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2001.12.01 sat

おかま問題



目が覚めたので時計を見たら 6:20 だった。昨晩寝たのが 1:00だったから 5時間20分のソリッド睡眠という事になる。時差ぼけも解消しつつあるようだ。外はまだ真っ暗だが起床することにした。コーヒーをいれているうちに明るくなってきたので西の空をみたら沈む前の満月が浮かんでいた。 一ヶ月に二回ある満月は Blue Moon と呼ばれるが、この満月は大きくて黄色い風船みたいだった。

オカマを買った。日本から持ち帰った食料品は御飯と食べるものが多かったので思い切って電気炊飯器の導入に踏み切ったのだ。2カップ用という小型なものでコーヒーメーカーのガラスポット部分くらいの大きさとコンパクトなので使わない時の棚への収納が容易である点が機種選択理由となった。40ドルという価格も良い。

ところが、このオカマ、ひとつだけ問題があったのだ。早速、米を買ってきて炊飯試運転したところ、出来上がったごはんが大変にまずいのだ。水っぽくて且つ少しシンがある。つまりふっくらとした御飯とは程遠かったのだ。これは米の問題なのか、それとも水と米の比率の問題なのか、あるいは電気釜自体の問題なのか、これからの研究課題となった。

最高気温20度。この季節の気温としては気象観測を始めて以来の高温記録を樹立したとのこと。


♯  Today's BGM = SALONGO by RAMSEY LEWIS

(s=0100-0630; esb=RED-GREEN-GREEN; h:68/ 20C, l:46F/ 7C Hum: 50% 晴れ )

 

2001.12.02 sun

W32/Badtrans-B (BadTrans.B)



巷で大流行という例のワームを仕込んだメールだが、幸いなことにわたしのところには一通も来ていない(来たと言う認識はしていない)。 ブラウザもメーラーもネットスケープをメインに用いているので感染の危険度は低いが、IEでしか作動しない設計のサイトをみるときなどたまにはIEも用いるし、OEもたまに使うので予備的措置はとっておくことにした。

そこで、まずkernel32.exeを調べ感染の有無をチェック。無事を確認したあとSP2をMSサイトよりダウンロードの後インストールした。 MSは勝手にシステムを書き換えるので Code Red の時はなにもしなかったのだが今回は気まぐれもありSP2を適用したのだった。

インストールが終りリブート、特段の不都合もみあたらないままシステム立ち上げ終了。 いつもどおりネスケを立ち上げようとしたら、案の定、ショートカットは無効になっている。 「これはデフォールトのブラウザでは無い」といったメッセージが出る。やっぱりね、と思いつつ、ネスケをデフォールトに再設定。 米国独占禁止法に関する訴訟で DOJとの和解案を発表したといっても、MSは相変わらず悔い改めていないのだった。


♯  Today's BGM = ABBEY ROAD by THE BEATLES

(s=1700-1930 + 0200-0800; esb=RED-GREEN-GREEN; h:58/ 14C, l:44F/ 6C Hum: 50% 曇り )

 

2001.12.05 wed

復帰の日々



最近、毎日、早起きなのである。 起床時間は4時、5時というレベルで勿論外は真っ暗。出勤前に自宅でのんびり出来るのは良いが、夜は19時、20時には眠くなってしまうので日によっては会社から帰ると食事をする間もなくベッドに倒れこむ毎日。睡眠時間はいつもよりたっぷりとれるのにも関わらず夕方になると猛然と眠くなってしまうのだ。 日本とニューヨークの間を移動するとたいてい一週間ほどはこのような日が続く。昼間は普通に起きていられるので会社の仕事には支障をきたすことは無いが残業が出来るようになるのは早くとも来週になるだろう(したくないけれど)。

最高気温20度超の日が続いている。12月だというのにまるで春。アパレル業界は冬物が売れないと嘆いているそうだ。


♯  Today's BGM = RUBBER SOUL by THE BEATLES

(s=1800-1900 + 2000-0330; esb=RED-GREEN-GREEN; h:70/ 21C, l:50F/ 10C Hum: 50% 晴れ )

