2002.08.01 thu
暑い夏
英国気象庁が発表したところによると、今年1月から6月までの北半球の平均気温は、気象記録が残っている過去143年間で最高値とのこと。夏の含まれる後半6ヶ月のデータも新記録をマークするにちがいない。
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わたしが今迄でいちばん暑い経験をしたのは今から10年以上前に南イタリアを旅行したときだ。
Trulliという愉快な形の家をみたくて Alberobello(アルベロベッロ)に行った。その為にはまず Bari(バーリ)へ列車で向かう。その時の出来事だ。
外は40度近いので列車は冷房完備、のはずだった。車窓からの景色を楽しんだのも束の間、冷房が壊れた。車内はまさに蒸し風呂そのもの。窓を開けても外から入っているのは熱風だけ。ひたすら耐えているうちに列車は目的地に着いたのだった。
Alberobelloでは、摂氏43度くらいだった。湿度が低いので発汗直後に汗は蒸発してしまうようで汗ばむということはなかった。日なたは焦げてしまいそうな暑さなのに日影は涼しい。
Trulliの中を見せてくれるという人が居て、住居部分を見学できたが、ひんやりとした石の住まいの内部は素朴な木の家具やカラフルな織物があふれ快適な空間であった。もちろんエアコンなど無い。
蜂の巣のようなユニークな屋根も放熱効果に優れているに違いない。その土地に適して出来上がった住居形態には感心することが多い。
今日のアルベロベッロの天気
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今年のニューヨーク市の夏は暑い。東京のようなヒートアイランド現象がこちらでも起きていてマンハッタンは郊外より暑い。晴天が続くとアスファルトやビルディングがすっかり熱を保有して街ごとオーヴンみたいだ。
ACが無いと暮らせない環境になっているから何処の家でもACをランするのでその排気で街はますます暑くなる。ニワトリが先かタマゴが先かは永遠の課題かもしれないが、街が熱くなるのは明らかにAC(人間)のせいだ。室内を人工的に冷やすACで外気を人工的に熱する、なんと人工的な(破滅志向の)環境適応か。
せめて仮想環境でそよ風を、ということで「Breezin'」のCDをかける。George Bensonのギターも良いけれど、Harvey Mason のドラムスと Stanley Banks のベースが気持ち良い。
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Today's BGM = BREEZIN' by GEORGE BENSON
2002.08.02 fri
ジムのチェック
自宅アパートのあるビルディングの地下には
Bally というジムが入っている。
会社のHR(人事)からのメールでここのコーポレート・メンバーシップを募集中だと知らされた。
通常の半額くらいだし、自宅地下にあるのなら行かない手は無いなどと会社の人にそそのかされて見学に行ってみた。
ジムの様子というものは映画やテレビで見ては知っていたが、現物を目の当たりにするのは生まれて始めて。
手を伸ばせば届くような間隔でウエイト他の筋トレのマシンやカーディオヴァスキュラーのマシンが並んでいる。100台以上はある。
たくさんの人が黙々とトレーニングにせいを出している。階段を上がるとプール。これは狭い。25メートルが4レーン。でも、あまり混んではいない。
それはそうだろう、本格的に泳ぎたい人はこんなプールでは満足できないだろうから余所に行くだろうから。
シャワールームとロッカールームは清潔で広い。しかし、何の仕切りも無いところでみずしらずの人が裸になっているというのは奇妙だ(わたしは銭湯経験も無いのでこういうのは驚いてしまう)。
見学を終えての結論はというと、ちょっとわたしには向かないと思った。一番のネックは地下で窓が無いということ。
わたしは閉所恐怖症であり、エレベーターとか移動のためにやむなく閉鎖された空間に身をおくのと違い、窓のない混雑した空間で趣味でトレーニングをする気は起きない。
運動するなら外で走ったりすれば良いのに何故わざわざ地下室でトレッドミルの上を走るのか分からない。
大気汚染がもう少し進んだら運動は室内でしか出来なくなりそうだから入会はもう少し未来になるまで待つこととした。
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Today's BGM = DON'T LOOK BACK by BOSTON
