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jun 01 01  fri

おわり、そして新しいはじまり



何かが終わる時というのは複雑な思いが交叉するものだ。 例えば昨日の夜、多くの人が翌日は金曜日だと明るい気持ちになっていただろうに、わたしは休暇が終わり再び会社の日々が始まるのかとすっかり沈んだ気分になっていた。 同じ木曜日の夜でも立場により全く違う気分になるものだ。 要は気持ちの持ちようによるものだ、とプラス思考を努力してみても、さっぱり「わーい金曜日」と嬉しくはならなかった。 それでも「勤労してこそ休みのありがたみが分かるのだ」などと無理やり理由付けをしているうちに元気が出てくるのだから少しは効果があったのだろう。

わたしは、会社自体が嫌で登校拒否ならぬ出社拒否になるという事なのでは全くない。嫌なのは早起きなのだ。世の中に早起きが苦にならないという人が沢山いるのが不思議でならない。そういう人々は、朝になるとベッドの中でさわやかにぱちっと目が覚めるのだそうだ。 一日でよいから代わってみたいと思う。 眠くない朝など生まれて只の一度も経験したことがない。 きのうのあしたが今日になり、今朝もひどく眠かった。

社会復帰一日目が金曜日というのは悪くは無い。眠いのを一日我慢すれば再び二日休める。 溜まっていた仕事を整理して早めに離社。外の空気はひんやり冷たく、しばらくして再び雨になった。


♯  Today's BGM = HOUSES OF THE HOLY by LED ZEPPELIN

(s=0135-0800; esb=FFFF00; h:70/ 21C, l:60F/ 15C 晴れ夜から雨 )

 

jun 02 01  sat

スリッパ事件



2〜3日前からスリッパが片方見当たらない。片方はベッドのそばにあるのでもう片方はベッドの下かと随分見たのだが無い。スリッパは夜のくつろぎタイムにしか履かないので日常生活には取敢えずの差し支えは無い。 それでも不思議なので気付くとあちこち覗いたりめくったりして探していた。

そしてとうとう今日見つけたのだ。

それは書斎机の足元の奥深くに押し込んであった。 これはどうみても誰かのイタズラとしか思えない。だって片方はベッドルーム、片方は書斎、それも机の下の見えにくいところに斜めに押し込んであるのだ。でもここ数日ここにやってきたのはビルディングのハンディーマンだけでそれもわたしのエスコートのもとなので彼がこういった悪戯をするチャンスがあったとは思えない。すると私が寝ている隙かあるいは外出中に忍び込んだ賊の仕業としか思えないではないか。随分ヒマで平和的なドロボーも居るものだと感心した。


♯  Today's BGM = NICK THE KNIFE by NICK LOWE

(s=0330-1030; esb=FFFF00; h:72/ 22C, l:62F/ 18C 雨のち曇 )

 

jun 03 01  sun

パソコン徹底指南



林望(はやし のぞむ)・文芸春秋

リンボウ先生こと林望氏は国文学・日本書誌学にて博士課程を修了した後、英国での体験をエッセイにした「イギリスはおいしい」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、以降エッセイ、小説、本についての随筆など多岐にわたる執筆活動を行っている。 しっかりと正しい日本語を操る氏の作品は読んでいて心地よく好きな文筆家のひとりだ。 そんな彼が「パソコン徹底指南」なるパソコンの本を出した。

期待がまったく膨らまない題名だけれど、リンボウ先生が書くパソコン本ということで読んでみた。 PCを触ったこともない人を想定読者としていると見受けられ、内容はPCは便利だよ、から始まり周辺機器やそれらの機能についての説明や取扱い注意などから構成されている。 初心者には面白い内容なのかもしれない。 彼自身はPC初心者ではなく1985年からのユーザだとの事でそれなりの経験から得たノウハウを初心者や初心者以前の人に説明してヤル気を起こさせようという主旨の本のようだ。 ひとつ問題だなあと思ったのは e-mailに関する記述。 彼によると、“ 電子メールはパスワードを入力しないと手続きがキャンセルされてしまうのでパスワードさえヒミツ保持をしておけば安全にプライバシーの保護がされ、手紙でいえば「親展」の封書とおなじ働きをする”となる。 ビギナー及び予備軍を対象にした本にこんな嘘を書いてはいけない。パスワードはただの認証手続きに過ぎずインターネットでプライバシーが漏れ放題なことには全く触れていない。 この本を読んで「そうかPCでも買うか」と思う人も居るだろう。そんな電子書簡に知識を持たない人々はこれですっかり電子メールは安全な通信手段だと刷り込まれてしまうではないかと心配になる。

