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D I A R Y - A p r i l 1999

apr 1 99  thursday

エープリル・シャワー

ひさしぶりの雨。"April shower brings May flower." を地で行く天気だ。つまり、4月は雨が多かったり天気が安定しないが、5月になると花の季節になるということだ。

春という言葉には一般的にはポジティブな意味が多いが、湿度も高くなるし、花粉は増えるし、わたしにとっては好きな季節ではないのだ。 コート無しで出社できるのは良いが、寒い日と暖かい日が混じる春先は、朝着て行ったコートを忘れて帰るという事も。




apr 5 99  monday

スプリング・フォーワード

今朝の会社は、「疲れた〜」表情の人が多かったのは単にブルーマンデーなだけではない。週末に夏時間になったのだ。週末はいずれにせよ、週末時間という時間帯になるので、実質的には今日が夏時間初日となるのだ。
夏時間、Daylight Savings は、時計の針を一時間進めるので、一日が23時間になってしまい、この1時間の時間差が疲れるのだ。夕方はいつになっても明るいので食生活もくるいがち。
"Spring forward, fall back." 春に失った一時間を取り戻せる秋が待ち遠しいのだ。



apr 7 99  wednesday

ピーナッツバター

ハンバーガーやソーダなどのアメリカ食品が広く受け入れられている日本で全くといって良いほど見かけない、アメリカの国民食といえばピーナッツバター・サンドウィッチだ。 一番ポピュラーなのは、ピーナッツバター&ジェリー・サンドウィッチで、とっても簡単に作れる。

用意するのはホワイトブレッドかライ麦パンのスライス2枚、ピーナッツバター、ジェリー(日本でいう「ジャム」)。 一枚のスライスの上にピーナッツバターをべっとりと塗り付ける。次にその上にジェリーを適当にくっつける。更にその上にもう一枚のパンを乗せる。これで出来上がり。慣れないと、その視覚的要素も大いに作用して、なかなか口に運ぶ事に躊躇する。 何しろ、色合いは、どうみても「味噌」だから。そして口に入れると、今度は砥粉みたいな感じのものが舌にへばりつく。 でも、慣れると、結構おいしく感じてくる。何しろ安いし、栄養的にも結構優れているので、子供の弁当や学生の食事の定番だ。

最近、そのピーナツバターを用いた軽食をサーブする店がニューヨークに登場したという。それも、繁盛しているらしい。 こんな、安くて簡単な食べ物をわざわざ店に入り食べる客がいるというのも驚きだが、ピーナッツバター・サンドは勿論、ピーナッツバター・ベーグルなどもあるという、メニューも驚き。 これも慣れれば美味しく感じるのだろうか。



apr 8 99  thursday

桜荒らしの犯人

ニューヨークの桜はまだ二部咲きだが、ワシントン・ポトマック川の桜は見頃になりつつあるとのこと。 ところが、その川辺の桜並木に被害が発見された。桜の木2本が倒され、他の木にも幹の傷などが認められたのだ。 監視を続けた結果、犯人は、2匹のビーバーだったそうで、すぐに捕獲したとして、 枝をくわえて泳ぐビーバーが現行犯として逮捕される様子の映像がニュースでながされていた。ビーバーは枝を集めて川に巣をつくる。 マイホーム欲しさは、ビーバーだって人類だって同じなのに。

ニューヨーク地方のお花見は、桜の木の下で昼寝したり、本を読んだり、と普段の公園での木の下で行うアクティビティーと変わりはなく、飲食はない。 そもそも戸外での飲酒は法的に許されてないしね。



apr 9 99  friday

99

2000年対策にたずさわっている者なら、今日が何の日か知っていることだろう。 「4月9日は、1月1日から数えて99日目の日であり、一部コンピュータ・プログラムでは「99」を処理終了といったコードにしている場合があるので、コンピュータの誤動作の可能性のあるクリティカルな日」なのだそうだ。