2002.08.03 sat
オゾン注意報
午前中に公園で一時間ほどインラインスケートをして昼過ぎに自宅に戻ったら、テレビの天気ニュースでオゾン注意報が出ており、人々に対する注意が喚起されていた。
- 戸外での激しい運動活動は限定するように。
- 小さい子供や呼吸系に問題のある人は特に注意。
- 一日の中では午後と夕方がオゾン濃度レベルが高くなる。
- 窓を閉めてエアコンディショニングの室内に居るのが好ましい。
昨日は省エネの為にACはつけないで窓をあけて扇風機を使う事が呼びかけられていたのに、今日はAC奨励。毎日のライフスタイルも大気の環境に左右されるのだ。まるでSFの世界。
▽ ▽
オゾン(O
3)は酸素の一形態(3つの酸素原子から形成される)で無色のガス。その存在する場所により人類の役に立ったり、有害になったりする。
つまり、地上16 km 〜 48 kmの成層圏のオゾンは紫外線など人類にとって有害な太陽放射が大気圏に入ってくるのを防ぐレイヤーの役割を果たしており極めて有用。一方、地表オゾンは同じオゾンでも人類の健康にとって有害な物質となる。
地上オゾンは、窒素酸化物(NOx:nitrogen oxides)や揮発性有機化合物(VOC:volatile organic hydrocarbons)といった汚染物質と太陽光線が化学反応の結果複合して発生する。
だから、太陽光線(紫外線)が豊富な夏は地表オゾンが形成されるのにパーフェクトな環境となるのだ。
地表オゾンはスモッグの九割を占める汚染物質であると分析されているが、その人類に及ぼす害としては肺の機能低下があげられ、例えば濃度がハイレベルの時の長時間の暴露は咳、呼吸困難などを引き起こす。
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午後は室内に居たのはオゾンが理由では無かったのだけれど結果的には正解だったのかもしれない。
ozone advise New York State
ozone advisemap
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日没がだいぶ早くなった。今日のサンセットは 20:12。
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Today's BGM = WHAT'S GOING ON by MARVIN GAYE
2002.08.04 sun
サンブロック
先週
CLINIQUE CITY BLOCK SHEER SPF15 というものを買った。日焼け用のサンタン・オイルなら何回も買ったことがあるが、太陽光線から皮膚をブロックする品を買うのは生まれて初めて。
最近はオゾンホール問題もあり降り注ぐUV(紫外線)から皮膚を守った方が身のため(皮膚がん対策)らしいので試しに買ったのだ。
サン・ブロックはSPF(Sun Protection Factor)という計数により太陽光線を遮断する強さが表示されている。この数字が大きいほどブロックする率も高くなる。
これを買うのはなかなかの冒険であった。同僚が使っているものと同じものを買おうと思ったらそれは薬局ではなくて化粧品売場でしか買えないと分かった。苦手な売場だ。
インターネットで検索してプリントしておいた製品のハードコピーを見せて品物を買おうとした。
そもそも化粧品売場に行ったのは生まれて数回目なので居心地が悪い。店員が「サン・ブロックの下にこれを塗らないとナントカッカントカ」とまくし立てる。サンブロックだけでは不十分であるといったような内容なのだがそれなら初めからブレンドしておけばよいのにと思うがレイヤーにする必要があるのか、などと考えたが、何しろ化粧品売場という圏外の売場でわたしは困惑して言われるがままそれも購入。合計で60ドル近い散財。
今日はいよいよサンブロックを塗ってみた。チューブから出したクリームはトノコの様なベイジュ色。クリームというのは白か透明だという先入観があったのでちょっと引いてしまう。勇気を出して顔に塗ってみた。途端に顔が暑くなる。皮膚呼吸が出来なくなる感じ。
外は、薄晴れだがいかにも紫外線が降り注いでいそうな空で好都合。90分くらいインラインスケート。汗だくになったのは気候のせいなのかそれともサンブロックにより皮膚呼吸もブロックされたせいだったのかは定かではない。
確かなのは、サンブロックを含んだ汗が目に入ると痛いということだった。
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Today's BGM = AGE OF PLASTICS by BUGGLES
