『 アストロノーツ・ワイフ 』
Astronaut's Wife, The (1999) U.S.A. 1hr. 49min.
宇宙飛行士の夫が地球に戻って来てから何かが違うと感じる妻・・・ ジョニー・デップとシャーリーズ・セロン共演のSF・サスペンス。
ジリアン・アーマコスト(シャーリーズ・セロン)は小学校の教師。 夫スペンサー(ジョニー・デップ)はNASAの宇宙飛行士、衛星の修理の為のルーティン・ミッションでスペースシャトルのキャプテンとして宇宙で作業中、事故に遭遇、何らかの影響により地球とのコンタクトが途切れたが2分後に復旧する。 シャトルは地球の軌道を外れてしまったが、NASAはなんとかコントロールをしてシャトルの回収に成功する。乗船していた飛行士は二人とも無事地球に生還、ヒーローとなる。 ジリアンは夫が無事に戻ったことを喜ぶ一方、「何か」を感じていた。
通信の途絶えた2分間に鍵があると思ったジリアンだが、その事については何故か語りたがらない夫。 そして、ジリアンのまわりに奇妙な出来事が起き始める。 まず、スペンサーとシャトルに同乗していたアレックスがパーティー会場で突然の死をとげ、そのすぐ後に妻ナタリーが謎の自殺をコミットする。 スペンサーは突然、飛行士を辞めNYで宇宙船の設計プロジェクトのエギュゼクティブとしてのポジションにつく。 NYに越して新しいアパートに落ち着いた頃からスペンサーの様子が何か違う様な気がし、ジリアンは教職の場でも落ち着かない。 そんなある日、ジリアンは妊娠を知る。クリニックで調べたところ双子とのこと。 喜ぶスペンサー。しかし、何か釈然としないジリアン。 そして、ナタリーも双子を妊娠していた事を知らされる。彼女はナタリーが生前に呟いた謎の言葉をおもいだす。
「彼はわたしの中に隠れている」・・・◇
題名はアストロノーツのワイフであり、つまり、これはワイフのシャーリーズ・セロンが主役なのだ。 夫婦ふたりのシーンでもライトはワイフの方のみにあてて、夫は影としたりと妻の映像を強調しており、アストロノーツは存在感が無い。
シャーリーズ・セロンは、なにか分からないものに脅え、何かと言うと目を赤くして涙ぐむ妻という“Devil's Advocate”『ディアボロス』と全く同じ設定。 「なにか」が前作は悪魔で今回はエーリアンなのが唯一の違いで舞台も同じニューヨーク。高級アパートに住み、馴染めない社交、怪しい友人達というのも一緒。 これは、まるで “Alien's Advocate” だ。
強い南部訛りで喋る以外は何の特徴もないというスペンサー役はジョニー・デップである必然性がみられなかった。 他の誰かが演じてもよかった、というもっともデップらしくない役どころ。次作に期待。
日本公開はGAGA配給で 2000年春の予定。(10/30/99)
dir: Rand Ravich