本に埋もれた書斎で万年筆で一字ずつ原稿を書いているヒトといったイメージだったが、彼は今までの全ての著作はワードプロセッサによりかかれており手書きのものはひとつもないとのこと。 エッセイを書くとき、最初は思うままに書いて後で削るが、手を入れた後の文章の量を見るのに手書きのときは都度400字詰めに書いてみなければならなかったのが、PC(ワープロ)はそういった作業が自由自在で実に便利としており、字数あわせもほんとうにラクだし、と同感。


♯  Today's BGM = 90125 by YES

(s=0300-1000; esb=FFFF00; h:74F/ 23C, l:60F/ 15C  晴れ )

 

jun 04 01  mon

香港からのポストカード



帰宅してアパートの郵便ボックスを見たら香港から絵葉書が来ていた。 かの地に知り合いは居ないがと思い読むと日本に住む友人が仕事で香港滞在中に出したものだった。 もともと手紙は大好きなのだが、電子メール全盛の時代だから最近はこういった紙の絵葉書を受け取ることも少なく嬉しさもひとしお。

普通の葉書の倍もあるかという大型の葉書、文章の書かれたサイドの裏面は香港のスカイスクレーパーの夜景。写真の周囲を龍の絵で縁取りしてあるところが香港的。 The Convention & Exhibition Center という説明文の下にカタカナで「コソベヨセソター・ニューウイソ」と印刷されている。 これは明らかに日本語の出来ないヒトが誰かに書いてもらった日本語「コンベンションセンター」を見ながら似た文字をカット&ペーストしたのだと分かる。 前にローマに行った時に現地で貰ったパンフレットの日本語もひどく変てこだったのを思い出した。 日本でも外国語表示がよく間違っているが、どこの国でも外国語には往生しているのだと可笑しくなった。


♯  Today's BGM = A NIGHT AT THE OPERA by QUEEN

(s=0230-0810; esb=ffffff; h:76/ 24C, l:60F/ 15C 晴れ )

 

jun 05 01  tue

サーバー移行完了



サーバーの移転を実施。 前のところはメールサーバーに弱点はあるものの、WWWはダウンタイムが少なく安定しているところなどが気にいっていたが容量30MBで手狭になっていたのに加え、 5月下旬に度重なるサーバーダウンが続き、その後も連絡もなしにIPのキューを変更したりと不満が重なり前から考えていた移転に踏み切ったもの。

土曜日の夕方、新サーバーに全てのデータを移してパラレル・ラン開始。しばらくテストランをしてからカットオーバーのつもりだったのだが旧サーバーが再び不調となったので、たった一日のテストで見切り発車とした。 日曜日の朝にサーバー・ネーム(FQDN: Fully Qualified Domain Name)とIP Address の関連付けを新サーバーのものに変更。 DNSトランスファーのプロパゲイト、即ち、世界中のプロバイダのキャッシュがクリアされ全てのアクセスが新サーバーにポイントされるようになのには48〜72時間程度といわれている。 しかし実質的には24時間以内に大部分に普及、日曜日の夕方から月曜日の夕方までの間のアクセスは新サーバーへがが83%、旧サーバーへが17%といったところ。 次の一日で100%となり本日をもち移転は完了となった。

東京から届いたパッケージを開けたら出てきたのはてのひらサイズのモモ。手足にマグネットが仕込んであり我が家の鉄の部分をみつけては取り付いている。 フロアランプのポール、冷蔵庫の扉、今は玄関ドアの覗き窓の横に張り付いて踊りのポーズをとっている。


♯  Today's BGM = SWEET LIGHT by PAUL DAVIS

(s=0300-0800; esb=ffffff; h:78/ 25C, l:62F/ 16C 晴れ )

 

jun 06 01  wed

もうなめられないですむ



graphic version

会社ではネットワーク・プリンタがあちこちに配置されていて一台のプリンタを何人かで共有する。 最近になって某秘書嬢がわたしと同じプリンタを使うようになった。 この人が困った癖を持っている。 プリンタのところに排出されている紙から自分の出力したものを探す時に何故か必ず指を舐めてから紙をさばくのだ。 どうにも、この舐められた紙がわたしは気持ち悪くてならない。 おまけに彼女は自分の物が印刷されている最中はプリンタの前に陣取り排出された紙を一枚ずつめくってみたりして他の人がプリンタに近づくのを容赦しないといった感じなのだ。

何か言ってトラブルになっても嫌だと思い耐える日々が続いていたのだが、ある日、彼女のあまりの狼藉ぶりに「このプリンタ皆でシェアしているのだから」 と言ってしまった。さぞやFワードが機関銃の如く飛び出してくるかと思ったら彼女の答えは意外にも「OK」。 そして以降はすっかりふつうになって舐めないし他の人の順番も待つようになった。 何だ、話せば分かるのだ。

これにて舐め紙事件は一件落着となった。


♯  Today's BGM = FRANZ SCHUBERT: TROUT by PETER SERKIN ET AL.

