『 ロスト・チルドレン 』
City of Lost Children (1995) France 1hr. 52mins.
セピア色の港町を舞台に繰り広げられるサーカスの怪力男と少女のユニークな冒険ファンタジー。
ウォータフロントの謎のプラットフォームに住むクランクは、老化症により夢をみることが出来なくなってしまった。 そこで、彼は、クローン人間を使い港町から小さな子供たちを誘拐してきて特別の機械で子供達から夢を盗んでいた。
サーカスの見せ物の怪力男ワン(ロン・パールマン)の弟も彼らに誘拐されてしまった。 窃盗団の少女ミエットとワンが弟を救い出すために謎の基地に潜入する。ワンとミエットには強い信頼関係が芽生え、ワンにとりミエットはかけがえのない存在となる。 ミエットもワンの為に自分の危険も顧みる事無く次から次に訪れる危機に対処しながら救助作戦を遂行する。
"Miette Por La Vie" この関係が美しく描けるのは、やはりフランス映画ならではなのだろう。 ハリウッド映画だと幼女趣味の変態親父になってしまうのではないだろうか。
始まりの部分のサンタクロースのエピソードに深く感心させられた。稀に観る衝撃的なイントロだ。 他にもシークエンスのエピソードが凄い。奇妙なキャラクター達も夢の世界を盛り上げる。 しかし、この映画の一番すごいのは、なんといっても映像だろう。極めて人工的でありながら心地よさをたたえた芸術表現に成功した、この映像美なくしては、果てしなく奇妙な登場人物達がグロテスクなだけの映画になっていただろうし、怪力芸人と少女の美しい関係も無い。 (原題:La Cite Des Enfants Perdus)
dir: Jean Pierre Jeunet and Marc Caro