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  Dec 1 9 9 9   Diary

 
 

dec 01 99  wed



師走

日本語放送では「いよいよ師走ですっっ!!!」と アナウンサーが大騒ぎしていましたが、12月って何かそんなにはしゃぐ理由があるのかな。
わたし的には早く 2000年問題が決着ついて欲しい。 あと少しで開放されるこのプロジェクトは、ほんとうに面倒ったらないのです。

昨日からそろそろ冬という感じで、朝の気温は -6度、プラス 強風で、体感温度は -20度とのこと。 ウールのオーバーコートを出動させたが、寒さを実感した。 特に、わたしのアパートはハドソン川の近くで、7th Avenueを越える辺りから「Hudsonおろし」と呼ばれる超強風が吹くので激寒!

帰宅の時に、文字どおり人の海をかきわける感じで、ラジオシティー・ミュージック・ホール(ロケット・ダンスでも有名なコンサート会場)で人気のあるアーティストのコンサートでも あるのかと思ったら、ロッカフェラーセンターの tree の点灯式だったということが後でわかりました。 いままで最大の30メートルの樹とのことです(去年は22メートル)。


dec 03 99  fri


エンパイヤ・ステート・ビルディング 〜 VIVA ローテク

映画でキングコングが登ったり、待ち合わせ場所に指定したのに来られなかったり、とエンパイヤステート・ビルディングは街のシンボルであると同時に世界にも知られた有名な建造物だ。 このビルの上部は夜になるとライトアップされるが、その色は記念日やイベントに合わせてしょっちゅう変わる。 例えば、独立記念日は赤青白のアメリカ国旗の3色、3月のセント・パトリック・デイは緑一色、ホリデーシーズンになると赤と緑のホリデーカラーといった風だ。

このライトの色の取り替えはなんと8人の電気技師により手作業で行われているという。 72階、88階、そして 102階のそれぞれのライトにその時々の色の円盤を備え付けていく作業は3人で5時間を要するとのこと。

てっきりボタンひとつであらかじめセット済のフィルターを回転させるなどしてライトアップの色を変更しているのだと思っていたので、この話を知った時は驚いた。 でも、こういったところに職人の登場する余地が残っているところにアメリカを感じる。 ヒューマン・タッチの手作業が人間の存在価値を認識させてくれる様で心がなごむ。 ハイテクばかりの世の中で、VIVA ローテク! と叫びたい。

今晩のライトアップは、ブルーと白に変わった。



dec 07 99  tues


ワイヤレス・マウスと幸福感

今回の日本調達品のひとつは赤外線式ワイヤレス・マウス。 自宅のPC環境ではワイアード・マウスは特に不自由を感じないが、会社のマウスのコードがごわごわしていて、よくキーボードの角(かど)あたりにひっかかり邪魔な思いをしていたのだ。

今日の夕方につけかえてみた。スムースに良くはしる。
なんか幸福になってくる。
面白くも無いレポート書きも、つい「2000年対応テストはすべて終了♪ 何ら問題は見出されなかった。うふっ (^^)」なんて書きそうに・・・はならないけれど。

ちょっと離れて操作してみる。問題なく動く。机の端ぎりぎりくらいまで離れる。No Problem。 そうすると、どこまで届くか試したくなり、マウス・パッド代わりにクリップボードを持って席から立ち上がり、じわじわと後ずさりしてみる。 1メーター、2メーター、、動作に何ら変化はない。
ますます幸福感にひたるわたし。
さらに後退していくと、「あら、壁・・・」とうとう、隣の席のパーティションに突き当たってしまった。 ついでだから、となりの席の主に 「ほらっ、こぉーんなに遠くでも操作できるよ」 と幸福のおすそ分けをしてあげる。

