『 ロミオ・マスト・ダイ 』

ROMEO MUST DIE (2000) USA 1hr. 55min.



対立する犯罪組織の男女が巡り合う、ロミオとジュリエットの暴力犯罪バージョン。ジェット・リーのハリウッド主役デビュー作品。

オークランド、ウォーターフロントの利権をめぐり中国マフィアとブラック・マフィアが対立していた。 休戦中であったはずなのに中国マフィアのボスの息子が殺された。 この知らせを聞いた殺された息子の兄ハン(ジェット・リー)は服役中だった香港の刑務所を脱獄してきた。 ハンは正義感が強くもともと父親の仕事を嫌っていたが、兄を守りきれなかった父にますます憎しみを抱く。 オークランドにやってきたハンは偶然にブラック・マフィアのボスの娘トリシア(Aaliyah)と知り合う。 ふたりは意気投合し犯罪をあばく・・・

弟が殺された犯罪を調べるるうちに実の父を追い詰めていく、更に敵対する犯罪組織のボスの娘に惹かれる、といったセッティングなのにコミカル仕立てなのがいただけない。 惹かれている設定らしいが二人はただの友達という雰囲気で敵対する禁じられた恋などの雰囲気は微塵も無くひたすら軽い。 ロミオの片鱗すら感じない。

華麗なアクションとして知られるジェット・リーだが、カメラ・ワークがアクションを殺していて残念。カンフー・アクションの場合カメラは固定して体全体を写して欲しいのに、この作品ではカメラも一緒にアクションしてしまっている。 更に、ワイヤーを多用していてMATRIXもどきのシーンもあるがジェット・リーの場合、そういった小細工を施さない方が効果的なのではないだろうか。 ハンの親友ケイ役の Russel Wong が良い以外は全てが中途半端な凡作。

Lethal Weapon 4 の Bartkowiak監督と組んだジェット・リーのハリウッド2作目。

dir: Andrzej Bartkowiak
(14APR01)