 

2001.12.07 fri

Year End Party



会社の忘年会(Year End Party)、会社の行事なので出席する事にしている。 気のあった友人同士で集まるのは好きだが、こういった沢山の人の集まるパーティーは大の苦手である。

まして、会社は合併統合などにより人が増えていて出席者の数は三桁はあろうかという大変なことになっていた。 さらに、わたしはいまだ日本時間から米国東部標準時間にシフト中で夕方には眠くなると言う生活リズムにある。 最初のうちは、「パーティーを楽しむ人々の観察」をしていたが、それにも飽きた頃に眠さも押し寄せてきたので撤収。

今週わたしの身の回りに起こった主な出来事。 いろいろあれど相対的に平和な一週間が過ぎ、ようやく週末到来となったのである。


♯  Today's BGM = HELP! by THE BEATLES

(s=2030-0515; esb=RED-GREEN-GREEN; h:60/ 15C, l:44F/ 6C Hum: 70% 曇り )

 

2001.12.08 sat

Imagine



自宅アパート前でジョン・レノンが凶弾に倒れてから今日で21年が経つ。
Imagine all the people
living life in peace
ジョンの望んだ国境の無い平和な世界は実現していない。
War is over, if you want it.
戦争も無くならない。ほんとうに望む人ばかりではないからだ。
JWL、もし生きていたらどんな平和のメッセージを発信していただろうか。


♯  Today's BGM = IMAGINE by JOHN LENNON

(s=2200-0700; esb=RED-GREEN-GREEN; h:48F/ 8C, l:38F/ 3C Hum: 55% 曇のち雨 )

 

2001.12.12 wed

戦争の行方、オスロ合意



戦争の行方が嫌な感じだ。

アフガニスタンではタリバンが各地で消滅しつつあり、そしてアル・カイダは投降の構え。しかし、昨日の記者会見でラムズフェルド米国防長官が「国境を越えて逃亡、再結集し、反撃の機会をうかがっているかもしれない」と警戒感を表明したが、まさにその通りだろうと思う。パキスタンとアフガニスタンの長い国境にはいくらでも抜け道がありそうだ。 「手負いの獣は危険」という事もあり何が起きるか分からない緊張感が漂う。更に、仮にアル・カイダが消滅したとしても、すぐにシンパにより別の組織がつくられるだろう。

そして、パレスチナ問題。イスラエル政府がアラファト議長との断絶に踏み切ったとのニュース。 11日に起きたパレスチナ過激派によるユダヤ人入植者を狙ったバス襲撃事件を直接の原因としている。イスラエルはパレスチナ派による度重なる暴力行為はテロリズムであるとし、それを防げないパレスチナ自治区アラファト議長は指導力が無く且つテロを容認しているので話相手では無いというもの。両者が生存権を認め合った1993年の歴史的なオスロ合意はこうして崩壊したのだ。 アメリカの特使が調停交渉を試みたけれど、なにしろアメリカは報復テロを大々的に行っている国だから、そんな国の特使の説得力など無いに等しい。シャロン・イスラエル首相は、アメリカの「テロリズムを一掃する」という今回の戦争の言い訳を巧みに利用してパレスチナ攻撃を、「テロリストを標的とした攻撃」と言っている。 自衛権の行使という名の報復攻撃で暴力連鎖がデフォールトになってきている様相である。

イスラエルのパレスチナへの攻撃が激化するにつれて、第五次中東戦争が起こりそうな雰囲気だし、なにより、今回は、「アメリカ=イスラエル」があからさまになってきているので、世界中に(特にイスラム文化圏に)反米感情を撒き散らしている訳で米国在住者としては甚だ気分が落ち着かない。


♯  Today's BGM = IMAGINE by JOHN LENNON

(s=2130-0600; esb=RED-GREEN-GREEN; h:50F/ 10C, l:42F/ 5C Hum: 76% 曇り )

 

