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D I A R Y - J u l y 1999

july 4 99  sunday

INDEPENDENCE DAY

7月4日はアメリカ独立記念日。もちろん祭日である。
今年は、朝からどんよりとした天気で遠くから雷鳴も聞こえてくる。 気温は36度と暑く、爽やかさとはほど遠い。

この日の有名なイベントのひとつが、「Hot Dog Eating Contest」。 ホットドッグの早食いを競うもので、12分の間にどれだけのホットドッグを食べることができるかという果てしなくくだらないコンテストだ。 昨年度のチャンピオンは日本人で、XLサイズの出場者にひとりだけ petitな少年のような彼が大量のホットドッグを食べてしまったのだった。 今年のチャンピオンは巨大サイズのアメリカ人。20個と1/4のホットドッグを平らげ大食いアメリカ人の面目躍如といったところか。

夜はイーストリバーでの恒例花火大会。34丁目とサウスストリートシーポートの二ヶ所で大掛かりな仕掛花火が楽しめるものでスポンサーはメイシー百貨店。 火薬使用量53トンという大掛かりなものだ。 暗くなっても気温は30度くらいにまでしか下がらず蒸し暑いなか、川縁へ見物へ出掛けた。 マンハッタンサイドは混雑が予想されたので対岸のブルックリン・サイドをビュー・ポイントに選んだ。 地下鉄は花火見物の人々で混雑。ポリスも沢山出て警備にあたっている。

アメリカ国旗の三色である赤、青、白のほかに緑、黄色などのスタンダードな打ち上げ花火主体。たまに「土星の輪」などの最近のデザインも出現。 音とかすかなガンパウダーの匂いが臨場感を盛り上げる。すさまじい暑さだが、これもまた「夏」そのもので花火とマッチする。 クライマックスは沢山の花火を一気に打ち上げイーストリバー上に沢山集まっていた船達が一斉に鳴らす汽笛。 いよいよ夏到来である。


july 5 99  monday

HEAT WAVE

HEAT WAVEがやってきた。 最高気温は華氏 100度。摂氏 38度である。 これはどんな気温かというと、とにかく自分の体温より周りの空気のが高温であり、なんだか、あまりの暑さに、いつもどおりの普通の生活は出来なくなるという気温なのだ。 外は微風があるが、普通、そよ風とは心地よいものだが、この気温だと、ACの後ろ、掃除機の後ろ、あるいは冷蔵庫の後ろに居る様な感じをうける。 巨大なヘアドライヤーで全身ブロードライされているといった感じでもある。

TVニュースでは「熱に負けない様に」と以下の様な注意を呼びかけていた。
* 水を沢山飲むこと。
*過激な運動は慎むこと。
*軽装でいること。
*エアコンディショニングの室内にいること。エアコンが無い場合は窓を開けること。
*年配の人、子供、ペットの状態に注意を払うこと。(みんな熱に弱い生き物)
もし、熱でぐったりしたような人を見たら、以下の電話で「シティー・クーリング・センター」に助けを求めること。
 1 (800) ***-****

昨日の独立記念日(祭日)が日曜日だったので今日はその振替休日。 家でビデオでも観ながらのんびり過ごそうと思っていたのだが、ACを「強」にしてもあまり涼しくならないし、そもそも、「強」にするとACの音がうるさくてTVの音も聞こえないので、となりの映画館に避暑に出掛けた。 作品自体はどうという事もなかったのだが、何しろひんやり涼しくて、とっても快適な2時間を過ごしたのだった。


july 6 99  tuesday

気温102度 … クーラーが効かない

朝から摂氏30度を越える。HEAT WAVEがしっかり居座っているのだ。 薄手のスーツで出勤。しかし、部屋を一歩でた途端に上着は脱ぎ手に持った。 ビルの廊下が既に熱帯化していたのだ。

外に出ると、「もわぁ〜ん」という音がしているような気がする。暑いというか熱い。 せめてもの救いは湿度が50%台だということで、服が汗でべったりということは無い。

連休明けの出社というのはかなり気分が重いものだが、今日は涼を求めてといった感が強く、いつもより早めに家を出たほどなのだ。 ところが、オフィスのACがあまり効いていない。いつもは涼しさ満点のオフィスなのに、今日は、ぬるい空気がどんよりしている。 あまりの暑さにACが効かなくなっていることもあるが、どうも、サーモスタットが壊れたらしい。 何もこんな日に壊れないでも、と思った。

