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  D I A R Y  





august 6 99  friday

かき氷

ランチは会社から歩いて10分くらいの日本レストランで、いつもの蕎麦セット。食べ終わって、デザートはここでは止そうね、などと話していたら、ウエィトレスがやってきて「今日はかき氷があります」と言う。 前に来た時に、かき氷が食べたいと話していたのを聞いていたのだろうか。 マンハッタンではリトル・コリア(韓国街)の近くに日本の喫茶店風の店があり、かき氷がメニューにあるとのウワサだが、会社の近くにはその手の店はない。
ここのメニューは氷あずき、宇治金時、氷ミルク。 全員迷う事無く夫々の好みに応じて注文。 出てきた氷あずきはユニークなものでした。何しろ、かき氷の山のてっぺんに小さな缶詰一個分くらいのあずきがどかっと乗っているのだ。 こういうのは始めて見た。たとえ上下逆転してもかき氷にはかわりないかというと、やはり、この位置関係はかなり重要なのでした。

とはいうものの、ひさしぶりのかき氷に、一応は満足。





august 7 99  saturday

異次元で飲茶

中華街で飲茶をしてきた。
中華料理は得意ではないので普段は食べない。MSGが入っていることが多いからだ。従って、中華街に行く事もめったに無い。 お連れもまた、中華街は過去に一回しか行ったことが無いというので、前日には、入念な下調べを実施。 まずは、色々な人に何処の飲茶が美味しいか聞くリサーチから開始。日本人には「ゴールデン・ユニコーン」という店の味が一番口にあうというのが一般的意見なので、インターネットで場所を確認しておいた。 準備万端。

いよいよ当日、中華街までは地下鉄で。一歩駅を出ると、そこはまるで異次元。 映画で観る香港の様。歩道に店がはみ出して住人やら観光客やらでごったがえし歩くのもままならない。更に、魚屋の強烈なにおいも漂っている。 日常生活とはあまりにかけ離れた、現実とは思えないそんな環境で、WEBページのページ・プリントやら地図やらを手に、まるでお上りさん状態で目的地に向かったのだ。

レストランは道の真中にそびえてる孔子(Confucius)の像のちかくを曲がったところにあった。 ビルの一階を入ると、不機嫌そうな女の人が赤い制服を着て待機していた。 手にした携帯で上の階のレストランのホール係と連絡を取り合い、客をさばいているらしい。 番号札を渡される。 20分くらい待つ、と言われていたが、5分くらいでテーブルに案内された。
エレベーターで3階へ。店内のインテリアに仰天。 壁は赤。正面には天井から床まで届く巨大な金色の龍のレリーフと、その周りに「福」とか色々の漢字がちりばめてある飾り物。 窓には赤っぽいピンクのカーテンが下がり、怪しい雰囲気が漂う。 でも、大きな丸テーブルが沢山並ぶフロア全体を見回すと、怪しいというより食欲の殿堂であった。

ニューヨークの中華街の飲茶は、メニューは現物。 出来立てのほかほかないろんな飲茶をステンレス・カートに乗せてテーブルの間をウエイトレスが回ってくる。 どういう訳だか、どのウエィトレスもひどく不機嫌だ。 それでも、おいしそうなのがあったら、呼び止めて受け取る仕組み。シュウマイや小型サイズの支那饅頭、貝柱のチーズグラタン風、胡麻団子などが小皿に3個ずつ乗っている。 一皿はかなり小さいから色々味わえる。 今日は、2人で行って、デザートも含めて11皿とりました。

帰りに中華街の真中にある大きな中華スーパーマーケットに寄る。噂どおり、日本のスナック類も沢山揃えてあり苺ポッキーなどを購入。 この店は凄い。何が凄いって、店内のレイアウトがまったくのごった煮状態で、ポッキーのすぐ隣には鴨の開き(という表現があるのかわからないが、確かに開いて平らになった鴨なのだ)、巨大ヘビの干したもの、その隣にはチョコレート、隣は冷凍支那饅頭とまったく脈絡が無い。 これも文化の差なのでしょう。

