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j a n 2 0 0 0 |
jan 01 00 sat
お正月
コンピュータ2000年問題による都市機能停止といったことも無く、従い、大停電となり懐中電灯を手に読書三昧の時を過ごすというわたしの計画も実行に移されることなく新年を迎えた。
昨晩の喧燥が嘘の様に、いつもどおりの顔を見せる街。 待機していた清掃局の車とスタッフがあっという間に2百万人分のゴミをきれいにしてしまったので昨晩の大騒ぎは実はなかったのではないかとすら錯誤しそうだ。 ジュリアーニ市長が誇らしげに「ニューヨークの警察は極めて優秀なので街はこんなに安全なのだ」と演説をしていたが、昨日の夕方、カウントダウン前の緊張した様子とは違い自信たっぷりの声が印象的だった。
日本ではお正月には、親戚や親を訪問したりするファミリー・リユニオンの習慣や、正月スペシャル「おせち料理」で訪問客をもてなしたり、と、社会の経済機能は一時停止させて「日本のお正月」の雰囲気を盛り上げる。 また、TVでは、去年のうちに撮影しているのに、やたら新年の雰囲気を強調した正月スペシャル番組が朝から夜まで連なり、特に積極的というほどでもないが何となく眺めているという漫然的視聴者を増やしている様だ。
わたしはそういった行事に参加しない環境で育ったので全ては伝聞だけれど、長い正月休みをそうやって伝統的(?)な風習を守り過ごすというのは、世の中がいくら変わっていても不変の根強いものがあるのだろうなあ、と感心した。◇
Year 2000は、20世紀最後の年であり、ミレニアムの終りの年なのだけれど、世間では「新しい世紀がやってきた」などという表現も多い。 一世紀は100年なのだから、どうしても2000年を新世紀としたいのならば、20世紀は99年で我慢してもらうしかないのだ。ミレニアムだって、最初の千年が 1AD〜1000ADだったのだから、今度だって、ちゃんと1001ADから2000ADまで千年勘定してあげないといけないのだ。 でも、どうしても2000年を新しい千年紀の始まりとしたいのなら、一つ前のミレニアムは1999年しかないけれど、妥協してもらうしかない。 新世紀、新しい時代はそうやって、過去の犠牲の上に成り立つのだ。
来年になってしまえば、このカウント方法の問題もどうでも良くなるので、今年一年間は数字の数え方については黙っていよう。 (敢えて議論をするような内容でもないものね)
jan 02 00 sun
我家のY2K
友人からメールが来た。 題して「我家のY2K」。
これは、Y2Kでも、時計の時刻を合わせようとした人が、Y2K未対応だったといえそうなケースです。 そちらは何事もありませんでしたか。 私の千円台の安物腕時計は元旦に時刻を合わせようとモードボタンを押したらジージー音を立てて壊れてしまいました。 これってY2K? あまりのタイミングよさにそう信じています。腕時計で音がするなんて聞いたこと無いよね。
♯ Today's BGM = LET IT BE by The Beatles
jan 03 00 mon
Business As Usual
月曜日の今日から今年のビジネスは始まる。
コンピュータ2000年問題だって、実はこれからが本番なのだ。 時計の針がミッドナイトをまわって少ししたら「安全宣言」などを平然としてしまう一国の首相も東洋には居たらしいが、社会生活に関連した全てのシステムが2000年を経験するのには時間がかかるのだ。 千億ドルといわれている大金と膨大な時間をかけて準備してきたのだから、2000年になった途端に時差に合わせて世界中がどんどん停電していき、飛行機が次から次へと墜落し、海上の原子力空母からはミサイルの誤発射が相次ぎ、などということがある訳はない。 そうはいうものの、それなりの秩序が保たれた事に世界中の担当者達は胸をなで下ろしたには違いない。◇
主要な日本人には朝イチで新年の挨拶をしようと、昨夜から、忘れない様に気を付けていたのだ。
「あけましておめでとうございます。本年も宜しく。」
「こちらこそ宜しく。」
などと挨拶を交わす。もっとも本当は、年内に現金決済を完了しないといけない昔の商人でもないのに、年度が変わると何故めでたいのか、と思っているのだが、勿論、そんな事は言わないで挨拶終了。◇
今日の最高気温は摂氏18度くらいにまで上がった。 暖冬という言葉はもはや当てはまらない。地球、大丈夫かなあと思いながらも、いつもどおりの一日が過ぎていく。
♯ Today's BGM = PARIS, TEXAS by Ry Cooder
jan 04 00 tue
ミレニアムとオゾンホール
暑い日が続いている。 1月だというのに、昨日の最高気温は摂氏18度、今日も16度を越えたらしい。 最低気温も10度くらいあり、コートは不要。 4月下旬くらいの気候だ。
東京も暖冬らしい。 こんなに暖かい日が続くのは、地球温暖化なのだろうか。 このまま北半球に冬が戻らなくて極地の氷が溶けて水位上昇、現在の陸地の大部分は水没してしまうのかもしれない、などと言っているうちに、人類は次のミレニアムも大騒ぎで迎えることが出来るのだろうか、という話になった。 主流はふたつの説。核兵器のボタンを押しちゃうなり、その他の人的災害によるなどで、もうじき滅びるだろう、という説。或いは、異常気象で水位上昇や地球が高温化となり人類の生存できなくなってしまい滅びるという説。 どちらにせよ、もうじき滅びるという予測だ。
ところが、ひとりだけ異論を唱える人がいた。 その人によると、核兵器なり、オゾンホールなり、何かの影響で地球の環境は、現在とは異なったものになりそう、というところまでは同じ。 但し、人間がそれに応じて進化するだろう、というものだ。 水位が上がってきたら、人類の指の間には水掻きが復活し、エラ呼吸も可能になるのだろう。 オゾン・レイヤーが無くなってきたら、人類の皮膚はアルマジロばりの強固なものになっていくのに違いない。 美的基準も今のものとは変わり、水掻きの幅や厚みを競うようになるのかもしれない。
但し、全ての人類が進化するのでは無くて、弱い種族は進化できずに滅びるらしい。 未来のアルマジロ型人類の美的センスについて夢想しているわたしなど、進化しそこなう生命力の弱い種の最たるものに違いない。
♯ Today's BGM = Watercolors by Pat Metheny
jan 05 00 wed
2000年の誓い
今年の目標、New Year's Resolution、新年の誓い、国が変われど、人の考えることに あまり差はないらしく、年初になにやら自分自身に誓いをたててみたりしたくなるらしい。
2000年の目標、というと、何だか2000年間は到達しなそうで、気が遠くなる。 やはり、今年の・・・と短期型インターバルでいきたい。
そこで、わたしの今年の新年の誓いなのだが、人に話すとダメになるらしいという説を聞いたので、自分の中に秘めておくこととしよう。 今年こそは、と堅い決心で。