2001.12.13 thu

Pax Americana



本日、ブッシュ大統領は、ABM条約(米国とロシアとで締結されている弾道弾迎撃ミサイル制限条約)から離脱する意思であることをロシア政府に表明したと発表。 ABM条約は力の均衡による平和維持という現在の世界の秩序のベースとなってきたものだけに米国の離脱表明の意味するところは大きい。
「私は今日、ロシア政府に条約離脱を通告した。この条約は国民をテロリストや『ならず者国家』から守るさまたげになる」
ブッシュの主張は、つまるところ、自国のミサイル計画に邪魔なので条約から離脱するというもの。これで核攻撃への防衛手段を米露互いに制限することで30年間世界の均衡をなんとか保った条約は消滅することになる。

条約の規定により、正式な離脱はロシア政府への通告から六ヶ月後になる(条約は脱退通告から六ヶ月後に失効する)とのこと。米国は正式な通告は来年早々にも行うもようであり、条約離脱により米政府は、来年からミサイルの実験、基地建設を自由に行うことができる様になるので、パックス・アメリカーナの悪夢が現実になりそうだ。


♯  Today's BGM = IMAGINE by JOHN LENNON

(s=2130-0600; esb=RED-GREEN-GREEN; h:56F/ 13C, l:46F/ 4C Hum: 96% 雨 )

 

2001.12.14 fri

Bin Laden Tape



11月にアフガニスタンの民家で見つかったと言うビン・ラーディンのビデオ・テープが公開された。 米国政府がいうところの「ビン・ラーディンが今回のテロの犯人であるという明白な証拠」である。 全部で約60分のテープは、室内で聖職者と9月の世界貿易センターへの航空機突入や国防省への攻撃についてを回想しながらの会話などからなる。

不鮮明な映像は素人がアナログのカムコーダーで撮影したという様子。 Bin Laden のWTCについての発言で、航空機が突入した階より上部が吹き飛ぶと言う試算だったが予想以上の成果だった、などというくだりは出来すぎともいえる。 アラブ諸国の人々がこのテープを見た印象はというと、「アッラー」の発音や言い回しがビン・ラーディンのものと異なるなどから捏造されたものではないかという意見が少なくないとのこと。 テープの公開タイミング的にもアル・カイダの囲い込みが進んだ段階で、プロパガンダかもしれないという気がしないでもない。 わたしの第一印象は今迄のビン・ラーディン映像より随分太ってみえる、というもの。特に首のあたりの肉の豊富さは別人みたいだな、と。 ビン・ラーディンには影武者が沢山いるというウワサもあるので、どの映像が真の本人なのかは知る由もないことなのだ。勿論テープの真贋も分からない。

数日前から毎朝10分のダンベル運動を再開した。今年 2月にギックリ腰をしてから中断していたもの。 2月以降もたまにダンベルをあげていたが、その都度、腰に負担を感じたので継続はしていなかったのだ。それが最近になり腰が大分復活していることが分かったので再開したのだ。 ところが、再開できたよろこびで、やりすぎたようで背筋、脇の筋肉、首などが痛い。そういう訳で今朝の運動はお休み。過ぎたるは及ばざるが如し。


♯  Today's BGM = WORD OF MOUTH by JACO PASTORIUS

(s=2200-0630; esb=RED-GREEN-GREEN; h:58F/ 14C, l:46F/ 7C Hum: 96% 雨 )

 

2001.12.17 mon

ゲリラから逃げた朝



反政府ゲリラに捕らえられてしまい、うっすらと雪のつもる高山を必死で逃げていると目が覚めた。月曜日の朝からこんなでは疲れてしまう。 いつもは楽しい夢ばかりをみているので、こういうのはめずらしいが、実は理由は明白。 週末に観た映画 『プルーフ・オブ・ライフ』のせいだ。 この映画は南米を舞台にゲリラに誘拐された夫を救おうとする妻と誘拐身代金交渉の専門家のアクション・サスペンス。 面白かったことは面白かったのだが、もっと面白くなる要素があるのに、ということで不満が残ったたために夢にまで現れたらしい。