しかし、この幸福は実は条件付きなのだ。だって、そんなに画面から離れたら、マウスはスムースに動いてもクリックする対象物が見えなくなるのだから。 望遠鏡でもないと画面上の文字群は識別不可能なのだ。それでも、やっぱり、新しい周辺機器の導入は嬉しいのだった。


dec 08 99  wed


ディスク・クラッシュ

東芝ダイナブックのハードディスクがクラッシュした。

日本にも同伴させたサブノートPC。 普段は殆ど使わないので、会社の抽斗に放り込んであったり、自宅のPC鞄に入れて机の横に放置したりといった扱いとなっている。
日本から戻ってからは、ずっと自宅に置いてあるのだが、昨晩、あるメーラーの状態を調べたくなりログオン。 立ち上がりが何となくいつもと違うなあ、と思いつつも、普通にデスクトップが表示された。 ところが、メイラーのアイコンをクリックしても、メイラーが立ち上がらない。 「あれ?」。では、フォトショップはどうだろうか。やはり立ち上がらない。 ダイヤルアップ・ネットワークも駄目。いろいろ試してみて、MS オフィスとIE5以外は全滅ということが分かった。 アプリのリ・インストールをしようと試みるも、CDのexeファイルが動かない。 ウォームブート、コールドブートを繰り返すも結果は同じ。

まあ、このPCはモバイルというよりテスト機として、ありとあらゆるアプリをインストールしたり消したりを繰り返していたのだから、いつダウンしても不思議ではなかったのだ。 デッド・レジストリの墓場状態だったし、IME97はしょっちゅう落ちるし、ブート後かたまり症状も頻発していた。 そういう訳でチャンスをみてクリーンしようと思っていたので丁度よいきっかけだと、HDDをフォーマット。 あー、すっきりして気分が良い。

アプリケーションは、必要最低限のだけのせる事にして出来るだけHDDに空きを確保してスワップのパフォーマンスを向上させたいのだ。 まず、MSオフィスのうち、WordとExcelのみインストール。 それから、画像関係で Photoshopとデジカメ転送ソフト。 FTPとバックアップのiniファイルをロード。 ZIPとLhasaはやはり必要だと迷うことなくインストール。 PostPetもやっぱり・・・とインストール。

ブラウザのダウンロードは時間がかかるので週末にすることとした。 この際、最新ヴァージョンとしよう。
まっさらなPCにアプリを入れていくのはちょっとだけ面倒だけれど、 まるで、新しいPCを買った時のようにうきうきする作業でもあるのだ♪


dec 09 99  thu


ソニー銀行

SONYが銀行業参入の方針をアナウンスした。

異なる業態の合併などについての話題が一段落した既存銀行業界に、こんどは、他業界からの参入となる。 「ソニー銀行」は、店舗を持たないインターネット銀行となり、個人客のみを対象に預金、貸出し、決済業務を行うとのこと。 支店を持たないことで低コスト運営が可能となる為、高い運用金利の提供ができるであろうから、資金の流れの変化も興味深い。
SONYは既に生命保険など金融部門をもつ企業であるが、こんどのネット銀行では自社製品の決済及び個人客の囲い込みの強化を目指すのみならず インターネットを媒体としてあらゆるサービスを扱う総合メディア企業へと更なる一歩を踏み出したようだ。 電子機器の製造部門だけでは次の世紀での利益確保は難しいことを見越した事業形態の拡張の動きは他社への影響も目が離せない。


dec 12 99  sun


トーンダウンしたミレニアム

千年に一度のお祭り騒ぎ、超豪華版の宿泊パッケージや旅行、ディナーショウなど各種ミレニアム商品販売に鎬(しのぎ)を削っていた観光業界だけれども、どうも最近かなりのトーン・ダウンが見られている。

年末の航空券などは、当初は通常料金よりかなりの割増料金が設定されていたが、最近では、むしろ通常料金より安価となる割り引きが目立つ。
いろいろな豪華パッケージ、はじめの頃こそ、照会はあったらしいが、実際の予約には至っていないとのこと。 ある市場調査によると、約6割の人が年末は自宅で過ごすとの結果が出ているとのこと。 これは、コンピュータ2000年問題による危機感によるというよりは、2000年もほかの年末と同じ、という反応らしい。
2000年は、20世紀最後の年であり、21世紀の幕開けは 2001年なので来年はまた、別のフィーバーがあるのかもしれない。



dec 13 99  mon


千年後へのメッセージ

開けるのは1000年後という大掛かりなタイムカプセル企画がニューヨーク・タイムスにより進行中だ。

「カプセル」は、ステンレス製で高さ、幅、奥行きが夫々5フィートのなだらかなカーブで形成されている。 スペインの彫刻家のデザインになる大型の「容器」に現在の人類の生活ぶり後世に伝えるにふわわしいとされる品を世界中から集めて格納する。 2000年の3月26日までニューヨーク市内のアメリカ自然史博物館に陳列された後、カプセルは同博物館内に定められる“定住地”へ移され千年後を待つ事となるという。

