『 スペース・カウボーイ 』

Space Cowboys (2000) USA 2hr. 10min.


引退した元空軍のパイロットのところにNASAから使者がやってきた。制御不能になりこのままだと地球へ落下してしまう事がわかったサテライトの修理への協力要請だった。 クリント・イーストウッド監督、脚本、主演によるスペース・アドベンチャー。

1958年、空軍で宇宙飛行士を目指し訓練していた「チーム・デッダラス」のメンバーは、宇宙飛行計画の管轄が空軍からNASAに変更になったことにより米国初の宇宙飛行の栄誉をチンパンジーに奪われたのみならず宇宙への夢も絶たれてしまった。

それから40年たったある日、ロシアの通信衛星が操作不能になり地球への落下の危険性が生じた。この衛星「アイコン」は米ソ冷戦時代に打ち上げられたものでシステムは古く、ドキュメンテーションも言語相違で分かる人が居ない。そこで、同じシステムを持つ米国の人工衛星「スカイラブ」を設計したフランク・コービン(クリント・イーストウッド)に白羽の矢が立ったのだった。

コービンは修理は地球上からでは不可能で現地へ行く必要がある。「デッダラス」のメンバーで宇宙へ行かせるなら修理を請け負うと応え、NASAの責任者であるかつての上官はその申し出を受け入れた。 当時のメンバー、ホーク(トミー・リー・ジョーンズ)、ジェリー(ドナルド・サザーランド)、タンク(ジェームズ・ガーナー)が集められ、訓練が始まった。若いスタッフと同様の訓練にパスした四人は40年遅れて宇宙に飛び立ったのだ。

宇宙の景色に感動していたのも束の間、目の前に現れたロシアの衛星は、通信衛星ではなく、自己防衛装置を持つ攻撃目的のものだったのだ。 こんなものが地球に落下したら地球的規模での危機となる。宇宙旅行をご褒美にちょとした修理を行うつもりだったコービンは目の前の現実に言葉を失う。 チームのとるべき行動は? 人類を救うことが出来るのか・・・

前半は、歳をくった少年たちがかつて果たせなかった夢にむかう話。 NASAの訓練の様子などがユーモラスに描かれ、チーム・メンバー4人のキャラクタも丁寧に描かれていて映画にスムースに入り込める。 しかし、宇宙に出てロシア(旧ソ連)のサテライトに遭遇したあたりからストーリーは宇宙モノに変わる。 SFというより宇宙アドベンチャー。

シワだらけの老人ばっかりが出てくるアクション映画なんて面白いのかと疑問だったが、結構楽しめた。 老人になっても人生を謳歌するのには、若い時に経験や知識を蓄積しておくことが大切、それに気力のメインテナンスは必須だな、というのが感想。


主な出演者
Clint Eastwood … Dr. Francis D. 'Frank' Corvin
Tommy Lee Jones … Col. William 'Hawk' Hawkins
Donald Sutherland … Jerry O'Neill
James Garner … Tank Sullivan

dir: Clint Eastwood
(09DEC01)

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