『 ホーム・フライズ 』

Home Fries (1998) U.S.A. 1hr. 31min.



極めてユニークな愛憎の表現方法の世界。

ハンバーガー・ショップのキャッシャーとして働くサリー(ドリュー・バリモア)は、妊娠中。母親になる日を楽しみにしている。 赤ん坊の父親ハリーは心臓発作で死んでしまったが、不倫関係にあった為に葬式の日もサリーは遠くからそっと眺めるだけだった。

ある日、サリーの勤めるハンバーガー・ショップに新しい店員がやってきた。 特別の事情があって、その店で働く事となったドリアン(ルーク・ウイルソン)は、ハリーの継子だったのだが、そうとは知らずにサリーは彼に好意を抱くようになる。 ドリアンもまたサリーにロマンティックな感情を持つが、彼は実はサリーのベイビーの父親殺しに関与していたのだ。 ドリアンには兄ともに母親思いで彼女が不倫していた夫を不快に思っていたので殺害したのだった。 不倫の相手も殺す算段だったのだが・・・

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ストーリーだけ読むと随分と暗い暴力的なイメージかもしれないが、実際には、非現実的な夢の世界の御伽噺といった感じのロマンティック・コメディー。 シュール・アンリアリスティックとでも呼ぶべき極めて独創的な設定のもと、軽妙なリズムで話が進む。 心地よい色彩とアーティスティックなカメラアングルによる美麗なカットが次から次へと展開され観ていて実に楽しい。 (1999/09/10)

dir: Dean Parisot