『 ガール・インターラプテッド 』

Girl, Interrupted (1999) U.S.A. 2hr. 7min.



Susanna Kaysen(作家)が1960年代に 18ヶ月間を過ごしたメンタル・ホスピタルでの日記をもとに映画化。

"Borderline personality disorder" − 18歳のスーザン(ウイノナ・ライダー)がボストン郊外にある精神科専門のクレイモア・ホスピタルで下された診断である。 この病名は患者の状態を表すというよりはむしろ分類の都合上想像して作り上げられたものだ。 即ち、特徴的な症状とは情緒不安定で、且つセックスはカジュアル、など症状を読む限りはありきたりなティーンエイジャーならどこか該当しそうなものだったのだ。 スーザンがクレイモア・ホスピタルにやってきた理由は自殺未遂。アスピリンを百錠服用したのだった。

病院には「オズの魔法使い」の世界が全てと思っている患者、子供のときに大火傷をおい顔がケロイド状になり心の安定を失った患者など色々な少女達が収容されていた。 一見あかるいが時として極めて残酷で暴力的になるリサ(アンジェリーナ・ジョリー)はこの病院に八年も居る。 当初は病院の雰囲気に全く馴染めなかったスーザンだが、リサを始め何人かの仲良しグループと行動をともにする様になり、その時のことをジャーナルにつけるようになった。 和やかな時もあったが想像を絶する事件も起きて、結局それがスーザンが立ち直るきかっけとなった。

スーザンはアテンションが欲しかっただけの甘えっ子だった。大人になるのを躊躇うが故に、ちょっと中断してクレイジーな真似をしただけだったのだ。 彼女は、しかし、病院で過ごした時間を通しインターラプションは終わり成長の過程を歩み始める事になるのだった。

アンジェリーナ・ジョリーが 2000年度のオスカーで助演女優賞を獲得した作品。 彼女の熱演振りもなかなかだが、ウイノナ・ライダーが良い。見ごたえがあるが、重苦し過ぎる事もない出来となっている。

dir: James Mangold
(02/02/01)