2002.08.08 thu
ジョージと空飛ぶ犬たち
ジョージ・ブッシュ米大統領が8月6日から9月2日まで四週間の休暇を過ごすためテキサス州にある自分の牧場へ専用機で向かった。
愛犬
バーニーと
スポッティーも一緒。スポッティーはジョージに抱かれてタラップを昇って大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」の機内へ。
おそらく、米国でもっともヘリコプター飛行経験の多いスコッチテリアとコッカースパニエルなのではないだろうか。機内ではどうしているのだろうか。ケージがシートベルトの代わりになるのだろうか。お猿の気が向くとケージから出して犬と遊ぶのかもしれない。
休暇への出発は、メリーランド州にある海軍病院で年1回の定期健診を終えてからとなったのだが、その健康診断の結果は「稀に見る優良な健康状態。同年代ではトップ1%に入る。」というもの。
毎日、残業を控えて働き過ぎないようにして休暇は(戦時下の国であろうと株価低迷であろうと)たっぷりと摂取する、これが健康のコツであり、ストレスがいかに健康を害するか(ストレスが無いと健康優良で居られるか)が証明された。
New York Times の記事(読者登録が必要)
オフィスを Crawford, Texas に移しただけと Working Vacation を主張するブッシュ
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今日のサンライズ ・・・ 05:58 EDT
今日のサンセット ・・・ 20:08 EDT
一日の昼間の長さ ・・・ 14h08m
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Today's BGM = NICK OF TIME by BONNIE RAITT
2002.08.09 fri
H&H Bagels
H&H Bagels といえばニューヨークで一番おいしいと有名なベーグル店。ベーグルの本場であるニューヨークで一番ということは世界一ということでもある。
その工場は実はわたしのアパートから近い。最近、毎日のように夕方インラインスケートで滑っている道から通りを一本隔てただけの位置だったりもする。
そこで今日は夕方のランの途中で H&H Bagels に寄った。わたしの好きなのはプンパーニッケル(Pumpernickel)とサワードウ(Sour Dough)なのだが何とどちらも売り切れ。
仕方なくプレーンとシナモンレーズンを買う。ここのベーグルは一個95セント、一般的なベーグルの倍近い値段。
順番を待っている間、コーヒーを買っていた客がじろじろ見ているのに気付いた。目が合ったので「Hi!」と言ってみた。ヒスパニックス風の彼は「よくそんな細いものの上に立ってじっとしていられるね」と言う。
そう、H&H Bagels は『インラインスケートはダメ』なんて張り紙していない(スターバックスにはある)のでスケートのままだったのだ。
店を出たら店の前でまたさっきのコーヒーを買っていた男と会った。
「うーん、不思議。転ばないの?」とか聞く。
「ふつうに走っているだけなら転ばないよ」とわたし。
「僕はこっちの方が良いな」と彼は車に乗り込んだ。
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ベーグルはそのもっちりした感じが特徴だが、それは焼く直前に鍋でボイルするというプロセスを経る事により作り出される。
そうすることで、ドウ(生地)のグルテンがゼラチン化して表面がシールされ、内側はフレーバーがそっくりそのまま閉じ込められる。
そして結果として表面は光沢の在る狐色でチューイーに焼きあがりその中はもっちりとした食感でしっかりと身の詰った製品が出来上がるのだ。
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店はハドソン川の直ぐちかく、
イントレピッド(戦艦をそのまま博物館にしたものでハドソン川に浮かべてある)のまん前。
世界的に有名な店だが工場直結のこの店は以外に小さいし、質素そのもの。
46丁目店の外観、
こちらはアッパー・ウエストサイド店(W 80th St./ B'way)
H&H BAGELS
639 West 46th Street
New York, New York 10036
Telephone: (212) 595-8000