コンテンツとしては、ポケモン、携帯電話、ビーパー、サッカーのジャージ・ユニフォーム、鉄条網少々、タバコ、Betty Crocker の写真付きクック・ブック(Betty Crockerは米国の大手食品会社)、SPAM(肉の缶詰)、ジンバブエの祭礼用の椅子、フランスの駐車違反のチケット等が既に決定しているという。
その他、何を入れるかのコンテンツ提案は、専用 WEB SITE が用意されていて、20世紀の人類の生活を説明するに相応しい品々のアイディアを一般から募集している。 掲示版スタイルで、ポスティングされたものを読むだけでも楽しい。

タイムカプセルという言葉は比較的よく耳にする。 今迄に、我々の何世代も前の人類が埋めたタイムカプセルは、つくった人の意図する時期に後の人類により開けられてきているのだろうか。 更に、今回の様に、千年先に開けるとなると、果たしてその時迄その博物館が存在するのだろうか。 更にいうなら、博物館のある国家(米国)が今から千年後にも独立国家として存続しているとは思えない。 ましてや、タイムカプセルなんてうやむやになってしまいそう。 これがタイムカプセルで西暦3000年になったら開けるのだ、という事の記録はどこにどうやって保存するのか、業務引き継ぎは大丈夫なのか等、不思議な事ばかりなのがタイムカプセルなのだ。



dec 17 99  fri


コアラも居たし

会社の忘年会。場所は会社から歩いて5分くらいのアイリッシュ・パブ。 クォータリー・パーティーでもお馴染みの店でいつも食べ物の味のレベルを一定に保っているという処だ(どんなレベルかはさておき)。 今回は奥の一部屋を貸し切りにし、DJも置かずにひたすらノンストップ・ダンス・ミュージックが流れるといった環境で実施。
パーティーは不得意中の不得意だが、それでも、普段は殆ど接点の無いような人達との会話に新たな発見をしたり、出不精なわたしにとって恰好の人との接点のチャンスなのだ、と無理矢理プラス思考にもっていく。

ビッグショットのひとりがテーブルにやって来て話しだす。 以前の赴任地や出張で出掛けた先の景観の話となり、スイスについてはどこを切り取っても絵葉書といった感想にわたしも同感。 現在のニューヨークの場合は、北と西が窓のアパートからは日の出と日没が美しく、特にハドソン川の夕焼けは部屋を暗くして好みの音楽をかけて一時間くらい楽しむとのこと。 これも同感できる。 但し、「ムード音楽をかけたりしてね。」との事で、音楽の趣味はちょと違うけれど。
一番想い出に残っているのはオーストラリアだそうで、空の青さ、海の青さが忘れられないそうだ。
「ほんとうに美しいものは何回見ても飽きないですよ。オーストラリアは良いですよ。」と力説。
「コアラも居たし!」と付け加える。そうか、コアラ好きのおじさんだったのだ。なんだか可笑しい。
とにかく明るい彼はとかく暗くなりがちな日本の金融界においてめずらしい存在だ。



dec 19 99  sun


電話番号の増やし方

電話番号が飽和状態になったという。 最近はインターネットやファクスの普及で個人でも2回線以上をインストールしている家が多いのが原因とのことで、ニューヨーク市のマンハッタンのエーリア・コード(市外局番)である(212)はとうとう満杯になってしまったそうだ。

電話番号が満杯になってしまった時にアサイン出来る数を増やす方法はふたつある。

ひとつは、電話番号の桁数を増やす方法だ。 日本でも何年か前に東京(03)の電話番号が満杯となり、この時は、電話番号自体の桁数を増やし、市外局番の(03)はそのままとした。 つまり、市外局番の後に続く電話番号が7桁から8桁になったのだ。従い、(03)の市外局番の下にある電話加入者全ての番号が変更となった。

もうひとつは、市外局番を増やす方法だ。 今回、ニューヨークで採用された方法で、エーリア・コード・オーバーレイ方式と呼ばれ、東京の方式とは異なる。 これは、電話番号は現在と同じ7桁を保つが、新しいエーリア・コードを既存212のオーバーレイとして導入するというものだ。 今年の7月から新たにマンハッタンで電話に加入した場合、646というエーリア・コードがアサインされる。 従い、従来はマンハッタン内ならどこに電話する時でも、7桁の電話番号だけだったのが、最近では、場合によってはエーリア・コードを含む10桁の電話番号をプッシュする必要があるという事だ。 この方式の利点は、既存カスタマーは、電話番号変更といった手間に一切わずらわされる事が無いという事だ。

