『グリーンブック』

Green Book (2018) USA 2hrs. 40min.



労働者階級のイタリア系アメリカ人のバウンサーが、1960年代アメリカ南部の都市を巡るコンサート・ツアーを行うアフリカ系アメリカ人の天才クラシック・ピアニストのドライバーになり行動を共にする。
実話に基づいた伝記コメディー。第91回アカデミー賞(2019年)ので作品賞、ベスト・サポーティグ・アクター、ベスト・Original Screenplayを受賞。

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1962年、タフな用心棒のトニー・ "トニー・リップ"・バレロンガは、彼の勤務先だったナイトクラブが改装のため閉鎖されることになり無職となってしまったので仕事を探すことになった。

最も有望な申し出は、アフリカ系アメリカ人のクラシック・ピアニストであるドクター・ドン・シャーリーがディープ・サウス(南部の州)へのコンサートツアーの運転手として参加することだった。黒人のために働くことに特に熱心ではなかったトニーだが、給与条件が希望通りだったこともあり仕事を受け入れ、アメリカ南部の人種差別地域を安全に旅行するための黒人用旅行ガイドである「グリーンブック」を頼りにツアーに出発する。

博識で上品なピアニストと無学で下品な元バウンサーの運転手と、育ちも性格もまったく異なる2人は、最初はぎくしゃくして衝突してばかりであったが、異種のペアが旅していくうちにアメリカ(南部)の不公正を目撃して耐えるとき、彼らは互いの才能に対する新たな尊敬の念を見つけて、徐々に打ち解けて行き、両方の人生を変える友情と理解を育み、8週間のツアーを終えてNYに帰る頃には生涯の友になっていた。

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「グリーンブック」とは、アフリカ系の人が宿泊できるホテルをリストアップしたブックレット。当時まだ人種差別政策が残っていた米国南部では黒人は泊まれないホテル、入れないレストランなどセグリゲーション(人種隔離)が行われていたので、南部を旅行するアフリカ系米国人には必須の資料。

人種差別を批判したシリアスで重い映画かというと、そういうことは表立っておらず(テーマにいはなっているものの)、未教養で粗野だけれど人の良い運転手と、教養があり物静かな天才ミュージッシャンのロード・ムービーという体裁をとっている。 人種差別が根底にまがれてはいるものの、重苦しさは感じないでみ終わったとは爽やかな気分になれるのは、友情がメインテーマだから。見応えある良作。

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ヴィーゴ・モーテンセンが25キロ増量して役に挑んだとのこと。

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主な出演者:
Viggo Mortensen ... Tony "Tony Lip" Vallelonga
Mahershala Ali ... Dr. Donald Shirley
Linda Cardellini ... Dolores Vallelonga

Director: Peter Farrelly


(31DEC19)


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