『 フィアー・アンド・ロージング・イン・ラスヴェガス 』 *1
Fear and Loathing in Las Vegas (1998) U.S.A. 1hr. 58mins.
1971年、ジャーナリストの Raoul Duke(ジョニー・デップ)と彼の弁護士(同時に共犯者)である ドクター・ゴンゾ(Benice Del Toro)は、ラスヴェガスで行われるオートバイのレースの取材の為に現地に向かった。 「スポーツ・イラストレイテッド」(筆者注:実在する米国のスポーツの雑誌)の依頼であるこの仕事は、実は欲しいだけのドラッグ三昧の日々の費用捻出の口実だった。 ドラッグ漬けの二人は、料金はあちこちで踏み倒すわ、ホテルの備品は盗むわ、めちゃくちゃではあったが、兎に角、最初は単純な取材旅行だった。それが、アメリカン・ドリームを探す旅に変化する・・・・
時代は60年代が終わり70年代にはいったばかりという設定だが、その描写方法は、明らかに90年代のもので、スピード感が現代的。 別の言い方をすれば、仮想 seventiesとでもいえそうなバーチュアルな世界で、128分間、途切れることの無い毒々しいアシッド・トリップのシーンの連続と奇妙にシンクロする。
この映画は好き嫌いが真っ二つにわかれ、その中間というものは無いのではないかと思う。可笑しいシーンや皮肉もたっぷり盛り込まれていて中身が濃いし、映像もかなり凝っており、 一回目で好きになれない場合も観る回数を重ねると好きになってくるタイプの映画。 主役のジャーナリストのヘアスタイルは、あそこまでしないでも良かったのでは・・・というのが個人的感想。 (01/19/99)
dir: Terry Gilliam
(*1)邦題は分からなかったので(まだ無い?)、原題をカタカナに置換えたものとしました。