Seth(ニコラス・ケイジ)は天使。ずっと昔からロス・アンジェルスの街で人々を見守ってきた。不幸な人がいたらそっと寄り添い力づけてあげる。
死に行く人の運命を変えることは出来ないが、魂を導いて行くのも役目だ。天使は普段は人から見えないが、人が死んで行くときだけ見えるようになるのだ。
ある日、術後の容体が急変した患者に蘇生の為の心臓マッサージを懸命に行う外科医マギー・ライス(メグ・ライアン)がいた。
Sethはその患者の担当だったのだ。患者を救うことが出来ず落ち込むマギーを見守るうちに Sethは彼女に恋をしてしまった。
しかし、天使のままでは人間との恋愛は出来ない・・・
Wim Wenders監督の『
ベルリン・天使の詩』のリメイク。オリジナルは、斬新なカメラワーク、ドイツ語という荘厳的言語による詩的な台詞、そしてベルリンという極めて特殊な街を舞台にした事から、重厚な雰囲気の作品に仕上がっており、テーマの表現も観念的であった。
このリメイクでは、まず、舞台をロス・アンジェルスに移したことで、背景の歴史的重みが排除された。テーマの表現も、かなりあっけらかんとしたもので、とても現実的に分かりやすく生きることのすばらしさが表現されており、Wenders監督のオリジナル・テーマの解説バージョンといえる。大変な失望を覚悟してみたが、予想はずれでまあまあの出来。
但し、中盤はただのラブストーリーでだれる。ストーカーまがいの Sethは、エンジェルというよりゴースト的風貌。(04/03/99)
dir: Brad Silberling