セントラルパークで開催される数々のイベントの中でも夏の野外コンサートは最も魅力あふれるもののひとつ。
様々なジャンルの音楽のコンサートがシーズン中に幾つもあるが、今日は、オペラ。
毎夏、Met(メトロポリタン・オペラ)により催される野外コンサート・シリーズ(The Met in the Parks)の一回目。
会場であるセントラルパークの「
グレートローン」には、ワインやチーズ、パスタなどを携えた多くの人々が集まり夏の夜を楽しんだ。
今日のプログラムはヴェルディーの「ナブッコ」。紀元前600頃に実在したバビロニアの王を題材にしたもので、エホバによる奇跡と救済がテーマとなっている。
バビロニアの王ナブッコはエルサレムに攻め入りテンプルを焼き払う。一万人を超えるイスラエル人をバビロニアに連れて行ったが、自分の宮殿でイスラエルの神を冒涜したところ雷鳴が鳴り響き、ナブッコは発狂してしまう。
ナブッコと奴隷の間に生まれた娘アビゲイルが王座に着きイスラエル人を処刑しようとたくらむ。しかし間一髪でナブッコは正気を取り戻し、イスラエル人を解放する。野望が果たせなかったアビゲイルは服毒自殺をする。
このオペラはヴェルディーの三作目。アビゲイル役のソプラノが高音域が要求されることから、その配役の難しさもありあまり上演されることが無いという。今日のソプラノは高音をつややかに唄いきり観客を魅了した。コーラス部分も素晴らしかった。
星空の下、広々とした芝生に座って聴くオペラは格別。もっとパワフルな体験をしたければ、寝そべるのを推奨。視界は360度すべてが空、自分が宇宙の一部である事を体感出来る。
ハドソン川に奇妙な光景を目にした。
船腹にブルーで大きくJapan Coast Guardと書かれた真っ白な船が停泊している。場所はハドソン川のイントレピッドの隣。
Japan Coast Guard(海上保安庁)の船が一体アメリカの川で何をしているのだろう。日の丸のほかに星条旗まで掲げている。もしかして、これが多国籍軍に加わるという事なのか?
しかし、他国の旗である星条旗を掲げるというのはいかにも奇妙であり、何かのエキジビジョンなのかもしれない。
実はこの船は練習船「
こじま」。2004年5月14日から約半年の遠洋航海に出港、
ニューヨークに立ち寄ったという処。知識ある人がみれば、きっとこれは正規船ではなくて練習船ということが分るのだろうが、そうならそうと、誰にでも分る様に「練習船」である旨を書いておけば良いのにとちょっと思った。