『 ライフ・イズ・ビューティフル 』

Vita e bella, La (1998) Italy 1hr. 54min.



1939年、第二次世界大戦の始まる直前のイタリアのトスカーナ地方、グイドー(ロベルト・ベニーニ)は書店を開く為に叔父が住む町アレッツォにやってきた。 そこで小学校教師ドーラ(ニコレッタ・ブラッシ)に出逢い一目でロマンスにおちる。 二人は結ばれ、念願の書店も開き、幸福なカップルには男の子も居た。しかし、幸福は長く続かなかった。 第二次世界大戦が始まりファシズムはのどかな田舎町にも押し寄せたのだった。 ユダヤ系イタリー人のグイドーは5歳になった息子ジョシュアと共に強制収容所に送られた。ドーラはユダヤ人では無かったが自ら望んでグイドーとジョシュアと同じ汽車に乗り込んだ。 収容所での生活は悲惨なものだった。
子供に絶望や悲しい思いを味わせたく無かったグイドーは持ち前のユーモアを駆使して「これは実はゲームで優勝すると戦車が貰える」と言い聞かせる・・・


ドイツのユダヤ人絶滅計画は、ドイツと同盟国関係にあったイタリアでも実践されていたという事を知らなかった(知らなかったというか考えもしなかった)。 ドイツは世界を相手に戦争だけでも忙しいだろうに、更に、ユダヤ人種の消滅という途方もない計画にも本気で取り組み全く正気では無かったことがひしひしと伝わってくる。 随所に笑いをちりばめコメディータッチとなっているが、実際にはナチの狂気に鋭く斬り込んだユニークな反戦映画だ。 重いテーマを扱っていながらも観た後の気持ちは軽やか。どんな環境でも明るさを失わない主人公の愛がやさしいファンタジー仕立てだからだろう。

ドーラもジョシュアもグイドーのマジックで、彼の世界に引き込まれていったが、実は、一番トリコにされたのは観客だったのだ。 ベニーニにやられた!

1998年のアカデミー賞で主演男優賞、外国語映画賞、音楽(Original Dramatic Score) の3部門を受賞した作品。

dir: Roberto Benigni


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