冗談ではなくて、真面目に論じられている事であり、社内でも連絡事項としておごそかに電子メールで注意が送られてきたりしている。しかし、これって、明らかに只の便乗という気がする。だって、4月9日は去年も一昨年も、1月1日から99日目で、その前にも何年も何回も存在した日で、何も起きてないのだ。何故、今年だけ突然クリティカルになるのか、と実は関係者一同で首をひねっているのだ。

今日の飛行機で日本への休暇旅行へ旅発った会社の某氏が恐がっていたのがどこまで本気なのかは知るよしも無いが、まあ、彼も、今ごろは無事日本に降り立ち安堵している事だろう。



apr 10 99  saturday

フレッシュ・バター

土曜日の朝はいつもどおり始まる。ワイシャツを持って洗濯屋に置き、グロサリーの買出しをして帰る。 今日、いつもと違うのは、「フレッシュバター」というものを始めて買った事。 フレッシュの意味は保存料などを用いてないという事なのだろう。ストアブランドのそれは、0.5ポンドで $1.50、日本の単位に直すと、225グラムで180円となる。容器には入っておらず、ひとつずつ紙に包んである。ちょっと味見をしてみたら、かなりいけてる。 そこで、昼は「バターサンドウィッチ」とした。今朝焼き立ての美味しいライ麦ロールパンの真ん中を水平に切り、3 〜 4oに切ったバターを挟み、15分ぐらい置き、バターがすこし柔らかくなった時を見計らって食べました。 病みつきになりそう。



apr 15 99  thursday

列にならぶ

アメリカに生活していて感じるのは、「行列」の多さである。 日本人と比べて、気が長いのか、アメリカ人は並ぶのを苦としない人が多いらしく、ランチのサンドイッチを買うのでも、銀行でテラーの順番を待つのでも、長い列を作って待っている。 わたしなどは、赤信号を待つのも面倒な方で、取敢えず赤信号でない方向へ歩いていくぐらいだから、行列ができていたら、その店で買うのは止めてしまう。
それでも、しかたなく列に並ばなければならない時もある。そういう時には別の困った状況になったりもするのだ。 わたしは、個人必要専有面積がやや多めらしくて、あまり近くにヒトが いたりするのが苦痛なので、だから人込みも苦手。そういう訳で、列に並ぶ時にも、つい、前の人と結構間をおいてしまうのだ。 そうすると、どうなるかというと、割り込まれてしまう。 「並んでいるのです」と抗議すると、間が開いているのでちがうと思った、という様な意見をされたりする。 礼儀正しい人は、ちゃんと「Are you on the line?(並んでいますか?)」と聞いてから行動を起こすが、世の中は、礼儀正しく無い人が多く、社会生活はなかなか気疲れするのである。



apr 19 99  monday

ニューヨーカーの通勤の「足」

通勤の足といっても、地下鉄やクルマの話ではなく、人間の足、履き物についての事なのだ。 先日、東京の勤め人と話していたところ、自分は最近ニューヨーカーしているのだ、とのこと。 何かとおもったら、往復にはスニーカー・シューズを履き、会社でパンプスに履き替えるのだと。 確かに、スーツにスニーカーシューズで通勤というのは、ニューヨークというか、米国映画(『ワーキング・ガール』など)に出てくる米国の勤め人通勤風景のイメージだ。そこで、ちょっと現実のニューヨークの通勤風景の足もとを観察してみた。

では、現実はどうかというと、ニューヨークの場合、スニーカー・シューズで通勤している人は・・・居るのである。但し、わたしの通勤圏であるマンハッタン、ミッドタウン内に関していうと、全体の一割程度と見受ける。 それでは、何を履いて通勤しているのかというと、スポーティーな靴か普通のビジネス用靴である。マンハッタンの道はデコボコだったりするのであまり上等の靴のまま通勤する人はゼロだ。 わたしの場合だと、通勤用は4センチのヒールのパンプス、会社に着くとビジネス用6センチのヒールのパンプスに履き替える。
通勤の時と社内で靴を履きかえる人は大変多い。殆どの人の机の下には、靴が置いてある。営業時間内は、スポーティーな靴(つまり通勤用)、業後はエレガントな靴(つまり社内用のビジネス・シューズ)が置いてあることになる。人によっては、靴箱ごと何足も靴をおいてある場合もめずらしくない。 日本の一般的オフィスと比べて、机が大きいので机の下にはミニ・靴箱状態になるスペースが充分にあるのだ。



