『 耳に残るは君の歌声 』

Man Who Cried, The (2000) UK/ FRANCE 1hr 40min.


ロシアから逃げたユダヤ人少女がアメリカに出稼ぎに行った父親を探す。ロシアでのユダヤ人迫害とアメリカのショウビジネス界を音楽を媒体として関連付けて描いた作品。 歌の上手いヒロインにクリスティーナ・リッチ、ヒロインが恋におちるジプシーにジョニー・デップ。

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1927年のロシア。ある田舎にあるユダヤ人の小さな村が襲撃された。少女フィゲレは他の少年たちと馬車で村を脱出する。彼女は父親が出稼ぎに行っている先であるアメリカへの渡航を願っていたが少年たちと離れ離れになりたどり着いたのは英国の港だった。移民局で名前をスージーと英国風に変えられてイギリス人の家庭に引き取られた。

イーディッシュしかわからないスージーは言葉も通じない学校で級友たちに「お前はジプシーだ」といじめられ、故郷の歌を口ずさみ故郷と父を思いながら孤独な少女時代をすごした。ティーン・エージャーになったスージーは歌の才能を生かしコーラスガールの職を得てパリに引っ越す。パリでは仕事場で知り合ったロシア人女性ローラ(ケイト・ブランシェット)と親友になり、オペラ座のバックコーラスに出演したりと、それなりの有意義な日々が過ぎていった。 オペラ座で同じ舞台に出演していたジプシーの青年チェーザー(ジョニー・デップ)との間の初恋もあり、スージーは幸せな時を過ごしていた。しかし、幸せは長続きしなかった。第二次世界大戦が勃発、パリはナチスの手におちてしまう。スージーがユダヤ人であることがナチスの知ることになり彼女はパリから一刻もはやく逃げるしか生き延びる道はなかった。しかし、それはチェーザーとの別離を意味する。でも選択肢は無かった・・・

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映画は、父親に肩車されて楽しそうな幼い少女の屈託の無い笑顔から始まる。気分の良い木立のある道を娘を肩車して歩いていく父親、貧しいが平和で幸福な生活風景だ。

画面は一変して襲撃されるユダヤ人の村、馬車に乗せられ逃げる少女には父親の写真が持たされた。父親はアメリカに出稼ぎに行っていたのだった。 こうして、孤独な人生を歩み始めることになる少女の、ロシアから脱出して英国、パリでの生活を経てアメリカに到着して父親に再会するまでの十数年の間の出来事が音楽的に描かれている。

画面がものすごくきれい。音楽が良い。テノールの歌手によるアリアのシーンが豊富だし、ほかのシーンでも音楽が効果的に用いられている。

馬に乗ったジョニー・デップが格好よくステキ。でも金歯をはめているところはちょっと・・・。妙なところに凝らないでもよいのに。

主な出演者:
  Christina Ricci
  …  
Suzie (Fegele)
  Cate Blanchett
  …  
Lola
  John Turturro
  …  
Dante Dominio
  Johnny Depp
  …  
Cesar
 
dir: Sally Potter
( 01/FEB/02 )


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aka Les larmes d'un homme (2001) (France)