オーバーレイ方式の採用には電話会社内でも議論があったそうだが、最近は独自のエーリアコードを持つセル・フォーン(携帯電話)も増加してきており、エーリアコードと物理的地域の関連も希薄になりつつあるので、こだわることは無いように思う。 とは言うものの、わたしの自宅電話は(212)で良かったと思っているのだ。


dec 21 99  tue


運命には逆らえないと素直になった日。(電池を買うのに30分以上要した)

アラーム機能付きの時計の電池が無くなった。 普段は目覚まし時計2つで朝の運営を行っているので3つ目が止まったが日常生活に支障はきたしていない。 とはいうものの、やはりいつも動いているものが止まると不便を感じたりもするので停止後やく一週間目の今日、電池を買うことにした。

LR44(SR44)や単三の電池の様に良く使うものはストックを絶やさぬようにしているが、この時計の電池はCR2016、リチウム電池だ。 3〜4年もつのでストックはしていない。

今日は雨も降っていないので昼前に会社から歩いて5分くらいのところにあるAV店へ出向いた。 ちょっとだけ嫌な予感はあったのだが、それが見事に的中。店内は人の海だった。 今は、ホリデー・ギフトのシーズンで、通信販売やインターネット販売では時間的に差し迫ってきた今週はショッピングの為に店舗に出向く人のピーク・シーズンなのだ、とニュースで報道されていたとおりだ。 パームIIIが売れ筋の様で箱が沢山積み重ねて売っている。

ボタン電池のコーナーはどこかを店員に尋ね、CR2016を手にする。 そして、いくつかあるキャッシャーのうち一番列が短そうなところに並ぶ。 ところが、他の列はどんどん進むのにわたしの列は微動だにしない。 どうも、ギフト券かなにかでややこしいトランズアクションの客がいるらしい。

渋滞した道でわたしの居る車線は必ずどの車線より進みが遅いのと同じだ。 もし、早そうな車線に移ると、必ず、こんどは、そちらの車線がぴたりと止まり、さっきまで居た車線がすいすいと動き出すのだ。 これはわたしの運命だと諦め、今日も、動かぬ行列に忍耐強く身をおいていたのだ。


dec 24 99  fri


クリスマス・イヴの良い点

今日は、12月24日、クリスマスイヴである。 キリスト教の聖夜となる日だが、他に、ユダヤ系のハヌカ、アフリカ系のクワンザなど他の宗教の重要な日でもある。
そういう訳で一般会社では休みのところも多いが、わたしの勤務先である銀行はFRB(連邦準備銀行)が開いている限り営業することになっているので年間に10日しか休みが無い。 今日も出社。 会社までの道の通行量はいつもの5%以下。殆ど誰も歩いていない。毎朝ドーナッツを買う店も休み。 会社でも休暇をとっている人が多くてオフィスもいつもより人が少ない。 遠くに住んでいて普段はあまり会えない家族を訪ねたり、夜は教会に行ったりする日なのだ。

マーケットはマネーは通常どおりだがストックマーケットは休みだし、ビジネスもスロー。 会社は例年どおり 15:00の早締め。クリスチャンでないわたしにとり、特別な事はなにも無い日だが、会社が早く終わるのはウエルカムなのだ。 残務整理などして16:00頃離社。毎日こうだと良いのに、と思う。

ところで、2〜3年前から始まったインターネットでのグリーティングカードは、ますます盛んになってきて、年末年始のインターネット・トラフィックにかなりの影響を与えているとの事。 そんな物でネットワークが重くなるなんて、けしからん現象などと思っていたが、実際に自分が何通か受信してみると矢張り嬉しい。 なんと現金なことか、とわれながら呆れる。 既成のカード(の URL)を送ってくるのだが、沢山ある中からの選び方で、送り主の個性が結構わかり面白い。


dec 25 99  sat


クリスマス・デイ 〜 ベルリンの迷子

「クリスマス・デイ」は休日なんだけれど、今年は土曜日なので、一日休みを損した。 休日と日曜日が重なれば翌月曜日が休みになるけれど、土曜日だとそういうのも無いのだ。