# Today's BGM = Chopin Sonata No. 3 by V. Ashkenazy
jan 06 00 thu
デスク・カレンダー
今年のデスク・カレンダー選びがようやく終わった。 わたしがデスクカレンダーに求める要件はとても明確な基準があり、それらを満たすものにはなかなか出会えない。
デスクカレンダーの必須条件:
全体のサイズは小ぶりで、書込みが出来る様に毎日が15ミリメートル四方くらいの枠で区切られており、絵や写真の入らない文字だけのシンプルなデザインで、文字はできたらSANS系が望ましくイタリック体は減点、レイアウト的には、当月を中心に、当月より小さいフォントサイズで前月と翌月が見やすく配置されたカレンダー、というのが主な条件なのだが、これら全てをクリアする物がなかなか無い。 以前は自分の好みに合うものを作って使っていたが最近は既存のもので結構よいものがあったので自作から遠ざかっていた。 去年と一昨年はY生命のものがほぼパーフェクトだったので、引き続き日本から取り寄せたが、今年はデザイナーが変わったのか、毎日の日付の横に赤口とか先勝とかいろいろ記入されていて、肝心の日付が見ずらくなってしまいがっかり。 K社のものは、フォントがイタリックなのが難点だが、レイアウトは我慢できる範囲なので、これを自宅用に、 F航空のものが、サイズはやや大き目だが、レイアウトは去年同様に感じが良いので仕事場用に。、今年はこれら二つがメイン・カレンダーとなった。
日本の机はもっと小さいだろうに、どうしてどの会社のデスク・カレンダーも大型化の傾向なのか不思議でならないのだ。
♯ Today's BGM = Chopin Mazurkas by V. Ashkenazy
jan 07 00 fri
気が小さい人のダイエット
混んだ映画館や電車などでかならず席に座れない人というのが居る。 これは、人を押しのけるのが嫌だとか、要領が悪いのだという見方も出来るが、要は気が小さいのだ。
そういう人がダイエットをするとどうなるかというと、会社までの道順を変えたりするのだ。
わたしは食べても太らない体質なのだが、年末だけは別だ。 お菓子などのいただき物が多く、例年の様に年末あたりから、スーツのウエストがきつくなってきた。 そこで、ダイエットを開始して10日ほど経過した。 どんなダイエットかというと、朝食の内容を変えるだけで、昼や夜の食事には特に制限をつけないというものだ。 ドーナッツ一個というのが毎朝の食事だったのだが、太る代表選手らしいドーナッツを止めて、ふつうのパンやヨーグルトなどにした。 健康的な内容の朝食になったので、おやつなども量を控えるなど生活が少し変わった気がする。
しかし、生活が変わった最大のものは、通勤経路の変更だ。 それまで、毎日ドーナッツを買っていた売店のある道を通れないのだ。 なんだか申し訳なくて、まったく近寄ることが出来ない。 確かに、そのドーナッツ・ヴェンダーはとっても感じ良くて顔馴染みになってはいたが、普通の大人ならその店の真ん前は通りにくいかもしれないが、そのブロックに足を踏み入れないという事はないだろう。 それが、わたしの場合は遠くからその店が見えただけでも胸が痛んでしまうほどなのだ。
物に動じない大人というのは恰好がよいなあと憧れるが、わたしには一生到達することが出来ない境地にちがいないと思う。
♯ Today's BGM = Heart of a Woman by Etta James
jan 08 00 sat
腕時計型デジカメ
カシオがリストウオッチ型デジカメを今年の5月から販売するとのこと。 内蔵メモリ1MBで28千画素のモノクロ画像が約100枚が撮影可能とある。 電源はCR2032。 また、リストウォッチ型MP3対応オーディオ・プレーヤーも3月より発売するという。 どちらも、カメラやプレーヤーとして使わないときは普通の時計としての機能もある、というのがミソ。
しかし、これは、一般生活においては、便利な様で実はイマイチだなあと思う。 何故かというと、デジカメやオーディオプレーヤーを腕に巻きつける必要性が無いからだ。 肌身離さずという事に違和感があるのではないかなと思う。 腕時計を身に付けている時間に対して一体どのくらいカメラを使いたい時があるだろうか。 アウトドアで強力に便利そうな、GPS機能を搭載した腕時計とはちょっと違うのだ。
持ち運びに便利なので製品の小型化は歓迎だ。 でも、腕に巻かなくってもよいではないかと思ってしまう。 それに性能が中途半端だ。 それより、性能をもう少し上げて、カメラならせめて20万画素くらいはいけるようにし、サイズはポケットに入れても容積や重量を感じないほどに小型化したような製品があったら、わたしなら、すぐに買いたい。
但し、今回のカシオ製品は値段が3万円程度と手頃なのでギャジェット(オモチャ)感覚で結構売れるかなとも思う。
♯ Today's BGM = The Secret Life of Plants by Stevie Wonder
jan 09 00 sun
アマゾンから御年賀
日本では、物々交換の習慣が残っている様でお歳暮とかの名称で個人も企業も交換に必要となる「ギフト商品」の購入にやっきになり百貨店の売り上げ増に寄与している。 年末、年始、その他様々なオケージョンにおいて、個人も企業も品物をプレゼントをするという贈答文化があるからだ。 企業の場合は、品物の流通は一方通行的。一般人が企業に何かをプレゼントするという事はない様だ。
米国では、会社間のコーポレート・ギフトは別として、個人の場合は季節が変わったからといって品物を貰うという事が殆ど無い。 ブローカレッジ会社が、宣伝を兼ねて自社のロゴやマンガのついたマウスパッドを送り付けてくるくらいで、これも「ギフト」というよりは、パンフレットに近い宣材の位置づけだろう。 ましてや、既に自分が顧客になっている場合、日本の様に自分が個人口座を開いている銀行からクッキー詰めあわせが届くことも無い。
ところが、最近、amazon.com からギフトが届き、ちょっとした驚きを感じている。 縦長の箱に入っていたのはプラスティック製のコーヒー・タンブラー。ボディーは二重になっていてコーヒーが冷めない様になっていて、蓋には飲む穴がついているという、よくあるスタイルで色々なコーヒー店でも3ドルくらいで売っているものだ。 レターが同封されていて、“ 1995にビジネスを開始したころからは想像もできないほどの成長となり嬉しい。サポート有難う。これは私たちの感謝のシルシです。” といった様な事が書かれている。 アマゾン・ドット・コムから買物をしている知り合いにきいてみても、誰のところにも届いていないという。 1999年一年間でわたしが Amazon.comから購入した代金は 500ドルから1,000ドルの間だと思う。そこで、多分500ドルくらいが threshold lineなのかな、などと彼らの企画書を想像したりしている。
♯ Today's BGM = Alone/ But Never Alone by Larry Carlton
jan 10 00 mon
