『 フランダースの犬 』

Dog of Flanders, A (1999) Belgium & USA 1hr. 40min.



19世紀のベルギー、ルーベンスを生んだフランダース地方を舞台に少年ネロと愛犬パトラッシュが貧乏ゆえ受ける災難。

少年ネロは生まれてすぐに母親が亡くなり祖父と二人暮し。ミルクの配達で生計をたてていた。 とても貧乏しかったが幸せだった。 ある日、ミルクを配達した帰りに森の中でぶたれてひどく怪我をした犬を見つけた。 ネロはその犬を連れて帰り懸命に介抱した。 祖父のアイディアで犬は母親のミドルネームであるパトラッシュと名づけられた。 ネロの愛情ですっかり健康になったパトラッシュは自らの意思でミルク配達用の荷車を引くようになる。

ネロは何処へいくのもパトラッシュと一緒だった。 画を描くことが好きなネロはこの町の生んだルーベンスのような偉大な画家になる夢もあった。 森で幼馴染の友人アローズをモデルに画を描いたりする幸福な日々は長続きしなかった。 放火の濡れ衣を着せられ、祖父が死に、そして、画のコンクールにも落選する。

失意のどん底のネロは大雪のクリスマスイブの夜に大聖堂にたどり着き、そこに飾られているルーベンスの絵の前で目を閉じる。 丁度その頃、放火の真犯人が見つかり、人々は行方不明のネロを探しに雪の町に繰り出すが・・・

景色がきれい。犬(フランダース地方原産のBouvier種)が可愛い。 貧乏ゆえ薄幸な少年という設定だが血色よくきれいな髪の主人公は幸福そう。 良い人間はビューティフルなルッキング、悪役はいかにも悪そうという日本の時代劇のような設定であるとするなら少年がきれいな顔なのも頷ける。 英作家ウィーダ(1839-1908)の原作にはないクリスマスの奇跡をからめたハッピーエンド仕立て。

dir: Kevin Brodie
(25MAY01)