夕方帰宅。疲れて、昼寝をした。中華料理はやはり得意でない。





august 11 99  wednesday

スーツは滅び行くのか

最近、ニューヨークの街でとんとビジネススーツを見掛けなくなった。歩いている人のせいぜい2割程度か。会社の入っているビルのエレベーターの中やロビーでもすれ違うのはカジュアル服が圧倒的だ。
カジュアル・フライデーが一般的になって数年、その拡大の波が各企業を侵食しているのだ。 わたしの通っている会社(銀行)でも、今月から従業員規定が一部改訂され、9月30日迄は連日カジュアル・デイとなった。

これは、わたしには大変迷惑な出来事だ。何故なら、ビジネス・スーツは着慣れているので結構らくな衣装だという事もあるが、ジャケットのポケット毎に入れるものが決まっているのでジャケット無しだと手帳や名刺入れなどの収納にすらたちどころに苦慮する。 さらに困るのは、わたしは、カジュアル服を持っていないという事だ。 夏ならタンクトップにショーツ、冬ならトレーナーにジーンズというのがわたしのノンビジネス・アワー外出着となっているが、会社のドレス・コードによると、カジュアル・デイでは、ショーツとジーンズは禁止と明記されている。 ショーツとジーンズが駄目なカジュアル服となると、何も無い。仕方ないので数点の服を買った。 装う事に趣味が無く、且つ、買物嫌いなわたしにとっては店に出向き服を買うというのはかなり苦痛を伴う事なのだ。

カジュアル・デイはアパレル業界の陰謀だという説があるが、上記の様な事情もあり、わたしは多いに同意する。
現在のカジュアル・ディ・ブームの沈静化を望んでいるのだ。

しかし、最近の傾向を見ていると、会社へ行くときはビジネススーツで、という習慣は滅びつつあるのではないかという気がして来る。 今年の夏はかつて無いような猛暑だった事も有り、男性のネクタイ不要の ease によりカジュアル服の採用拡大は特に著等だったのだろう。 秋がきたらまたスーツが戻ってくるのだろうか。それともビジネス・スーツはレッドブックに載る endangered species(絶滅寸前の種)なのだろうか。




august 13 99  friday

時間をきかれる時

「すみません、今、何時ですか?」
特にめずらしい問いかけでは無い。 道を歩いていて見知らぬ人が声をかける理由としては道を聞かれるより多い頻度だろう。

腕時計をする習慣のわたしは、いつもきちんと答えている。 でも、人通りの少ないような夜道でなんとなく怪しい雰囲気の漂うひとが寄ってきた場合、何か話しかけられても、早足で歩き本能的に避けてしまうという事がある。後で「あ、今の人って時間きいてた・・・」と認識したりという事もある。 でも普通は日中、危険を感じない状況であることが多い。
ステージとしては、大抵の場合は、路上でというのがこの見知らぬ人との接触の場となるのだ。

今日は、とっても意外な場所で、この現在時間質問の経験をした。 それは、オフィスの中。事務係のオフィスを横切り経理部門方面に向かっているわたしに、ほぼ90度の角度で接近してきたおじさん。 なにやら顔に笑みを浮かべていて、それは、明らかにこれから話し掛けるという表情だ。 仕事の話かな、それとも気候の話か、もしかしたらインターネットの相談かな、とスタンバイしたわたし。 しかし、彼の発言はその何れでもなかった。

  「すみません、今何時ですか?」  一瞬フリーズ、ハングしそうになるわたし。
  「あ〜 2時40分です」  なんとか時計に目をやり、かろうじて質問に対する回答をした。

社内で歩いている途中に時間を聞かれたのは始めてだった。そして、そのおじさんは、いつもどおりほのぼのしていたのだった。




august 15 99  sunday

本物ハニーとの出逢い

天然ハニーを味わっている。
自家製ハチミツを貰ったのだ。パンも自宅で焼き、野菜も自家栽培などの健康食を心がけているという方が自宅の裏庭で採取したというホームメード・ハニーです。 たまたま家の庭で蜂の巣を見つけた等というのではなく、なんと蜂を飼っているのだそうです。 家庭菜園のあるお宅の話はよく耳にしますが、家庭養蜂というのは始めて聞きました。