用済みクリスマス・ツリーの抵抗 / AOL、タイム・ワーナーを買収
1月に入ると、用済みになったクリスマス・ツリーが沢山棄てられるようになる。 今日当たりはそのピークなのかもしれない。 切り出してからかなりの日数が経過しているのでモミの木は枯れかかっていて、針葉樹特有の尖った葉っぱを散らしながら歩道の脇に沢山横たわりゴミ収集の車が回収するのを待っている。こちらの家庭に飾られるのは一般的に背丈より遥かに大きいものなので、そんなのがごろごろ棄ててあるのだからかなり邪魔だ。 中には、黒いゴミ袋で覆われている木もあるが、袋の所々を突き破り枝が飛び出していたりして注意深くない歩行者のコートにかぎ裂きをつくりそうになったりする場面もある。
そんな残骸化したツリーだが、家の近くでは、その何体かがひとりでに車道を渡り始め、おそれをなした車が進行をやめたりしているシーンが目撃された。
今日は夜になり大変に風が強くなり、まっすぐ歩くのが困難なほどだった。 あまりの強風に、かなり重量があるツリーも歩道から車道へと転がり出し、車道のど真ん中で立ち止まったりしながら向こう方面に渡っていくという変わった風景となった。 何しろ風まかせなので、いつどの方向にツリーが動き出すのかがはっきりしない為、中には、衝突を恐れるあまり、遠くで止まってしまい様子を眺めている車も見られる。 信号が青になったら、一気に突破しようという魂胆のようだ。 そんな車は、大抵、高価そうなスポーツカーだったりするのが可笑しい。◇
AOLがタイムワーナーを1800億ドルで買収、3000億ドルを越える巨大新会社「AOL-タイム・ワーナー」の設立に合意したとのこと。
片や出版(タイム誌)、テレビ(CNN)、映画・音楽(ワーナー・ブラザース)の総合メディア大手、一方はネットスケープを傘下に持つインターネット・サービス・プロバイダーの最大手の合併は、この業界において史上最大のものとなる。 比率は、タイムワーナー株1に対して新会社1.5株、AOL株1に対して新会社1株となり、新会社の会長はAOLのケース会長、CEOはタイム・ワーナーのレビン会長が就任予定。 CNN創設者のテッド・ターナー氏は新会社の副会長となる予定。 既存メディアと新進メディアの合併は色々な意味で大きく注目されている。
昨年9月のバイアコムとCBSの合併、SONYの銀行業進出、などメディアの融合、大型化が進んでいるが、 混沌としている現代の垣間から、21世紀のビジョンが見えてきたようで楽しい。
♯ Today's BGM = RETAIL THERAPY by T.D.F.
jan 11 00 tue
右か左か
右か左かというのは、論議になる事が多い。思想しかり、車両交通の向き、利き手、など枚挙にいとまが無い。 回転させるモノについて回す方向に関しての左右問題も長いこと難しいと思われていた。
スイッチなど類(たぐい)は、右に回すことを時計方向(clockwise)にと表現し、左に回すことは時計周りと反対に(couter clockwise)と言う。 時計は右に回りながら時が進み(時間が増える)、逆回りは時間が戻る(減る)が、全てのものが時計と同じ方向で増えたり減ったりするのでは無いのだ。 この件については、以下の様に理論的な分類をしたことにより回転界における左右問題は解決したかに見える。
時計系統 (時計と同じ)… 右に回すと増えるケース:ネジ系統 (時計と逆)… 右に回すと減るケース:
- つまみの類。ステレオのつまみでスライドやボタン式ではなくて回す式なら、例えば、音量なら右に回すと大きくなる(増え)、左に回すと小さくなり最後は無音になってしまうのだから「閉まる」みたいなものだ。
- スイッチの類。ランプなどで、回転スイッチがついていて回すと明るさが無段階的に変わるものがあるが、これは、右に回すと明かりが増え、左に回すことで、徐々に暗くなる。
つまり、時計的なものとネジ的なものにわけられるということが明白になった。
- ネジ。右に回すと絞まり、左に回すのは緩める時だ。
- 水道の蛇口。右回りにすると閉まり、逆に左に回すほど開いて、水が出る。
- ラジエター調整バルブ。右回りにすると閉まり、逆に左に回すと開いてスチームが入ってくる。
- ペットボトルの蓋。左に回して開き、右に回してしめる。
普段あまり使わないものなどで、どちらに回したら良いのか迷う事があるが、実は、この事実を認識すると、見分け方は簡単なのだ。 つまり、開閉が主目的の場合はネジ式、増減が主目的の場合は時計式なのだ。
ところが、鍵はどうかというと、開閉が目的なのだからネジ式でありながらも、左に回して閉め、右に回して開ける。 すると、鍵式という区分を新たに築ける必要があるという事か。あぁ、やはり右か左かの問題は奥が深かった。
♯ Today's BGM = MAMOUNA by Brian Ferry
jan 12 00 wed
変な部屋の隣は狙い目
同じビルの同じラインを垂直移動で3回引越しているのだけれど、 いつもお隣さんは空き家という幸運に恵まれている。
どういう幸運なのかというと、深夜の音楽や映画、ビデオなども音量を気にすることない生活が確保されるというもの。 もともと、このビルディングは部屋同士の音は殆ど漏れない設計になってはいるが、やはり、夜中24:00過ぎに大音量の音楽はちょっと躊躇したりする。
その点、書斎に面した隣のユニットが空き家というのは実に自由な気持ちになれて良い。 一般人が寝静まった時間に好きな音楽をかけながら原稿を書いたり、ビデオ等で映画を観たりする時も音量を気にしないですむので、一般的にこそこそを強いられる事の多い夜行性生活者がおおらかになれるパラダイスなのだ。 こういう夜中を気にしないで良いという生活に慣れてしまうと、隣に入居者があった時はさぞや鬱陶しい事だろう。 ただ、その確率はそんなには高くない。なぜかというと隣のユニットはビルの角にあり、設計上必要だという直径1メートル以上もある極太の柱が窓際にどーんとあるのでレイアウト的に極めて不人気なのだ。
住居選びの時は、変なレイアウトのユニットの隣というのが狙い目なのだ。
♯ Today's BGM = CALL ME by Aretha Franklin
jan 13 00 thu
今日の刷り込み
今朝は漸く雪。昨夜の天気予報で今朝から降るといわれていたので、昨晩は窓のシェードを開けておいたのだ。 だから、今朝、目覚めて最初に見たものは外の雪景色となった。この朝の“刷り込み”が功を奏したのか、今日は一日中心身ともに好調に過ごせたのだった。
… * … * … * …
そこで刷り込みについて前向きに考えてみた。 朝がつらくて、覚醒するまで何時間もかかるのは低血圧のせいで仕方ないものだと思っていたが、工夫によりもっと爽やかな一日のスタートが可能なのではないかと考えたのだ。