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今日のサンライズ ・・・ 05:59 EDT
今日のサンセット ・・・ 20:05 EDT
一日の昼間の長さ ・・・ 14h06m
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Today's BGM = BITTERSWEET WHITE LIGHT by CHER
2002.08.10 sat
紐育市煙草事情
ニューヨーク市では、米国で一番高いタバコを買う事が出来る。
NY市の赤字削減策としてブルームバーグ市長は 7月にタバコの増税を実施、たばこ税は従来の$0.08から$1.50に引き上げられた。市内のタバコ小売価格は一箱あたり$7.50くらいになりこれは米国全体の平均価格の約2倍だという。
市長は「値上がりを機にタバコを止めるのも選択肢。年間50,000人の命を救うことになる」としていた。
タバコの害は周知の事実であり、この増税にも特に反対の声は聞かれなかった。
ニューヨーク市内でのタバコの売上はこの一ヶ月で激減したというが、これは節煙あるいは禁煙した人が増えたというより他州で買うようになっただけなのではないかという気がする。
それから約一ヶ月、今度はレストラン内での喫煙を一切禁止とするという案を発表。理由はレストラン労働者の健康を守る為(間接喫煙の防止)との事。
もともと米国では公共の建物内や一定数以上の人数が集まる場所(会社やレストラン)などにおいては喫煙が一切禁止となっているところが多い。
ニューヨーク市の場合、小規模のレストランやバーなどでは喫煙が許可されている場所もあったがこれを認めなくするというもののようだ。
わたしはスモーカーでは無いのでタバコが値上がりしようと関係ないし、飲酒習慣が無いのでバーに行かない為にバーでタバコを吸う人が居ても居なくても影響は無い。
「マイクはタバコが嫌い」とタブロイド版の見出し。そのうち路上での喫煙も禁止になるかもしれない。禁煙したい人はニューヨーク市が最適の場所になり禁煙ツアーの客がどっと押し寄せて市の財政が黒字になる、なんていう事はなさそうだけれど。
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Today's BGM = A DAY IN THE LIFE by WES MONTGOMERY
2002.08.11 sun
Ground Zero - 11 months after
あれから11ヶ月、ようやくグラウンド・ゼロに行ってきた。グラウンド・ゼロはすっかり整地が済みテレビのニュースなどで見たような足場も覆いももう無い。
あるのは大きな空間だけ。
始めて目の当たりにしたデヴァステーションの重さは、たとえ瓦礫の山がすっかり撤去され、あるのは空間だけになっていようとも、心に浸透して来て言葉を失う。
激しいショックを覚える。ウェスト・ストリート(ワールド・トレード・センターのすぐ脇の道)も普通に車が通行できるようになっていて周囲には日常が戻っている。もし何も知らなければそこはただの空き地だと思うかもしれない。
でも、あの空間は、こころの空間とシンクロする。今、再開発案がいろいろと出されており検討中だが、ある程度の空間は残しておくのが良いと思う。
グラウンド・ゼロを後にして帰路についた。ハドソン・グリーン・ウエィを走っているうちにとめどもなく涙がこぼれた。
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Today's BGM = MAHLER / SYM No. 5 by WIENER PHIL./ LEO BERNSTEIN
2002.08.12 mon
No Meteor Shower
流星群(Meteor Shower)は一年に数回経験できるチャンスがある。
8月はペルセウス流星群。
塵を撒き散らしながら130年で太陽の周りを一周するタットル彗星(Comet Swift-Tuttle)の軌道(つまりゴミのベルト)と地球が交叉するのが地球時間で毎年8月。
地球から見ると丁度ペルセウス星のあたりが放射点に見えることからその名がついた。
米国東海岸の場合、ピークは8月12日の昼間と計算されており、つまり、明るいので見えない。
12日の早朝から13日の早朝までの間もプライム・タイムなので、ここ数日は12日の夜の天気を気にかけていた。
そして、当日の天気はあいにくの曇り空。流星どころか普通の星だってひとつも見えなかった。
今年はあと次の2回。
Orionids (10/21)、
