『 ミザリー 』
Misery (1990) USA、 1hrs. 47min.
作家のポール・シェルドン(ジェームズ・カーン)はコロラドのロッジで新作を書き上げ、まだ雪の残る道をニューヨークに向けドライブ中に事故に遭い動けない重症を負う。 そこに元看護婦のアニー(キャシー・ベイツ)が通りかかり、彼を近くの自宅に連れていく。 ポールの小説は全て読んだという彼の大ファンだったアニーは、嬉々としてポールを手厚く看病する。 しかし、彼女がポールの最新作の原稿を目にしたところから態度が変わる。 ポールの最新作は、彼のベストセラー・シリーズ「ミザリー」の最終回であり、アニーの大好きなミザリーは死んでしまうのだ。 アニーは、部屋に鍵をかけポールを拉致し、ミザリーが死なない様にストーリーの書き直しを迫る。引き受けざるを得ないポール。 アニーはポールがいつも使っていたのと同じモデルのタイプライターを買ってきてポールを閉じ込めてある部屋を病室兼書斎にする。 ポールはアニーの喜びそうなストーリーを綴っていく。しかし、本が完成した時は自分は殺されるのではないかと考え、アニーに気づかれない様に密かに脱出計画を練るが両足と片手が不自由なのでなかなかうまくいかない・・・
最初は部屋に鍵をかけてポールを篭の鳥としていただけだが、ポールがその状態を気に入っていないのではないかとアニーが疑問を抱き始めるころからテンションが徐々に高まる。 ポールが自分に気に入るようしている時の幸福な顔、自分から逃げようとしたのでハンマーで怪我をした足をたたくという制裁を与える時の顔、天使から悪魔に一瞬にして変わる表情は流石。キャシー・ベイツの演技が凄い。 (この作品で、キャシー・ベイツはアカデミー賞主演女優賞を獲得した。) 人がもっとも残酷な憎しみを持つのはは愛情の裏返しという心の動きをテーマにしたサイコ・サスペンス。
スティーブン・キング作品の映画で確実にベストのひとつ。
dir: Rob Reiner