(s=0300-0800; esb=ffffff; h:78/ 25C, l:62F/ 16C 晴れ )

 

jun 07 01  thu

梅雨が無い幸福



日本は梅雨の季節。入梅の知らせが西から東に連鎖していく。

ayame
雨の日の花菖蒲
(1998年6月東京にて)
Click for larger pic.
梅雨の季節、実家の庭に咲く菖蒲の花についた水滴はきれいだったけれどあの高湿度の連続にはまいってしまう。 雨は好きなのだが湿度の高い気候に順応性の無いわたしはぐったりしてしまうのだ。 遠い祖先は水の中に暮らしていたというのに水に対する適応性を失ってしまったのはいつ頃だったのだろうか。

ニューヨークの良いところのひとつが梅雨が無いこと。 米国のなかではニューヨークは特に乾燥した地域では無いが、それでも冬は湿度20%くらいはざらだし、春から夏の湿気っぽい日でべたつくなあという日でも60%ぐらい。 腕時計が腕にはりついてしまうなどという事はない。耐湿性の無いわたしにとっては住みやすい。

今日のニューヨークはからりとした快晴で一ヶ月ぶりくらいに暑くなった。 これで今までの異常な涼しさも終わりらしい。


♯  Today's BGM = COME IN FROM THE RAIN by CAROL BAYER SAGER

(s=0130-08050; esb=ffffff; h:78/ 25C, l:58F/ 14C 晴れ )

 

jun 09 01  sat

ツール・ボックスの中に秘められた恐怖




toolbox

赤いメタルのツールボックス、本来ツールを入れる場所なのに、ハンマー、レンチ、ドライバー類以外の物が混在している。 釘やネジのストック、使った余りのアンカー、買ったけれど使わなかったスイッチプレート、その他いろいろな物がいつのまにか累積されごちゃごちゃになってしまったので整理をしていた。 素材は別に分けて、と仕分けをしていたら封筒が出てきた。中を覗いてみたら、黒っぽくて五センチくらいの細長いものがうねうねと動いているではないか。
「きゃぁ!」
封筒を思わず放り投げた。しかし、冷静に考えてみると餌になりそうな蛋白物も何も無いツールボックスの中の封筒に虫が棲息するだろうか。もう一回封筒を手に取る。何か表に書いてあるではないか。それもわたしの筆跡だ。
" Washer (パッキング) "
大きい口径のパイプ修理用に買ったパッキングの残りだったのだろう。封筒を開けたら折れ曲がっていたゴムが開放されて動いたのだった。

分かってしまえば只の無機物なのに。 このように恐怖というのは、その物の本質に対してではなくて、人間の心の中の思い込みにより起動するのだ。


♯  Today's BGM = STACKED DECK by THE AMAZING RHYTHM ACES

(s=0230-1030; esb="#ffff00","#00ff00","#ff0000; h:80/ 26C, l:62F/ 16C 晴れ )

 

jun 10 01  sun

大型減税法成立 (Tax Cut Bill)



十年間で一兆3500億ドル($1,350 billions)という大幅減税法案がブッシュ大統領のサインを経て成立した。

段階的に所得税を引き下げていくもので、税率は現行の39.6%、36%、31%、28% の税率を今年と2004年に1%ずつ引き下げ2006年には35%、33%、28%、25%というブラケットにするというもの。 また、相続税についても段階的な税率の引き下げを行い最終的には廃止する(ゼロにするのではない)というもの。 法定控除額の引き上げも同時に行われる。かつて共和党が毎年の様に議会に提出し、クリントン大統領(当時)によりVetoされ成立しなかった法案がとうとう日の目をみたという事だ。

2002年から施行の予定を一年切り上げたのは減税による景気刺激を目論んだもの。 税率引き下げの結果、平均的納税者の場合で単身者で300ドルの小切手が今年の夏に送られてくるという。



「減税法案の話は知っていた。でも、わたしは何も貰えないと分かりガッカリしている。」
テレビのインタビューで中年の女性がしょんぼりとこたえている。 彼女は最低課税レベルを下回る所得しか無いので納税を行っていない。納税しなければ戻るわけはない。 平均的納税者としては、ちょっとした小遣いの入金は歓迎したい気分もあるが、それよりも減税などせずにその分のファンドを教育にまわして無教養ゆえに貧困から抜け出せない層を無くす方が重要なのに。


