『 ディアボロス 』

The Devil's Advocate  (1997) USA、 2hrs. 24min.



フロリダの若手弁護士ケヴィン(キアヌー・リーブス)は、連戦連勝で将来を有望視されていた。ある日、ニューヨークの超高級法律事務所に引き抜かれる。 オーナーのミルトン(アル・パチーノ)が所有し、彼自身も最上階に住むマンハッタンの一等地のアパートの下層階の部屋も提供される。 いかにも、という感じのミルトンの部屋にはベッドが無い。悪魔だから寝る必要がないのだ。アル・パチーノの悪魔的メイキャップと演技は流石。ニューヨークに移っても、ケヴィンは負けたことのない弁護士の記録を継続していく。一方で、ミルトンは、ケヴィンをあの手この手で誘惑する。 誘惑に負けじと抵抗するケヴィンが、自分の出生の秘密を知り、悪魔の誘惑に打ち勝つ為にピストルの引き金をひくが・・・

やはり悪魔が勝ちそうなラストシーンは、人間の虚栄と欲望は悪魔が支配するのに実に都合の良いものだという、ブラック・ファンタジーにふさわしいものでした。 キアヌー・リーブスはどう見ても有能弁護士の雰囲気はゼロだったけれど、悪魔に誘惑されるにはぴったりの感じでありました。 なお、モーフィングが多用されてるけど、ところどころ、やたら大袈裟でチープなのが、かえって良かったように思った。邦題は聖書の中に出てくる言葉で悪魔のことのことだが、原題のままの方がわかりやすかったのではないだろうか。

dir: Taylor Hackford