毎朝、わたしが一番最初に目にするのは、目覚し時計の赤い文字だ。7:30という文字をみて、ほぼ自動的に手を伸ばして「Snooze」ボタンを押す。 その後は10分おきに3個ある目覚まし時計のアラームが次々にオフになっていくのだが、最初の 7:30という赤い文字はかなり暴力的な絶望感があることは自明だ。 どう考えても、これは、一日のスタートとしての爽快さには程遠い「眺め」ではないか。 それに比べ、目覚めの景色が空(そら)というのは如何にも気分良い一日を示唆する感じだ。毎晩、寝る前には窓のシェードを開けておくというのも手だが、出掛ける前に閉め忘れると部屋が灼熱地獄と化してしまうので問題だ。 そこで、ベッドのサイドテーブルの上にある3つのアラームクロック群に、ドラえもん目覚し時計を加えるという案が浮上した。 これなら、夢もあるし、朝一番に目にする物として適性があるに違いない。
♯ Today's BGM = AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH by Diana Ross
jan 14 00 fri
枝豆の正体
会社に来るケータリング・サービスのお弁当にはいつも枝豆がふたつ入っている。 緑の色合いもきれいだし冷凍なので一年中おなじ味が楽しめる便利な食材なのだろう。
先日も、枝豆入り弁当を食べていたところ、別のテーブルで社員が数人で「枝豆とは何か」という議論を白熱させていた。 主流となっている意見は、枝豆は枝に生(な)る豆類を枝ごととってきて茹でてたべるのでそういう名前なので特定の豆とは限らない、というもの。
ウケねらいでも何でもない真面目な会話なところがかなり可笑しい。 しばらくして、わたしのテーブルにまで議論が浸透した段階で、枝豆の正体が詳らかにされた事は言うまでもない。 ちなみに、枝豆とは、大豆の成長過程において、未熟な時に茎ごと切り取りとったもの、と広辞苑にもちゃんと記述がある。
♯ Today's BGM = THE WOMAN I AM by Chak Khan
jan 15 00 sat
旧成人の日
日本では今年から休日に関する法律が一部改訂されて成人式をはじめとするいくつかの祭日が日にち指定から曜日指定に変わった。 成人の日の場合、従来の1月15日という DATE指定から、1月の第二月曜日という DAY指定になったという事で、米国では大抵の祭日に適用されている方式だ。
日本の新聞では、1月10日に津津浦浦で開催された成人式の祭典で、新成人達が式場に入らないで入口付近にたむろしていたとか、式場に入った人々も私語・携帯電話ばかりで演説(?)を聞く人は居なかったと問題視した報道がなされていた。 こういった現象は今年から突然始まったというのでは無く、きっと、ここ数年の事だと思う。 成人式に来る人たちは「友達に会いに来る」というのが目的との事なので、行政側の意図は何だかわからないが、この際、成人式をパーティー方式にしたらどうなのだろうかと思った。 「新成人の集い」として、勝手に談話なり電話なりをして楽しむ会にすれば何ら問題はなくなるのでは?
TVの日本語ニュースでも金髪や銀髪に染めた髪を思い思いのスタイルに固めた和服姿の20歳男女がインタビューに答える様子が取り上げられていた。「今後の夢はなんですか?」 健康そうな彼がにっこり笑って答えていた。 夢が無くても楽しく暮らせる。平和な国、ニッポン。
「夢ぇ? 無いっすよ。」
マスコミが喜びそうなネタに事欠かない成人式会場風景だった。
♯ Today's BGM = TONIN by The Manhattan Transfer
jan 16 00 sun
冬ごもりの秘訣
月曜日がキング牧師の誕生日(ナショナルホリデー)につき、この週末は三連休。 天気予報ではずっと寒い日が続くとのことなので、部屋でぬくぬくと過ごそうと画策。準備万端で現在は冬ごもり進行中。
金曜日の帰りに零下10度という気温をも厭わず近所のグローサリー店に寄り食料品を調達してあるので3日間一歩も部屋から出ない生活が可能なのだ。 これを忘れるとコートや帽子などを身に纏って外の世界に出て行かねばならない。寒い中を歩くのは実は好きなのだが、そういったヘビー・ギアの衣類を身に付ける手間が面倒なのだ。 更に面倒なのが、外から戻って来てさっき着用したばかりのレイヤーをひとつずつ元の場所に戻すという作業だ。 折角なので、そのままで居ると、もこもこ衣料は室内での快適さを考慮しないで作られており、防寒を目的とした衣類とくつろぎを目的とした衣類に共通性が無いことが良く分かるし、更に、それらの衣料は室内では暑いという致命的なデメリットもあるのでレイヤーの削除は必須となる。
だから、寒い冬は外出などせずに冬ごもりするに限る。もっとも、春でも夏でも秋でも外出はおっくうなので単なる出不精なのかもしれないという見方も出来る。
冬ごもりには、CDチェンジャーが役に立つ。買ったときは別に複数のCDなど入らないでも良いと思ったのだが、とんでもない間違いであった。 冬ごもりモードの時には、好みのCDをチェンジャーにセットしてカウチに寝ながら本を読む。 こうすると、 3時間以上カウチから離れずに済むので冬ごもりは更に充実し、セミ冬眠モードさえも味わえるのだ。
本当は冬眠をしたいのだが、熊とは異なる進化をしてしまったらしくて、20時間以上の連続睡眠は叶わないハビットなのが残念だ。 昨日と今日の睡眠時間は夫々たっぷり8時間、とりあえず一日の 1/3は睡眠に費やした。 憧れの冬眠に少しでも近づく為にはもっと寝る習慣をつけても良いのだが、せっかくの三連休を寝ているだけでは勿体無いなどと熊なら絶対有り得ない発想をしてしまう。 進化が未熟なのだ。
♯ Today's BGM = AMBIENT #2 by Brian Eno
jan 17 00 mon
外出注意報/免疫のたかめ方
今日は寒い。朝10時ごろ起きて気温チェックしたら 9F。今年初めてのシングルズ(華氏で気温が一桁台になること)。 摂氏に翻訳すると、最高気温-5C、最低気温-15C。更に昨日から継続している強い北北西の風(40km/h)により体感温度は-30Cだそうだ。 TVをつけてみるとローカル・チャンネルのNY1の画面では「外出は出来るだけ控えるように。どうしても必要な時は襟巻きや帽子が必需品です。」とアナウンサーが現地からレポートしている。 現地ってつまりマンハッタンの道端だけれど。それで、彼女は無帽ですごく寒そうに「わたしは悪い例ですっ」と髪を強風になびかせていた。 「NY1」は近くにサテライト・アンテナを高く伸ばした車を駐車しての中継だろうから、映像を撮り終わったらすぐに車内にはいれるので大丈夫なのね。
風は極めて強くて家が壊れるのではないかと心配な程。 でも、心配したからといって家が丈夫になる訳でもないし、風がわたしのところだけ避けてくれるのでもないので、のほほんと過ごす。 天気が晴れなので窓から射し込む陽光で室内の温度は上昇の一途となり昼寝に最適となるも、掃除のあとは読書とビデオ。 連休の最後に相応しい過ごし方ということなのだ。◇
掃除は趣味なので一週間に2回くらいもする。 但し、あまりきれいに掃除しすぎると会社などの他の生活空間におけるホコリに対する免疫が無くなるという説を最近聞いたので困惑している。 やはり連休の3日間だけでも良いから掃除などしないで冬眠をしてしまいその間に適度なホコリを蓄積し身体の免疫度を高めた方が健康的なのかもしれない。