会社の中がやたら寒くてコートを羽織っていた。 室温20度、あらかじめ分かっていればそれなりの服装をするので特に寒いこともないが社内は普通は25度くらいあるのでコートの下は軽装だから20度は寒かった。 理由は、高山を逃げていたので体が冷えたなんて事ではなくて空調の故障。


♯  Today's BGM = WORD OF MOUTH by JACO PASTORIUS

(s=2430-0730; esb=RED-GREEN-GREEN; h:46F/ 7C, l:40F/ 4C Hum: 60% 雨 )

 

2001.12.20 thu

消すのに多忙な日々



毎日の様に消す作業に追われている気がする。 消すのは磁気的なものばかりだ。 各種フィルタを通り抜けて大量に配信されるSPAM、いろんな作業で作業の途中段階をSAVEしたファイル類の削除は日々かなりの時間を費やしてようやく秩序が保たれている。 問題はビデオテープ。 ビデオテープは物理的生活空間への侵食が激しいので所持テープの軽量化という一大プロジェクトを開始したのだ。

テレビで映画を観るときはビデオ録画をしながらということが多い。途中でインターラプションがあっても後で通して観る事が出来るし、良い映画の場合は終わってから直ちに二回目を観たくなることもあるし。 そういったテープ類が気付くとたまってしまう。また、保存版にしようと思って録画したが画質劣化で鑑賞に堪えないものも消去あるいは廃棄の処分としなければならない。 消す前にちょっと観たりするものだから時間がかかる。ジム・キャリーの「MASK」は面白くて観だしたら止まらなくなった。何回観ても愛犬マイロが可愛い事もあり消すのが勿体無くなって保存版に敗者復活となったが、それ以外は「ピースメーカー」「インディペンデンスディ」「ディアボロス(Devil's Advocate)」ほか六本くらいのテープを消去可能と認定した。 これから数日かけて最低20本、出来たら50本ほど処理するのが目標だ。


♯  Today's BGM = STRIKES TWICE by LARRY CARLTON

(s=0100-0715; esb=RED-GREEN-GREEN; h:48F/ 8C, l:34F/ 1C Hum: 80% 曇りのち晴  )

 

2001.12.21 fri

冬至と一日の長さ



今日は冬至、北半球では夜の長さが一番長くなる日で、わたしのような夜行性の人間にとっては一年で一番嬉しい日となる。 一方、明日からは昼間の長さが伸びるので、昼間のアウトドア派の人間にとっても今日はやはり何となく嬉しくなる区切りの日らしい。

冬至の仕組みについては、グリニッチ天文台の説明が簡潔明確。
The winter solstice is the time when the Sun reaches its southmost distance from the celestial equator and hence, in northern latitudes is the day when the Sun is lowest in the sky at noon. This is, naturally, the shortest day of the year in northern latitudes. ( Royal Observatory Greenwich )
ところで、一日24時間の昼と夜の配分で夜が長くなる日が冬至だが、昼と夜を合わせた一日の長さについては、実は毎日少しずつ長くなっているのだと言う。 地球が出来たころの一日の長さ(自転スピード)は今よりずっと早くて一周するのに22時間くらいだったそうだ。 自転速度は徐々遅くなり月が出来てからは月の引力に影響されて更にスローダウンに拍車がかかったと研究されている。 速度は今でも遅くなっていて、一億二千万分の一秒ずつ一日の長さが伸びており、今から二億年後の一日は25時間になるのだそうだ。 その頃は会社の勤務時間は今より短縮されていそうだからフリータイムが増えるということで好ましい傾向だ。


♯  Today's BGM = SUN GODDESS by RAMSEY LEWIS

(s=0200-0735; esb=RED-GREEN-GREEN; h:42F/ 5C, l:28F/ -2C Hum: 50% 晴  )

 