♯  Today's BGM = REVOLOVER by THE BEATLES

(s=0250-1110; esb="#ffff00","#00ff00","#ff0000; h:82/ 27C, l:66F/ 18C くもり )
 

jun 12 01  tue

運転免許証もメールオーダー



DMV(Department of Motor Vehicle)(日本の運輸省に相当)から封書が届いた。タイミングからいって自動車運転免許の書き替えの案内であろうと開封してみると案の定その通りだった。

何種類かの色とりどりの書類と返信用封筒まで入っている。なかから説明を見つけて読むと、郵便でも免許の更新の手続きがとれるという。 手順は次のとおり。
  1. 最寄の眼科や認可されている検眼士、視力測定者などに出向き視力検査を行った結果を所定の様式に記入してもらう。様式は同封されているしインターネットからダウンロードも出来る。
  2. 同封されている運転免許申請書に必要事項を書き込む。
  3. 自分のIDとなるもののコピーを取る。
  4. 上記の書類と費用の小切手を返信用封筒にて送る。費用は、失効していないの普通四輪自動車の更新の場合8年有効で$43.00。
  5. 最大で 3週間以内に新しい免許が送られてくる。免許の顔写真は前のままとなる。
運転免許の更新はDMVのオフィスが混雑していると半日仕事だったりするので郵便で手続きが済むのは便利。

視力検査は、外国でもOK。決まった様式に米国式の視力検査結果が記入されてコメントも英語であるという条件をクリアするならば外国の眼科医等も可とあるので、外国在留中に免許の期限が到来しても失効させずに済む。

このドライバーズライセンスのメイルオーダー、前回の更新日には存在しなかったのでここ5年以内に出来たのだろうが、その間にニューヨーク州の自動車運転免許を失効させた元ニューヨーク居住者はさぞや悔しいことだろう。


DMVは州政府の管轄なので、州によって免許証の外観もちがいます。州を超えても他州の運転免許による運転は合法ですが、引越しをした場合は居住地となる州の免許に替える必要が生じます。 このように各州により法律が定められているので、郵便更新のシステムについても他の州の事情はわかりません。



♯  Today's BGM = KAMAKIRIAD by DONALD FAGEN

(s=0130-0800; esb=FFFFFF; h:86F/ 30C, l:70F/ 21C はれ )

 

jun 14 01  thu

安物の証



頼みもしないカタログが郵便箱に入っているとそのまま棄てずにちょっと見る事がある。 今日も何気にぱらぱらと見ていた処、先日、日本の知り合いに送った健康用衣料品が目に付いた。 今日のカタログのものは半額近い。写真を見る限りそっくりだが唯一ちがうのは前に買ったのは無地、今日カタログで見たものには星だか小花だかの模様がついている。

そういえば時々立ち寄るラーメン屋の近くにある安い衣服の店のショウウインドウに下がっている服はどれも装飾過多なものばかりだ。

安いものはどうも装飾付というケースが多いように思う。装飾をつけるのは、それが如何にチープなイメージを増幅させるものであったとしても、それだけコストがかかる。 コスト増は安物の思想に反する。 それにも拘わらずカザリを付ける理由は何なのだろうか。安物を購入する人々には装飾を好む人が多いというマーケットリサーチの結果とは思えない。 すると、素材自体があまりに粗末で装飾で目を欺かないとボロがばれてしまうという事なのかもしれない。

カザリが負の付加価値の象徴であり安物の証という事なら今日カタログで見た半額の品も粗悪な出来と認められるので一時は価格差に愕然としたわたしも納得できるのであった。


♯  Today's BGM = NICK THE KNIFE by NICK LOWE

(s=0130-0810;esb=0000FF,FFFFFF,FF0000; h:80F/ 26C, l:70F/ 21C 霧 )

 

jun 15 01  fri

生き延びたオールスター



CONVERS

FIFTH AVENUE を歩いていたら靴屋のショウ・ウインドウの中に並ぶ ALL STAR を発見した。

CONVERSE ALL STAR、そもそもはバスケットボール・シューズらしいのだが、普通の生活シーンでもジーンズとの相性は抜群。 最初に買ったのは高校生の頃。結果は足に随分マメをつくったけれども心地よく履くレベルには達せず結局棄てた。次に買ったのは社会人になってから。足の様子が変わったかと思い買ってみたが結果は同じ。

この靴は重いしソールのフレキシビリティも無くてひどくはきずらい。 スニーカーシューズのハイテク化が進むなかでいまだに滅びずにいるということは根強いファンがいるのだろう。