♯ Today's BGM = THE NIGHTFLY by Donald Fagen
jan 18 00 tue
毛孔
日々の気温変動幅が大きい冬のニューヨークでは毎朝出掛け前の気温チェックは欠かす事が出来ない。大体、前の晩にチェックした内容の確認といったところなのだが、今朝のチェックで目に飛び込んで来た数字は「1」。 華氏1度(摂氏 -17度)である。これは予想外であった。 週間予報でも寒い一週間となることは予想されていたが、せいぜい 15F(-10C)といった日々の筈だったのだ。急に気温が下がったらしい。カシミヤのコートに帽子、手袋、襟巻き、暖かいブーツと万全の防寒体勢で家を出た。 顔にあたる冷気に冬を感じて嬉しくなる。風が殆どなかったので、眼球を被う液体の凍結には至ることが無かったけれど、呼吸の都度-17Cの空気が鼻腔を通り抜け肺に入っていくのが実感として分かる冷たさだ。あとすこしで華氏零下となるところだったのに残念であった。
正しい身支度をしていない人は一目で分かる。まず体が寒さで硬直しているし、早く歩くと自分の起こす風で寒いのか、のろのろと背中を丸めて歩いている。 そして何より顔が泣きそうになっている。◇
暖かい地方からやって来た人は、慣れるまではどんなに厚着をしても寒さに震えてしまうらしい。 香港駐在を終えて3年前にNYにやってきた人から聞いた話だが、最初の冬は寒くて仕方が無かったけれど、徐々に慣れてきて今は随分平気になったとのこと。 この慣れるというのはどういう事かというと、毛孔が気温に対応してくるということなのだそうだ。 香港に居る時は暑い気候に適した毛孔となっていたのでかなりの暑さにも耐える事ができたそうだが、NYに越してきた最初の冬はまだ寒冷地仕様になっていなかった毛孔が寒かったのだとのこと。
そういえば、2年前に東京で過ごした夏はわたしにとり耐え難いものだったけれど、ずっと東京に住んでいる人にとっては、きっともう少し弱い苦痛度だったに違いない、と今になり納得した。
♯ Today's BGM = IN THE DIGITAL MOOD by The Glenn Miller Orchestra
jan 19 00 wed
どっちも好きなのだけれど
好きなものがふたつ同時にやってきそうだ…
明日の夜は北米地区で皆既月食が観測出来るので楽しみにしている。22:00頃から始まり約2時間をかけて元に戻るという。天文学の勉強をしたわけではないが、天文現象を観るのは大好きなのだ。流星群の観察の時の様な夜中のイベントではないので普通の生活のリズムを変えないで済むのも嬉しい。--*--
今年は、あまり冬の実感が無い。昨日は6年ぶりの寒さとなったけれど、しかし、ニューヨーク市にはまだ本格的な降雪が無いのだ。雪が降ると急に元気になってしまうわたしとしては、いまひとつ冬の気分が出ていないのだ。しかし、明日はようやく本格的な雪となる様で、どうやら積雪が期待できそうとの事。--*--
雪が降るのは嬉しいが、3年半ぶりの皆既月食の夜とはなんという事だろう。どちらも大好きな現象なのだけれど、いちどきにやってくると、喜びは2倍にはならないで、ただ台無しとなるだけだ。
C'EST LA VIE.
s:0040-0745,esb:ffffff,h28/l24
♯ Today's BGM = THE VOICE OF THE SPARROW by Edith Piaf
jan 20 00 thu
変身!
朝から雪。 ビッグ・アップルにようやく今冬初のビッグ・スノーが訪れた。
溶けた雪でぬれた路面に映るイエローキャブのヘッドライトが降りしきる雪に反射すると途端にその光は回りを絵画の世界にしてしまう。 建物の屋根や壁面の傾斜にあわせて雪がつもっていき、見慣れた街がどんどんロマンティックに変身していく。
窓の外が気になって仕事が手につきません。 でも、わたし以外の他の人は、窓の外に目もくれずに仕事していました。 みんな、大人なのね〜
雪の日はサニテーション・デパートメント(清掃局)は忙しくなる。今日も、朝から 2,000台のゴミ収集車および塩撒き車350台を用意しているとのこと。 雪の日は、ゴミ回収車が雪かきの車に変身するのだ。 ゴミ収集車の前面、フロントグリルのところに雪かき専用アタッチメントを取り付けて持ち前の馬力にモノを言わせて雪を寄せて行く。 力強い勇姿なのだが、朝のパウダー・スノーは昼前には牡丹雪に変わってしまい、NY市内では大幅な積雪はなさそうだ。
雪はミッドナイト頃で降り止み、その後は 50mphという北東の風とともに一気に気温が20度程下がるらしいので、夜に積もる雪は風に吹き飛ばされなければ、しばらく溶けずに街を被う事でしょう。〜*〜
楽しみにしていた今晩の月食はわたしの目の届かぬ雪雲の彼方にて行われることとなった。 もし雪の積もった街の空で観る月食となったとしたら、さぞや素晴らしかった事でしょう。 今晩は空想の世界で幻想即興天文観測者に変身して雪と月食を堪能するとしよう。 (Updated: 00.01.20 21:16) s:0030-0750,esb:ffffff,h30/l17
♯ Today's BGM = CLAIR DE LUNE by Claude Debussy
jan 21 00 fri
LUNAR MAGIC
昨夜は不思議な晩でした。降り続く雪で月食は諦めていたのです。ところが、願いが通じたのか・・・・
まさに、月食がはじまるというその時間になったら、雲のカーテンが開き、合間から月食をみることが出来たのです。 それは実に感動的なモーメントでした。満月だった月の左下がぼんやりと黒くなり、その暗い部分が徐々に月の明るい部分を侵食して行く。 でも、その影は実はわたし達。自分のたたずむ星の影を月にうつしているなんて、ぞくぞくします。
30分くらいしたら、それまでが嘘だった様に雪雲が広がり出してあっという間に空を覆い尽くしてしまいました。 30分でも観る事が出来たのは奇跡だったのだ。素晴らしい感動に超満足の一夜でした。 こういう雄大な天文現象をみていると人間社会の諍いやいがみあいが如何にくだらないかの認識が高まります。〜*〜
今朝の出勤時の気温は−10度くらい。予報は−20度だったので大分暖かい朝という気がする。
会社に着いて、通勤用ブーツを脱いでいたら踵が随分と擦り減っているのに気づいた。あと少しで本体までダメージが波及しそうなきわどいステージ。幸い会社のあるビルの地下には靴のリペアショップがあるので早速持っていった。 一時間後に出来るというので約束の11:30、ピックアップに行ったら、まだだと言う。不機嫌になるわたし。だって、修理の済んだブーツでランチに行こうと思っていたのだから。
でも、こんな細事はどうでも良いのでは無いかと、気づいた。それで「だって、約束の時間は過ぎているのに」と事実だけを、ちょっと困ったなあ、という軽い感情表現で伝えた。 店員は「Oh, sorry, sorry. 2〜3分で出来るから待ってて」といい、ほんとうに待っている間に踵の付けかえ終了。 「はいっ、こうなりました」店員はきちんと修理された踵を見せる。代金6ドルを払い、店員の笑顔に見送られながらわたしもにこやかに店をあとにした。勿論、ランチにも充分間に合い、全ては問題無く誰も傷つくこともなく進行したのだ。
