『 アイアン・ジャイアント 』

The Iron Giant  (1999) U.S.A. 1hr. 26min.



宇宙から地球に落ちてきた巨大ロボットをめぐるSFファンタジー・アニメーション。

1957年、東西冷戦の頃の米国メイン州に宇宙から謎の物体が落下してきた。 その物体は、発電所のアンテナをむしゃむしゃと食べる大型ロボットだった。 そのロボットを見つけた近くに住む少年ホーガスとロボットは友達になったが、夢の様に楽しい日々は長くは続かなかった。 巨大ロボットは悪と決め付けたGマンが軍隊の派遣を要請し、遂にロケット・ミサイルが発射された・・・

登場人物の画は普通のアメリカ・アニメーションのキャラクタだけれど、声が良い。 最近のアニメーションは声の存在が強すぎることがままるが、この作品では声の出演をしている俳優の姿(ジェニファー・アニストン、ハリー・コーニック Jr. 他)がまったく前面にでない。
それにロボットが愛らしい。ときどきETやトトロを連想してしまうが、子供とエイリアンとのふれ合いという同じテーマならある程度は似てしまうのだろう。 ロボットは普段はおとなしいのだが自分の身に危害を加えられる状況におかれると戦闘ロボットに変身し強力な反撃を行うという設定は、それまでの話の進み方からは意外な展開だが、反暴力というテーマが強調される部分だ。 キュートで心あたたまる(異型との)フレンドシップ物語という前半から、人間のエゴと暴力がイラストレイトされる後半へのシフトは極めて滑らか。 ロボットに対する軍隊の攻撃がどんどんエスカレートしていきミサイルが発射されてしまうあたりでは涙が出るのをコントロールできなくなる。 単なるキュートなだけの映画ではない。 今までに観たアニメーションの中で文句なしのベスト・ワン。

dir: Brad Bird


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