『 リトル・ブッダ 』
Little Buddha (1993) UK, FRANCE 2hr. 5mins.
ベルトリッチ監督による仏教を通した精神の旅が圧倒的な映像美で描かれる。* * *
あなたの子供は高僧の生まれ変わりだという事が分かったのでチベットに来て我々の師になって欲しい、ある日、シアトルに住む一家のところにチベットの僧が訪れてそう言った。 いきなりリーインカーネーションの概念をつきつけられて驚く母親（ブリジット・フォンダ）。 僧は子供にブッダの物語を書いた本を残して去っていった。
本の中で、シッダルータ王子（キアヌー・リーブス）は、老い、病、死という人間が避けることのできない苦悩を目にした後、出家して修行の末に悟りをひらきブッダになる。 少年はその本に夢中になった。
ジェシーの両親は本当にジェシーが高僧の生まれ変わりなのか調べるためにブータンに向かい、一家の冒険が始まった。* * *
チベット仏教では、高僧が他界すると輪廻転生により生まれ変わった子供を探し出して、同じ地位につけるという。 実際に現在のダライラマも前代の死後、生まれ変わりだと認められて即位したそうだ。
チベットの静かで澄んだ景色、仏教と言う神秘的で不思議な世界、など舞台設定が精神世界の雰囲気を高めるが、但し、ブッダ役のキアヌー・リーブスがいただけない。 シッダルータの時のメイクアップがアラジンの魔法使いみたいなのはまだ良いとしても、出家したあとの瞑想シーンでヘアスタイルがアップスタイルでオバサンみたいなのが興ざめ。 チベットでは出家した僧はああいうヘアスタイルをするのだろうか。
仏教のバックグラウンドが無いので難解なところが多かったが、ベルトリッチ監督の圧倒的な映像美、金色に覆われた色彩豊かな映像を観るだけでも価値あり。
dir: Bernardo Bertolucci
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