これが、もし最初の段階で「約束がちがうっ」と気色ばんでいたとしたら、店の方だってむっとして、荒っぽい仕事になっていたかもしれないし、互いに気分を悪くしていた事だろう。 昨晩の月食体験を通して何かが変わったらしい。 やはり、月には不思議な力がある様だ。 (Updated: 00.01.21 20:45) s:0030-0750,esb:ffffff,h18/l6
♯ Today's BGM = PILGRIM by Eric Clapton
jan 22 00 sat
困惑
石鹸をいつも買う店から、オリーブ・マッサージ・オイルという物を貰った。 オリーブオイルにはアレルギーも無い筈なので試してみようかと付属のインストラクション・マニュアルに目を通した。 適量を手にとって顔全体に伸ばしてマッサージすると良いらしい。
『バスタイムにマッサージするとより効果的です』
成程。身体が温まっているのでオリーブ効果も各細胞にまで良く浸透するのにちがいない。 さらにマニュアルには他のプロダクツとの相互関係やらいろいろ書かれている。 別に、特に興味がある分野でも無いのだけれど、なにしろ活字中毒気味なので目の前にある文字は取敢えず何でも読んでしまう。
『尚、この製品はぬれると効力が無くなりますのでご注意ください』
「え?」
バスタイムに使うとより効果的だとさっき言ったではないか。 濡らさないように細心の注意を払いながらバスに浸かるということなのか。難儀な事だ。〜*〜
日本の某大手メーカーの家電マニュアルにも似た記述があり、両親を困惑させていたことを思い出した。 それは、オーブントースターと電子レンジのハイブリッド商品で、電子レンジだけでは無理な焦げ目的調理も可能な事を売り物にしていた。
『電子レンジとオーブントースター両機能の同時使用は危険ですので決して行わない様に。』
絶対に守らねばいけない約束といった厳格さがただよう。間違えたら爆発するのだろうか。不安になる。マニュアルの最後の方には、この製品の特性を生かしたレシピが何例か載っている。
『・・・電子レンジは強度を○○で◎分運転しながら、オーブントースターは△△にセットして・・・』
「??」
レシピには書いて無くても、ヘルメット、防弾チョッキ、それにヘビーデューティーな盾も用意しておく方がよさそうだ・・・〜*〜
節電の方法という極意が特集してある記事に、
『冷蔵庫の中のものを探す時はドアを閉めて探す様に』
というのがあった。ドアを閉めて本人は中に入るのだろうか。庫内は広い様でいても実は棚板が多いので、関節を自在に外せるようにならないと中に入るのは極めて困難だし、それに寒そうだ。
少し困惑するが、これは、透視能力さえ身に付ければ解決する。 (Updated: 00.01.22 20:55) s:0230-1000,esb:ffffff+peach,h17/l3
♯ Today's BGM = PLAYS DUKE ELLINGTON by Thelonius Monk
jan 23 00 sun
靴下の問題
靴下はいつでも何かと問題を起こす事が多い。例えば、靴の中で勝手に10センチくらいも移動してしまう踵部分の問題、靴を脱ぐオケージョンの時に限って穴が空いてたりする問題、など 枚挙にいとまがない。
なかでもランドリーに関する問題は靴下の最も困るもののひとつだ。 ランドリーが終わり、ドライヤーから取出した洗濯物はおおまかな種類別に分ける。 代表的なものとしては、シーツ類、タオル類、Tシャツ類、靴下類など。そして、靴下類は更に色別分類などを経たあと、然るべき相方を見つけ、2足をひとまとめにしてくるりとボール状にして専用抽斗に放りこむ事となる。
この極めて標準的プラクティスにおいて困るのが白いソックスである。 ペアの確定が容易な色物のソックスと違って、白はみんな良く似ている。似ているけれど違う。 どうせ違うなら、激しく違えば見分けは簡単なのだけれど、一見似ていて、実は違うというのが困る。 同じ物ばかりを買っているつもりなのに、どういう風に違うのかというと、買った時により厚みが少しずつ違ったり、足首のところのゴム編みの部分が微妙に違ったりする。 ただの縦目ゴム編みかと思って良く見ると2本おきに細い縞なんかになっていたりするのだ。気になりだすと、ゴム部分を広げてみたりして違いを明確にして正しいマッチングにしないと気が済まなくなってくる。
これは、随分と無駄な事を強いられていると気づく。 ちゃんとした基準があり白い靴下はどれでも同じだったなら不要な作業なのだ。 靴下統一規格の欠如という政府の怠慢によるものに他ならない。 全世界的な規模で白靴下統一基準の設立が待たれる。
もっとも、半導体メモリーカードだって、結局、SONY/GM方式、松下・東芝方式、そして日立方式の3分裂がほぼ決定となったらしい。 それぞれ言い分はあるのだろう。 靴下業界も独自性を譲らないのが統一標準規格が出来ない理由に違いない。 その為に、ランドリーの後、ジョー・ザビヌルなどを聴きながら白いソックスの見比べに時間をさくことになる。 それはそれで、日曜日の午後の過ごし方としては平和で良いと言えなくも無い。 (Updated: 00.01.23 19:55) s:0205-1100,esb:ffffff,h27/l18
♯ Today's BGM = HEAVY WEATHER by Weather Report
jan 24 00 mon
セールス電話/世界が分母
自宅では電話が鳴ってもめったな事では応答しない。マーケティング・コール(電話セールス)などに時間を費やしたくないこともあるが、基本的に電話が嫌いなのだ。 但し、重要な用件の場合は電話通信を確立したいので、スキャンをして重要と不要の識別を行っている。 確認方法としては、電話会社が勝手に送り付けてきた Caller ID (相手の電話番号をディスプレイする)装置では無くて、昔ながらの Voice Mail Scanを採用している。 つまり、電話を受信するとまず留守番電話がONになり、相手の声を確認してからピックアップする方式だ。 これが、マーケティング・コール撃退には一番。何故なら敵は「この家は留守電」とわかるとコーリング・リストから外してくれるからだ。
今日は、ちょっと待っている電話があり、丁度良いタイミングでかかってきたコールをスキャンもせずにピックアップしたら、 それが、長距離電話会社のセールスだった。米国では市内通話会社とは別に長距離電話会社をひとつ選んで登録しないといけない。 ニューヨーク市の場合、選ばなくても良いが、すると「どこも選ばない料金」というのが毎月3ドル加算される。 そこで、どこかを選ぶ事が一般的で長距離電話会社が競争に熱心になるという訳だ。
