『 レインメーカー 』

John Grisham's The Rainmaker (1997) USA 2hrs. 20mins.



ジョン・グリシャムの小説の映画化。
ルディー(マット・デイモン)はロー・スクールを卒業したての弁護士のタマゴ。始めに就職した怪しげな顧客ばかりの弁護士事務所から弁護士アシスタント(ダニー・デビート)と一緒に独立する。 彼は、ロー・スクールは卒業したものの、5回もバー・エギザム(弁護士資格試験)を受験して、いまだに受からない万年アシスタントだが、世の中を渡り歩く知恵にはたけている。 二人が担当したのは、白血病の子供の治療費を支払わない保険会社を訴訟するケース。 被告側となる保険会社の弁護士にジョン・ヴォイト、主人公が最初に就職した弁護士事務所のボスにミッキー・ローク。後半の法廷での判事はダニー・グローバー。

弁護士ものだけれど、金持ち相手の金持ち弁護士の話ではなく、アルバイトしながら学費を稼いで学校を出た労働者階級出身の弁護士が主人公。 弱者から搾取して太っていく保険会社は、平等な自由社会をうたいながらも、実は極めてクラッシー(階級社会)な社会構造を持つアメリカの裏側を描いている。 理想(本来ノーブルである法学)と現実の狭間に押しつぶされることなく成長していく弁護士の役はマット・デイモンにぴったり。ミッキー・ロークは今までで一番よいのでは、と思った。 ミスキャストがひとつもなく、人々、シーンともにきっちりと織りあがった作品。 (11/15/98)

dir: Francis Ford Coppola


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