Leonids (11/17)。
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Today's BGM = HOLST / THE PLANET by LONDON PHILHARMONIC
2002.08.14 wed
ニューヨーク・スタイル動物動物虐待(?)目撃 (Animal abuse NYC style)
ニューヨーク市のティーンの動物虐待(?)目撃の話。
夏休みシーズンになるとマンハッタンの人間分布が変わる。例えばウィーク・デイの昼間という時間帯にティーンエイジャーを見かける(普段だったら学校に行っている時間)。少年達はたいてい3人から5人位でつるんでいる事が多い。
今朝みかけたのも少年三人組。ヒップホップ・ファッションを身にまとったごく普通のティーン・エイジャー。
ちょっと違うのは、フェレットだかミンクだかを抱いて撫でている点。毛だらけの細長い動物は少年の腕の中で嬉しそうに身をくねらせている。
するとその少年、突然もう一人の少年に向かって抱いていたフェレット風を投げた。上手にキャッチ、フェレット風はその少年の腕の中で身をくねらせている。そういった遊びにすっかり慣れている様子だった。でも、投げたりして危なくないのだろうか、まあ、猫なんか3階位から落としてもちゃんと着地するそうだから大丈夫なのかな、などと思いながら眺めていた。だって、少年たちはだんだん距離を広げてフェレットを投げ始めたのだから。そして、やはりそれは起こった。一人の子が取り落としたのだ。コンクリートの地面に打ち付けられたフェレット風は微動だにしない。子供たちはとみると、笑いこけているではないか。
「Oh no」
と一瞬思ったが、良く見ると、その毛もじゃの塊は動かないのも道理、縫いぐるみの動物だったのだ。少年の腕にだかれて動いていたのは、少年が自分の手や腕を巧みに動かしてあたかも抱いている動物が動いているように見せかけていたのだ。周囲の“見物人”をどきっとさせては喜んでいる。わたしもまんまといっぱい食わされた。
あー、面白かった。このように、後で、笑いがこみ上げてくるような事をするのが正しいイタズラなのだ。
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Today's BGM = STREET PLAYER by RUFUS, featuring CHAKA KHAN
2002.08.15 thu
暑い日の基準
今年は米国の記録において過去60年で最も暑い夏になりそうだとのこと。
8月も中旬だというのに毎日華氏90度を越える日が続いている。今週だけを例にとっても、日曜92度、月曜95度、火曜98度、水曜95度、木曜日92度。
日本だと30度を越える日、とカウントされるが、米国だと摂氏90度を超えた日、となる。これは摂氏にすると32.2度。「暑い日」の基準値が微妙に違うけれど、でも、30度とか90度とか、やはりキリの良い数字を指標として選ぶのは日本も米国も同じなのだ。
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Today's BGM = HOT SUMMER DAY by IT'S A BEAUTIFUL DAY
2002.08.16 fri
Elvis
先日届いた今週号のTVガイドの表紙はエルヴィス・プレスリー。
何か訳があるのかと思ったら、今日が
エルビス25周年。1977年8月16日にエルヴィス・プレスリーがドーナッツ病で死去してから四半世紀が経過したのだ。
それにしても、この歌手の外観はかなり変だ。ヘアスタイルが奇妙なのはファッション、口が曲がっているのは表情としても、目が完全に行っちゃっている。
でも人気は根強くて、今日のような記念すべき日には所縁の地にはファンが押し寄せている様子の映像がテレビのニュースで紹介されていた。年齢は若年層から年配層までと幅広いが性別は女性ばかり。
スーパーマーケットのキャッシャーの手前には大抵ゴシップ記事満載のタブロイド紙や雑誌類が売られている。
それらの記事にはセレブリティーの行動がどうしたという記事の他にいくつか共通したトピックスがある。
ひとつは「わたしは宇宙人の子供を産んだ」というものでチープな写真付き。もうひとつが「エルヴィスは生きていた」というもの。
実際にその手の雑誌を読んだことはないので記事がどうなっているのかは分からないが、25年も同じようなネタで雑誌が売れるなんて、さすが The King と呼ばれるだけある。
エルヴィス・プレスリー、わたしにとっては名前は有名だが、その歌は数えるほどしか聴いたことが無く、それは、わたしの好みの音楽ではなかった。