自分のところの電話会社に変更すると如何に得であるかを喋り始めたので、興味が無いことを伝えた。 相手は素人で、つまり、簡単に引き下がったが、「ところで、お宅は長距離電話会社はどちらですか」と聞くではないか。 実は、そのセールス電話が切り替えると得になると力説した電話会社を選択済であるので「AT○Tですが」と応答。 コーリング・リストにある先の現在の電話契約状況くらい調べてから電話したら良いだろうにという当方の意志が通じたのか 「実は素人のアルバイトなので分からなくって」などと詫びていた。変な電話。◇
英国の大手音楽会社EMIと米国最大のメディア、タイムワーナーが音楽事業の統合で合意したと発表。 その結果、世界の音楽の1/4は新会社により配給されるとの事。 これって、アンチ・トラスト法には触れないのかしら。分母が世界だとまた違うのかな。 (Updated: 00.01.24 20:35) s0145-0745;esb=ffffff;h36,l26
♯ Today's BGM = PENGUIN CAFE ORCHESTRA by Penguin Cafe Orchestra
jan 25 00 tue
スノー・ストーム
朝起きたら窓の外は真っ白。予想外のスノー・ストームが訪れた。 気象予報士によると、この雪は週の半ば以降にやってくるはずだったのだけれど意外に速い北東の風の影響で前の晩には全く予想していなかった展開となったとのこと。
公立学校の多くは休みとなり、また、ラ・グァーディア空港も除雪作業の為に朝一時閉鎖となった。 明日からフロリダに休暇に行く事になっている社員は空港の状況が気になってそわそわと落ち着かない。
交通機関はすべて動いているけれど、ジュリアーニ市長は大事をとって夕方の帰宅時間をずらす事でラッシュ緩和を促していた。 ( Giuliani urged employrs to stagger closing times today, so the subways, buses and commuter lines can handle an extra, early passenger load.)
わたしの通う会社も15:30で早締めとなり、デジカメと35ミリ・スチルカメラを持参していたわたしは躊躇すること無く離社。 雪が降る時の例に違わず今日も寒さはたいしたことないので、雪景色の街を散歩しながら帰宅とした。
日が暮れるまでに歩道や車道に積もった雪をきれいにしておかないと凍結して危険となるのであちこちに除雪車が出て作業している。 ミニ・除雪車はいつ見ても可愛い。 パワーではなんといってもゴミ収集車コンヴァーチブル除雪車だ。
途中から、雪がスリート(霙)に変り、そして細かい氷の粒になった。 降ってきた白い粒がコートの上をはずむ。まるでダンスみたい。 帽子のつばを目深にかぶりなおしニューヨークの冬を満喫した夕暮れだった。 (updated: 00.01.25 @ 19:30) s0120-0745;esb=ffffff;h32,l24
♯ Today's BGM = SECRET STORY by Pat Metheny
jan 26 00 wed
ムーンライティング
ムーンライティングというテレビドラマが面白い。 ブルース・ウィリスとシビル・シエパード主演の私立探偵事務所の話で、1985年から1989年まで放映された人気シリーズの再放送だ。 毎晩タイムワーナー・ケーブルの「BRAVO」チャンネルで放映されているのだが、時間が19:00からと半端なので観そびれることも多くて、観るのは一週間に1回か多くて2回程度(今日も見逃した)。 ちょっと大人のユーモアとウイットに富んでいて最後のオチも効いているおしゃれな作りだ。 1980年代の音楽も、とても心地よくて殆どテレビを観ないわたしにチャンネルを選択させている。
1985年からのオリジナル放映の時にも何回か観たことがあるのだけれど、その時はどこが面白いのかまったく分からなかった。 多分、コドモだったので洒落た展開がわからなかったのだろう。
本や映画でも前に面白くなかったものが後に面白くなる事がある。かといって、コドモの時楽しかったものが楽しく無くなるのかというと、そちらはそちらで今も楽しい。 楽しさの枠がどんどん拡大するのだから、オトナになると忙しくなるというのも道理だ。 (updated: 00.01.26 @ 20:35) s0020-0755;esb=ffffff;h30,l20
♯ Today's BGM = AWB by The Average White Band
jan 27 00 thu
AFTER SNOW
寒さが戻ってきて今朝の気温は摂氏−12度。 積もった雪があちこちに固まっています。 雪の小山に登ったり、木の枝に残った雪を手にとってはお団子にしたりと、雪の後の朝はとっても楽しくて、会社に着くまでにいつもより時間を要してしまう。--*--
雪の後の寒い日はビルディングの壁際を歩くのは厳禁。 ビルのデザインによっては大きな氷柱(つらら)が高いところから下がっていたりしていて、それがとけて落下してくるのだ。 ささりそうで恐い。普通は長い長い梯子をかけて落ちる前に落してしまうのだけど、人手不足なのかな。--*--
雪用のブーツが妙な音をたてるようになった。 一歩毎に「にょわ〜、みゃしみゃし」と嫌な感じなので昨日あたらしいのを購入。 カナダ製で勿論、防水、防塩。定価150ドルがセールで110ドル。 今日は、音無しく歩けて気分が良い。 (updated: 00.01.27 @ 20:30) s0050-0750;esb=ffffff;h26,l11
♯ Today's BGM = SLEEPWALK by Larry Carlton
jan 28 00 fri
最後の一般教書
昨夜は、一般教書 ( State of the Union Address:施政方針演説 )。クリントン大統領にとり8回目、任期最後のものとなった。 未曾有の好景気に支えられ米国の財政は改善の一途、このまま計画どおりいけばあとたった13年で累積赤字が無くなるという。 この財政黒字を全ての国民に還元したいことを強調した。すなわち、教育の充実、ソーシャルセキュリティーの充実、退職貯蓄関連口座の充実、中・低所得レベルの個人所得税のカット、 など。 最後の演説を行うクリントンは達成感に満ちた喜びの表情の影に複雑なものが見え隠れした。 もちろん、作りなれた笑顔で拍手するヒラリー、チェルシーも同様であった。--*--
数日前にエンパイヤ・ステート・ビルディングでエレベーター落下事故があった。 ひとつのエレベーターの箱を吊っている6本のワイヤのうち1本が切れて、40階から4階まで落下して止まったとのこと。 乗っていた2名は軽症を負っただけというものの、どんなにか恐ろしかったことだろう。 アパートの窓から毎日見ているところで起きた事故だけに他人事といった気がしない。 わたしの住むアパートもハイライズ(高層タワーの上部)なので生活とエレベーターは切り離す事が出来ない。 ビルディングにはエレベーターが4基あるが、昨年の暮れには3基まで不調になりメインテナンスを行っていた。 今はすっかりスムースな動きに戻ったが、メンテ前は落ちるのではないかと思うほど良く揺れたことを思い出した。 それでも、実は、エレベーターというものは乗る都度、あまり良い気分にはならないのだ。 高所恐怖症なのに、職場も住まいも、空中というのは皮肉なことなのだ。 (updated: 00.01.28 @ 22:35) s0020-0750;esb=ffffff;h23,l8