街には人も車も殆ど無く、2日前までの喧燥が嘘のようだ。 一年のうちでもっとも街が静かになる日だ。

毎年、今ごろにベルリンから届くバウムクーヘンがまだ届かない。 同時に発送した筈の東京の某家にはもう到着しているとのこと。 どこで停滞しているのだろう。


dec 26 99  sun


風邪とライオン

流行には無関心な方なのだが、今年の風邪の大流行には不覚にも屈してしまった。 やたら寒気がするし、咳も出る。めったに風邪をひかない方なので風邪ひき状態にも慣れていないので嫌になる。 (前回の風邪は1998年2月でした)

わたしは、一人暮らしなのだが、病気の時ほど一人暮らしであることを喜ばしく思う時は無い。 世間一般的には、病気の時は、誰かに看病をしてもらいたいと思う風潮があるようだが、わたしは、そういった発想を持たない。 全身が麻痺状態などで自分以外の誰かにお世話にならないと生命が維持できなさそうな場合は別だが(いまだかつて経験が無い)、普通の病ならひとりで自分の思うまま療養したい。

以前、ルームメートと住んでいた時があったが、その間にも風邪に罹った事があった。 その時に、ルームメートがやってきては「何か欲しいものは無いか」と聞くのが鬱陶しくて、親切心には申し訳ないがわたしとしては「放っておいてほしい」と思ったのだった。 水が飲みたくなれば自分で起きて冷蔵庫に行けるのだ。

小さい子供だったころ病気で寝ていて母親に看病されるのは鬱陶しいどころか何だか嬉しかった。 いつも「駄目」とばかり言われ育てられた様な気がしているのだけれど、病気の時は「リンゴジュースが飲みた〜い」といえば、すぐに願いが叶ったりして、なかなか得難い一瞬だったりした。

何故か? 小さい子供だったからだろうか? 否。親に対しては絶対的安心感があるからだろう。 そして、生まれた時という人生でもっとも無防備な時代を知られてしまっており、言わば、弱みを握られている様なものだ。 今更、病気で弱った自分をさらけ出したところで何の変化も起きる訳すらない。
一方、親以外の第三者は、長じて知り合う訳であり、わたしとしては、弱みは見せたくないのだ。 病気のときは自分だけでなおし、元気になったら他人と接しても良いのだ。

ここまで考え、これって、ライオンなどの猛獣みたいだと思った。 そういえば、わたしはシシ座の生まれだったのだからそれも不思議ではないのかもしれない。

ところが、熱があって動けないようなら食べ物もって行ってあげましょうか、などという e-mailが来たのだが、そのメールは結構うれしかったりしたので、わたしのライオンぶりもかなりいい加減であるという事は言えそうだ。


dec 29 99  wed


Y2Kチェックリスト


Y2K本番までいよいよ2日、こんな感じでわたたしの個人生活のY2K対応準備はだいたい終了した。
リスクシナリオ:
社会インフラに障害が発生。電気の供給が止まり、通信機能も途絶えた状況が2〜3日続く。

この様なリスク・シナリオのもと、以下の様な対応体制となっている。
想定状況
結果
対応策・準備

 電気が止まる。
(住)光源が無い 昼間は窓からの明かりで良いが、夜はフラッシュライト。幸い、複数の在庫があり、電池も単三でデジカメと同じなので50本以上のストックがあるので問題ない。
(住)暖房が止まる 昼間は窓のシェードを開けて太陽光線を取込みソーラー暖房。夜になり冷えてきた場合は、暖かい服を着用。それでも寒ければ布団の中にもぐる。
(住)エレベーターが止まる 対応策特に無し。
出来るだけ地上に行かないで済むようにするが、用事があれば歩いて階段を昇り降りする。
普段の運動不足を解消する絶好のチャンス。
(住)多分給水、給湯も止まる 飲料水は、1ガロン(約4リッター)入りを6本備蓄、これは、通常ストックの3倍にあたる。
飲料以外の生活用水としては、空いた1ガロンボトルを棄てずに保存してあり、水道水が詰めてある。(ちょっと少なくて3本しかない)
(食)冷蔵庫が止まる 冷凍庫の中身は出来るだけ事前に食べてしまう。← 済。
冷蔵庫の中身は、あまり日の当たらない窓辺に移す。
或いは、袋に入れて窓の外に吊るし、鮮度維持を計る。
(食)電子レンジが使えない 加熱する手段が無くなるので、加熱しないでもそのままで食べられる食料品をストックする。
【ストック・リスト】ポテトチップス、イタリアン・ブレッド・スティック(西洋乾パン)、リンゴ。
(食)コーヒー・メーカーが使えない 対応策なし。我慢する。
PCにパワー供給が断たれる ノートPCは事前にフル充電しておく。
デスクトップは、電源復旧まで我慢する。
TV、VCR、ステレオ等が使えない 読書のチャンス。未読のストックは充分すぎるほどある。
 通信が止まる。 電話が出来ない セルラーの準備をしていないので通信手段は無い。
会社に突然呼び出される可能性が排除される。問題ない。
インターネットに繋げない 眼のヴァケーション・タイムのチャンス。
読書のチャンス。未読のストックは充分すぎるほどある。
 PCが誤動作をする。 思うような操作結果を得られない 準備してあるパッチ・プログラムをあてる。

