『 マジェスティック 』
The Majestic (2001) USA 2hr 32min.
交通事故で川に落ちて記憶を失った男が海岸に流れ着く。近くの町に住む老人に助けられるが9年前に戦争で死んだと思っていたヒーローが生還したのだと人違いされてしまう。ジム・キャリー主演のヒューマン・ドラマ。
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1951年のハリウッド。ピート・アップルトン(ジム・キャリー)は、脚本家としてそれなりの成功をしていた。B級映画とはいえ、彼の脚本による「Sand Pirates of Sahara」はミディアム・ヒット作となり、主演女優の恋人とのリレーションシップも順調、製作中の次作ではB級からA級映画に脱せそうと人生は順風満帆かにみえた。
ところが、非アメリカ活動委員会(Un-American Activity Committee)から共産主義者だと名指しされ、製作中の次の作品の脚本も没収されてしまう。所謂「赤狩り」である。まったく身に覚えの無いピートは呆然と車を走らせるうちに、橋の上で運転を誤り川に転落してしまう。かろうじて車から脱出はできたもののいつしか気を失い、流れ着いたのはどこかの海岸であった。たまたま通りかかった老人に助けられ、彼の住む小さな町ローソンに同行したところ、そこで9年前に英雄的戦死をしたが遺体のが見つからないでいたルーク・トリンブルと間違えられる。
ピートは記憶が無いので、言われるがままにルークとしてその町で暮らすようになった。
その町は戦争で60人もの若者が命を落として以来、すっかり活気を失っていたのだが、英雄が戻ってきたということで人々は元気を取り戻す。ルークの父親ハリー(マーティン・ランドー)は、9年前に閉鎖していた映画館「マジェスティック」を再建すると言い出す。当時の関係者たちも張り切って作業を進めとうとう映画館のリオープンに漕ぎ着けた。映画館のネオンサインは輝き、上映される最新作品を見る観客で劇場は連日満員になった。ルークの恋人アデルは弁護士試験に受かり、町は動き始めたようにみえた。
しかし、アデルの父親はルークが9年間どこで何をしていたのかが気になると、彼の記憶が戻ったときの事を心配していた。そして、ある日、ピートの記憶が戻る日がやってきた。丁度、非アメリカ活動委員会の追手もローソンにやってきたところだった・・・
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『ショーシャンク・レデンプション』のフランク・ダラボン監督作品で、やはり感動を盛り込んだ作りになっているがそれに嫌味は無い。前半、ジム・キャリーが見知らぬ町に溶け込んでいくところは、随所に戦争に対するプロテストが織り込まれており、戦争の暴力は残された者の悲しみとして繰り返し愚行に抗議をしているように見受け、打ちのめされる。主人公の記憶が戻ってからはストーリーは一転してファンタジーになっていくので、映画を観終わった後は比較的さわやかな気持ちになれ、いつまでも戦争への憎しみという負の心を引きずらないで済む。ジム・キャリーも熱演しているが、マーティン・ランドーが良い。
主な出演者:
Jim Carrey … Peter Appleton / Luke Trimble
Bob Balaban … Elvin Clyde
Martin Landau … Harry Trimble
Laurie Holden … Adele Stanton
Hal Holbrook … Congressman Doyle
dir: Frank Darabont
(
17/FEB/03
)
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