2001.12.22 sat

HOLIDAY 2001: 郵便事情



だいぶ静かになってきた炭疽菌の騒ぎだが、今年のホリデー・シーズンは従来とはすっかり様相が変わったものとなった。 いつもは郵便受けを満杯にするカタログ類が殆ど無かったのだ。

郵便物に汚染の危険があるという事が通信販売業界に与えた影響は大きい。客が購買した品の配達は UPSや FedEx のような配送会社を用いるところが多いが、カタログは郵便で配達される。 それらのカタログをゴミ箱直行とさせているのはわたしだけではないと思う。カタログを送る側もそれは周知している様だ。それが何より証拠には従来だったら11月から12月は郵便受けが壊れそうになるほどだったカタログが今年は殆ど無いのだ。 たまに届くカタログも薄手のパンフレット程度のもの。

カタログも郵便ではなく宅配会社により送られるようなケースも出てくるかもしれない。郵便から宅配会社へのシフトは進みかかる会社はますます忙しくなりそうだ。何しろ購買の形が多岐になり電子化が進もうとも、個人への配達は昔ながらのトラックによる配達しか無いのだから宅配会社は多忙になる一方だろう。


♯  Today's BGM = WITH THE BEATLES by BEATLES

(s=2430-0830; esb=RED-GREEN-GREEN;  h:42F/ 6C, l:34F/ 1C Hum: 55%; Pressure: 1026.0 hPa;  晴 ) 

 

2001.12.24 mon

HOLIDAY 2001: 今年の TREE



tree 24KB
Rockefeller Center の Tree。
クリックで Treeの下方部分の拡大画像が展開。3日だけ設置されている冬季オリンピックの聖火が右側手前にみえる。
 
米国はホリデーシーズン。NYのような観光地には観光客が押し寄せどこもかしこも大変な賑わい(喧騒)となるが、今年は違う。 9月のWTCへのテロ、続いて炭疽菌、更に11月12日のアメリカン航空機の墜落、これらのテロや事件は消費者の購買欲の冷却に大いに寄与した。観光旅行客は激減し、ホテルや旅行業界は大打撃を受けている。 NY市は例年に比べてはるかに人が少なく道が歩きやすいが、市の経済には好ましくない状況。 異常な暖冬という気象条件も消費者のホリデー気分の盛り上がりに悪影響を与えていると分析されている。

それでも街にはホリデイの飾り付けが施され観光客も少しずつ戻ってきている。 しかし例年のこの季節とはずいぶん様子が違う点も多い。 例えば、いつもなら街路樹に飾りつけられる豆電球だが、今年は、例年より地味である。何故かというと、あまりの暖冬にまだ緑の葉をつけている木々があり、豆電球のついた電線を巻きつけるのは枯葉が落ちた後の幹だけだから、葉っぱの残った木が多い通りは電飾無しになる。

或いは、ロッカフェラーセンターのクリスマス・トゥリー、いつもは一色の電飾のところが、今年は白、赤、青の三色の豆電球が用いられた。 いうまでもなく米国国旗の色であり、最近の米国を埋め尽くしている配色である。

この Tree のそばには、いつもと違う物が置かれている。 それはミニチュア聖火台。ソルトレイクシティーで来年開催される冬季オリンピックの聖火が23日から26日までの三日間とどまるのだ。 ちろちろと燃える火は、ニュースによると「市民に元気を与える」のだそうである。会社の帰りに見た限りはかなり控えめな燃え方であった。


♯  Today's BGM = HEAVY WEATHER by WEATHER REPORT

(s=2430-0730; esb=RED-GREEN-GREEN; h:50F/ 10C, l:32F/ 0C Hum: 55% 雨のち曇) 

 

2001.12.26 wed

HOLIDAY 2001: Shopping



米国はホリデーシーズン。 いつもなら一年で最大の買物シーズンとなる。 しかし今年はかつてないモノが売れない冬となり、事前に予想されていたほどは悲惨ではなかった様だが、それでも小売業界の売上は前年並か前年比10%減程度が見込まれているという。

