『 チョコレート 』

Monster's Ball (2001)  USA / CANADA 1hr 41min.


長い間、自分としては普通だが満足とはほど遠い人生を送っていてた人たちが、ある出会いから心の温度を感じる日々を得る。

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ジョージア州の田舎町の刑務所で、ハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)は看守をやっていた。彼の息子ソニーも同じ職場で働いているし、また、今は引退しているが彼の父親もかつては看守だった。死刑囚のマスグローヴが処刑される日、ハンクは冷静に手順どおり仕事をすすめたが、ソニーは取り乱してしまいハンクの叱責をうける。その翌日、ソニーは父親と祖父の目の前で拳銃で自殺してしまう。ソニーはもともと看守の職業が性にあっていなかったのだ。目の前で息子を亡くしたハンクは、実は自分も決して看守の職業が好きなのではなくて父親に強制された生き方だったのではないかと、ハンクはソニーの不甲斐無いところが好きになれないと思っていたのだが、本当は、人種差別主義者で自分の考え方を押し付けようとする父親を憎んでいたのにその憎しみの矛先をソニーに向けていたのだと気付く。ハンクは自分の人生を歩みたいと看守を辞める。

レティシア・マスグローヴ(ハーリー・ベリー)は、夫への愛情はあったものの、10年間死刑囚の妻であることに疲れていた。夫が処刑された日、彼女は夫を失った悲しみより刑務所から開放された感覚をよりつよく感じていた。ある雨の日、レティシアと帰宅途中の彼女の息子がひき逃げされてしまう。偶然に通りかかったハンクの車で病院に連れて行くが、手のほどこしようも無く息子は死んでしまう。

最近、子供を失ったという共通点もありハンクとレティシアは互いに親近感をいだくようになり、それが、親近感以上のものに変るのに時間はかからなかった。 このふたりは、アフリカン・アメリカンの女性と彼女の夫の死刑執行を行った元看守で人種差別主義の父親を持つ男性という組み合わせだった・・・

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インター・レイシャルをテーマにした暗い映画かなといった程度の先入観で観だしたのだが、 それはとんでもない思い違いだった。自分の思うような人生を歩んできていなかった事に気付いた男と幸福とはあまり縁の無かった女性が出会い係わり合いを通して二人が生まれて初めて心の満足感を得ていく様子が主演のふたりにより見事に演じられている。特に、ハーリー・ベリーの演技が良い。彼女はこの作品でオスカーを取得したのだけれど、掛け値無しにオスカーの価値がある。カナダのインディーズ作品。

主な出演者:
Billy Bob Thornton … Hank Grotowski
Halle Berry … Leticia Musgrove
Heath Ledger … Sonny Grotowski
Peter Boyle … Buck Grotowski
Sean 'P. Diddy' Combs … Lawrence Musgrove
Coronji Calhoun … Tyrell Musgrove
 
dir: Marc Forster
( 02/FEB/03 )


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