apr 22 99  thursday

変貌する米国月末事情

月末になると、いろいろな請求書がポストに入れられる。 わたしの場合は、電気代、電話代、ケーブルTV、インターネット接続代、モーゲージ(住宅ローン)、アパート・ビルディングのメインテナンス代(共通費)が送られてくる。
従来、これらの支払はすべてパーソナル・チェックにより決済が行われていた。 アメリカはパーソナル・チェックが大変に発達していて、普通の人はすべてチェッキング・アカウントを持つ。小切手はクリアリングが済み、キャンセル・チェック(支払先により資金化された後の使用済み小切手)が振出人のところに月次の銀行ステートメントに同封されてどっと届き、それらはレシートの役目も果たしていたのだ。
そういう訳で月末になると、小切手を切り、請求書と一緒に封筒に入れて、切手を貼り、の作業の反復を強いられるのだ。こういった支払用の封筒は、請求書に同封されてきて、どれも似たような窓付き封筒なので、間違えの発生が気になる。封をする前に、正しい請求書と正しい小切手がきちんとペアになり、正しい封筒に入っているかをチェックする。 実際に、電気代の支払先にケーブルTV会社あての小切手を同封して送った人を聞いたのも一回ではないのだ。切手を絶やさぬようにしておくのもかなり面倒だ。

ここ一年ほどで、この小切手書きに煩わされるという月末行事に変化が見られるようになった。 日本では一般的だがアメリカ人には体質的に馴染まないと長年言われつづけてきた「自動引き落とし」が急に一般化してきて、今や、前述した月次の支払の全てに銀行自動引き落としのオプションがオファーされているのだ。 その他のオプションとして、クレジットカードからの引き落とし、銀行口座からの引き落としだが、自分が電話で「暗号」を発信して始めて資金決済が起きる、というものなどもある。 どれを選んでも、切手を貼っていちいち郵送という手間が無くなるのは大いに便利。

今迄、小切手一辺倒だったアメリカ人にこういった電子的決済が一気に広まった背景には、インターネットの発達によるウェッブ・ショッピングの拡大によるところが大きいのではないかと思っている。 つまり、自分の手で目に見える小切手を切らなければ気が済まなかったという長年の頑固な習慣は、実は、他人をあてにせず自分の事は自分でやるという開拓精神に根差したものに他ならなかったのだが、その米国のスピリットがあっという間に崩れ、インターネットによりもたらされた電子世界の virtuality に一気に信頼をよせてしまったのだ。 この国は建国200年を経てようやく新たな時代に変貌しつつある様だ。



apr 24 99  saturday

はじめて会った犬に名前を呼ばれた

近所に買物に出たところ、とっても可愛い犬が通りを渡ってくる。 思わず微笑みかけたら、なんと 「◎☆さん!」 とわたしの名前を呼ぶではないか。 可愛いだけでなく賢そうな顔はしていたものの、そこは犬だから、人間の言葉をしゃべるとは全く予期していなかったのでびっくりした。

テリア系らしいその犬は中型でグレイ。赤い首輪をつけてそこに赤いひもでニンゲンを連れており、そのニンゲンが昔の会社の同僚という事でわたしの名前を知っているヒトでした。 したがって、言葉を喋ったのは犬ではなくてそのお連れの方だったのでした。犬の名前は「よよ」ちゃんと言うそうで、とってもわたしのタイプ。また会いたいな。