コンヴァース社が今年の初めに破産法の申請を行ったというニュースを聞いたときは、ALL STAR の運命もそれまでかと思ったが、最近になって靴屋のショウ・ウィンドウで見かけ、こういったクラシックな人気のあるアイテムは生き伸びるのだと嬉しくなった。 わたしの足がいつしかこの靴にあうように進化するまでALL STAR に待っていてほしいと思うのだ。


♯  Today's BGM = SECRET STORY by PAT METHENY

(s=0015-0800; esb=FFFFFF; h:82F/ 27C, l:70F/ 21C 霧 )

 

jun 18 01  mon

価値観



「土曜日はひどかったねー」

週明け、出社した人々はその話でもちきり。ペンシルバニア州に豪雨をもたらした熱帯低気圧「アリソン」の影響でニューヨーク市では湿度が90%にまで高くなり、これはほんとうに異例な事だけに不快さもひとしおで、ぐったりしてしまったのだ。外出した人は全身べとべとになり大変な思いをしたらしい。わたしは近所に買物に出ただけであとはずっと空調の行き届いた自宅に避難していた。電力大食いのACだけに電気代が気にならないでもないが、一ヶ月100〜200ドル程度の費用で人間的生活を快適に維持する事が出来るとなれば決して高くない。

昨晩、夕食を済ませて 8時からのオン・ディマンド(PPV)で映画を観ようとテレビを点けた処、すぐに画面が真っ暗になってしまった。ビデオテープはちゃんと見えるし、ケーブルではなくて地上派受信にするとノイズだらけだが映像も音声も入るのでテレビの故障ではなくケーブルで何かの障害が発生したと分析できる。時を同じくしてインターネットの接続も急に遅くなった。どちらも同じケーブル会社の接続なのだ。単一のシステムに依存している危険性が露になったという訳だ(ひとつに集中するのは管理が便利な面もあるのだが)。もっともインターネットの方はバックアップ用に別の回線も契約しているので問題はないのだがそちらはダイアルアップなのでもともと遅い。

将来の想定状況に応じた手当て(Contingency Plan)をしておかないと落ち着かないタイプなので、いろいろな物に二重三重の手当てをしている事が多い。その分コストがかかるが精神的に安心できる。快適になる為の費用は惜しくないという価値観に適っているのだ。


♯  Today's BGM = AWB by AVERAGE WHITE BAND

(s=0140-0810; esb=FFFFFF; h:86F/ 30C, l:68F/ 20C; Hum.: 34% 晴れ )

 

jun 19 01  tue

みかけだおし



bread Pic

とても美味しそうなルックスに思わず買ったパン。食べてみればどうということもなくがっかり。

でも、実はパンとしては平均点をクリアーしたもので、がっかりするのはお門違い。 とてつもなく美味しいだろうというのはわたしの勝手な想像なのだ。

人間や事柄でも同様。先入観にとらわれてはいけないという事だろうがある程度は避けられないだろう。 その場合、(1)良いと思ったら大した事無かった、(2)大した事無いと思ったら実は良い、(3)思ったとおりだった、というケースに大別できよう。 ビジネスの場合はとにかく良く見せて消費者に買ってもらわないといけないので最初の分類の場合が多そう。 個人の場合はどうかというと、後で「なんだ」と言われるのは何となく不本意に思ってしまう。だから控え目指向を心がけているのだが成功しているのかどうかは定かでない。


♯  Today's BGM = SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND by THE BEATLES

(s=0100-0810; esb=FF0000; h:88F/ 31C, l:72F/ 22C; Hum.: 50% 晴れ )

 

jun 20 01  wed

Yahoo! BB



Yahoo! BB には興味津々なのだ。

理論値 8Mbps.(下り)と価格\2280は魅力的なので、もしわたしがサービス対象地域に住んでいたなら申し込んでいただろう。 しかし、海の向こうの話なので実際のユーザになるかどうかという選択肢は無いのでわたしは現在の下り 2Mbps.のケーブル接続に関して心を迷わす必要は無い。

だけど 8Mbps.は良いなあ。Yahoo! BB によると、この速度は韓国では既に実用化されているものだとのこと。 米国はどうだろう。ADSLはやはり最高 1.5Mbps.が一般的だと思う。 最高速度が確立できるとは思わないが、半分としても 4Mbps.、ブラウザでの画面の表示は、かなり画像の多いペエジでも 1Mbps.程度で一気に開くTV感覚だから、差はプログラムや音楽、映像のダウンロードの際に生じそうだ。 初めてブロードバンドになった時に、ブラウザのアップグレードのダウンロードがあまりにあっけないので驚いた。ダイアルアップの時は一時間以上かけてじこじこと落としていたのが数分で終わってしまうのだから。