2台ある自宅PCはどちらもOSが Windows95。一台はY2K対応パッチをあててあるが、デスクトップはわざと未対応としている。 「問題」として報告されている内容は、どれも日常の使用には影響がまず無いものであるからだ。 一方、パッチを当てると、発生する別の不都合は、そちらの方が遥かに不便な状況をクリエイトする事と、MSのビジネスプラクティスに懐疑的なことの2点がメインのマシンを敢えて未対応のままとしている理由なのだ。

すこしは参考になったでしょうか? 全然ならないでしょうね。
日本の新聞やニュースなどでは、非常食の準備としてレトルト食品やカップ・ラーメン類を買い求める人が多く、どうやって食べるのかと不思議でした。 電気やガスが止まったら暖める手段が無いではないかと思っていたところ、「七輪」の売れ行きが良いのだそうです。 炭を燃料にお湯を作るといったところらしい。 ただ、今迄に使ったことのない道具なので予行演習をしたら火のつけ方がわからなかった、とニュースはしめくくっていて、確かに現代人はサバイバル能力が退化して来ているのだろうと思った。


dec 30 99  thu


もうひとつのY2K − Why 2K ?

コンピュータ2000年問題で何かが起こるかもしれない。何事も無く越年したいものだ。

でも、今回の年末年始でほんとうに心配なのはコンピュータの誤動作の可能性ではなくて、以下の様な派生的Y2K障害が起きそうな気がする。
  1. 電話交換機がオーバーヒートするかもしれない。
    それは、コンピュータの誤動作ではなく、2000年問題の確認の為に各地域で日付が変わった途端に電話回線の状態を確認する人が多いとおもわれるからだ。
  2. 停電する地域が出来るかもしれない。
    それは、コンピュータの誤動作ではなく、2000年問題の確認の為や、所謂「ミレニアム・フィーバー」であちこちで電力消費量が増えるために、瞬間電力消費量が許容値を越えてしまうかもしれないからだ。
そして、更に心配なのが New Year's Eve に早朝から24時間行われるミレニアム記念行事の混雑で起きるかもしれない破壊行為なのだ。
  1. テロリストの爆弾
    「ミレニアム・カウントダウン」等の人が沢山集まる場所はテロリストの恰好の標的だ。 31日のタイムズ・スクエア付近は、テロリストが爆弾を仕掛けたり出来ないように、全てのマンホールの蓋は封印され、郵便ポストは開けかないように鍵がかけられ、そして、ゴミバコは撤去されるという。 NYPD(New York Police Department)は、8千人の警察官を警備に配置し、それにはビルの屋上などに待機する狙撃隊も含まれるという。
  2. 一般人の暴徒化
    沢山人が集まると、ほんの小さなきっかけが暴動に結びついてしまうケースは過去に何回もあった。最近ではウッドストック99の苦いエンディングが記憶に新しい。 今日、出勤及び帰宅の段階でも一部劇場では、ガラスの扉や窓を大きくて厚い木の板で覆い群集の破壊行為に対する防衛をしているところが見られた。
いかにテロリストの標的になりそうであっても、ジュリアーニ市長にとり、今年のNYのミレニアム祭典を(シアトル市長の決断にならい)中止するわけには行かないわけがある。 ニューヨーク市をすっかりクリーンで安全な街に変身させた手腕の集大成を世界に見せるパーフォーマンスの場でもあるから、絶対に成功させなければならないもだ。 もし、何かが起きて失敗に終わったら次回の上院議員選挙が不利になるのは明白だからだ。

西暦2000年は20世紀最後の年であり、21世紀の始まりは2001年だと思うのだが、世間はミレニアムを記念する行事で盛り上がっている。 「ミレニアム」という言葉の意味は「千年」という意味だから、千年の終りを騒ごうと始まりを騒ごうとどちらも正しいのだろう。 どちらにしても、 全米、いや、世界中から観光客が集まる地域に住居がある者にとり迷惑な話なのだ。


dec 31 99  fri


ミレニアム・マッドネス − Why 2K ?