今年の3月からリセッションの傾向があったと最近になって発表されたので、秋以降のテロが無くても観光や消費は冷え切っていたのだろうと推測できるが、しかしテロやそれに続いて起きた事件は消費低下のアクセレレーターの役目を果たした事は事実だろう。

今年のショッピング・シーズンはというと:

1.買物客:
とにかく人出が少ない。例年だったらこの時分のマンハッタンの FIFTH AVENUE をはじめとするミッドタウンはラッシュアワーの電車なみの人込みとなり歩くのもままならないほどなのだ。 それが今年は歩行に支障をまったくきたさない。また、店に出向いて買物をしたという人の話によるとデパートやその他の店内は軒並み混雑が無かったとのこと。

2.買物トレンド:
ショッピングの売れ筋はDVDプレーヤーやTVなどという自宅で使うもので、旅行に出る計画の人はあまりいない模様だ。

今年、わたしのホリデイ・ギフトはブーツ。 靴は一足買うとそれでは止まらないという病気があり、治療の一環として ショート・ブーツや、ジョン・レノンが履いていたような踵の高いアンクル・ブーツなどを考慮中。




♯  Today's BGM = BIG BAM BOOM by DARYL HALL AND JOHN OATES

(s=2400-0800; esb=RED-GREEN-GREEN; h:38/ 3C, l:28F/ -2C Hum: 50% 晴れ) 

 

2001.12.28 fri

氷の像をハサミで削っている人がいたような夜



今日は仕事納め。いつもより一日早いのは、はじめて12月31日に休暇をとったから。 12月は決算月なので来月に持ち越せない処理などを済ませて離社。4連休の始まりに開放感に浸る。

ひんやりした空気が心地よい夜道を5分くらい歩くと何か小さなモノが空中を漂いながら落ちてくる。何だろうか、もしかして雪かと思っていると一気に降り始めた。初雪である。 丁度、付近のビルディングの上の方に大きなライティングがあるという場所だったので、暗い空に舞う白い大粒の雪は現実とは思えない美しさで暫し見とれた。 氷の彫刻をハサミで削っているエドワードが居る、そういった降雪だった。

日用品を買う必要があったのでもよりのドラッグストアに寄ってクリーネックスなどの買物を済ませて外に出ると、もう何も降っていなかった。 さっきだけ別世界にワープしていたのだろうかと思うが、それにしては、雪が夜空に舞っている様子はリアルに記憶に残っている。

ロマンティックなマンハッタンでの夜になった。


♯  Today's BGM = WINTERSONG by PAUL WINTER

(s=2400-0800; esb=RED-GREEN-GREEN; h:41/ 5C, l:28F/ -2C, Hum: 50%, Pressure: 1005hPa, 晴れ) 

 

2001.12.29 sat

六番街にて



葉巻店の前に立つ木彫りの大きなインディアン像。ひとりの子供がその前から動かない。 隣の店に入るのだから早く来るようにと子供を促す母親。
「僕もそこに行かないと行けないの? 僕、ここにいるから。」
「いいから早くいらっしゃい。」
「マミー、彼が葉巻をねだっているんだ。」
「早くしなさい。」
「ねぇ...」
特段の仕掛けがしてあるような木彫り像には見えなかったが、その子供にとってはコミュニケート出来る相手のようで、自分より大きな彫像に向かって身振り手振りを交えて話し掛けている。 それはちょうどジョシュア(映画 『Big』)くらいの年恰好の少年だった。木彫り人形にもちょっと魔力が潜んでそうに見えてきた。

その時、ひときわ冷たい風がひと吹きして、妙にぞくぞくっとしたわたしは、子供の行方も、また、その木彫り像も確かめずにその場をあとにした。



Note: 
" ネイティヴ・アメリカン " ではなくて敢えて " インディアン " という表現を用いた理由は、羽飾りなどの所謂インディアン・ジュエリーをつけた彫刻のイメージを表現したもので民族のアイデンティティーを無視する意図によるものでは無い。