ソフトバンクの狙いはまさに其処にあるのだろう。バナー広告主の減で収入が世界的に減少しているYahoo!のなかで唯一の例外である日本だってじきに広告収入を維持できなくなるのだろうからうかうかしていられないのだ。 Yahoo! 株の暴落ですっかり資産が減ってしまった孫正義にとり、日本の企業がYahoo! Japan のサイトから広告を引き上げ始める前に別の収入源の手をうちたいという心境に違いない。

ソフトバンクは、通信のみを目的にADSLに参入したとは思えない。 まずは低価格と高速で顧客をつかみ ADSL世界のマジョリティーとしての地位を確立する。 そして、ある程度に高速ブロードバンドが広まった段階で有料コンテンツ配信で儲けようという計画なのではなかろうかと思う。 最初は無料コンテンツでユーザを囲い込み、そこで有料映画DNなどを開始する。更にはデファクト・スタンダード・メーカーを狙うといったところではないかと思う。

そういう訳で、地理的条件によりユーザにはなりえないわたしだが、このプロジェクトの行方には大いに興味を持っているということなのだ。

明日は、ソフトバンクの株主総会。


♯  Today's BGM = THE PLEASURE PRINCIPLE by GARY NUMAN

(s=0100-0810; esb=FF0000; h:90F/ 32C, l:70F/ 21C; Hum.: 58% 晴れ後曇り )

 

jun 22 01  fri

ワニ



セントラルパークのワニが捕獲された。ニューヨークは野生のワニが生息する地域では無いのに先週末から公園内の池で泳ぐ姿が何人もの人に目撃されニュースになっていたのだ。

ワニ皮を全身にまとって水泳するその姿が最初に目撃されたのは先週末の土曜日。その後、何人もの人からワニを見たという報告がありビデオにキャプチャに成功した人が現れて決定的となった。 どうやら30センチくらいのワニなのでベイビー・ワニではないかと推測されていたが、何しろ当地にはワニのノウハウが全く蓄積されていない。 公園の管理者はワニの本場フロリダの専門家に助けを求めた。

やってきたのはクロコダイル・ダンディーよりかなりヤングな25歳の夫婦。

   「ティーナが素手でワニの首根っこを背後から掴んだんだ」

夫であるプロのワニ専門格闘家マイクがワニを抱きながら説明する。ワニは体長50〜60センチと小型で、Caimanという中南米に多く見られるクロコダイル種なのだそうだ。 おそらく密輸入してアパートで飼っていたが始末に困り公園の池に放したのだろう、と抱いたワニの背中を撫でながらマイク。ワニは目を細めて大人しい。キュートな表情と前足の指をぱっと広げた感じがとても可愛い。 こんなペットが居たら良いなあと思ってしまう気持ちは分かる。そして気持ち以上は分からない。

昨日、アフリカで観察された今世紀最初の皆既日食は天候に恵まれきれいな映像のおすそ分けをテレビで観る事が出来た。 水浴び中だったカバは、日食が始まり暗くなると一日が終わったのだと思ったらしくて慌てて水場から陸に上がる。 こういう自然そのままの生活が出来るアフリカのカバはほんとうに幸せだ。


♯  Today's BGM = WINTER CONSORT by PAUL WINTER

(s=0130-0810; esb="#FFFFFF","#CC99FF","#CC99FF"; h:76F/ 24C, l:68F/ 20C; Hum.: 70% 曇り後晴れ )

 

jun 23 01  sat

カエル?



froggy tape
文房具が好きだ。文房具のカタログを見るのもたのしいし、もちろん文房具店に入って色々観るのも飽きない。ショウ・ウィンドウがあればたいてい足を止めて見る。

52nd Streetにあるこの文房具店はいつでもウィンドウ・ディスプレイに凝っていてお気に入りのひとつ。 今回はいつになくキュート路線で、カラフルなテープ・ディスペンサーが目を引いた。なんともユーモラスな形は色といい目の辺りの感じといい蛙みたいだが、テープを背負った姿は蝸牛みたくもある。ハイブリッドかも?

映画『ビリー・エリオット』鑑賞。英国北部の炭鉱町で生まれ育ったビリーがバレー・ダンサーを目指す話。 『フル・モンティー』の舞台になったのと似たような貧乏な田舎町という環境。出てくる人にも悪人はいなくて頑固者も最後には努力するヒトに惜しまぬサポートをする様になるという気分良い映画。 映画はコメディー風味の感動作だが、たっぷりと流れる T Rexの音楽のノリが良く映画が終わると自分もダンスをしたくなってくる。


♯  Today's BGM = ELECTRIC WARRIOR(COSMIC DANCER) by T. REX

(s=0100-0900; esb="#FFFFFF","#CC99FF","#CC99FF"; h:78F/ 25C, l:68F/ 20C; Hum.: 80% 雨 )

 

jun 25 01  mon

おじいさんは山へ何をしに行ったのか?