コンピュータ2000年問題及び千年紀(ミレニアム)との事でニューヨーク市は半狂乱になっている感がある。 昨晩も夜中だというのにヘリコプターが飛び交い、うるさくて随分と睡眠を妨げられた。

今朝の街はまた異様な風景だった。 ミッドタウン・ウエスト・サイドにあるアパートから会社までは徒歩で10分程度だが、ブロードウエイを横切る時はタイムズスクエアを見渡す形になる。 ブロードウエイのトラフィックは既にほぼ閉鎖されており、警察の車両以外見かけない。 歩道には沢山の「Police Line」が用意されている。これは、木製の移動式柵の様なもので水色のペンキで塗られていて人出が予想される時というと出番のもの。 主要交差点にはいつもより多数のポリス・オフィサー(警察官)が配置されており、いつもの年末とは全く違う。

一般商店やレストランでは、2百万人の観光客の落す$を目当てに営業しているところもあるが、一方では、混乱を嫌ってか今日は休みとしているところも多い。また、銀行でも、Citibank は 13:00に店舗を閉めてしまっていた。 わたしの勤務する銀行は小売り店舗は持たず、いつもの年末同様、15:30頃の早締め。 幸いにも社内越年要員のメンバーには選ばれていないので、16:00前には離社。 驚くべきことに、タイムズスクエア(Broadway between 43rd and 47th Street)は既にかなりの人で埋まっていた。 50th Streetには巨大スクリーンが設置され、タイムズスクエアで進行中のダンスなどが映写されているのを横目に、日暮れ前に帰宅をすることが出来た。

TVをつけてみると、「世界の New Year's Eve」がライヴカメラ的に紹介されていた。 モスコー、ベルリンは花火が見事。ロンドンはカウントダウンはクラシックのコーラスだが、新年を迎えるとビートルズの All You Need Is Loveに歌は変わる。流石。 日本は、沢山の風船を空に放っている画像が紹介されており、他の国と比べてとても地味な印象。 これは、よく考えれば当たり前。2000年というのはキリスト教をベースにした暦なのだから、キリスト教の国ではない日本は、きっと、ミレニアムではなくて、通常の年末年始なのだろうから。

24:00が近くなるにつれ、Times Square に集まった群集の興奮はいまだかつて街が経験したことの無いレベルに達しようとしていた。 いつもは43丁目から48丁目くらいまでの車道を埋める観衆だが、今年は実に35丁目から59丁目までぎっちりとの事。
TVを消していても、外からの「うわぁ〜」という歓声が聞こえると、何だろう、とついTV(「NY1」というローカルチャンネルでは、今朝から、この狂気をずっとライブで放映している)をつけてしまう。 それにしても、これだけの人々は何が楽しくて何時間も冬の道に立っているのだろうか、と思うのだが。 去年の ニューイヤーズ・イヴは零下10度という寒さだったのだが、今年は+1度という温かさで、集まっている人々の笑顔もリラックスしている感じだ。

さて、いよいよカウントダウン。今年の為に新しくした600個のハロジェン・ランプで飾られたクリスタルのボールがビルの屋上をゆっくりと落ちてくる。 5000個の風船が放たれ、花火が上がり、人々は大歓声で新年を迎えます。 花火と紙ふぶきと船の汽笛と空と陸両方からのサーチライトで、もう大騒ぎです。 窓を開けてるので、空気が煙い・・・ 花火も、あんなにあげて隣が火事になるのではないか、と心配になったほどだ。 何しろ、一瞬、窓の外は昼間になりましたから。 2,000,000人のパワーはすごいです。これだけはしゃぐエネルギーはこの国の景気の原動力なのだなあ、と妙に感心しているところです。 とりあえずは平和に年が明けた様でうれしいです。

Happy New Year!



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