『 未来世紀ブラジル 』

Brazil (1985) UK、2hr. 11min.



管理社会に対するサタイアを美しい色調の画面で描くSFファンタシー。

20世紀、少しだけ現在より未来の時代、全ては中央政府により管理されている。 組織は極めて官僚的で、いったん書類に記載、登録された事は絶対的な存在となりそれを正すのはほとんど不可能といった世界なのだ。

サム・ラウリー(ジョナサン・プライス)はごく普通の国家公務員、記録係としての平凡な日々を過ごしていたが、毎日、夢のなかで会っていた女性と現実に出会ったことから人生が変わる。 彼女は間違いで政府に連れ去られてしまった知人の記録を正そうと情報局に来ていたのだ。 窓口をたらい回しにされた挙げ句に手続きは全然進捗しない彼女を助けるサム。 いつしか、彼は国家的犯罪者となり彼女と共に追われる身になるのだ。

官僚的社会のシンボリズムとして登場する様々な暴力的なインシデントだが、それに慣れきった人々は目の前で何が起きても日常の出来事に過ぎず無関心なのだ。 「ブラジル」こそが真実なのだということすら認識せずに。

未来の話という設定だが特に「未来的」な道具は何も登場しない。むしろ街や服装はクラシック。1920〜40年代のアールデコ風レトロが美しい。 ストーリー、画面構成も良いが、美術が素晴らしい。 風刺と不条理が色数を押さえた美しい画面で表現されている、テリー・ギリアムの最高傑作。

dir: Terry Gilliam

Tomorrow was another day
The morning found me miles a way
with still millions things to say
now as twilight beams the sky above
recalling thrills of our love
There's one thing I'm certain of
return
I will
to old
Brazil



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