空気不足のオフィスは能率がさっぱり上がらないのでほぼ定時退社。 帰宅して家中のAC(といっても2台)をフル回転。しかし、いつも冷風が吹き出す場所から出てくるのは“熱くはない” 程度の風。 どうも、うちのACの能力の限界点は、外気温 97度(摂氏37度)あたりの様だ。
今日の最高気温 102度 (摂氏 39度)でした。


july 7 99  wednesday

ヒラリー上院選候補に

5日、ニューヨーク州から上院選立候補を表明したヒラリー・ロドハム・クリントンは、今日NY州入り、本格的な遊説を開始した。 ファーストレディーが上院選候補として運動するというのは史上初である。

「NYに住んだこともないのに」という批判の声も一部にあるものの、一般的には米国民にもマスコミにも歓迎されている様です。 ニューヨークはジュリアーニ現ニューヨーク市長との激戦となると見られている地区で今後の行方が注目される。


july 10 99  saturday

ルームメート

昔、5人でアパートをシェアしてた時がある。猫も居たので5人と1匹。
その時の話を日本の人、数人と話していたら、なにか怪訝そうなのだ。 ルームメートはカップルを含む男女だったのだが、日本ではルームメートという習慣が無いので、5人の男女が同じ部屋でごった煮状態で暮らしていたと思われたらしい。

台所、風呂場、リビングルームをシェアし、ベッドルームは各自の個室となるというシステムは米国では一般的である。 シェアする理由は、経済的事情がダントツであり、わたしの場合もそうだった。 電気代、ケーブルTV代もシェアする。これらは頭割り。電話代は長距離はかけた本人(毎月のビルには長距離のかけた時間と相手の電話番号を記載した明細書がついてくる)、基本料金と市内は頭割りだ。
今ならインターネットがあるので、電話は人数分の回線を引く必要があるところだろうが、当時はまだインターネットは無かったので回線は一本だった。 最近のルームメート事情はどうなっているのだろうか、とふと思った。


july 12 99  monday

高く付いたズボンの裾直し

会社のランチルームで数人の日本人と日本食の仕出し弁当を食べていたら、「誰か安全ピン持ってない?」とたずねる人がやってきた。 「どうして? 安全ピンなんかどうするのよ?」
「見てよ、これ。2〜3日前に買ったばかりなのに・・・」
片足を上げてみせると、成る程、ダブルのズボンの裾がすっかりほどけ、松の廊下状態になってる。 「あー、それは、取敢えずホッチキスで留めるのよ」
「セロテープも良いよ」
「クリップっ!」
事務用品の用途の広さが如実に証明された会話だった。 「近所のドラッグストアかどこかでソーイングキット買って来て縫ったら?」
「そんなの出来無いよぉー」
「それじゃ、やっぱりホッチキスね。ばしっ!と。」
「そうか、ホッチキスか」  (本人退室)
食後しばらくして。ヒトのズボンの裾のことなどその本人以外はすっかり忘れた頃・・・ (通路にて) 「裾、直したよ」
「あれ、ちゃんとなってるみたい。どうしたの?」
「結局、買ったところ行って直してもらった。すぐにやってくれたよ。脱いで、その間ほかの履いてた。」
「ふーん」
「ところがねー、出来上がって履いてみたら、こんどはなんかここらへんに(腰の辺り)シミがあるのよ」
「えっ」
「店の人は水だからほっとけば消えるって言うんだけど、どうもそうじゃない気がしてさ、取ってもらうことにしたの。それで、また別のズボンを履いて待ってたんだけどさぁ」
「・・・」
「店の人が『待ってる間、店内ごらんになったら如何です』とか言うんでうろうろ見てたんだけど、そのうち何か買わなきゃ悪いかなー、なんて気がしたりしてさ、」
「・・・」
「ふと下をみると、なんか靴がぼろいのよね〜」
「それで・・・」
「うん、これ買っちゃったのよ」
裾がきちんとダブルになったこげ茶のソフトスーツにそのブラウンの靴は良く合っていました。
おしまい。


july 13 99  tuesday

待ちかねた本棚

朝 8:30過ぎ、まさに出勤しようとしている処に本棚が届いた。 本棚といっても自分で組み立てる方式のものなので届いたのは大きくて平らなダンボール箱に入った何枚もの板である。 たて続けにあった引越しが一段落したので注文したものがようやく配達になったのだ。 とりあえずいくつかの大箱を居間の真中に横たわらせて出勤。