「情けは人のためならず」ということわざの意味は、人に情けをかけておくと、巡って結局は自分の為になるという意味だが、これを人に情けをかけるとその人の為にならないので助けてやるのは良くない、という自立を促す意味と思っている人の方が多い、ということわざ理解度統計が最近の新聞などのニュース・メディアにとり上げられている。


むかしばなし、童話の類でも思い違いをしていたり何だか分からないといういい加減な理解をしているものは結構ありそうだ。 例えば『 桃太郎 』。川に洗濯に行ったお婆さんが上流から流れてきた桃を持ち帰って割ってみたら中から子供が出てきて・・・という有名なストーリーだ。 問題はおじいさんの行動。「おじいさんは山へしばかりにいきました」と伝承されている。
A  「しば刈ってどうするんだろう?」
B  「畑にまいて肥料にするんじゃないかな」
C  「それとも山に畑があるので雑草を刈ったのでは?」
D  「刈ってきて囲炉裏で燃やして燃料にしたのでは?」
E  「刈るというのだから、やはり稲刈りみたいなのでは?」
上記は全て実際に某所で収録した様々な意見。正解に近いのはD。
小枝のようなものを拾いに行っていたというイメージは良いが、根拠が曖昧だ。 そこで親に電話して確かめたら(親はさすがだ)、「しば」は「柴」だと分かった。(しかし、ことわざを誤解釈している人たちを笑えないなあ。) つまり「しばかり」は「芝刈り」ではなくて「柴刈り」と書く。柴とは、山野に自生する小さい雑木。また、薪や垣にするためにその枝を刈り取ったものを言うのだ。


全体のストーリーの記憶をリフレッシュしようとネットで検索していたら、最近は次のようにリライトされているらしい。
「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ木を切りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。」
「柴刈り」の部分は「山へ木を切りに」に置き換えられている。これなら確かに分かりやすいけれどなんだか味気ない。柴刈りという言葉が滅びる瞬間みたいだ。 鬼退治なんていうのも暴力的だからいけない、とそのうち「鬼と話し合って納得してもらいました」などに書き換えられるのかなあ。


♯  Today's BGM = TRIP IN THE COUNTRY by AREA CODE 615

(s=0100-0900; esb="#FF0000","#FFFFFF","#FFFFFF"; h:82F/ 27C, l:70F/ 21C; Hum.: 45% 晴れ )

 

jun 27 01  wed

運転免許の更新 X→PRESS



ニューヨーク州の自動車運転免許は有効期限が日本と同様に各人の誕生日となっている。 更新は免許が切れる一年前から出来るが、新しい免許は先日付では発効とはならずに書き換えた日から有効になるのであまり早く行くと損だ。7月生まれのわたしは大抵の場合、暑いさなかに書き換えに行く事になるのだ。 今日はあいにくと特に暑い。

DMV PIC
最近は郵送による手続きも出来るのだが、その場合でも視力検査の手配をしなければならないので結局DMVへ行って全ての手続きをすることにした。 行き先として選んだのはマンハッタンに三箇所あるDMVのうち、License X-Press という場所で、ここはライセンスの更新のみを扱う場所なので比較的すいているという話。ロケーションも、300 West 34th Street (8th Avenue の近く)と便利だ。

とにかく暑くて到着した時はぐったり。とりあえず椅子に座り涼む。ひとごこちついて周囲を見回してみると何だか空いている。受付もその他のどの窓口も並んでいる人はゼロか居ても一人程度。もしかすると直ぐに済むかと思い少し元気が出る。

受付で「有効な免許の更新である」と伝えると何かの書類を渡されて、右手の写真の場所へ行く様に、と言われる。 写真コーナーは一人が並んでいるだけであっという間にわたしの番が来た。まず視力検査。写真係が兼務。3メーターくらい離れたところに貼ってある紙の指定した行に書かれたアルファベトを読み上げる。問題無し。 次は写真。今の免許の写真を使うか、それとも新しく撮影するかと聞かれたので新しくする方を選ぶ。待ち時間無しで即撮影。次に番号を印刷された紙を渡される。とたんにアナウンスがあり「B-279の人は7番窓口へ」。見るとわたしの番号ではないか。ホールを横切り7番窓口に行くとそこはもう支払いの場所。 43ドル支払う。「2〜3週間で郵送されます」これにておしまい。なんとあっけない事か。ダウンタウンのDMVで更新した時は長い列に並んでの半日仕事だったが、ここでは全部のプロセスが3分とかからなかった。エキスプレスという看板どおりである。超オススメだ。