エルヴィスだったらコステロの方が良い。
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Today's BGM = WHEN I LOOK IN YOUR EYES by DIANA KRALL
2002.08.18 sun
Trapeze School
ハドソン川の河口近くに面白いものを見つけた。遠くから視覚に入ってきたのは白っぽいネットに囲われた一角。工事中のネットだろうと思いながら近づいたらそれは学校だった。
「
Trapeze School」と看板が出ていて生徒たちが飛び跳ねている空中ブランコのスクールである。
先生が長いフックでブランコを引き寄せ生徒がそれにつかまる。少しして、先生の掛け声とともにブランコが放たれる。
空中を大きくスゥイングするブランコ。生徒はブランコに脚をかけて姿勢を変える。ブランコに脚をかけて蝙蝠スタイルでさかさまにぶら下がりながら振り子運動。
地上10メートルくらいを何回か行ったり来たりしたらブランコ、ワイヤーともに下に下ろされて生徒はネット上に降ろされ、ワン・セッションが終わり次の生徒の番になる。
生徒は腰のあたりにしっかりワイヤーが固定されているし、更に地上から2メートルくらいのところにも安全ネットが張ってあり安全対策は万全。
夏の間だけオープンしているというこの学校、生徒は6歳以上ならだれでも資格があるとのことだが、クラスの費用は45ドルから65ドルと決して安くない。
「新しい高さでのフィットネス」「飛ぶスリル」をセールス・ポイントにしているようで、なかなか繁盛している。スカイ・ダイビングやバンジージャンプに魅力を感じる種類の人々が対象かもしれない。
高所恐怖症だしローラーコースターも大嫌いなわたしは絶対に体験したくないが眺めているだけは面白かったのだ。
空中ブランコ NY スクール
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Today's BGM = CLOSE TO THE EDGE by YES
2002.08.20 tue
Change of Season
「どぉーーんっ!」というすさまじい音で目が覚めた。時計をみると6:30頃。外は薄暗い。
いったい何事か、また飛行機が近くのビルに突入したのか、と飛び起きてブラインドの隙間から外を眺めたら、雷雨だった。
あの音ではごく近くの落雷だったのだろう。セントラルパークの木あたりかもしれない。いずれにせよテロではなくて自然現象だと分かりほっとして再び睡眠に戻った。
8時過ぎに起きたら雨は上がっていた。通勤時に雨だと足元が濡れるので止んでくれてよかった。
それにしても朝の雷雨というのはめずらしい。午後から夕方にかけて雷を伴う雨はよくあった。「夕立」に該当する英語は無いように思うが、どうなのだろう。夕方の雨は夏のイメージだ。
最近、夜は8時には暗くなる。季節は変わってきているのだ。
ここでは風の音ではなくて夕方の暗くなるスピードで目にはさやかに見えない秋の訪れを感じる。
日の出 ・・・ 06:10 AM EDT
日の入 ・・・ 19:46 PM EDT
昼間の長さ ・・・ 13h36m
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Today's BGM = Change of Season by DARYL HALL / JOHN OATES
2002.08.21 wed
Water Taxi
マンハッタンはハドソン川とイーストリバーにはさまれているという地理的条件を持つので、マンハッタン以外の場所からのアクセスとしてはバスや地下鉄、自動車などに乗り橋を渡るかトンネルをくぐるかが主な手段となるが、他にフェリーを使う人も少なくない。
スタッテン・アイランドとマンハッタン、ニュージャージー州とマンハッタンを結ぶフェリーは随分前からあるが、今度ブルックリンとマンハッタンの間を結ぶフェリーが運航を始めた。
今月から登場した「Water Taxi」は、ダウンタウン・ブルックリンからイーストリバーを渡ってローワー・マンハッタン(サウス・ストリート・シーポート、バッテリーパーク)、そしてハドソン川に入り、WFC、チェルシー・ピアーといったコースをはしる。
値段はラッシュ・アワー時が $3.00、それ以外の時間は $8.00。
黄色いボディーに黒と白のチェッカー模様のラインが横に入った姿はマンハッタンの街を走り回るイエローキャブとそっくり。
違うのはメーターが無いこと!
