『 グラディエーター 』

Gladiator (2000) U.S.A. 2hr. 34min.



ローマ時代、嫉妬と権力争いに巻き込まれて全てを失ったマキシムスの復讐劇。

将軍マキシムス(ラッセル・クロウ)はその優れた能力で世界各地の戦闘に勝利をおさめローマ帝国の拡大に寄与していた。 彼はその卓越した指導力により人々からも、時の皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)からも深く愛されていた。 特に皇帝が彼に寄せる信頼はゆるぎないものだったのだ。 ある日皇帝は、マキシムスに、ローマの次期皇帝は自分の息子のコモドゥス(ホアキン・フェニックス)ではなくマキシムスこそがその器である、ぜひ後任となって欲しいといわれる。 その夜、皇帝はコモドゥスを自室に呼び寄せ、今日、マキシムスに自分の後継者となって欲しいことを告げた旨話す。 かねてから、自分は父親にあまり愛されていない事を感じていたコモドゥスは将来の夢まで無くなる事を知り打ちひしがれる。 彼は、皇帝になるという自分の未来の夢を打ち砕いた愛する父親を抱きしめるとともにその首を力のかぎりに絞めた。 皇帝の死後、コモドゥスは直ちにマキシムスのところに自分の手下を派遣し、マキシムスの処刑を実行する様に命じた。

マキシムスはその卓越した戦闘能力で処刑者たちを逆に打ち負かし一路故郷のスペインに向かったが、そこで見たのは惨殺された妻子の姿だった。 果てしない脱力感に襲われたマキシムスが次に気づいたのは誘拐されて奴隷として売られるための運搬車の中だった。

奴隷市場でマキシムスを買っていったのは剣闘士グラディエーターの元締め(オリバー・リード)だった。 鍛えぬかれた剣闘士たちを円形競技場で戦わせ、それを鑑賞するのは当時人気の娯楽だったのだ。 無敵のグラディエーターとなったマキシムスは皇帝への復習のためローマへ向う・・・

当時、皇帝の跡取は必ずしも実子ではなく有能な養子を迎える事が一般的となっていたローマでマルクス・アウレリウスの死後、政治的素養もあまりないコモドゥスが皇帝となった事情について 大胆な仮定のもとストーリーを展開した作品。

出演者: Russell Crowe .... Maximus Decimus Meridius // Joaquin Phoenix .... Commodus // Connie Nielsen.... Lucilla(コモドゥスの姉)
ラッセル・クロウはボディビルダーについて作ったという体で剣の振付師によるアクションを見せる。 ホアキン・フェニックスは故リバー・フェニックスの兄、メークアップで随分ローマ人的に見える。 デンマーク出身のコニー・ニールセンはディアボロス(Devil's Advocate)でメージャー・デビューしてから順調。

ローマ人の時代の権力争いは今の会社組織とそっくりで、まったく進歩していないという事がよく分かる。 そういった嫉妬や権力があまりに現実的で、観ていて何回も気分が悪くなった。

映像的には『ブレードランナー』が時代を超えて再来したといったところか。 模型とCGで再現されたローマのコロッセオは圧巻。やはりこういう映画は大画面ならではなので劇場向けといえよう。

dir: Ridley Scott
(09/30/00)

Movies Menu    <<  Main Menu