♯  Today's BGM = KAMAKIRIAD by DONALD FAGEN

(s=0100-0840; esb="#FF0000","#FFFFFF","#FFFFFF"; h:94F/ 34C, l:76F/ 24C; Hum.: 43% 晴れ )

 

jun 28 01  thu

THE HEAT GOES ON



暑い。 連日華氏90度を越えているニューヨーク市ではアスファルトがたっぷりと熱を蓄えるものだから暑さもひとしお。 ブルックリン地区では昨晩、長時間にわたり停電になった地域があったそうだ。 Con Edison(電気会社)によるとカリフォルニアの様に電力そのものが不足して停電になったのではなくて、今回の停電はあくまでもハードウェア・トラブルによったものだとのこと。現在の我々の生活は電力依存度が極めて高いので電気が止まるとほとんど全ての機能が止まる。エアコンが止まり暑くなり、テレビもインターネットも駄目になるのはもちろんだが、一番困るのは水の供給がストップすることだという。たしかに水が無いと人は生きられない。 特に都市部の生活で水が止まることは衛生的な生活に危機が訪れる事につながる。

これからも暑い日が続きそうだからイザという時のために水のストックを少し持っておいた方が良さそうだ。なんだか、少し前にも同じように水を買い溜めたことがあったと思ったら、1999年の年末、Y2Kのときだった。 あれから一年半。その間に時は21世紀になったというのに生活は何も変わっていない。

昨日は、FEDによる今年6回目の利下げ25bpが行われたが、それでもストックマーケットはさっぱりホットにならなかった。 暑いのは気象現象だけだ。


♯  Today's BGM = THE BEAT GOES ON by SONY AND CHER

(s=0100-0800; esb="#FFFFFF","#FFFFFF","#FFFFFF"; h:94F/ 34C, l:72F/ 22C; Hum.: 36% 晴れ )

 

jun 29 01  fri

ビル・ゲイツに訪れた春



マイクロソフトの反トラスト法違反訴訟で、ワシントン連邦最高裁は一審判決で地方裁がMSに下した会社のOS部門と汎用ソフト部門を分けるというニ分割命令の差し戻しを行った。 この是正命令の差し戻しにより同社の二分活は回避の可能性が高くなってきた。この決定を受けてビル・ゲイツ会長は「主張が認められた」と会心の笑みで会見。

これらの訴訟に関連して要した莫大な費用は全て我々消費者が支払う製品価格に上乗せされているのである。 これからは、DOJ(米司法省)と全米19州の司法当局との示談交渉が焦点になるが、早期解決をして欲しいものだ。さもなくば弁護士の懐が豊かになるだけなのだから。


♯  Today's BGM = TUBLER BELLS by MIKE OLDFIELD

(s=0100-0800; esb="#FFFFFF","#FFFFFF","#FFFFFF"; h:86F/ 30C, l:74F/ 23C; Hum.: 45% 晴れ )

 

jun 30 01  sat

アイス・コーヒー



コーヒーがもうじき無くなるので朝食のベーグルを買ったベーカリーの隣で豆を選ぶ。買ったところで挽いてもらう。今日はモカ・ジャヴァにしてみた。 帰宅して直ぐにドリップしてベーグルで朝食。少し多めにいれたので残りはガラスのタンブラーに移して冷蔵庫へ。 しばらくしてアイス・コーヒーが出来上がった。ほんとうのアイス・コーヒーの作り方は、うんと濃く淹れてそこにアイスキューブを沢山投入する事で急速に冷やすものらしいが私のは余ったコーヒーの利用方法。 コーヒーは淹れてから30分くらい経つと酸化が始まるので飲まない方が良いという話を聞いたことがあるが気にせず飲んでしまった。 ホットの時はあまりコクが無いと思った味だったがアイスにしたら、そのさっぱりしたところがおいしい。アイス向きの豆だったのかしら。

ようやく6月が終わろうとしている。なんと長い月だったことか。5月に休暇をとったことは遥か遠い昔の出来事の様だ。大嫌いな夏はまだ一ヶ月以上続くが、しかし秋の休暇まであと4ヶ月少々になった。

♯  Today's BGM = JAVA JIVE by MANHATTAN TRANSFER

(s=0100-0945; esb="#FFFFFF","#FFFFFF","#FFFFFF"; h:92F/ 33C, l:76F/ 24C; Hum.: 58% 晴れ )


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