New York Water Taxi Ferries
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Today's BGM = Angela (Theme From 'Taxi') from TOUCHDOWN by BOB JAMES
2002.08.22 thu
消えた50リレ
買物の時にポケットの小銭で支払いをしたところキャッシャーが「これはクォーター(25銭セント硬貨)」ではありません、と返してよこした。
実は、支払う時に「見慣れない模様の25セントだな」と思ったのだ。それでも支払いに使ったのには理由がある。今、米国では裏面に50州の特色をあしらった絵柄(例えばジョージア州は桃の柄)の25セント硬貨を一年に5種類ずつ発行しているのだ。だから見慣れない絵柄は「今年の新しいやつだな」と思いながら支払ったのだった。
ところが、返されたコインを良く見たら 50Lと書いてあるではないか。
イタリアの50 Lire 硬貨(Lire は Liraの複数でLitとも書く)だったのだ。米国のクォーターより金属の色調がやや明るめで、また、重ねてみたらクォーターのほうが若干小さかった。サイズが異なるので自動販売機では使えないだろうが、厚みなどの外観はそっくりで人間対人間の支払いでは気付かない事が多そうだ。
現に、わたしは、最近のニューヨーク市のどこかで気付かないうちにコレをお釣りとして受け取ってしまっているのだ。
コインの外観は似ているが価値は全くちがう。米国の 25セントは約30円だが、50 Lit は 約 2円だ。
但し、コインの希少価値(イタリアに行った時はコインが不足とのことでお釣りにお金の代わりにボタンを貰ったりしたことがあった)からいえばもう少し値打ちがあると言えなくもない。
しかし、思わぬところでわたしのところにやって来た50リレ硬貨、何時の間にかなくなっていた。どこかで気付かぬうちに支払ってしまったのだろう。
やってきた時と同じようにいつのまにかなくなっていた50リレだった。
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Today's BGM = DAYS OF FUTURE PASSED by THE MOODY BLUES
2002.08.25 sun
Live Blues and the Dogs ♪ Music at the Piers ♪
朝からからりと晴れて絶好の屋外コンサート日和。
行き先は
チェルシー・ピアーズ。「♪
Music at the Piers ♪ 」として 6月から10月まで毎週末にフリーコンサートが開催されているのだ。
12:00から始まるので途中でお弁当を買い丁度良い時間に到着。今日のバンドは「Se~nor Lucky」。ラテンっぽい名前だけれど出し物はブルース。メンバーは Guit, Bass, Key, Drums そして出番以外は暇そうにしているマウスハープ(ハーモニカ)の5人。
ウォーターメロンマン、Rollin' & Tumblin'、と乗りの良い曲が続く。音楽に興味のなさそうな二匹の犬が前を横切っていくのだった。
Manhattan Map
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Today's BGM = FROM THE CRADLE by ERIC CLAPTON
2002.08.27 tue
Popsicle
ランチのあと、銀行にお金をおろしにいったら通りに「OXYGEN」(テレビ局)の車が停まっていて番組のキャンペーンとしてチラシと
ポプシクルを配っていた。オフィスに戻る途中、ロビーやエレベーターの中でオレンジ色や赤いポプシクルをにこにこしながら食べている人を何人かみかけた。
ポプシクルやチュッパチャップスなど棒についたスゥイーツは、アメリカでは大人も子供も大好きで、だれでもそれを持てば幸せな気分になってしまうのだが、日本では、どうなのだろうか。
さて、貰ったポプシクルはSuper TWIN といって2個はいっているスタイル。イチゴ味だったのでおいしく食べ終わった頃には舌が真っ赤になり、それから勿論、とても幸せな気分になっていたのだった。
