ファッション・デザイナー、ココ・シャネルの若い時の日々を描いた映画。
題名の意味は、「Coco Before Chanel」、つまり、映画は孤児院育ちの少女が、世界的デザイナー、シャネルとして成功したところで終わる。
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ガブリエル ”ココ”(オドレイ・トトゥ)は、孤児院を出てから、田舎の二流キャバレーで歌手として働く一方、仕立て屋でお針子としても働いていた。
貴族のバルザンにキャバレーでみそめられ彼の愛人となり彼の城でくらすようになる。そこでココが目にしたのは、コルセットで体を締め付けたドレス、金銀のアクセサリーや羽で飾り立て、ハイヒールを履くという、体の自由のない女性たちだった。ココは持ち前の器用さで自分の着る服は自分で仕立てるようになった。それは、コルセットをもちいず、装飾もほとんどないシンプルな服。胸やヒップを強調した当時の女性衣服とはまったく異なるコンセプトだった。彼女の作る装飾を控えた帽子が城に集まる女性たちの間で評判になり徐々に彼女に製作依頼も増えてきた。
そんなある日、ココと同様に孤児院育ちで現在はビジネスで成功している男性アーサー ”ボーイ” カペルと出会い2人は恋に落ちる。2人の恋はハッピーエンドにはならなかったが、ココはバルザンとも別れパリに出てボーイを失ったことを乗り越えデザイナーとして成功する・・・
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ファッションにもシャネルにも全く興味はないのだが、主演がAudrey Tautou ということで借りたDVD。
わたしの「シャネル」ブランドに関する事前の知識としては、派手な装飾を施した高価な衣服、それから、No. 5という有名な香水、くらいだった。
しかし、1883年生まれの主人公が青春時代を過ごした20世紀初頭にココが発表した彼女の衣類ラインは、むしろ、シンプルなものだったのだ。
女性の自由と自立を提唱した最初の人々のひとりだったと思われる。
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映画の前半は、どうしてもアメリのイメージがチラチラしてしまったが、中盤から、ココそのものとしてみえるようになった。
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