、フィルム・ノアール的な導入部から魅力的で画面に惹きつけられる。ただのアクション映画ではなく、渋い、と思っていると、展開するのは、すさまじいカー・チェイスの連続と銃撃シーン。
ヨーロッパの街に銃撃戦とカーチェイスはほんとうに良く似合う。『ピースメーカー』もヨーロッパの石畳の車道で激しいカーチェイスを繰り広げたが、こちらは、その比でない。
このカー・スタントはスゴイ。チェイスに巻き込まれて衝突、炎上するセダンや横転して爆発するトラックなども凄い。ハイウェイを逆方向から入り、左右にハンドルを切りながら対向車を巧みにかわしながらのシーンは恐かった。
"RONIN" の孤独やデニーロとジャン・レノの間に芽生えた友情なども織り込んである、満足度100%の本作品は、ハリウッドが作った「ヨーロッパ映画」。(04/17/99)
旧東ドイツの冬季オリンピックのゴールドメダリスト、カタリナ・ヴィットがロシア・マフィアの身内のアイススケーター役で出演しています。
dir: John Frankenheimer