△▽
ポプシクルは実は、米国の商標。セロファンテープの事を「スコッチテープ」というようにアイスキャンディーの事はポプシクルと呼ばれる事が多い。
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Today's BGM = POPSICLE TOES (from THE ART OF TEA) by MICHAEL FRANKS
2002.08.28 wed
裏方志向
会社から帰る途中にある
Radio City Music Hall の周囲が昨日あたりから騒がしい。
超大型のトラックが何台もパークし、太いケーブル類が地面を這い、テントの部品やら沢山のパイプやらが持ち込まれている。
明日29日の20:00に開催される第19回 MTV Video Music Awards の準備なのだ。今日は、会場であるラジオ・シティー・ミュージック・ホールの向かいにパイプで雛壇のようなものが組まれておりかなり準備は進んでいるようだった。沢山のスタッフのために、周囲にはケーターリングのトラックが駐車しておいしそうなものが準備されている。
こういったイベントの準備をしている状況を見るのが好きだ。期日に向けて作業を進めていくエネルギーが気持ち良いのだ。もしわたしが何かの形でショウに関わる事になったとしたら、出演者ではなくてショウを作る方を選びたい。
尚、明日は、このショウのために、周囲の交通は通行止めとなるので巻き込まれる前にこの地域を通るようにしないと遠回りを強いられる。華やかなショウの裏には住民の不便もあったりもするのだ。そういう意味では地域住民も裏方の範疇にはいるかもしれないが、しかし、不便だけの関与ではちっとも楽しくない。
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Today's BGM = I FEEL FOR YOU by CHAKA KHAN
2002.08.29 thu
Michael Jackson
「MTV ビデオ・ミュージック・アワード」で、マイケル・ジャクソンはミレニアム特別賞を受賞。ブリットニー・スピアーズの紹介で登場したマイケル・ジャクソンは、今日が誕生日とのことで二重のお祝いとなった。
「44歳には見えないルックス」とは司会者のコメント。
確かに44歳には見えない。年齢不詳。但し、顔のアップになると何だかあまりの人工的さに気持ち悪さを感じてしまった。
昔はハンサムで可愛いかったのに彼自身の美的感覚にはそぐわなかったのだろう。それで現在の顔は満足なのだろうか、本心を聞いてみたい気がする。
そういう訳で今夜はWebでマイケル・ジャクソンのビデオクリップを時系列的に鑑賞。初期のビデオ・クリップはただ歌っているところを撮影しただけで背景のライティングがちょっと変る程度だが、どんどん凝り出して途中からは短編映画のような作りもあり面白い。
www.michaeljackson.com
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Today's BGM = DON'T STOP 'TIL YOU GET ENOUGH by MICHAEL JACKSON
2002.08.31 sat
プルーン:夏の終り
スーパーマーケットの店先でプルーンを見つけた。プルーンは夏の終りの短い時期にだけ出回る。
わたしの最も好きな果物のひとつで、美味しそうなのをどっさりと買って帰宅。
ベルリンでは、住宅街の並木道にプルーンの木が植わっている場所があり、この時期になると沢山の実が道に落ちていた。じりじりとした暑い日々がいつのまにかやわらいでいた季節。
プルーンを目にすると夏ももうじき終りだなあ、と感じる。
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Today's BGM = HOTEL CALIFORNIA by EAGLES
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