ハチミツについては、実は、ヨーグルトに入れて毎日摂取していた時期がありましたが、あまり好きではないのでいつのまにか止めてしまっていたという経緯があります。 今回も、そういうものを頂けると聞いた時は自家製ということで好奇心はあったし、また、市販品より栄養価も高いだろうという発想で興味はあった。しかし独特の不味さを予期してスプーンにとり口にふくんでみたところ・・・これが天国の様な美味しさなのです。 自然なコクのある甘みは、表現できないような幸福感信号を喉と胃袋と脳に送りました。 熊のプーさんの気持ちが少しわかった様な新たな人生経験をしたのでした。




aug 18 99  wednesday

腱鞘炎だと思ったら

月曜日の夜から左手首の痛みを認知し、火曜日にはドアのノブを回すのにも不都合が生じる程となった。 文字を書く以外は左を利き手とする事が多いものだから、人生が一気に不便になった。
これは腱鞘炎に違いない。左手は利き手だけあってタイピングする時も指5本全てを動員してるし(注:右手は3本指使用計8本指タイピング・メソッド)、会社でも家でもコンピュータの前に居ない時間の方が短いのだからなるべくしてなったのだな、とうなだれた。

ところが今日の夕方あたりから突然痛みは消え夜にはいつもと全く変わらない状態になったのだ。 思いおこしてみると、月曜日には歯の定期点検&クリーニングに行ったが、その時、センシティブ・エリアにかなり麻酔の注射をした。 更に、一ヶ所、マイナーなダメージが発見されたので少しだけ治療を行った。 左下歯茎と左手の親指の付け根から手首にかけては神経が繋がっていたのだ。 今日、歯科医を再ビジット、マイナーな治療を終えて神経のツボへの刺激が無くなったのが手首痛解消につながったに違いない。

歯と手なんて随分と距離があるのに不思議な繋がりがあるものだ。これを逆に利用して、手首や指の付け根をマッサージする事により歯痛緩和にも繋がるに違いない。 昔の人々はきっとこういった経験を通して指圧や鍼などのツボ治療のノウハウを蓄積していったのに違いない。




aug 19 99  thursday

興銀+一勧+富士=メガバンク

IBJ、DKB、フジが来秋を目処に持株会社設立を発表。資産額 140兆円、Deutsche Bankを抜き世界一のメガバンクが誕生する。 DKBは、いまだ、第一銀行と勧業銀行合併時の後遺症が残っているというし、今年の3月に設立した第一勧業富士信託も実際の営業譲渡を受ける10月に向け、突貫工事中だろうし。 まあ、それなりの部門の人は当日中には離社出来ない日が更に続く事となるでしょう。 日本ビッグバンを控えて銀行の存続の為に各行とも知恵を絞っているのだが、社員の生命の存続も大切なので、関係部門の社員の皆さんは、自己管理に留意していただきたい。




august 25 99  wednesday

熱のモト

わたしは暑いのが苦手だ。だから、夏はエアコンのお世話になりっぱなしであった。
ニューヨーク市は東京と比べると夏の終りが早い。8月に入ると夏は急激にその勢いに衰退を見せ、今頃は大分秋めいた空、風を感じるようになる。 夜の気温は下がるのでエアコンをつけないことも多い。
ところが部屋によって涼しい度合いに大分差があるのだ。 居間(兼書斎)とベッドルームは立地的にはどちらも南側に窓があるが、ベッドルームの方が遥かに涼しい。 ひとつには、ベッドルームはブラインドを閉めっぱなしということもあろうが、最近になり一番の原因が分かったのだ。

それは、発熱体の存在である。ざっとみても、居間には、PC、ハロゲンランプ(50Wのデスクランプ、300Wのフロアランプ)、ステレオ、TV、VCR、など数えるのに片手では足りないほどの電気製品がある事を認識した。 一方、寝室にあるのは、ベッドの横にある 20Wのハロゲンランプ、そして小型ステレオだけだ。 居間にある電化製品は、常時通電のものが多く、それらは使用していないときでもほんのりと暖かいのだ。 これに気づいて、プリンタはコンセントを外した。
しかし、わたしのアパートで一番の発熱体はなんといっても冷蔵庫。キッチンと居間は繋がっているので、この熱気の被害は甚大だと思う。 しかし、こればかりはオフにすることすら出来ず居間の室温改善には抜本的な解決法は無いようなのだ。




august 26 99  thursday

冷気遮断

ヒトが快適に感じる温度には随分ひらきがある。 会社を例にとると、薄着のヒトはノースリーブ、一番多いのは長袖のワイシャツといった姿だ。 ところが、夏でもカーディガンを羽織っているおじさんがいます。寒がりなのですね。こういったおじさんは、冬になるとスーツのジャケットの下に毛糸のヴェストなぞを着込んだりするのです。 そこまで行かないでも、かなり厚手でざっくりした感じの材質のシャツを着て平然としているヒトも居る。