apr 25 99  sunday

ひしぶりのドサッ 〜 記憶の無い夜

寝る前には活字を読んでからという習慣を持っているのだが、しかし、大抵の夜は、眠さの限界まで起きているので、ベッドに入り、本を開いても一頁の半分も読まないうちに入睡している場合が多い。 ふつうは、読みかけのページに栞の代わりになる紙片などをはさんでから本をサイドテーブルの上に置き、電気を消して寝るのだが、まれに、そういった一連の手順を踏まずに記憶喪失状態を経て気づいたら朝、ということがある。
昨夜は久しぶりにそういう状態だったらしい。というのも、読もうと思っていた雑誌がどうしても見つからない。 ふと思いつき、ベッドの向こう側を見たら、ありました。いかにも落下したのですというカタチで雑誌がうつぶせに倒れていたのを発見した。 そういえば、昨晩寝入りばなに「どさっ」という音を聞いたような気がする。 雑誌で良かった。ハードカバーの本だと、床に落下したら本がいたむし、顔の上に落下した場合、顔に怪我をするしね。



apr 26 99  monday

「わたくし」世代

60歳以上の女性で関東地方に育った人々を「わたくし」世代と分類することを提唱してみたい。

日本語は、一人称単数に使う言葉が豊富な言語だと思う。バラエティーもかなり豊富だが、ジェンダーにより異なる言葉があるというのも特徴のひとつだ。 但し、ジェンダー区分は時代により随分変わる場合もあるので、取敢えず、現代社会で、ジェンダー差のないものをあげてみると、まずは、「わたし」は最も一般的なものだと思う。 性別を問わずに使われているものは他に「あたし」、「自分」など幾つか思い付く。 「おれ」、「わし」などは、主に男性用となっているが、時代によっては女性も多く使っていたようだし、今でも、地方によっては年配女性が使ったりする様だ。 「わたくし」も性別を問わないが、しかし、わたし自身を例にあげてみると、例えば、役員も同席する様な会議の場など使用する場所も頻度も大変限られてくる。 つまり、「わたくし」は、ちょっとフォーマルな使い方だと思うのだ。

「わたくし」を日常的に用いるグループというのがあり、それには、ある共通性が見出せるという話題が会社で出た。 それは、3つの条件を満たした場合である。
まず、一定の年齢的条件、具体的には、60歳以上。次に、一定の地理的条件、具体的には、関東地方で思春期を過ごしたケース。 そして、性別的には、女性。この3条件を備えた人は大抵、自分のことを「わたくし」と言うのだ。 皆、自分の親や知り合い、会社に居る該当者などを思い浮かべ、「なるほどそうだ」という賛同意見が多く集まったのであった。 そこで、関東地方で育った60歳以上の女性を「わたくし」世代と名づけたのだが、果たして例外はどのぐらい存在するのであろうか。



apr 28 99  wednesday

毎朝必要な決断

4月下旬のニューヨーク市は、すっかり春になっており、朝は、5℃〜8℃くらい、日中は15℃〜20℃くらいの気温の日々が繰り返される。 昼間は夏のように暖かいけれど、朝晩は少し涼しく、薄手のコートがあると良いといった感じだ。 今頃の季節は、道行く人の服装がほんとうにまちまちだ。 朝から半袖で殆ど夏の格好の元気溌剌な人も見掛けるし、かと思うと寒がり系統の人々はダウンコートを着ていてそれでも寒そうだ。

わたしの場合は、スーツだけで出勤のことが多いが、朝はちょっと寒く感じる日もあり、そこらへんの見極めが必要となる。 つまり、朝の気温が6℃以上なら、スーツだけ、以下ならコートを着ていくのだ。 この選択を誤ると、会社に着く頃には凍えていたりするので冷静な判断能力が要求される。 室内の温度は一年中無変化なので、外気の状態を調べるには外部データが必要となる。 毎朝、インターネット、ローカルTVで客観的な外部ソースによる外気温をチェックする。これを怠けた日に限り、例外的に暑かったり寒かったりして、不快な通勤となる。 今ごろの気候は、そういう訳で面倒なのだ。



apr 30 99  friday

東証立会場最後の日

東京証券取引所、通称、東証の株売買立会場が本日121年の歴史を閉じた。 1878年に開始された「場立ち」による株の売買が完全にコンピュータに代る。 紙ふぶきが舞う中終わった本日の平均株価は、前日比240円ほど下げ、はなばなしさの無い幕切れとなった。 楕円の会場で押し合いへし合いの光景が見られなくなるのは寂しい気もする。



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