『 カラー・オブ・ハート 』

Pleasantville (1998)  USA 2hr. 00min.



デイヴィッドは、リバイバル放映中の1950年代のTVドラマ Pleasantville にすっかりはまっていて全登場人物、全エピソードを熟知していた。 このドラマでは全ての人々が苦しみや悩みも無くいつも笑顔で過ごしているという、「古き良き時代」のアメリカのホームドラマの典型だ。 前から楽しみにしていたスペシャル版が放映される晩、姉のジェニファーとTVのリモコン争奪中にリモコンを取り落とし壊してしまった。そこに突然現われたTVの修理人が代替品として置いていった不思議なリモコンのスイッチを入れた途端、二人はプレーザントヴィルにワープしてしまい、ドラマの主役一家の高校生きょうだいになってしまったのだ。
モノクロの世界に入りモノクロになった二人はセックスも暴力も悩みも何も無い社会を少しずつ変えていく。 人々が笑顔以外の心の動きを理解した時から町には色が付き始める。 住人はモノクロのままのグループとカラーになったグループに別れ対立が起こる。 ドラマの主人公バドになったデイビッドは町を救うために活躍するのだが・・・

キャストは、デイヴィッド/バド にトビー・マグアイア(アイス・ストーム、Fear and Loathing in Las Vegas)、ジェニファー/メリー・スーに リース・ウィザースプーン、バドの両親に、ウイリアム・メイシー(ファーゴ、ブギー・ナイツ)とジョーン・アレン(フェイス/オフ、アイス・ストーム)など。

監督は、『DAVE』、『BIG』というわたしの大好きな作品の脚本を書いたゲイリー・ロスということで期待して観たのだが、現代の子供が過去にタイムスリップするアイディアは『バック・トゥー・ザ・フューチャー』だし、人工的につくられた平和そのものの世界は『トゥルーマン・ショウ』、テレビや映画の世界に入り込んでしまうという話は、『ラスト・アクション・ヒーロー』他、幾多の作品に見られ、設定はありきたりでストーリー自体に面白味は無かった。 おそらく、この映画は設定やアイディアは付け足しで、内気だった高校生のデイビッドが異郷での大活躍を経て人間的に成長するところがメインの筋書きなのだろう。

モノクロとカラーを混在させた凝った画面作りという映像的な部分はかなり楽しめた。昔の映画の様に一こまづつ手作業で着色或いは脱色というプロセスではなく画像処理はコンピュータで行ったものでしょう。デジタル処理にお金がかかっていそうな作品でした。(05/04/99)

dir: Gary Ross


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