♯ Today's BGM = STOLEN MOMENTS by Stanley Jordan
jan 29 00 sat
世界を飛ぶ炊飯器
昨晩テレビをつけたら日本語放送でトークショウをやっていた。 古館伊知郎をホストとした番組でゲストはテニスの伊達公子。 番組の最後の方に、彼女がツアーの時に持って行くものを実際につめたトランクを披露するというコーナーがあった。 ナイロンやビニール製らしい大型ソフト・ケースが3個。実際には、もう1〜2個あるとの事で、プレーヤーの中でも荷物は特に多い方だそうだ。 ホストの古館伊知郎は、
「これ、番組ではなくて伊達さんの部屋に忍び込んでこんな事していたとしたら僕って変態ですね」
などと嬉しそうに言いながら鞄の中に手を突っ込んでは中身を取出して見せる。 ウインブルドンのセンターコートで着たウエア、テーピング用テープ、怪我した時用のサポーター、など如何にもテニス・プレーヤーらしいアイテムが次々と中から出てきた。 ところが、縦長鞄の底から最後に登場した物は、何と電気炊飯器(嵩張る)とトランス(重い)。
炊飯器というのは用途がかなり限られた道具で、通常はごはんを炊く為だけに用いられるので、伊達公子も海外ツアー中にホテルでごはんを炊くために持ち運んでいたと見受けられる。 ごはんが好きなのでしょうか、それとも、マラソン前のパスタの様な澱粉効果を目的としたものなのでしょうか。
「炊飯器、前はもっと沢山あったのだけど皆ヒトにあげてしまって」とコメントしていたので、あの業界では電気炊飯器を持って世界中をまわるプレーヤーは少なくないのかもしれない。
(updated: 00.01.29 @ 20:15) s0145-0945;esb=ffffff;h33,l23
♯ Today's BGM = WE CAN'T DANCE by Genesis
jan 30 00 sun
SPAM×SPAM
SMAP×SMAPは無害のTVショウだけれど、ちょっと字の並びが入れ替わっただけの SPAMは有害な邪魔物です。 わたしのところにはある特定のISP系メールアドレスに大量のSPAMが送り付けられてくる。
最初の頃は、メールを開けては「今後、送付不要の場合は、“remove”と明記してremoveme@xxx.com宛てに送ってください」などとあるのを都度まじめに実行していたのだ。 そうすれば、先方のアドレス・リストからわたしのメールアドレスが抹消されるのだと思い違いをしていたので、せっせと繰り返しては、マーケティング・メールが一通も来なくなる日を夢見ていたのだ。 実現しない夢とも知らずに・・・この2点を知ってから、SAPM、バルクメール、ジャンクメール、いろいろな呼称があるが、マーケティングのメールはすべて読まずにデリートすることにしたのだ。
- 不要通知は実は先方にとってのアドレス確認手段:
「不要な人は removeと書いて返信」「不要な人はココをクリック」、全ては、実は、送信元に「このメアドは有効ですよ!」とお返事していたに他ならない。
- 不要通知のオプションを設置することで法的に正しい存在となる:
指定された場所にremoveなどと書いたメールを送っても、受取人不明、メアド存在せずでリターンメールになるというケースもある。 実は、米国では、メールのボディに「不要な場合は、ここに remove meと書いて送ってね」という一文を含むことで、違法なジャンクメールでは無くなるという法律があるのだ。 だから、如何にもそれらしいが架空のメールアドレスを記入したりする。
数日前にISPから届いたお知らせメールを今日になり読んでいたら、マーケティング・メールが不要の場合は、メールの件名のところに“marketing”とタイプして、removeme@XXX.netまで送信するように、とあった。 やはり、ここのISPは名簿の情報を流していたのだ。今日、早速、言われたとおりのメールを発信したが、さて、今後のSPAM状況に少しは改善が見られるだろうか。
そうこうしているところに、またひとつSPAM受信、"5 MILLION EMAIL ADDRESSES ON CD ROM !"「5,000,000 メールアドレス入り CD ROM 69ドル」、タイミング良すぎ!
(Updated: 00.01.30 17:05 Eastern Standard Time, USA) s0145-1055;esb=ffffff;h37,l30
♯ Today's BGM = ANTHOLOGY by Four Tops
jan 31 00 mon
My Home Town
わたしの住む街に流れる川に今年も流氷がやってきた。
ここの冬はマイナス20度くらいにまでなる。そんな日が続くと流氷を見ることができる。 冬が寒い地域は普通は夏が涼しいのだが、この街は、夏は夏で摂氏37度くらいにまで平気で気温が上昇する。 世界中の大都市で一年の寒暖の差がこれだけあるところは例をみないとの事だ。 夏はどうしようもなく暑いのだけれども、でも、それは冬の引き立て役というものだとわたしは思う。
わたしの住むこの街は、たまたま世界的に有名な観光地でもある為に季節毎にたくさんの観光客がやってくる。 それも、国内だけでなく全世界からやってくるのだから大変だ。 特に、クリスマスのシーズンなどそういった人々で FIFTH AVENUEはまるで満員電車の様な状態になる。 新年のカウントダウンの為にも人が集まり、道は群集で埋め尽くされる。 でも、シーズンが過ぎれば、すさまじい喧騒は終り、活気には満ちているものの落ち着きのあるいつもの街に戻る。
わたしは会社と自宅の往復という定点生活を送っているので、実際にはどこに住もうとあまり日常生活に変化は無い。 それでも旅のあとで飛行機を降りて一番ほっとする空港はJFKだし、空港から街に向かう車の中で心が元気になる街もニューヨークだ。 生れた街(東京)も懐かしさはあるけれど、この躍動感を得ることは無い。 だから、わたしの街はニューヨーク市。
昨日、ハドソン川にやってきた流氷は今日はもう跡形も無い。 今週は暖かい日が続きそうだ。とけた雪と泥のブレンドがたっぷりの道路、泥はねに気を付けながらわたしはベストシーズンのわたしの街を散策するのだ。 わたしの街の持つエネルギーをたっぷりと吸収しながら。
(Updated: 00.01.31 20:30 Eastern Standard Time, USA) s0140-0750;esb=ffffff;h38,l26
♯ Today's BGM = SUNUP TO SUNDOWN by Kenny Burrell
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