『 アナライズ・ミー 』

Analyze This (1999) U.S.A. 1hr. 43min.



何故か突然、弱気で涙もろくなってしまったマフィアのボスと、何故かそのマフィア・ボスの治療を引き受ける事になってしまった精神分析医のコメディー。

ポール・ヴィティー(ロバート・デ・ニーロ)は、マフィアの大物。 ニューヨークでもっともパワフルといわれていたが、最近、どういう訳だか無闇に涙もろくなってしまった。 こんな事では来月に控えているマフィアのボス会議に出席するのすらはばかられる。 弱気になったのを見抜かれたら命は無いからだ。
そんな時に、まったくの偶然から精神分析医ベン・ソボル(ビリー・クリスタル)と知り合い、コワモテ一辺倒だったヴィティーの精神分析医通いが始まる。 これは、二回目の結婚を間近に控えたソボルにとっては、とんでもない災難である。 彼の行く先々に出現するマフィア達に、婚約者は愛想をつかせ婚約解消を言い出すも、何とかなだめて結婚式に漕ぎ着ける。 しかし、そこでもマフィアがからんでの大騒動が持ち上がり結婚式どころでは無くなる。

更にマフィアの事件を捜査中のFBIまでが捜査協力を目的として接近してきて、静かで平和な結婚を夢見ていたソボルの生活はすっかり乱されていく。 しかし、ヴィティーの集中治療をしていくうちにいつしかヴィティーにも、そしてソボルの中にも微妙な変化が生じてきた。。。


デ・ニーロによる過去に自らが演じたマフィア達のセルフパロディーも、芸達者な彼だけに可笑しさもひとしおだ。 すごんでみたかとおもうと次の瞬間には泣きそうになり精神科医にすがる、という起伏の表現は流石だが、ちょっと芸に凝りすぎかなとも思えるきらいが見えた。

マフィアのボスが泣き虫になってしまい精神分析医に通うという設定の面白さにフォーカスをあてているが、別のサイド、つまり、ピストルをぶっぱなし、人間をセメント詰めにする事で今までの問題を解決してきたという「患者」に対してメンタル・アドバイスをする精神科医といった視点からも掘り下げたら面白さに深みが出たのではと思った。 しかし、良く出来ていて楽しめる作品です。

すかーっとした終り方に加えてとってもおしゃれなエンディングが爽やかです。 (09/02/99)

dir: Harold Ramis


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