『 ポネット 』
Ponette (1996) France 1hr. 37mins.
交通事故で母親を亡くした4歳の女の子ポネット(ヴィクトワール・ティヴィソル)が自己と葛藤しながら母親の死を受け入れていき、自分も成長していくというお話。
主演のヴィクトール・ティヴィソルは、この映画でヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を獲得、4歳の子供にどこまで「死」がわかって演技ができているのか、と話題になった映画。
「死」をどこまで理解しているかは疑問としても、場面に応じて変化する表情の豊富さは、所謂「子役」としてではなく、演技者として充分に通用するものだ。ただし、わたしにとり、子供が主役の映画というのはどうもぴんと来なくて、映画が盛んに観客を感動させようとしているのだろうなあ、とは思えど、実際の感動には結びつかなかった。
印象に残ったのは画面の色調。自然の豊かな田舎を舞台に、大人も子供もすべての出演者が実に自然にマッチした色を身にまとっており見事に自然に溶け合っていた。 毒々しい生(なま)の色が一切出てこない植物的色合いが最初から最後まで流れ、落ち着いた雰囲気をかもしだしており、そういう意味では、最後の観念的な場面も優しく自然であった。 (01/16/99)
dir: Jacques Doillon