終業が待ち遠しい一日であった。 5時ちょうどに離社。 いつもにも増して軽やかな足取り。早く家に帰って本棚の組み立てをしたいからなのだ。

帰宅後、すぐに作業着(つまり着ていて楽だが、あまり好きでない緑のショーツとタンクトップ)に着替えて組立て開始。
まず側面の板に底板をネジでとめる。次にてっぺんの横板。次に真ん中の固定板もネジでしっかりとめる。 そして、正面の下部飾り板をはめ込み、今度は逆側の側面の板を、天板、真中板、底板ネジどめしていく。
すべて本棚を伏せた状態で行うのがポイント。電動ねじ回しの充電がしてなかったので手動だ。 次に裏板を釘で打ちつける。ふかふかしてこない様にあまり間を空けずに何ヶ所も釘を打つ。 組み立てが終わったら「えいやっ」と起こす。
作業は、本棚設置場所の前方の床上で伏せた状態で行っていたので、組み立てたものを90度立ち上がらせると、そのまま正しく設置場所に鎮座するという仕組み。 次に、アジャスト可能な棚板をはめていく。一番下は、大型本用に大き目のスペースをつくる。 文庫本専用の狭い棚も2つ作った。あとは、全て高さ24センチとした。 大抵の本はこの高さで収納可能なのだ。 2個目の本棚もさくさくっと組み立てて、レベル(水平調整)も終了。

ここまですれば、当然、箱詰め状態の書籍を出して入れたくなるのが人情だ。 パンにチーズを挟んで食事を済ませてから、壁際に並べてあった日通の箱から本を取り出しては、それなりの棚にに納めていく。 引越しが続いたので箱詰めのままだった書籍は、2年3ヶ月ぶりに陽の目をみて、のびのびと気持ち良さそう。 書架に収まった本を眺めるわたしもいたって気分良い。

夢中になって作業をしていてふと気づいたら9時近い。 全10箱のうちまだ3箱残っているが、今日はここまでとした。 シャワーの後、届いた雑誌をぱらぱらとみているうちに睡魔に襲われいつもより早めに就寝。 肉体労働の後は眠くなる。


july 16 99  friday

豆が無くて良いのか

今日のランチは某日本食レストランにて。ここは、手打ちの二八蕎麦が旨いので時々訪れる店だ。

満足の蕎麦セット(稲荷鮨、サラダ、蕎麦)の後、なんとなく物足りないのでデザートに蜜豆をたのんだ。 これがとんでも無い代物で、シロップも寒天も不味かったんだけど、一番けしからんのは、豆が入ってなかったこと。 豆を入れないのなら「蜜豆」などと云わないで欲しい。正直に「蜜寒天」とかメニュー上で白状しろといいたかった。
それで、おまけに値段が 7ドルだか8ドルだかと1000円近く、まったく言語道断な代物であったのだ。


july 17 99  saturday

ケネディー家

ジョン・F・ケネディー Jr の操縦する自家用小型機が金曜日の夕方行方を絶ったとのニュース。

友人の結婚式出席の為、ニュージャージー州の飛行場からマサチューセッツに向けての飛行中、同州南方海上の小島でリゾート地として知られるマーサズ・ヴィンヤード(Martha's Vineyard)の近くでレーダーから機影が消えたとの事。 従い、陸からはそう遠くないのだが、一方、月の出ていない夜の海上飛行は、計器飛行の実地試験はパスしていない飛行士(JFK Jr.のこと)には充分に困難すぎる飛行条件であり生存の希望は希薄とのことだ。

JFK Jr.は、1963年にダラスで暗殺された米国第35代大統領の長男というだけで彼自身は上院議員でもない一民間人であるが、沿岸警備隊や海軍の捜索やニュースの扱いもまるで国の要人なみだ。 王室を持たないアメリカ人にとりケネディー家はロイヤルファミリー的位置づけで、その中でも JFK Jr.は特にスターだった。