♯  Today's BGM = RETURN TO FOREVER by CHICK COREA

(s=0200-0910; esb=RED-GREEN-GREEN; h:40/ 4C, l:29F/ -2C Hum: 51%; Pressure=1006hPa; くもり) 

 

2001.12.30 sun

長くて短い一年



今年は、あっという間に過ぎ去り短かかった様な気もするし、10年以上にも匹敵する長いものだった様な気もする。 9月11日を境に世界がいきなり変わった。それまでの価値観は過去の物となってしまったのだ。 米国に住む者としては、今までの生活が安楽的過ぎたのかもしれない。こんなに住みやすい国は無かった。その楽園は、Globalizationを強行した米国のひとり勝ちによる富と安全を享受していたのであり、その逆側には勿論、搾取の結果としての貧困と強烈な反米感情が撒き散らされていたのだ。今、米国に住む市民及び納税者は生まれて初めて不安感を味わうことになった訳だ。

米国市民が愛国心に燃えて再建のために国をあげて立ち向かう強さには良くも悪しくも圧倒された。 一方で、米国、特に共和党の政策には賛成していない外国人のわたしが、この国に敢えて住み続ける理由を改めて考えるきっかけにもなった。

ここを生活の場所として選んだのは、わたしのライフスタイルに合った生活が手に入ったからだった。それは快適な生活環境であり、そしてそれを可能にするだけの収入源である。 快適な生活環境が消滅した現在、経済的生活基盤である職場の確保が出来ているという事が当地に留まっている唯一の理由なのではないかと思う。 不安と恐怖しかない街で自由を闘いとる、そういった事にエネルギーを使う理由が今は見当たらない。 これからの社会がどうなるのか、その中で自分はどう生きたらよいのか、生活の場所だけでは無く、自分の生き方自体について、将来へのアプローチの追求に思考が拡大している。

来年は、どんな展開になるのか、聞こえていないのかと思っていたが風は知っている様だ。でも、どの風なのかはわたしはまだ知らない。
I'm on the outside looking inside
What do I see
Much confusion, disillusion
All around me

I talk to the wind
My words are all carried away
I talk to the wind
The wind does not hear
The wind cannot hear

♯  Today's BGM = IN THE COURT OF THE CRIMSON KING by KING CRIMSON

(s=0200-0910; esb=RED-GREEN-GREEN; h:40/ 4C, l:29F/ -2C Hum: 51%; Pressure=1006hPa; くもり) 

 

2001.12.31 mon

いつもと違う特別のニューイヤーズ・イヴ



今年のニューイヤーズ・イヴの警備体制はかつて無い厳重なものとなった。カウントダウンが行われるタイムズ・スクエア周辺数キロにわたってゴミ箱は撤去され、また郵便ポストには何も入れる事ができないように鍵がかけられた。 7000人の警官が出動したと言われるが、全ての角という角には警官が立っている。 また、カウントダウンに来る人の場合、バックパックや鞄類の所持は許可されない。他に、缶、瓶なども禁止とのこと。バイオロジカル・ウェポンを警戒しているのだという。

万全の警備体制のなかマンハッタンのカウントダウンには約50万人が集まり、各自の持つ赤と青の縦長風船や星条旗などでタイムズ・スクエアは赤、青、白で埋めつくされた。 例年の如く「時の人」がカウントダウンのスイッチを押す。今年は勿論、ルディー・ジュリアーニ。

カウントダウンが終わり新年になってすぐに宣誓式が行われ、ニューヨーク市市長は任期満了したルドルフ・ジュリアーニからマイケル・ブルーンバーグへと引き継がれた。

いつもの花火は今年は無し。静かな、しかし力強いカウントダウンで、人々は、サバイバルを祝い、友愛を祝い、未来を祝った。

Happy New Year !


♯  Today's BGM = BEETHOVEN SYM Nr 9 by SZELL / CLEVELAND ORCH.

(s=0200-0840; esb=RED-GREEN-GREEN; h:30F/ -1C, l:20F/ -7C Hum: 55%; Pressure=1016hPa; 晴れ) 


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