今日は、会社のレイアウト変更があり、同じフロア内で約15名の席の入れ替えがあった。 わたし自身は動かなかったのだが、わたしの近くにあるエアコンの風の吹き出し口の近くの席の人は交替し、わたしの生活環境に変化が生じた。
寒がりの人が引越してきたのだった。
今までのヒトと違いこんどのヒトは、エアーの吹き出し口を全部ふさいでしまったのだ。

わたしの意見としては、寒い人はセーターでもドテラでも着れば暖をとれるのだが、暑い人はいくら脱いでも涼しくはなれず、衣服での調整は難しいのだ。 従い、室内温度は暑い人に合わせるべきと思う。
しかし、わたしの行っているオフィスでは、エアーが出てくる場所に近い人がその調節権を得るという風習がある。
オフィス内での快適環境の追求は、快適体感温度に個人差がある限り永遠の問題なのだろう。 次回レイアウト変更の際には、ACの近くに陣地をとり冷気管理権を行使して涼しく仕事したいものだ。




august 28 99  saturday

House Warming Party(ローマ人の生活)

6月中旬に引越してから、本箱、CDラックなどを買い揃え、ようやくハウス・ウォーミング・パーティーの運びとなった。

本来は家主たるわたしが飲み物、食べ物全てを揃えるべきだが、何しろ、飲食については殆ど自給能力が無いのは知れ渡っているので、ゲストの皆さんはいろいろ美味しい食品を持って来ての集いとなりました。 15時くらいから始まった宴は21時にお開きになるまで盛り上がりっぱなし。 つまり、ノンストップで胃袋に6時間食料を供給し続け、これは昔のローマ人の風習を再現した事になるのでした。

胃袋に納まった主たるアイテム:
・ たこ焼
・ Tomates en grappe - オランダから輸入の茎で赤くなった完熟トマトとモッツアレラ・チーズ
・ スタッフド・マッシュルーム
・ 手作り厚焼き玉子
・ お握りバラティー
・ ZABARS の ロブスター・サラダ & オーガニック・ミックス・グリーン
ホームメード・プディング
・ 源吉兆庵の桃のゼリー
・ イノダ・コーヒー(アラビアン・パール)

「毎日がこんなだったら良いね〜」ゲストのひとりの感想
しかし、毎日6時間食べ続け、ヨタ話の花を咲かせていたら、体は肥満、脳は溶け出すだろう。そしてローマ人と同じ末路をたどるのだろう。 でも、夢の生活だ。

事前に「"House Warming Gift" はナシです」ときちんと言わなかったので食品以外のギフトまで戴いてしまい恐縮。




august 29 99  sunday

大雨

今年は、やたら大雨の被害についての報道が多いような気がする。 大雨は毎年降っていたがわたしが気づかなかっただけというのでもなさそうだ。

東京地方では先週に続いて再び豪雨により地下鉄がストップなどの被害が出たそうだ。 この時の降雨は一時間に110ミリを超したとのこと。

先週、ニューヨーク市の交通を丸一日麻痺状態にした雨は90分間に75ミリ。前述の東京の豪雨と比べると大した事は無い。 それなのに、何故、都市の排水機能があそこまで脆弱状態を示したのかというと、それには今年は雨が殆ど降らなかった事と多いに関係があったのだ。

通常は適度な雨が定期的に降ることにより道路の排水設備に付着したゴミやネズミの死骸(!)が流されていたが、今年は雨がなかったので、そういった排水路の汚れがすっかり溜まり雨水のはける通り道が殆ど塞がれてしまったのだとのこと。 なるほど、と納得したが、排水路の中をつい想像してしまい、なんとなく気持ち悪い。




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