いうまでもなく一家は故ケネディー大統領をはじめとして不慮の死をとげたケースが多い。 それを「悲劇の家系」の様にいう人も多い。確かに、二世代の間に2度の暗殺、数回の飛行機事故、ヘロインのオーバードーズ死、スキー激突死にみまわれた一家というのは一般的にはあまり無いだろう。 しかし、えてしてリッチ・ファミリーは事故に遭遇する場合が多い様に思う。 リッチ・ピープルは一般人より活発に移動するのでその分、リスクにさらされている訳であり、つまりそれだけ事故に遭う可能性は高いのではないだろうか。


july 28 99  wednesday

一粒で二度美味しい

7月28日はわたしの誕生日。一年で一番楽しい日だ。
ネットをやるようになって、誕生日は倍楽しめるようになった。単純に友人が倍になったということではない。誕生日の楽しめる物理的時間が倍増したのだ。

ネットの友人は日本在住者が多く、一方、アナログ生活では米国在住であり、この二ヶ所には13時間という時差が存在する。 すなわち、ネットの友人は日本時間で 7月28日を祝ってくれる。ネット友人タイムでの誕生日が終りになる頃、アナログ生活圏では、誕生日が始まる。 ケーキを食べて、プレゼントのラッピングをばりばり開けて、アナログ的楽しみは続くのだ。

いわばこれは、「一粒で二度美味しい」状態であり、時としてやっかいな存在となる時差も、たまには人間の幸福に寄与するのだった。


july 29 99  thursday

切符代は1ドルというブロードウェイ・ショウ

日の長いNYの夏でも9時過ぎまで残業してから離社すると流石に外は真っ暗だ。

徒歩通勤の帰宅途上、50th Street と ブロードウェイの歩道上がすごい人だかりで、ドラムの様な音も聞こえる。 Blockbuster(レンタルビデオ屋)へ寄るのに少し遠回りだったけどその正体を確かめる事としました。

人の輪の切れ目からしっかりとみたら・・・・
太鼓風音は、プラスティック・バケツというか、ペイントやプラスターの入っていた空の容器みたいのを伏せてバチでたたいている音でした。即ち、一種のストンプ。 これ、二人ね。
そして、ブレイクダンスというか、アクロバットというか、体操というか、或いは、リズム・ヨーガとでも表現すべきなのか、もう感動の動きを見せてくれたのは黒人の3人のお兄さんたち。 代わりばんこに飛んだり跳ねたり。片手で逆立ち状態でくるくる回転したり。大いに魅せてくれました。
ショウが終わるとタイコの二人はタイコ代わりのバケツをおもむろにひっくり返して(つまり開口部を上にして)皆からお金を集めてまわる。 「ショウのチケットは1ドルだよっ」と威勢が良い。 いやぁ〜、満足の一ドル・ショウでした。


july 30 99  friday

生ホタル

セントラルパークにいくとホタルの大群を見ることができるという話を聞いたので早速実地検証へ。

すこし残業して7時過ぎに会社をでる。近くの和食屋にてざるそばセットで夕食を済ませた頃には外も程よく暗くなってきた。 セントラルパークまでは徒歩15分程度。

59丁目の公園の入口付近にある潅木群になにやら光るものが見えた。
「これが蛍?!」
生まれて始めてみる蛍は想像していたよりずっとシャープな光を放ちUFOのような動きを示した。 すこし黄色っぽい光は年末になると木にからめるイルミネーションの豆電球に色もサイズもそっくり。 公園の中に入ってみると、あちこちにちらほらと小さな光が浮遊しています。 色は黄色っぽい光を放ちながら素早く動くヤツと、あとは、青緑がかった光が点いたりdimになったりしながらふわ〜ふわ〜りと飛ぶ種類と居ました。 好奇心の強いヤツは、わたしのすぐ近くまでふわ〜っとやってきて、不思議そうな表情をして通り過ぎていく。 わたしは生まれて始めてのナマ蛍、大感動しました♪ あんなにキレイなものとはおもわなかった。 季節のせいなのか、「どっさり一面に」という訳にはいかなかったけれど、あっちこっちにふわふわしてる様子はとっても素敵でした。

感動のひとときだったのだ。



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